158 Anotherday for "wolves"
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[死にたくない。
でも、もう生きていたくもない。]
[その二つの天秤が ぐらり ぐらりと その吊り棒を揺らす。]
(106) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[ドキドキと大きな鼓動に触れるように その冷えた手を添えられたのはその時で>>79
思わず視界を開いて、彼女を映す。]
[そのいびつな微笑みを捉える。]
(107) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[重さを増した天秤が均衡を崩して、大きく吊り棒が傾く。]
たっ…助けて…ッ!!! 誰か…誰かぁっ!!!!
[弱り切ったわたしの声を 聞いてくれる人はいたのでしょうか。]
(108) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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――― … あーァ、
やっぱり 鴉のところなんざ 泊まるもんじゃあ、ないねえ。
[ 嘲るよう、 ―― 寂寞から逃げるみたいに、 苦手な相手のうちでさえ泊まりこんで。
からから 烏にわらうよで、 とおい響きが返ってくるのは、
猫自身に、だった。 ]
(109) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[メアリーとラディスラヴァの声が聞こえる。 聞きながらも積極的に声を向けぬのは、 情がわきすぎぬように、という考え。 守れなかった過去が守りたいと思う相手を 極力増やさぬように歯止めをかけるから。 それでも、耳を傾け時折言葉を交わす、それだけで ルパートのいう“味方”たちに情を重ねてしまっている。]
(*10) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[ 指と、指を、重ね合わせ。 ――― 背伸び、ひとつ。
弾けるように、 外円をなぞるよに、
腕を、振り下ろす。 ]
[ まだ、すこし眠気ののこるまなこで。 濡れ羽色の睫毛の湿りを拭って、
がらり。
硝子を開けたなら、 玄関からじゃあなく、 また 猫のよに 窓から抜け出て。 ぴたん と 最初からなにもいなかったよに。
――― 外へ、 逃げてゆく。 ]
(110) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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[扉から差し込む光に照らされた幼馴染みは 無言で紅い池の上に横たわっていた]
おい、何だよ…これ
[白い肌の喉元に咬み傷 胸から腹まで裂けた肉は潰れた石榴 金の髪は血に塗れ赤黒く
だが、鉄の臭いが混じる生臭さに やはり肉なのだと理解する
心の臓がある位置は肉が抉られ そこだけ、ぽっかりと空いた状態 四肢や頭部が無傷な分 その空がやけに目に止まって痛々しい
暫く言葉が出ず、どれ程立ち尽くしていたか]
(111) 2015/05/20(Wed) 11時半頃
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わたし…。 ラディスお姉ちゃんのこと 好きだよ。
ぶきっちょだけど ちゃんと、伝わってるよ。
[か細い声を張り上げながら>>108 この気持ちは伝わるでしょうか。]
(*11) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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[クラリッサから夢の話を聞く頃、 聞こえた笑み声>>*7に微か睫が震える。
主人公になんてなれないから、と言った彼女>>4:*10に 諦めを感じ言葉を向けてみたが認める言葉はなく、
何処か傲然たる物言いは、 彼女の心を守る鎧のようにも感じていて
彼女の心が、本心が、読みきれずにいるのは きっと読ませたくないからだろうと思っていたけれど。]
(*12) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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― → 宿 ―
[起きた場所に、 足跡代わりの、銀の刃ひとつ残し。
逃げゆく先は、 墓場参りに、でも無く。 …… 診療所に、でも無く。
ぶらり、
足取りは、
―― 花屋を避けるよう、 (どうしても、八つ当たりの感情が ふつり と 湧き出てしまうんだ )
疑いの矛先、 (猫は、聞かなかったから、未だ知らないけれど) もう一人しか残っていない宿屋の、方へ。 ]
(112) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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[辺りに誰かの気配があるか そこに思考が行ったのは
一頭の鴉が入り込み カァと一声、鳴いたから
耳を澄ませど気になる気配や音もない 少なくとも、この家の中には誰もいないだろう]
ああ、このままじゃ可哀想だな
[寝台から布団を剥いで、さっと被せるが それも見る見る紅く染まって行って どうしようかと考える]
(113) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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―― 未明 ――
[――鳥も、獣も、ひとも、寝静まる頃。 ベネットはジョスランの家の扉を叩いた。 彼とはさほど親しくない、というのは自覚がある。 警戒されるのも致し方ないこと。 だから、彼が親しいだろう者の名を出し、偽りで彼に扉を開けさせる。]
ドナルドの事で、伝えておきたい事があって
[首飾りの一件を知り、感じたのは、 ドナルドがジョスランを信用するらしきこと。 情報を共有する程度に彼らは親しいということ。 明日も知れぬ我が身を憂うかのように、 心を殺して、紡いだ嘘は、それらしく響いたろうか。]
(*13) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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[己の為に、家族の為に、 獲物を狩る事に何の躊躇いがあろう。
そう思いながらも、
脅威となる力を持つ彼女を、 “味方”を疑う隻眼の友を、
その夜の狩りの選択肢からはずし、 より縁の薄いものから選ぶは、甘さ。]
(*14) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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[ジョスランに一瞬の隙を見つけると、 ベネットは獣へと姿を変えて、彼に飛び掛る。 前脚を肩に掛け押し倒し、咽喉に喰らいついて 助けを呼ばれぬようにまずは声を奪う。 牙は白い首筋につぷりと埋まり、 強靭な獣の顎が圧をかけ、その咽喉骨を噛み砕く。 口腔に広がる味は甘く馨しく、 漆黒の獣は、グル、と嬉しげに咽喉を鳴らした。
同じ村に住む同胞に牙を剥く。 一族を率いる族長を屠り、家族の為の糧とした獣は、 禁を犯し同族の味を覚え、また罪を重ねる。]
(*15) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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――…。
[ジョスランを見下ろす獣は双眸を細める。 獲物が女であればもっと楽しめたのに。 ふと浮かぶよこしまな思いは、 女性に聞かせるべきはないとわかるから音にはしない。
彼の首筋からドクドクと流れ出す血の量は多く、 このまま血を失えば死に至るだろう。 糧としての鮮度を優先し、息の根止めるは二の次で。]
ジョスラン、 迫るのが色気のない僕で済まないね。
[届くかどうかも知れぬまま軽口染みた声を向ける。]
(*16) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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[獣は鋭き爪でジョスランの衣服を破り、その肌に傷をつける。 肌に描かれる爪あとからは、じわと赤い珠が浮かんだ。 鼻先を近づけその血を、ざらりとした舌で舐めとり、 更なるを求めるように牙を剥き、肉を抉り隠された中を暴く。
熱き血潮に漆黒が濡れ、深みを増す。
獲物を狩るは本能。 栄養価の高そうな部位を選びそれを抜き出す。 ジョスランの心臓があるべき場所はぽっかりと空洞が口をあけ。 末の妹に与えるための糧を剥ぎ取り終えることには、 すでに息絶えていると知れる。
流れた命は床を濡らし彼の見事な金をも染めて。 別れの言葉を獣は口腔で転がし、立ち去り、 其処に残されるのは物言わぬ彼――。**]
(*17) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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何、動揺してんだよ…俺
[両手で頬を何度か叩けば その音だけが歪んで大きく響いて聴こえる
これまで、幾つか死体を作り その後始末の弔いまで、した事があった
しかし、初めての全く予期せぬ遭遇に 明らかに自分は狼狽えている]
全然、役に立ってねえし
[もし、昨夜渡す相手を違えていたら その後悔がひしひしと、内側から苛んで行く]
(114) 2015/05/20(Wed) 12時頃
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[ジョスラン家をザッと探してみても 勝手知ったる家の筈だったが
丁度いい布や布袋が見つからず 困り果てた末 サイラスの家へと駆け込んで]
ジョスが…殺られた 運ぶの手伝って欲しい
[と、布袋や布もついでに頼む
近くに「兄さん」がいないのに 気づいたのは、再び彼の家に戻った時の事**]
(115) 2015/05/20(Wed) 12時半頃
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[ 少女を糾弾すること、殺すこと。 一切、蒼天使が躊躇いを見せることは、 もう、決してない。
眩んだ頭のなか、 スティを『悪魔』だって、叫んだ あの鈴鳴る声だけが、妙に焼き付いて、
――― そこから、 疑念がどうしても、晴れやしない。]
[ 銀細工の、 渡り手のひとり。
もし、それが偶然でなく『目印』だったなら。 鴉か、 少女か、 上で振り子が揺らぎ、
…… きのう、渡された刃と、 転がっても 猫も 鴉も死んでない事実に 石は、少女に軍配をあげる。 ]
(116) 2015/05/20(Wed) 12時半頃
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…―― やっぱり、ほぼ間違いないと思うけどねえ、
[ 引っ掛かりがあるとすれば、 やっぱり、昨日のレグの、はなし。
そこでようやく、 昨日、誰がころされたのか。 知らないことに気付いた、けれど。
狗の憎悪の炎が、黒猫にまで飛び火するよう 処刑が当たり前の一頁であることに、 もう 猫も『なにも思わない』し、 『なにも感じなかった』。]
…… 間違うのは、後味悪いからやだものね。
[ ぼそり、と。 ]
(117) 2015/05/20(Wed) 12時半頃
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[きのうの、本当かもわからない夢見のはなしと、 無実と。そう告げられたルーおじさんの笑みを ぼんやり そう、浮かべて。
仄暗い焔が、猫の螺子まで融かそうとしながらも 『まだ』 思い出せることに、 微かに 安堵を、吐き。
まだ 生きているなら。 『ふたり』に話をするために、 宿へと、歩調を変えぬまま 、
何度目か、規則を刻んだあと。 硬い音が 休止符に差し掛かる。
―― 代わりに、>>108弱々しいひめいが、 風を切り裂いて、劈く。 ]
(118) 2015/05/20(Wed) 12時半頃
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…… ―― メア?
( …… ‟助けて”? )
[濡れ羽色が、張り詰めた気に撫でられて。 地を蹴れば、犬の耳のよに跳ねる。
今し方、ほぼほぼ、犯人だと思ってた。 その少女の、悲鳴に 惑い。 惑った、けれど。
罠なら罠、 考えるなら後でもいい。 (そもそも、考えるなんて得意じゃあないんだから)
そう思うよりも先、 せっかちな足が動いてたから、 音が 風が、伝えるまま。
――― 宿の、裏手へ。 ]
(119) 2015/05/20(Wed) 13時頃
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[ 助けを求めた少女と、 駱駝色の、冷やかな手を持つおんな。
ふたつの影は、 いびつな、死肉の色を纏う女の笑みは。 まだそこにあっただろうか。
蒼がそれらを捉えることが出来たなら、 ふたつを、見比べ。
刃より遥かに鋭い、 研ぎ澄ました 氷のひとみをつきつける。]
…… なーんだか、 面白そうなことしてるねえ? ラディ。
(120) 2015/05/20(Wed) 13時頃
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[ 吊上がる三日月、 零れる皮肉と、対称に。
蒼い石は 零度を纏い、 一寸だって、わらいやしない。 ]
[さっきまで疑ってた相手でも、 掌を当てられ、
弱り切った、助けを乞う少女と。 相対する、もうひとりを見れば。 誰だって、 後者を警戒するだろう。
演技や、罠。 そういう類のものでは無さそうってのは、 本能が、経験が。
なんとなく、なさそうだ、と予感していた。 ( ―― 鈍ってなけりゃあ、だけどね)]
(121) 2015/05/20(Wed) 13時頃
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[だけれど、少女の方にも、 警戒をちろり、と覗かせて。
黒いけものは、 いつだって動けるように、 つま先に力を籠める。
―― 場合によっては。
鴉を見つめたままの、 星陣の『呪い』を、
七星を司る血脈が齎す 黒妖犬の力を、 どちらかに向けることも、考えながら。*]
(122) 2015/05/20(Wed) 13時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/20(Wed) 13時頃
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[先日、グレッグの一件があったあの時、 こうしてクラリッサを支え向けた言葉への反応はなく、 喧騒に紛れ届かなかったのだろう、と思う。
一方的な思いだから、 届かなかったらそれはそれでいい。
彼女と己は見詰める先が違う。 そう、わかっていたのに――。 分かっていても口にしてしまった己の愚かさを嫌悪する。]
(123) 2015/05/20(Wed) 13時半頃
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[クラリッサの力を知りながら、 ベネットはそれを誰にも告げなかった。
けれど、先日の投票の前に、 彼女はそれを口にしたから もう皆知ることだろう。
獣の爪が、牙が、彼女に届かねば良いと願いながら 過ごした夜はもう、遠い。]
(124) 2015/05/20(Wed) 14時頃
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[黒の双眸に映りこむはクラリッサの姿。 少しだけかなしげな色を湛え、小さく息を吐き]
――…クラリッサ。 キミはそれを知って如何するの?
[グレッグの行いを皆に告げたように 正義を貫くだろうことを思いながら そうならないことを願い、尋ねる。]
(125) 2015/05/20(Wed) 14時頃
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[クラリッサの視る夢が、脅威となる事はわかっていた。 分かりながら、考えないようにして、あえて選択肢から外して。
彼女に暴かれるならそれで終いにしようと思って。 暴かれるなら彼女に、とも思って。
けれど、己以外の秘密が暴かれる事は望まず――]
――――……。 ねぇ、クラリッサ。 “脅威”となる力が皆に知れたのに、 キミが襲われずにいる理由は、何だと思う?
[何処か困ったような表情で、問い掛ける。*]
(126) 2015/05/20(Wed) 14時半頃
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[私が声を出せたことに、きっと驚いたのでしょう。>>97>>98 触れる体が凝固していく、そんな風に感じました。 最初から声など失っていなかったこと。 この何年もずっと、人を騙し続けたこと。 口にすれば少女の表情は、もっと蒼褪めてくれたでしょうか。]
可哀想なメアリー。 大人たちに疑われて、お父さんも殺されて。 友達も、お兄さんも奪われて。
生きてるのも辛いでしょう? だったら、私が殺してあげる。
[目を瞑る、か弱い姿>>100>>104 そっと触れたこの胸が、夢や希望に満ち溢れ きらきらと輝く素敵な女性になることを きっと誰もが、望んでいたはずだったのに。
ねえ?]
(127) 2015/05/20(Wed) 14時半頃
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