人狼議事


270 「  」に至る病

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【人】 公証人 セイルズ


 そうだね。

[灰色の空を見上げてセイルズは小さく頷いた。

季節は巡り、望まないのに
はじまりと終わりを連れてくる。

自分の生に自分で幕を下ろせたなら、
きっとこの手を握ることもなかっただろう。
そう思えばこそ、
セイルズはミルフィの手を握ったまま歩く。]

(143) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃

【人】 公証人 セイルズ


 ……ははは。
 遊園地に水族館に、動物園か。
 ああ、全部行こう。

[彼女が挙げた場所のなんと子供らしく愛らしいことか。
洒落たレストランでも美しい場所でもなく
家族の思い出がつきものの場所に行きたがる。

そのことにセイルズはどこか安堵して
笑い声をあげた。

それから唇に触れた感触に瞬き、
……片眉をあげて照れたように頭を掻くが]

(144) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃

【人】 公証人 セイルズ


 残念だが知っている。だからパパ以外で。

[意地悪をするようにそんな事を尋ねる。

――そうはいっても、
彼女は明け渡してはくれないかもしれないが。

少し考えてから、ため息をつき、再び口を開いた。]

 ミルフィが好きなもの……
 好きなこと、あるいは嫌いなもの。

 ……食べ物の好き嫌いは知ってるし
 僕の授業に来ると眠そうだから
 歴史が好きじゃないのも知ってる。

 そういう
 ママの真似じゃないところ……
 

(145) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃

【人】 公証人 セイルズ

 
 僕は、やはり好きだと思ったから
 

(146) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃

【人】 公証人 セイルズ

[誰かの代わりだと思わせて、
彼女の心を殺した回数よりも多く
彼女のことを知りたいと思う。

指先を伸ばすと、
セイルズは指の背でミルフィの頬をつついた。]

 墓参りで確認したかったんだ。
 最近あんまり似てきたから……
 ……でも、

 ママはママで、君は君だ
 君は、ママじゃない。

 ……だけども君はやっぱり、何があっても僕の家族だ。

[何か吹っ切れたようにセイルズは微笑み
ミルフィの手を握る。――留めるように強く]

(147) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃

【人】 公証人 セイルズ


 ……愛しているよ、ミルフィ。
 

(148) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃

【人】 公証人 セイルズ

(例えば君が狂気に負けたとしても
 小さな祈りも届かないとしても
 君の最期まで全てを

 ……いずれ地獄に落ちるまで )**

(149) さねきち 2019/10/18(Fri) 20時頃

【人】 逃亡者 メルヤ


  はい、ちょうちょ結びで
  お願いします


[姿見の前でくるりと彼に背中を向ければ
 鏡越しリボンを結わえられている様が見える。

 バレリーナの衣装のようなドレス
 背中にリボンでできた羽が完成すれば
 後ろ手でそっと触れ、確認して>>141]


  お姫様、みたいに見えますかね?
  あ、でもご主人様のお洋服だと──

(150) pearlkun 2019/10/19(Sat) 00時頃

【人】 逃亡者 メルヤ

[鏡ごしに見た彼の衣装は物語の吸血鬼然としたもの>>142 
 定番の白い礼装とは違う、黒いマントのはためく姿。
 
 これでは神の祝福など望めない、と
 神なんて信じていないくせに拗ねたふりをしてみせて]


  ご主人様も、その……素敵です
  えっとこれからは呼び方を……
  "旦那様"と変えた方がいいでしょうか


[呼び方ばかり変えたとして
 何かが変わるわけでもないけれど
 なんとなく、その方が雰囲気があるから。

 戯れにそんなことを問いかけつつ
 差し出された手に自分の手をそっと重ね
 月と星が立ち会う場所へと**]

(151) pearlkun 2019/10/19(Sat) 00時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ



  パパ、本当に?
  約束だからね。遊園地も水族館も動物園も
  ぜんぶぜんぶぜーんぶよ!


[あたしはぱあっと顔を輝かせる。>>144
 これからの休日をどう過ごすかに思いを馳せて
 自然と足取りは軽いものになった]
 

(152) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ



  パパ以外?


[きょとん、とあたしは目を丸くする。
 それからパパの言葉>>147
 黙って耳を傾けたんだ。

 ぐ、と。
 あたしの手を握るパパの指先に、力が籠る。

 “愛している”>>148のひとことが
 あたしの中に強く強く響いた]
 

(153) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[しばらくあたしは
 曇天の街をパパとふたり
 家に向かって黙りこくって歩いていた。

 だって、どういう反応をしていいか
 馬鹿なあたしには分からなかったから。

 どきどきしたし、嬉しかったし、しあわせだった。
 だけど“愛している”を返すだけじゃ、
 きっとあたしの気持ちは伝わらないと思ったから]
 

(154) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ



  ……ねえ、パパ。雨が降ってきたよ。


[小さく呟いて
 あたしは鉛色の空を仰ぐ。

 ぽつ、ぽつと雨粒が顔に当たって、
 頬を流れ落ちていった。
 ほら、これでもう
 泣いているのがバレないでしょ。

 結局、返すのはお決まりの文句だ]
 

(155) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ



 "I’m so happy being your daughter."

 

(156) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[血は繋がっていないけど
 きっとあたしは
 パパの家族になるために生まれてきたんだわ。

 とっても愛してる。パパのことを。

 娘として、伴侶として、家族として
 あなたを愛してる。

 あたしに、愛することのしあわせを
 教えてくれてありがとう。

 ……愛してくれて、ありがとう]*
 

(157) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ

―― それから ――


[長い、月日が経った。

 あたしの見た目の年齢は
 ちょうどママと同じ年嵩で止まった。

 穏やかで、しあわせな日々が過ぎてゆく]
 

(158) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[パパとあたしは、親子であり夫婦だった。

 週に幾度も身体を重ねたけれど、
 結局、あたしがパパの子を授かることはなかった。

 あたしが、いつ狂って死んでもいいように、
 パパの子供を産んで
 新しい家族を作ってあげたかった。

 けど、そんなに世の中はうまくいかないみたい]
 

(159) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ

 
[ママの真似じゃないところが好き、って>>145
 パパに言われても、あたしは変われなかった。

 ママの真似をしてパパの助手になって、
 大学の研究を手伝った。
 ママのいなくなった穴を埋められるのは
 あたしだけのはずだから。

 仕事でも、家庭でも、
 あたしはいつでもパパの隣にいた]
 

(160) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[最近は段々と
 記憶の辻褄が合わないことが多くなっていた。

 朝食を食べていたはずが、午後になっていたり。
 夕方大学にいたはずが、夜ベッドの中にいた。
 あたしが、あたしでなくなっていく感触。

 あたしはいつまであたしのままでいられるんだろう。
 怖くて怖くて、堪らなかった]
 

(161) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[依存症という病は、
 ママの形をとって私に現れているらしい。
 正気のあたしでいられる時間は、
 どんどん短くなっている。

 ある日、目覚めると
 あたしは裸でパパのベッドの中で眠っていた。

 記憶がないというのに、確かに愛された痕跡があって
 首筋をなぞれば新しい噛み痕がある。
 熱を持った胎を、さする]


  ……パパ。


[生まれたままの姿で、パパに抱きついた]
 

(162) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ



  パパ。あたし“も”愛して。お願い。


[すがるように、祈るように。
 パパに身体を密着させる。
 そのぬくもりに、目を細めて]


  怖いの、パパ。眠れないの。
  えっちしよ。
  そしたら、怖いこと忘れられるから。


[読み聞かせをねだる子供のように、
 情事を迫ったりも、した]
 

(163) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[時には、カレンダーの日付が
 飛んでいる時すらあった。

 パパとあたしの幸せな日常は永遠じゃない。
 終わりの日が、きっといつかはやってくる。

 あたしは、カレンダーに赤丸をつけて
 「この日だけはあたしでいられますように」って
 毎年お祈りをするの。

 その日は、特別な日だから]
 

(164) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ

―― 朝 ――


  おはよう、ママ。


[写真立てに飾られた古ぼけたママの写真に、
 いつも通りに朝の挨拶をする。

 カレンダーを見遣って、安堵する。
 ああ、あたしはあたしでいられたんだって
 神様に感謝するんだ。

 パパを起こさないように
 足音をしのばせて台所へと向かう。

 今日は大学のお仕事がお休みの日。
 起こさずにゆっくり寝かせてあげたいし、
 サプライズでお祝いしたかったから]
 

(165) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ



[だって。今日は、大好きなパパのお誕生日なの]

 

(166) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[小麦粉と卵と牛乳を目分量でボウルに入れて、
 たっぷりのお砂糖と共に泡立て器で混ぜた。

 型に生地を流し込んだら、オーブンの中へ。
 今度は冷蔵庫の中の苺を取り出して
 可愛いハート型に切ってゆく。

 生クリームをボウルでいくら混ぜても
 パパの作ったホイップクリームのように
 角が立たないけれど、
 見た目じゃなくて味で勝負だからきっと問題がないわ]
 

(167) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[ほら完成。
 いつも通りにちょっと不細工な
 パパのためのお誕生日ケーキ。

 たくさんたくさんお砂糖を入れたから
 今年もきっとパパは喜んでくれるはずだわ。

 階段を下りてくる足音が響いてきたなら、
 あたしは満面の笑顔でパパを出迎える]
 

(168) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ



  Daddy, Happy Birthday!

 

(169) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ



  ロウソクがいっぱいで、
  ケーキが見えなくなっちゃったわ。


[パパと出会ってからの年嵩だけ増えた、
 ケーキの上のロウソクたち。

 クリームの付いた頬を、人差し指で掻いた]
 

(170) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[ねえ、大好きなあたしのパパ。
 来年もあたしはパパを祝ってあげられるのかな。

 もっといっしょにいさせてくださいって
 毎朝、天国のママにお祈りしてるの。

 きっとママはやさしいから、
 あたしのお願いを聞いてくれるよね。
 パパが寂しい思いをするのを
 ママも見たくないはずって思うから]
 

(171) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

【人】 覆面嫉妬団 ミルフィ


[ケーキの上にのったロウソクの1本1本に
 あたしたち家族ふたりの思い出が詰まってる。

 何年前はこんなことがあったねって
 小さな思い出まであたしは覚えてるよ。

 パパもきっと、同じでしょう?]
 

(172) gurik0 2019/10/19(Sat) 03時頃

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