35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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[怪訝そうな表情で張り子を見つめる団十郎に、何処か声を弾ませながら答える]
そうですよ。空の上を泳ぐ船です。 きっと海の上を泳ぐのと同じくらい、 気持ちが良いのでしょうね。
[掲げた張り子は――――――…きゅるきゅる、とは鳴らなかった。 先ほど衝撃を与えてしまったせいだろうか。壊れてしまったことは無いだろうが、一時的にからくりの噛み合わせが悪くなってしまったのかもしれない。 けれど、其れには気づかない。…波の音が、近過ぎて]
羽ですか。其れも素敵ですね。 羽ばたかせるなら、どんな物が良いでしょうか。 鷹のように大きな翼。それとも、蝶のように繊細な翅。
[先ほどしていたように、空に張り子の円盤を掲げた。夢想する様子は、まるで子供のよう。早く大人になりたいと言っていた、先ほどの言葉とは正反対]
(186) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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―――――――……えっ。
[色々と膨らませていた想像は、団十郎の一言で途切れる。 大きく瞬きをしながら、じっと相手を見つめ返した]
私が、学者……ですか?
[考えたことも無かった。否、憧れはあるけれど、きっと無理だと思って考えないようにしていた。 まして、この時代では]
もしも成りたいと言って努力するなら、 ……応援してくれますか?
(187) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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―村の傍の墓場― [宿に一回戻った後、村の近くにある墓地に来ていた。 桶に水を汲み、杓で水を落とす。てぬぐいで磨き上げ、ふぅ、と息をついた。]
少し遅れたけれど。ただいま、父さん、母さん。
[いや、祭りの前ということを考えれば、自分が先に帰ったのだろうか。といろいろ考えつつも、手を合わせ拝む。]
……。
[水がまだ入っている桶の中にてぬぐいを無造作に入れれば、適当なところに腰かけて。 何を考えるわけでもなく、ぼーっと空を見つめて。]
(188) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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―神社―
ばかっ、ばか、ばっかやろー!
[神社にたどりつくと さっき言い足りなかった鬱憤が外へと出る。 言葉にもならない罵詈雑言が次々と出ていく 近くには伊綱と真昼が居るだなんて事はつゆ知らず叫ぶ]
…一番馬鹿なのは、俺だよな。
[一通り叫び喚き終わると、ポツリ]
(189) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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餓鬼大将 勝丸は、メモを貼った。
2011/08/18(Thu) 00時頃
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[重たいスイカを背負ってみた やっぱり、重たい]
おとっとっと、と
[こけそうになる度に、スイカを降ろして休む はやく帰って、冷やさないと 温いスイカは、食べられない]
ふぅ…――――
[お家は、まだまだ遠いから 頑張って、歩かないといけない 進まないと、決してたどり着けないのだから]
(190) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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…………妹、に、ですか?
[告げられた言葉にどう返したものか、と。 そう、考えたら、声が出るまで間が開いた。>>182]
ふむ……確かに、それは難しいですね。
[求められているものが、『姉』という存在なのか、それを越えたものであるのか。 それによって、返る答えが変わる、という事もあるのだろうか。 そんな風に考えてしまうと、確かに難しいな、とも思うが]
……二人一緒にいたい、という気持ちが、何よりも強いなら。 どちらが姉で、どちらが妹、と決めきってしまわなくともよいのではないかな……なんて。 私は、思うのですけれどね。
……私には、兄弟はいませんから……どう、言えばいいのか、わからないのですけれど。
(191) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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そりゃあ、な。 もっと子供らしく、甘えたり泣いたりすりゃあいいのに、って思うことは、何度もあったけどよ。
[目を伏せる一平太へ、軽い調子で]
でもなあ、真面目で、兄貴思いで、やっぱり可愛い奴だよ。 親父さんとお袋さんがいねえ分、早く大人にならなきゃならねえ部分もあるんだろうが……ゆっくりでいいんだよ、ゆっくりで。 朧もきっと、そう思ってる。
[それから空飛ぶ船の話になれば、とたんに少年の声が弾む。 それでいいんだ、とばかりに頷いて。
いい歳をした船大工にも、 想像の空へ、共に翼ある船を浮かべてみるくらいの童心は、残っている。 技術者としての好奇心と、綯い交ぜのものではあるけれど]
(192) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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[明之進の言葉に微笑んで。]
うん。 どっちが妹かとか。 決めなくても、いいのかもね。
でもね。 明さま。
あたしも。 朝ちゃんが妹になってくれるまでは。 きょうだいはいなかったの。 だから、欲しければ、願いはかなうよ。きっと。
(193) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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……そう、学者だ。 学問は好きなんだろ? 向いてると思うんだがなあ。
[もしも、と問われれば、目を輝かせ、しっかりと首を縦に振る]
そりゃあ、応援するさ。 試作品だって何だって、手伝ってやるぜ。 おめえがずっとこの村にいてくれりゃあ、俺だって嬉しいしな。
……なあ。 俺あ、いつかおめえとも、一緒に酒を飲めるの、楽しみにしてるんだぜ。
[ふと目に宿るのは、寂しげな色]
(194) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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一平太もいつの間にやら。 いや、年を経つ毎に立派になっていきます。
私は、弟にとって良い兄で居られているでしょうか。
[誰に問うわけでなく、その言葉は青空に溶けていく。]
父さん、母さんがいなくなった後。 暫くは村の皆に迷惑をかけました。 でも、その後、都に行ったのは。本当に正しかったのか。 私にはわかりません。
(195) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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確かに金は稼げました。でも、拘束される時間も長く。 弟との時間を大切にできたかというと。できていなかったか、と。
[そこまで言って息をついた。]
……もう暫く。都で働くつもりです。 そして、この村に帰るつもりです。それまで、どうか。一平太を見守ってやってください。
[空を見上げたまま、言葉を空に溶かす。変わらず、その言葉に反応する者は居ない。それでもぽつりぽつりと。自身の心境や近況を紡いでいく。]
(196) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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―空き地―
足元気をつけるんだぞー。
[いつもの調子で一目散に逃げだしてしまった勝丸の背に、のんびりと声をかけて。 急に静かになってしまった空き地。中に誰もいない屋敷にひとり戻る気になれずに、ぽてぽてと空き地を出る。
村の真中の道を、特にあてもなく歩き出す]
(197) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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―― 神楽邸・玄関 ――
た、ただいまぁ…――――
[私が帰った頃には、既にお豆腐が届いていて 疲れ切った声を聞いた母さんが、玄関まで来てくれた
お魚と、きゅうりを渡して 大きなスイカも、受け取ると言ったけれど これは、私が冷やしたかったから]
いいの、私が井戸まで運ぶの
[あと、もうひと頑張りと、大きなスイカを背負って歩く ギシギシと、床がなってしまうから 随分と、自分がおデブになった気がした]
(198) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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ええ、そうですよ。 多分、大事なのは、『一緒にいる』という事でしょうから。
[微笑む夕顔に、笑みを返すが。>>193 続いた言葉に、ほんの少し、眉尻が下がった]
……その願いならば、とうに叶っていますよ。 あさもゆうも、私にとっては妹のようなものですしね。
こんな事をいうとまた、お小言をいただく事になるかも知れませんけれど。
[だから、秘密にね、と冗談めかして笑う]
それに……私はここで、たくさんのものを得ていますから。 ……これ以上を望んだら、それこそ罰が当たってしまいますよ。
(199) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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[少し距離を置いて、『ただいまぁ』という声が届く。]
あっ。 朝ちゃん。 帰ってきた。
[ぱっと、縁側に飛び出しかけて。]
あっ。明さま。 ありがとございました!!
[ぴょこんと頭を下げて。 縁側を走っていく。]
(200) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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夕顔は、朝顔に手を振った。「おかえり!!」
2011/08/18(Thu) 00時半頃
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ただいま、夕ちゃん
[縁側から、夕ちゃんの声がしたけれど スイカを背負っているから、おばあさんみたいに腰が曲がって 顔が、見えないのであった]
みてみて、大きなスイカだよ? 井戸で冷やして、一緒にたべよ?
[手を振りたかったけれど、きっと手を振ったら落としてしまう]
(201) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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[遠く、聞こえて来た声にすぐさま反応する様子に、楽しげに笑んでその背を見送り。 入れ代わるように飛んできた小鳥を手に止まらせて、小さな頭を撫でた]
……このまま、何事もなく……とは、難しいでしょうけれど。 穏やかなまま、二人がいられればいいね、紫苑。
[小さな呟きに、小鳥は首を傾げた後、ぴぃ、と鳴く。 別に、言葉を交わしているわけではないけれど、意思は通じている。 そんな気がしていた]
(202) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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[確りと首を縦に振ってくれる団十郎に、驚いたように大きく数度瞬きを零す。 やがて、嬉しそうに微笑んだ]
…はい、学問は好きです。 源蔵様との問答は楽しいですし、書物を読むのは興味深い。 頭を柔らかくするのは難しいけれど、 意外なことを思いついたり、知らないことを知る瞬間は、 本当に嬉しいですから。
[其れは、とても素敵なことだと思う]
団十郎様が応援してくれるなら、百人力ですね。 何にだってなれる気がします。
―――――――――……。
[相手の顔に浮かぶ寂しげな色を、気づかないふりをした]
(203) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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―神社― [真昼が...の声に震えた音が聞こえ 音のしたほうを振り向くと、伊綱と真昼がいた]
なんでえ、居たのかよ、おみつ。
[あえてその名を呼ぶ。 自暴自棄もいいところだ。 このままで、帰れるのかね。そんな考えがふと浮かぶ]
(204) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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……さて。また、来年にでも。
[積もる話を粗方話せば満足したのか、立ち上がる。 ふと、視界が歪み、身体が大きく崩れそうになる。 なんとか倒れることはしなかったものの、暫く屈んだまま。]
…ッ。 日に当たりすぎたか……少し甘味屋で涼んで帰るか。
[全く、先程去年より身体も強くなったと言った矢先。 なかなかに恥ずかしいところを見せた、と苦笑し。 今度はゆっくりと立ち上がれば、ゆったりと歩き始める。出来るだけ、影の部分を歩きながら甘味屋へと行く心算。]
(205) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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―海沿いの道―
[潮騒に誘われるように、いつのまにか海沿いへと出ていた。 あてもなく歩き続けるうち、ふと、向かう先遠く、しゃがみ込む人影か見えて]
日向ぁ?
[いやに長く座り込んでいる様子を見て、気分でも悪くしたのだろうかとそちらへ寄っていく]
(206) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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うわぁ。 大きい! これ、ほんとに朝ちゃんがずっと持ってきたの? すごいねえ。
えへへ。 こんなに大きかったら。 いっぱい食べられるね。
[ぱちぱちと手を叩いた。**]
(207) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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ふふ、何を仰いますか。
私はこの村におりますよ。 変わることなく、ずっと、ずっと。
[張り子の円盤を持つ手に、僅かに力が籠った。口調はあくまで穏やかに、常のように]
兄様も、もう数年したら戻って来られるそうです。 その頃には、私も御酒が飲めるようになっているでしょう。
[全て忘れてしまうなら、嘘を吐いたことにはならないだろうか。 …半分以上は、自分への言い訳だった]
(208) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/08/18(Thu) 00時半頃
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―海沿いの道―
[地面の上でのたうつ線。
自分の描きだしたこの跡は、 志乃が描いていた跡と比べると
……面白みに欠ける、
の、一点につきる 気がした。]
(209) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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―海沿いの道―
あつ い ………。
[身体が火照る。 それに目の前が少々、眩のような。
顔からは未だ、赤味がひいていないだろう。]
………っ あ、源蔵先生!
[近付いてくる源蔵に気付くと、
棒を置き、腰を上げて、 急いで、お辞儀をした。**]
(210) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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そだよ、ずっと持ってきたの 井戸に放り込んで、冷やしておこうね
[褒めて貰えて、すっごく嬉しかったから 最後の人頑張りと、私は歩いた 辿り着いたら。井戸にくくりつけて、どぼーんと落とす]
えへへ、冷えたら、食べようね 明様や、村のお友達皆にもわけてあげよう 夏と言えばやっぱり、スイカだもの
(211) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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勝君、勝君 今日は、どうするの? また長を、操作するの?
[ふと、気になったから声を飛ばしてみる]
(*20) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2011/08/18(Thu) 00時半頃
女中 おみつは、メモを貼った。
2011/08/18(Thu) 00時半頃
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ああ、そうだな、それがいい。
[学問が好きだと、この村にずっといると、そう口にする一平太へ、何度も頷く]
そりゃあ、稼業にしちまえば、必ずしも楽しいことばかりじゃねえが……。 それでもやっぱり、好きなことして食ってけるのが、一番幸せだ。 俺にできることなら、いくらでも手伝うからよ。
だから、ああ、そうだな。 いつか朧も、この村へ落ち着くんだろう。 源蔵先生と、朧と、一平太と、一緒に飲める日を、楽しみにしてる。 本当に、楽しみにしてるからな。
[いつもと変わらぬ、穏やかな少年の表情を見つめた後。 彼の手の中の、飛ぶことのない張り子へ、視線を落とす]
(212) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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[やがて、ゆっくりと頭を振って]
……ああ、すっかり長話になっちまったな。 用事の途中じゃ無かったかい?
もし休みなら……神楽の、朝顔んとこへスイカを食べに来ねえかって誘われたんだが、一緒に来ねえかい。
[そう声を掛けてから、歩き出した**]
(213) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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[遠目にも、日向の顔が赤いのが分かる。それにあまり汗をかいていないようなのも気になる]
あ、おい、
[急に立ちあがって頭を下げようとした日向に、慌てて駆け寄る。勝手に肩を支え、額に手を当てて]
ん、いかん。日向、そこの日陰に入るぞ。
[有無を言わさぬ調子で、日向の肩を支えたまま、松の大木の影へと連れていく]
ほら、ゆっくり座って。……水筒を持ってきとけばよかったな。
(214) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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