231 自由帳の中で、僕たちは。
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[女の子に恋は出来なかった。 それは対象が違っていたからなんだろうか。 心当たりは割とある。 いろいろな別れ際を思い出して、緩く凹んだ。
悩みが一つ解決したと思ったら、 また悩みが一つ増える。
これが本当に恋だとしても、違ったとしても、 ――― 卒業までは、あと少し。
頭をあげて、立ち上がるとノートへ向かう。 ぺら、めくった。ぺらぺら、めくっていく。
土岐の書きこみを、見ながら遡っていく。
じんわり、じんわりと。 人物像が一致する、その文面を読みながら、勝手に重ねて、また少し泣きそうな気持になったけど、新学期には。メールを返せるようになるころには、もう少し。
――― …強くあれるといい。]
(106) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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青春を 振り返っても 後悔で 楽しい思い出 忘れられずと
後輩へ
好きなものたくさんみつけてこう たくさんたくさん考えて、 青春の無駄遣いはしないよーにね(ピースの絵)
先輩より!
(107) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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[そのメールが送られたのも、へったくそな短歌とその追記が、無記名でノートに書かれたのも、冬休みの間にだ。
まあそんな事を書きつつ、あんまり後悔なんてしてないんだけど。 だって友達とわちゃわちゃとしてたのは楽しかった。その時間は本当だ。
ただ、―― ただ、ひとつの心残りを。 話しかけないようにならなければどうなっていたのかとか、もっと仲良くなれたんだろうかとか、もっと早く気付いてればどうにかなっただろうか、とか、そんな事はきっとないんだろうな、とか。
ひとつの心残りをあの時のメールのように誇張して、 そのノートに置いた。
ああ、高校、楽しかったなあ。と思う。噛みしめて。 これから先の未来をも、思う。*]
(108) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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― 三学期・放課後の図書館 ―
[今日も今日とて本を漁る。 冬休みの間に割と量は読めた気はするけど、量だけではまだまだだと思う。でもまずは知識がなければ話にならない。 こんなふうに、本にのめり込めるなんて思ってもなかった事を考えると、やっぱり改めて佐藤にはお礼を言わなければならない。
あれから、 やっぱり佐藤はよく図書館に来るので顔をあわせないという訳にもいかなかった。最初にこっちが見つけられたなら心の準備ができるのでいいとして、急に話しかけられるとびっくりする。 その辺りはたぶん、向こうがこっちを視界に入れるより早く、こっちがむこうを見つける方が早いので。事なきを得ている。
よし今回も。誰かを探しているような様子だから、邪魔しちゃ悪いかな?とも思いながらも心の平穏のためなので。>>88]
あ、きーちくん
[やっほお、と手を振った。]
調子はどお?
(109) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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[冬休み中に友田から届いたメール>>=2には、「そうか、良かった。役に立ったようで嬉しい。」くらいのことしか返せなかった。 我ながら素っ気ないとは思うが、友田のメールから伝わってくる感謝の気持ちには、何をどう返しても足りないというか素っ気なくなる気がした。
図書室ではなく図書館というだけあって、我が校の図書館はそれなりに広い。そして友田の姿を探していると、向こうに先に見つけられてしまった。>>109 そちらの方に近づいていって、軽く手を上げて返す。]
今週末だから……さすがにちょっと緊張してきた。 合格圏内の所受けるつもりだから、大丈夫だとは思うんだが。 友田は?
[まさか、本をキッカケに志望校の変更まで検討してるとは知らないから、軽い気持ちで尋ねる。]
(110) azure777 2017/12/29(Fri) 14時半頃
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[>>110かえってきたメールには、かえってきただけで嬉しかったけど、長々と返していくのもためらわれたからそのままだ。 佐藤がこちらを向くと、近付くと、少し内心どきりとするんだけど、そこは三年彼女関係を隠し続けたおれのポーカーフェイスだ。余裕である。]
はあ〜、改めて言葉にすると、もうそんなかぁ。 おれ? おれはよゆー。
[ピース、して笑った後、眉を下げて苦笑にかえて。]
なんてね。ちょっとウソ。 国立はさすがに高望みだったかも。
[ピースの先の指をゆるく折った。]
勉強は楽しいけど、時間がたりないや。
(111) soba 2017/12/29(Fri) 14時半頃
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[相手が座っていてこちらが立っていると、何だか上から見下ろしてるような構図で決まり悪い。]
国立受けるのか……すごいな。 俺は、ちょっと野心みたいなものが……多分足りない。だから安全圏。
[言いながら、隣の席の椅子を引いて座る。]
楽しい、っていうのは。将来の展望が、見えたから?
[何かなと気になったものの、メールで長々と聞くことじゃないかなとか、勉強の邪魔になるかなと思って尋ねなかったことについて口にする。]
(112) azure777 2017/12/29(Fri) 15時頃
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へっへっへ〜。 いちおうねー。ダメ元ダメ元。 滑り止めも決めてるからいいのいいの。
[隣に座る様子に、少し椅子を動かして身体をそちらに向けた。 将来の展望、と言う言葉を佐藤から聞くと、少し瞬いて。
なんだか照れくさいような気持ちになってしまって、少し視線をそらしてしまった。]
……、… 多分、そうだと思う。 すきとか興味があるとかって、 なんかすごいね。 自分がここまで頑張れるとは。
理系から文系に転向しちゃったしね。
[机の上に置いてた哲学書の一冊の表紙を見えるようにたてて、また戻した。]
(113) soba 2017/12/29(Fri) 15時頃
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[好きなものがないと言っていた友田が、そんなに。 良かったなあ……と。ちゃんと間違えずに役に立てたなあ……なんて、じんわりした気持ちを抱いていたが。]
え?
[目ぇ丸くした。哲学関係の本とわかる表紙と、友田の顔を交互に見て。]
そ、そうなのか。
[嬉しさを通り越して、少しばかり恐ろしさを感じた。だって。]
夜更かしどころじゃないな……完全に責任取れないレベルだな…………。 いやその。俺はきっかけであって、友田に影響与えたのは、本なんだろうけど。
[この言い方だと責任逃れみたいだな……と呟いてから。]
うん……でも、良かったな。好きなもの、見つかって。 あの時のメール、見ると。結構しんどかったりもするのかなって思ったから……安心した。
[ちょっと笑みを浮かべてそう言った。]
(114) azure777 2017/12/29(Fri) 15時半頃
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はは、さっすがにここまで責任とってなんて言わないってぇ。 完全に自己責任、本の影響、…というよりは、 おれの気持ちの持ちようって感じだしね。 あっいや〜、責任とってなんていったのはおれか。
[もしかしてあんな軽口を気にしてたのかな、と思うと申し訳なさ半分と、真面目だなあと嬉しくなる気持ち半分だったので、ごめんごめんと軽く付け加える。 少しの笑みが見えて、また、瞬いて。…少しの間。]
……うん
[頷いて、言葉に迷って、まあここまできたら言っちゃうかあという心持ちでぽつりと零す。]
しょーじき、誰かに助けてほしいって思ってたし。 でもどうせ、どうにもならないって諦めてた。
……ほんとに、喜一君に頼んでみて良かった。 ありがとう。
[最後はどんな顔して言っていいか解らなくって、複雑な照れたような気まずいような表情で、軽く後ろ頭をかきながら。やっぱり視線は合わせられなかった。笑顔で言えばよかった、と気付いたのは後からだ。]
(115) soba 2017/12/29(Fri) 15時半頃
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[てれくさいままで、居心地も悪く自分からしていくスタイルだ。はずかしくなってきている。こういう時こそポーカーフェイスをがんばろう。]
あー、こ、この本読んだし、 返してまた別の借りてくるね。
そろそろセンターに集中しなきゃだしなぁ。
… お互い、がんばろう。
[そう笑って。 少し悩んだ後に、手を差し出した。握手のかたちで。
そして、もう一回、へへへ、と笑った。*]
(116) soba 2017/12/29(Fri) 15時半頃
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ナナオは、દ=๑๑( ੭ ε:)੭ु⁾⁾
lalan 2017/12/29(Fri) 18時半頃
ナナオは、パスワードに(灬╹ω╹灬)ってなった
lalan 2017/12/29(Fri) 19時半頃
エフは、( *´╰╯`) .。.:*♡
anbito 2017/12/29(Fri) 19時半頃
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[誰かに助けてほしいけど諦めてたという、友田の言葉を聞いて。淵先生が言っていた「不器用」というのを思い出す。
──あ、俺は、こういうのに弱いんだよなと。頭の隅で、いやに客観的な思考がよぎった。]
……あ、ああ。 これくらい、いくらでも。
[気まずげな雰囲気に、こちらの視線はさまよって。 そんな雰囲気を打ち切ろうとするかのように、友田は席を離れようとする。]
……ああ。頑張ろうな。
[受験頑張ろうという言葉に応え、差し出された手を握る。 「仲良し」に半分突っ込めてるなと思いながら、笑う友田の顔を見ながら、何か違うなと俺は思っていた。*]
(117) azure777 2017/12/29(Fri) 20時半頃
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━二月のある日・寮の自室━
[手にしていた合格通知を机の上に置いて、俺はぼんやりと窓の外を見ていた。 オレンジ色の夕焼け空が、少しずつ夜の色に染まっていく。もうじき、外は真っ暗になるのだろう。 スマートフォンを取り出して、メールを書き始める。同じ大学を受けた友田に、結果を報告しようと思って。 俺が受かってるなら友田も受かってるだろうと思うから、送れるメールではある。
「合格通知来た。友田も受かってたよな?」
と書いた後に、友田の第一志望である国立大についても書こうとして。]
(118) azure777 2017/12/29(Fri) 20時半頃
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…………。
[苦い思いが胸に渦巻いて、俺は深いため息をついた。 友田の滑り止めと俺の志望校が同じだと知った時のことを思い出す。
『落ちたら同じ大学か』と、思ってしまったことを。
人の不幸を願うなんて有り得ないことだ。こんな想いは間違っている。頼られたことが感謝されたことが助けになれたことが嬉しくて、友田が無理して笑っていないか近くで見ていたくて、俺はまた間違えそうになっている。 自分に言い聞かせながら、メールの続きを書く。 嘘っぱちの文章に吐き気を覚えながら、送信した。]
(119) azure777 2017/12/29(Fri) 20時半頃
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[随分と休んでしまった。
直接会って礼を言えなかった相手も多く 古雅との約束のパフェはまた今度 それに、木島先生を避けたままだ。 休み明けには三人でまた話すことになるだろう その時オレはやはり担任の提案に頷けはしない だけど、心持ちは変わった。 木島先生に謝罪し、伝えよう あの大学で“やりたいことを見つけたい”と。
羨んだノート上の誰かは眩しくて 自分とは遠い存在だと今も思う。
だけど。大人になんてならなくてもいいと なりたくなくても勝手になるのだと 良い教師は、大切な人は言った。 まだまだ子供だというのなら 大人になってしまうまでの間、精一杯頑張れたら こんなオレでもなりたい自分になれるだろうか。]
(120) August 2017/12/29(Fri) 21時頃
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[とりあえず今は将来ではなくメモ書きと向き合っている
発見したのは掃除を終えた部屋の中 どうしてすぐ気付かなかったのかと思う位置で。 小さく白いそれを凝視し、考え込む 一体誰が書いたのか、誰のメールアドレスなのか どう考えてもどっちの答えも決まっているわけだが。
つまりオレは緊張しているのだと思う。 だから分かりきったことを考えているふりをして 時間を稼いでしまっているのだ。
これを送信してしまえば昨日の出来事は現実となり 教師と生徒にはもう戻れなくなるような そんな気が、して。]
(121) August 2017/12/29(Fri) 21時頃
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…… あー
[両頬を叩き気合を入れる。 何考えてるんだ、戻りたくなんかないくせに 照れたってオレじゃ可愛くもなんともないぞ。 あっちだってきっと連絡を待ってくれているんだ。
登録したアドレスを眺めるのにまた時間を掛け 表示される名前を見ては枕に顔を埋めて 悩んだ末に送った文章は笑ってしまうくらい短い。]
(122) August 2017/12/29(Fri) 21時頃
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[やがてスマフォに通知が表示されたのなら 恐る恐るとメールを開き、読んで。 強張っていた身体の力を抜き、息を吐けば
自然と口許が緩んでいた。]
── ……うん、とってもきれいだ。*
(123) August 2017/12/29(Fri) 21時頃
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――epilogue――
[時間なんてのは、勝手に流れてってしまうもんで、 中庭で咲いていた桜も色あせ、長雨に散り、緑に覆われ。
そして――…]
(124) lalan 2017/12/29(Fri) 21時半頃
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[オレは(無事に何とか)三年生になって。 相変わらず頭は赤くて、でも、少しは色んな事にマジメに取り組むようになって。
理由は幾つかあったけれど、それは、今は横に置いておいて。
ノートには相変わらず書き込みをしている。
新年度になり、幾らかの面子が去ったノートに、新しい誰かの書き込みが増えた。]
(125) lalan 2017/12/29(Fri) 21時半頃
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[時間は流れている。
誰が、何を思い、どう過ごしていたとしても。
それに、何となくじゃなくハッキリ気付いた時、 オレは、少しだけ……少しだけ、怖くなったんだ。]
(126) lalan 2017/12/29(Fri) 21時半頃
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[上手く言えなかった言葉を伝えたくなった。
最後だと別れを告げる誰かへ、 何かを羨む誰かへ、 暖かく励ます誰かへ、
一人じゃないと教えてくれる誰かへ、
その為に、もう少しだけ、賢く在りたいと思った。]
(127) lalan 2017/12/29(Fri) 21時半頃
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――「あれかし」。
って、意味あったんだ。 書き間違いかと思ってた。
[顔の見えない誰かの優しさに触れる。
オレがこうして図書館でノートを眺める日々は、まだもう少し先だけど、確かに終わりがやってくる。
その日まで、このささやかなやり取りに込められたものに、もう少し気付いていきたいと思った。**]
(128) lalan 2017/12/29(Fri) 21時半頃
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エフは、/* わあいもぐもぐ(かってにたべる
anbito 2017/12/29(Fri) 22時頃
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― 二月のある日 ―
[私立の合格通知が届く。 まあ当然だ。郵便機関さえしっかりしていれば何一つ問題なんてなかったから。
それでも届いた通知を見て顔が緩むのは、この合格通知はちょっと特別なものだからだ。
―― まさか、同じ大学を志望してるなんて思ってもなかったし、行けるとも思ってなかったし、そもそも行こうという発想がなかった。 実際、同じ大学への切符を手にしてみると、これを捨てなくてはならない可能性が惜しい。
既に願書は出している。競争率と成績を考えると受かるかは五分五分だ。]
(129) soba 2017/12/29(Fri) 23時頃
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[チラッとよぎる、手を抜く。という選択肢。 考えてしまって、ふるふると首を振った。]
だめだだめだ。
[でもこんな心持ちじゃ受かる気はあんまりしない。 国立に行きたいという気持ちは確かなんだけど。 それより勝る気持ちがありそうで、始末に負えなかった。
片手の平を見おろす。 あの日握手した、手のひら。
自分の手がちょっと熱くて、汗ばむと嫌だったからすぐに離したあの時。 お互い頑張ろうっていったじゃんか、と自分に言い聞かせる。
そんな時にメールの着信音がきこえて、ビクッと肩を震わせた。]
う、うおあ…うわさをすれば…
(130) soba 2017/12/29(Fri) 23時頃
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[噂ではないけど。 メールの文面を読んで、緩く息を吐く。
受かると思ってる。 応援してる。
そりゃそうだ、そりゃそうだ。おーけー、解ってる。 うん、うんうん…。
スマホと合格通知を重ねて額に押し当てた。]
はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜……
[だいたい、同じ大学行ってどうすんだよ。 片思いロスタイム開始ですってか?ロスタイムあってもどうなるもんじゃねーって。逆にこのままここでいいともだち。って思われたままフェードアウトしていくくらいが、良いイメージのままなんじゃん?]
……。
[暫くメールを眺める。眺めて、返事を打った。]
(131) soba 2017/12/29(Fri) 23時頃
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[迷いに迷って、最後の一文。 これくらいなら許されるだろう。と思う。
……馬鹿な事を考えてないで、真面目に頑張ろう。おちたら多分気まずくもなるだろうし。]
(132) soba 2017/12/29(Fri) 23時頃
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―冬の幻 >>2:-38>>3:8>>3:9>>3:10―
[おれが二十八の頃。 あいつは十七――高校二年の冬が始まりだった。
最初はただの教師と生徒だった。 おれは二階で明日の授業の準備や、今日の片付けをしていて あいつは校庭の花壇をせっせと世話していた。
いつからか声をかけるようになった。
「熱心だな」とか 「何が咲くんだ」とか 「今日も寒いな」とか
校庭の運動部の喧騒が遠く。 そこには穏やかな時間だけがあって。 たった数秒の会話はやがて、数分になり、数十分になり。
欠かせないものになるのは必然だったんだろう。]
(*1) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
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[おれはそんなに口の回るほうではなかったし あいつもそこまでお喋りなタイプではなかった。 二人でいても無言の時間なんて幾らかあったし それも含めて苦になることは全然なくて。
重い肥料を運ぶのを手伝ったり。 雑草を引っこ抜いて尻餅をつくおれに笑ったり。 鼻の頭に土汚れをつけたあいつに笑ったり。 おれの食うものが体に悪いからって たまに弁当を作ってきてくれたりするようなやつだった。
甘い卵焼き、タコの形のウィンナー。(>>1:111) 美味いと謂えば、嬉しそうに笑う顔があった。
おれが“声なき言葉”を教えたら、一生懸命に覚えて。 代わりにあいつは、おれに草花の事を話した。 おかげであいつは理科の成績だけやたらによくて。 おれは似合いもしない花言葉なんかに詳しくなった。]
(*2) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
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[おれたちはお互いにわかっていた。 相手のことをどう思っているか。 そして、おれたちの関係性も。
だから謂えなかった。 だから、謂わなかった。
たとえその笑顔がどんなに愛しくても おれはこの手を伸ばさなかった。 柔らかな髪に触れることもなければ 透き通る肌に触れることもない。
あいつも同じだった。 おれを名前で呼ぶことも無い。 連絡先もしらない。
でも、それだけで おれたちは充分しあわせだった。]
(*3) anbito 2017/12/29(Fri) 23時半頃
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