279 宇宙(そら)を往くサルバシオン
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残念です。
[もう少し話を聞けたら、違ったのだろうか。 しかしそれは誰であっても同じだろう。 誰か一人を決めなくてはならなかった。それが、ソラ氏になってしまった。それだけだ。
ヒューマノイドは談話室に向かう。]
(120) 2020/08/30(Sun) 22時半頃
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ああ、いいぜ。…そうだな。あいつにも、飲ませてやればよかった。 まえ座ってたのは、このあたりだったかな。
シルクのは、これな。
[ >>110 >>111 コーヒーを求められれば快諾し、作業の暇に、ソランジュのことを思い出す。ヘインヘリモに遊ばれていた談話室のオブジェ、という雰囲気をさせていた知性体。透き通った姿は、いま出してる熱湯にも似ていた。…こんなに熱くはなかったろうけれど。 かつて彼/彼女が座っていたあたりをあやふやに思い出して、コーヒーを供える。もうひとつはシルクの手元に。]
(121) 2020/08/30(Sun) 22時半頃
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[部屋の扉は、鍵はかかっていなかった。 押し開けると、暗い部屋の中に廊下からの光が一筋差した。 帯のような光に照らされて、蓋が空いたまま横転している洗濯機が見えた。 傍らに、コータやワクラバのポケットに入っていたのと同じ、褪せてばらばらになった青の残骸が落ちている。
スプスプイの変わり果てた姿だと、すぐにわかった。]
…………戻ろう。
[散らばっている小石は拾い集めてポーチに入れた。 アーサーが他に調べたいものがなければ、談話室に戻るだろう。*]
(122) 2020/08/30(Sun) 22時半頃
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――談話室――
ソラ氏は死亡したわけではありません。
[憔悴した表情を浮かべる面々に、淡々とした声が事実のみを告げた。 冷凍ポッドに乗せられた時点で肉体の時は止まる。死でも生でもない状態で固定される。 死んだわけではない。ただ、再び出会う可能性が限りなく少なくなっただけだ。 そして、解凍される可能性もごく僅かだ。別の船とぶつかったところで、宇宙クラゲの対処として追放されたポッドを解凍するものはいない。]
(123) 2020/08/30(Sun) 22時半頃
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― 捜索隊が出発する前:談話室 ―
[ アーサー>>114が地に足をつけているのならその距離は遠く、小さな呟きは己の元まで届かなかっただろう。 けれど、まろい口が笑みの形を作ったこと。その口が短い音を紡いだこと。それくらいは、分かったから。]
…… うん 、 ――。
(124) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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[ 宙から地へ、形だけの返答は短く。]
いってらっ 、しゃい。
[ 帰還を望む言葉と共に、旅立ちを見送った。]*
(125) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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先輩だとかいう男も、お前の宿主も船から消える。 キャプテンだとかいうやつはこの件に関わる気が薄そうだし、お前のプラヌラはまた水道管にでも入れておけば生存の確率は高まるだろうよ。
(*24) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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[ 猫が、幾人かのお供を連れてスプスプイを探しに行った。後ろ姿を見送ると、話し出す。]
……。さて、これから。今夜は、どうするんだ。 アーサーの、鋭敏な猫に見えること。たしか、信じるんだったよな。 ならソランジュも、クラゲではない。
(126) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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しかし、トルドヴィンといったか、その体。 機械の体の童女とはいえ、この状況で同衾とは隅に置けないな。 プラヌラは増やせそうか?
(*25) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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うん。そうしとこう。
そういえば、お片付けはてきとーに済ませちゃったなあ。洗剤クン。
(*26) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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― 談話室 ―
…… 。 そう、 かも ? みんな の こーひー おいしい、 か ら。
[ 何も言わずテーブルの前へ腰掛けるヘリン>>111に、少しだけ驚いたように目を開いた。 彼女>>99はアーサーの前だと、普段と少し表情が違う気がする。だから彼についていくのかと思っていた。 しかし驚きも数拍の間。すぐにその傍らへゆうらりと身を寄せる。]
ありが とう。
[ あの日と同じように、コータ>>121の淹れたコーヒーを受け取る。 その場で口にすることはできないから、両手で大切に包み込んだ。コップに広がる黒が、苦くて美味しいことはもう知っている。]
(127) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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[ 持ち主のいないコーヒーを囲んで、コータと向かい合う。 ヘリンがワクラバを誘ったようだが>>112どうしていただろうか。席の邪魔にならないよう、背もたれの後ろを浮遊した。]
…… そのこと も、 だ けど。
[ コータ>>126が話し出したのは、おそらく今夜の調査のことなのだろう。 今朝、目を赤くしていた様子を覚えている。疲れた声も。 彼は今夜もどこかのデータを見続けるつもりなのかもしれない。]
ひとつ、 きいて、 いい?
[ それについて話す前に、と。ゆっくりと口を動かした。]
(128) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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こーた は、 しって、 る?
[ 話し出したのは、船長のアナウンスを聞いてからずっと思っていたことだった。 カップに視線を落として、また上げて。最後には、コータの目を見つめる。]
さいしょ ……の、 ぎせい、 しゃ。
[ 清掃されて、今はもう痕跡も何も残っていないはずだ。 しかし、その誰かは確かに存在した。 初め、乗客は皆揃っていた。――それなら。]
しってる、 でしょ う。
[ 疑問は確信に形を変え、その上でコータの返答を待つ。]
(129) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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はっ。 柄じゃねえな。根を詰めすぎちまった。
いつもならパイセンにどやしつけられて働いてたんだ。だから、自分で決めてるととことんやっちまう。
つーかさ、おとといこの服、コーヒーこぼしちまったんだよ、このシミ、スプスプイで取れるのかな。もらったもんだし使っちまっていいんだと思うが。
[ 服についたコーヒーのしみを、スプスプイのかけらと並べて見せる]
(130) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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/*食べた場所は決めてなかったから好きにしてくれて助かりました*/
あんなもの、食べたうちに入らないからな。 多少雑になるのも致し方ないというものよ。
(*27) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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……誤解があるようだが、同衾はしていない。 こんなことになるなどわたしも思っていなかった。
[困ったような声を返して、むっすりと黙り込んだ。]
(*28) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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/* よかった!!>会食場所 */
(*29) 2020/08/30(Sun) 23時頃
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……このままスプスプイ様がたが見つからない、あるいは死亡状態で発見された場合は、コータ技師は宇宙クラゲということになるのでしょうか?
[アーサー氏がスプスプイ捜索に出たあと。 そこにコータ技師本人がいようと、構わずヒューマノイドは発声した。 本人にもすでに自覚があるだろう。寄生の自覚ではなく、自分が最も疑惑が高まっているという自覚が。]
(131) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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>>128 >>129
[ ぎょっとして、シルクを見つめる。最初の犠牲者は、那由多は…]
知ってる。…もちろん、知ってる。 ここの保安設備を仕切る船員で、俺の先輩だ。
[ 言い終えても、シルクへの目線をはずせないまま、拳を握りしめた。]
(132) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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おっ。知能がおいしくなってきたぞ。 燃え上がるようなコクのある憤怒。うぉォん。俺はまるで人間火力発電所だあ。
(*30) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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─ 廊下 ─
[ トルドヴィンと並び立って>>117 ワクラバの部屋からスプスプイの部屋までの廊下を歩く ]
スプスプイ、おらぬのか。皆探しておるぞ
[ 返る声は、無い。 ただ無機質な微かな反響が返るのみ。
それでも呼びかけは続けていた。 生きていると" 信じたかった "
それが途絶えたのは、表札のない部屋に差し掛かった時>>118 床に転がる青と赤灰色に恐る恐る近づいて、匂いを嗅いだ
…微かに漂う薄荷の香り ]
(133) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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[ 部屋に入れば、そこには…。>>122
スプスプイは、襲われた。 コータは、宇宙クラゲに寄生されていた。 静かな事実の残骸だけが目の前に転がっていた ]
…コータ。
[ 声に強く表れるは悲しみか、怒りか。
それは嘘をついていたコータへの…いや、違う、コータを操っている宇宙クラゲに対しての感情だ。 コータもまた宇宙クラゲの犠牲者なのだろう
談話室を出る時には既にある程度の覚悟はあった筈だ。 だが動かしようのない事実として間の辺りにしてしまえば 感情は容易に揺れ動く ]
(134) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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その前に少しだけ… [ トルドヴィンの言葉に>>122答え じっと洗濯機の残骸を見つめる それは命を失ったものに対する祈り。
"ありがとう 真実を告げようと奮闘した姿は忘れない"
形だけでも残骸はまとめて綺麗にして]
…戻ろうか。皆に伝えなくてはな
[ その場を後にしただろうか ]
(135) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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トルドヴィン、手を貸して欲しい事がある。
[ 談話室への道中、歩みは止めないままにトルドヴィンへ話しかけた ]
情けない事だがな。 吾輩は、おそらく情に多分に動かされる。 その中で見落とすものもあろう。
だから…
[ "もし間違っていると思ったら止めて欲しい"
それは彼の冷静さを見込んだもの 否が返るならばきっと、話はそれきりに* ]
(136) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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…… そっ 、か。
[ 覚悟していたことだが、それでも瞳は揺れる。 誰かが死んだ悲しみと知らない誰かだったという事実にだ。 きっと出会ったこともあっただろう。すれ違ったこともあったかもしれない>>0:#2。 しかし、それでも"知らない"ヒトだ。コータ>>132は、知っている。]
どんな ひと だっ た、 ?
[ テーブルの下、握り締められた拳が上からよく見えた。 モナリザ>>131の言葉が聞こえれば、燻る瞳がヒューマノイドを捉えた。]
そう、 だよ。 そうなる、 ね。
だから そのまえ に 、 きき たい ん、 だ。 どんな ひと だっ、 た ?
[ 疑惑が事実になる前に、と。 結果を予想しながらも、矛盾した問いを投げた。]
(137) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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クラゲのニュースが届いて、パイセンは食料品を中心に検疫をやりなおしてた。パイセンはよ、俺よりずっと学もあったし、船首区画にだって行ってた。できる男だったよ。
最後に逢った時、俺は、音でクラゲを探す方法について、機械室でパイセンに報告したんだ。
ほら、ワイン開けたことがあったろ。そのすぐ前にさ。
[ ヘリンヘイモが部屋に残っていたなら、そういってやっと視線を向ける。]
(138) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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ふむ……残念です、コータ技師。
[推論をシルクが肯定する。 ヒューマノイドの機械音声が、抑揚なく遺憾の念を告げた。]
非常に低確率の例外として、スプスプイ様がたの判定が誤りだったうえで、コータ技師が単純にご自身の職務を全うされていたところに、宇宙クラゲが狡猾にもコータ技師をクラゲに見立てたという可能性もあり得ますが。 コータ技師はそもそも、船にいる宇宙クラゲの探査をされていましたから、寄生の有無による虚言やご自身の能力による対応でなく、単なる職務従事の結果と考えられないこともありません。
……ですが、その場合は判断が可能。そうでしたね?
[鋭敏に"みる"ことができる存在が、この船にはいる。]
(139) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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今後アーサー氏は、この船の安全保障の面で、重要な方となりましょう。 化学者でいらっしゃることのみならず、大切な認知能力をお持ちです。
(140) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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同衾はしていないミタシュちゃんは、たしかに守っていたのかなあ。 ねこも不思議なことを言っていたし、ワイヤードガールも不思議なことをするのかしら。
人間てふしぎ。
(*31) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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だからこそ、あの猫が鬱陶しいのだがな。
(*32) 2020/08/30(Sun) 23時半頃
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