35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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─ 神楽邸・私室 ─
[さて、返事をどうしようか、と。 そんな事を考えながら文机に向かおうとして。 気づかぬ相手からの呼びかけは余りにも唐突で。>>145]
……え?
[知らず、上がったのは、惚けきった声。 振り返った先にいたのは]
……ゆう? どうしたんですか、いきなり……。
[唐突な内容が頭に浸透するまで、少し時間がかかるが。 朝顔が、夕顔に事情を話していた事には、理解が追いついた]
……なるほど。 ゆうがいるのに、あんな話ができたのは、それでですか。
[小さく息を吐いて、連ねられる言葉を聞く]
(156) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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え、あ、おおい!?
[急に声を掛けたのがいけなかったか、一平太はよろけて浅瀬で尻餅をついてしまったようだ]
大丈夫かよ、おい。
[駆け寄るよりも、一平太が自分で立ち上がる方が早く]
……あいかわらずだなあ。
[いつも通りの真顔へ、苦笑を見せた]
お騒がせってこたあねえが…… ま、この陽気なら、着物の方はすぐに乾くだろ。
(157) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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ああ、傘はあらかた仕上がったよ。 源蔵先生のおかげだな。 ちょっと見ただけで、こう、図面へさらさらーっと。
[書き込みをする源蔵の手つきと、真面目な顔つきを真似てみせ]
ところで、ずいぶん大事そうなもんだな、そりゃ何だい。
[転ぶ自分の身よりも庇っていた、張り子らしきものへ視線をやった]
(158) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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……何人来ているのかは、私にもわかりませんね。 元々、私は九年前に『帰る』のを拒絶してから……向こうとの関わりは、断っていましたから。 ですから、今、ここにいる他の『彼ら』がどうしたいのかは、全くわかりません。
[探そうとも思わなかったし、余計な詮索をされたくもないから、記憶操作も甘んじて受け入れていた。 もしかしたら、向こうは違和感を覚えていたかも知れないが]
ん……あさがそれを望むなら、この村の皆は、そのまま受け入れてくれるでしょうね。 私の時と、同じように。
……問題は、どのように、『その時』をやり過ごすか……ですか。 確かに、『役』につくか、それとも『戻る事』自体を叶わぬものにするか、の二択ですが……。 他の『彼ら』が、戻りたいと願っている場合、後者は難しいでしょうね……。
(159) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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うん。 帰りたい人が、もし――いるなら。 そういう人の邪魔は、しないほうがいいよね。
でもね――。
[ほんとうに悩んでいること。 それは――。]
朝ちゃんは、ほんとに帰りたくないのかな――?
ほんとにほんとうに、どうしても帰りたくないなら。 あたしに言わないで、ずっとあたしの妹のままで。 ここにいてもよかったんだもの。
(160) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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それは俺もわかんねえよ…。
うーん。 [その設計図を見てみない事には、なんとも言えねえ。 いや見たって子供にはわからない事だらけだろう。]
そうだなあ。 星の住人とか?
星は降りてくるけれど 戻っていくそぶりはねーだろ。
[流星の事を表すように 右手の人差し指をめいっぱい高く上げて 海岸のほうへと流れるように指先を動かす]
だから、帰るために そういう星まで届く船を作ろうとしたんじゃないかなあ。
[ぐぅ。と真面目に考えた事もあって、腹の虫が鳴く]
(161) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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……ええ。
[自分の時も、帰るのを是とする者と色々と揉めて。 結局、最後は『こちらで死んだ事にしろ』と叩きつけた。 その方が都合のいい者が多かった事を知っていたから。
そんな事を考えていた所に、零された疑問。>>160 緩く首を傾いで、一つ瞬いた]
ん……確かに、そうですね。 何も言わずに、そのままでい続ける、という事もできたはずです。
でも……ね、ゆう。
本当は帰りたい、というなら、それこそ何も言わなければいい。 そうは、思いませんか? 何も言わず、記憶を書き換えて、消えてしまえばいい……わざわざ、禁を犯す必要はない……と、私は思いますけれど。
(162) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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[明之進の言葉に、こくりと頷いて。]
うん。 朝ちゃん。あたしのほんとうの妹になりたいんだって。 だからあたしに話したんだって。 そう言ったの。 それで、あたしが許すなら、帰りたくないって。
でも、朝ちゃんも、帰りたくないだけじゃないんだと。思うの。
未来の人にも、きっと父様とか、母様とか、きょうだいとか。 友達とか。 いるんだよね。 それともお話の天人みたいに、そういう人たちがいなくて生まれてくるのかな。
それでも。きっと。 やりたいこととか。 いろいろあるよね。
(163) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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鍛錬が足りませんね。 こんなことでは、勝丸様に笑われてしまいます。
[大丈夫かとの問いにこくりと頷きながら、少しだけ楽しげに呟いて。 着物の裾を絞りつつ、一度だけ太陽を見上げた]
ええ。今回ばかりは、お日様に感謝しなくては。
―――…転んで着物を濡らしたなんて、まるで子供みたいなこと。 ふふ、源蔵様や兄様には内緒ですよ?
[そっと人差し指を口元にあてる]
(164) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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朝ちゃんは、未来のこと。 何だかあんまり好きじゃないみたいな言いかたするんだけど――。
朝ちゃんは、自分のこと。 すごく駄目な子だと思っているみたいだけど――。 そんなことないと思うの。
未来にいたら、駄目な子だから。 だからここにいたいっていうのは。 何だか――つまらないと思うの。
(165) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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源蔵様の頭の中は、 どうしてあんなに沢山の知識と知恵が詰まっているのでしょう。 それを形にできる団十郎様の腕も揃えば、鬼に金棒ですね。
お志乃様の傘が仕上がりそうで良かったです。 役員さんをするにしても、この暑さの中では大変そうですから。
[源蔵のまねをする様子には数度瞬いた後、「似ている」と言うかのように小さく肩を揺らした]
――――――…嗚呼、これですか?
[問われ、張り子の円盤を相手へと掲げて見せる]
源蔵様が作ってくださった、宇宙船の模型です。
仁右衛門様が持って来た「設計図」を元にした、 『星まで届く空を飛ぶ船』だそうですよ。
(166) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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双子 朝顔は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 23時頃
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―定吉の店―
スイカ、 …おもい、なぁ。
………おも い な あ
[スイカの包みを片手では支えきれなくなって、 ついには、真っ赤な顔して両手で抱える格好となって、息も絶え絶え、辿りついたのだった。
定吉へスイカをあずけ、肩で大きく大きく息をする。]
(167) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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[勝丸の言う説に、ふむと顎に手を当てて唸る]
それは僕も気になる。降りて来た「御先祖」たちがどのように帰るのか、伝承には記述がない。
[だんだん勝丸そっちのけで、頭の中が考えで埋まりそうになって。 聞こえた腹の虫に、それは遮られた]
……ふふ。上がっていくか?貰い物のせんべいがあるぞ。 興味があるなら、設計図も見せてやろう。見せずにおいて、拾いにいかれてもかなわんしなぁ。
[そう言って、小さく笑った]
(168) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 23時頃
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子供みたい、かあ。 いいんだよ、俺らに比べりゃあ、まだまだ子供だ。 だあれも、馬鹿にしたりはしねえよ。
[指を立てた、内緒、の仕草に目を細める]
源蔵先生も、朧も、おめえのこと本当に可愛がってる。 ずっと前から、そりゃあもう……
[ずっと前から、自分はそれを、確かに見てきた筈なのだ。 弱くなる語尾を、咳払いでごまかした]
ほんとにな、先生は凄いお人だよ。 俺もだいぶ助けてもらったし、面白い仕事、たくさんさせて貰った。
[一平太の肩が僅かに揺れる。源蔵の真似は、どうやら伝わったらしい]
(169) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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本当の妹……ですか。
[小さく、呟いて。 続いた言葉には、ええ、と頷く]
時を隔てている以外は、何も変わりませんよ。 ……人である事に、変わりない。 ですから、向こうに待つ人がいるのは自然な事です。
[いない者もたまにいる、と続けるのは自重して。 続く話に、少しだけ、苦く笑んだ]
確かに、その理由は……寂しいかも知れません、ね。
実際の所どうなのかは、あさ自身に問わねばわかりませんが……でも。 もしそうだとしたら、ゆうは。 あさは、どうするべきなのだと思いますか?
(170) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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―― お買いもの ――
…――――?
[ふと、声をかけられて振り返る そこには、団十郎さんがいて ?マークつきで、私の名前を呼んだから]
うん、朝顔 スイカ探してるの、売ってる所知らない?
[そう、聞いてみた どうやら、向こうの方で売っているらしい]
ありがと、助かったよ 甘いかな、そのスイカ?
[どうやら、甘いかどうかは知らないらしい]
(171) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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んで、そりゃあ……うちゅう、せん……? 星まで届く、船え?
[あからさまに怪訝な表情で、張り子をじろじろ眺める]
これが、船だって? ……この中に人が乗るんだとすりゃあ、牛車だとか、駕籠に近いのか。 空を飛ぶってなあ、どうやって飛ぶんだ。 俺あ仁右衛門から空飛ぶ船って話を聞いたときにゃあ、羽でもついてて、羽ばたかせるのかと思ってたぜ。 ……いや、まあ、詳しいこたあ、後で先生に聞くかね。図面もそっちにあるんだし。
[ついつい構造を解明しようとして、我に返る。 それから一平太をじっと見つめて、尋ねた]
一平太、おめえは……先生に習って、学者になる気はねえのかい。
(172) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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ああ。かっちゃんには。 やわいカラダだなんて、言われちゃったっけ ね。 …スイカひとつ運ぶだけで、こんなに疲れちゃうなんて…。
[やっぱり やわこい せいなのかな、 自分の身体を見下ろしてみる。]
……ぜぇ ぜぇ。
……はい。 どうぞ、あとは おねがい しま すね。 定吉さん。
ええ、ご苦労様です と。 役員の方々にも、お伝え下さい。
[自宅の井戸水へ念入りに浸していたスイカは まだ冷えた状態である、 はず。]
(173) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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そっか、わかんないか…―――
[どうしよう、甘くなかったら夕ちゃん喜ばないかな? うんと、あれだ、コンコンって叩いて、中身の音を聞く奴 あれで、甘いかどうか・・・わかんないか 私には、そんな凄い技ないもんね]
まぁ、いってみたらいいんだよね ありがとう
ん…―――― 良い事? あったよ、うん、あった だから、皆にお礼でスイカなの
団十郎さんも、後で食べに来てね スイカの売り場、教えてくれたお礼なの
[そう言って、手を振りながら、スイカ売り場へ歩いて行った]
(174) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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―― スイカを売っているお店 ――
一番大きくて、一番甘い、スイカが欲しいの
[お店のおばさんに、そう声をかけた うちのは皆甘いよ、って言うけれど この時代のスイカが、皆甘いはずがない 私だって、そのくらいは知っている]
皆甘い中で、一番甘くて大きいのがいいの
[持って帰る苦労を忘れて、皆で食べるから大きいのがいい そう、単純に想っているだけなのだけれど それでも、おばさんは大きなスイカを渡してくれた 甘いかな、これ]
ありがと、おばさん また、買いに来るからね
[受け取ったスイカは、私の頭より大きかった]
(175) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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[そうして。店を出ようとした矢先、 店先でたむろする子供たちの話声が耳に入り。 おもわず。足を止めた。]
――ひろしさんと、…志乃先生、が?
急な、はなしね。
[その子供たちが言うには、仁右衛門に加え、 博志と志乃も祭りの役員に就任したとのこと。
役員となれば、二人とも暫くの間は忙殺されることだろう。]
………。
(176) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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>>170 そっか。 朝ちゃんにも、待ってる人がいるんだね。
[それは、何だかとても、安心できることだった。]
どうするべき……かは、わからないけど。 あたしは、朝ちゃんに言ってみたいことがあるの……。 でも――。
[でも、それがいいことなのかは――。 自信なんて、ありはしないのだった。]
(177) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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わわ、っととと
[大きなスイカは、すっごく重たくて 私達の見慣れた、しましまのスイカではない 真黒い色をした、まーるい物で 鉄兜、なんて呼ばれているらしい 確かに、頭にかぶれそうな大きさだものね]
落としたら、割れちゃう スイカ割りは、皆でするから面白いの
[荷物が多い上に、重たくて 私は、休み休み、お家に向かって歩き出す]
(178) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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女中 おみつは、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 23時半頃
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―空き地→自宅― [どうやら源蔵の考え事がそれたらしく ...から、帰宅方法について考えだしたみたいだ]
や先にひとっ走りして帰って飯食べますよ! 設計図はまた今度!
[...はおまけに待っているだろう勉強を回避した]
かえろがなくから かえろー。
[ダダダッっとその場を立ち去る。]
はぁー、ただいまー。 全力で走り過ぎた。
オッカー、み、みずぅう…。 後めしー。 [息を必死に整えながら水を催促した]
(179) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 23時半頃
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………志乃、せんせー。
会いたかったのに な。
(180) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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[待ってる人が、という言葉に向けたのは、どこか曖昧な笑み。>>177 実際の所はどうなのか、それは知れぬ事だが]
(……私のような者の方が、稀なはずですしね)
[過った想いは、今は置いた]
……言ってみたい事……ですか? 何か……言い難い事でも?
(181) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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うんと……。 朝ちゃんが、どう思うのか。 わからないから……。 それに、あたしが勝手に思っているだけで。 ほんとに、朝ちゃんにいいことなのかも、わからないし。
あたしを、朝ちゃんの妹にしてって。 頼んでみたいんだけど。
[そう言って。 俯いた。]
(182) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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―自宅→神社― [水を飲んで一息ついていると、 母親から、朝顔が買い物に来た事を聞いた。そしておまけを渡したと聞いた。 だが、それは]
オッカー、何してる! あれは鑑賞用って言っておいただろ! とてもまずいから出すなって言っただろ!
[母親が何かを言っている]
違う! 違うんだよ!
[どうしようもなく、癇癪を起こして泣きながら喚く事しか出来なかった]
うっうっ…。 オッカーのばっかやろうぅぅ!
[...はその言葉を吐き出すと同時に自宅を飛びだしていった。行きついた先は、神社だった]
(183) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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[呟いて、志乃を想う。] [役員の仕事で忙しくなっては、自分に構っている暇など、志乃にはあるまい。]
―海沿いの道―
[道端で、長い木の棒を拾い上げた。
一昨日みた、地面にずぅっと続いていた線。 あれは、志乃先生の描いたものだったっけ。
棒の先を引き摺り、土へ跡をつけながら、ある程度、歩いて。]
それから、振りかえる。
しゃかみこんで、膝の上に頬杖をつき、 地へのこったその蛇行線を観察する。]
…………。
(184) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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[昨日から、少しだけ団十郎の様子が常と違っているのには気づいていた。昔のことを話す折、何処かぎこちないような。 彼の心中は分からない。けれど、もう「限界」の頃合いなのかもしれない、というのは身に染みて感じていた]
――――――――……私は、
[弱くなる相手の語尾に重ねるように、口を開く]
自分でもあまり可愛げのない子供だったと思いますが。 それでも、にも関わらず、とても良くして頂きました。 兄様にも源蔵様にも、…団十郎様にも。
[目を伏せて告げた後、顔を上げて]
早う、恩返しできるようになりたいのですけれど。 立派な大人になれるのは、まだまだ先になりそうです。
(185) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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