88 めざせリア充村3
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……逃げないよ。
[後頭部に手が添えられる。 問いかけに小さく苦い笑みを浮かべ、 静かな命の音に耳を傾けた。
耳元で囁かれた言葉に肩を揺らして。 答えのかわりに、背に回した手に力を込める。 踵をあげて顔を寄せ、]
(85) 2013/07/04(Thu) 01時頃
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[ライジの手から力が抜けて、その先に光が見えれば、 背に回していた手を袋から引き抜く。 加減なしの能力は、体が離されるより先に 彼の背中の一部を抉り取るだろうか。
会えてよかった。 最後にちゃんと抱きしめられた。
…戦いたくなくても、戦わなければならないなら。 ライジにだけは殺されてあげない。**]
(86) 2013/07/04(Thu) 01時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/07/04(Thu) 01時半頃
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[肉を貪ろうと、命のない鳥がモニカに襲いかかる。 それと入れ替わるようにして、銃を片手にしたチアキが飛び退き、モニカの額に向けて銃を構える]
あぁああぁあ、なんなんだよほんっっと……。 死にたくない、死ぬのは怖いよ。
志乃のときだって、あんなに助けを求めていたのにわざと死ぬなんてことはできなかったんだ。
ねえ、みんな。なんでいっしょに生きてくれなかったの。 僕の悪い頭じゃわかんない……。 死にたくない。俺はこんなに死にたくないのに。
[酷く引っ掻いたせいで、爪に血がついていた。 引き金は、まだ引かない**]
(87) 2013/07/04(Thu) 07時半頃
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っー、邪魔っ! [ざわっと鳥が動いて、肉を貪るように食いちぎっていくのを鋭い爪で薙ぎ払い、燃やす。
くそっ、多い、それじゃチアキを焼けないじゃないか と毒付きながら、爪で薙ぎ払い、熱で燃やす。 チアキの声が聞こえた>>87
ぶちりぶちりと肉がきぢれる嫌な音と立てながら、ずるりずるりとチアキの所へ這いずる。 おかしいな、どこか食われたか。 歩けない。]
ーー、生きたいのは、死にたくないのは、"人"だからよ。
[魔女は言う。 ちりちりと熱で自分の服に火がついた。]
(88) 2013/07/04(Thu) 13時頃
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ねぇ、知ってる? 魔女は火炙りと決まってるの。
[がしりと銃を握る手首を熱くなった手で掴む。 銃口を自分の額にあてつけて、にぃぃっととてもあやしげな笑みを浮かべている]
ーーーーー。 [チアキに聞こえただろうか。 燃える猫が小さく鳴いて、火となって魔女を燃やし始めた。**]
(89) 2013/07/04(Thu) 13時頃
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[雷を避けようと身体を低くして。 地面に落ちた銃を手にーーしようと見えたかもしれないが。 本当の狙いは地面の方。
コントロールも多少なりとも上達した。 オンオフはできなくても、 指向性をつけられるくらいには。
ライジの足が乗る周囲を一気に腐らせる。 急激に弱くなった足場に、 片足から血を流す彼は踏みこたえられただろうか。
体勢を崩せば、今度こそ銃を拾ってつきつけた。**]
(90) 2013/07/04(Thu) 13時半頃
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[離れる間際に背を抱かれ、 そこがジワリと腐って、壊れた。
皮膚と筋肉が壊れて 神経と血管が千切れる痛みを味わう。 それもすぐに終わってしまうが。
――もう、オシマイ…か。
片肺への侵食が始まる間際で ソフィアの身体を突き飛ばして 再び、戦場に最適な距離を取る。]
(91) 2013/07/04(Thu) 14時半頃
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……っ は、ッ 、
[それでも肺の一部を損ねたようで、 吐く息は乱れ、濁った血液が口から溢れた。
咄嗟に放つ雷は地面と水平に伸びて ソフィアの胸を貫こうとするが、 屈む動作に追いつけずに宙を撃って消え。
次の攻撃をと右手を振るう前に、 崩れる地面に傷む足を取られて。 後方へ一歩蹌踉めいた隙に、 気付けば、銃口を向けられていた。]
…、……侮った。
[薄く笑って、ソフィアを見つめる。**]
(92) 2013/07/04(Thu) 14時半頃
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[肉を喰らわれながらも、モニカは爪を振るう。 そこに感じた狂気と、そしてそれを作り出してしまった自分の立場に、胃が収縮して吐き気が込み上げた。
鳥が落とされていくが、モニカはすでに酷くボロボロで 特に、血が溢れていた足に鳥は食欲をそそられたのか 桃の皮のように柔らかな皮膚を食い破り、筋肉を貪り、骨が露出したところでようやっと鳥は全滅した。
引き金は、引かない。……引けない。 もういいだろうと、銃を下ろしかけて]
っ……う、ぁ!?
[ずるり。 這いずるモニカに腕を掴まれた。 じゅうとタンパク質の焦げる臭いがする。
痛みは麻痺している。 でも、それでも、迫り来る死そのもののような彼女が、恐ろしくて
……それでも、引き金は引けない]
(93) 2013/07/04(Thu) 18時頃
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[志乃の言霊の効果は、果たしていつまで持つのだろう。 何分?何日?それとも、永遠?
だけど、例え志乃の能力がなかろうと。 きっと、チアキは引き金を引けない。
彼女が自らを犠牲にしてまで願ったものを、裏切ることなんて出来なくて
ただの幼友達でも妹でもない、世界で一番大切な女の子の言葉が、かろうじて心を現世にとどめていた。
だけど、それも。 目の前のモニカが囁いた言葉に 華奢な心が、容赦なく揺さぶられる。]
(94) 2013/07/04(Thu) 18時頃
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なんで、さ。なんで俺に、 死にたくない、死にたくないよ、だって、そんな 俺だって、モニカだって、人間じゃあ、ないっ、かっ!!!
[理不尽な殺意への恐怖と不条理な現実への癇癪と、それに内包された絶望がまぜこぜになって
手を振りほどこうと、腕を動かす。 ぼろりと、炭化した表皮が落ちた。
痛みはない。痛みは、ない。 ……多分]
(95) 2013/07/04(Thu) 18時頃
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[振りほどけないまま、腕が焼かれていく。 恐怖と混乱で、ひきつった声を漏らした]
なんでモニカまで、そん、なっ いやだ、やだよっ、かみさま、かみさま、 なんで、そんなの、それが、それが……
……モニカの望みなの……?
[ぽろりと涙が一粒零れる。 それは頬を濡らして、モニカの手に落ちた。
腕は、もうほとんど動かない。 せいぜい指二本動かすのが、やっと。
そうして、指二本あれば、引き金は……]
(96) 2013/07/04(Thu) 18時頃
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[とん、と。
境界線の向こう側に、背中を押された音がした]
(97) 2013/07/04(Thu) 18時頃
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[照準を合わせる。
撃鉄を上げる。
トリガーを、引く]
(ぱぁん)
[酷く軽い火薬の音がした]
(98) 2013/07/04(Thu) 18時頃
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ぁ、あ、……ぁは、
(99) 2013/07/04(Thu) 18時頃
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……しーちゃん?みんな?
[きょろりと。 不思議そうな顔で、辺りを見回す。
愛しい愛しい女の子の名前を呼びながら
腕は、まっくろに焦げていた**]
(100) 2013/07/04(Thu) 18時頃
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[相変わらずの虚ろな金の目は 揺るぎなく彼女を見つめたままで。
パチリと小さな光を零した右手で、 自らの右腿へと触れ。
形振り構わずそこへ電気を流し込む。
激痛と熱、筋肉が壊れるのを感じたが、 麻痺した神経に刺激を受けた足は跳ねる。 刹那的なその力で、後方へと飛び退こうと。
無傷な左足での着地は不安定だったが、 何とか、 地面を踏みしめる事は叶ったか。**]
(101) 2013/07/04(Thu) 18時半頃
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[背中に回した左手に、生々しい崩れた肉の感触。 伏したすぐ上を雷撃が通り抜け、 一瞬遅れて背筋に悪寒が走った。
口端から赤を零し、それでも笑うライジへと銃口を向けたまま。 たとえ手が震えていたとしても、 この距離なら外すことはない。
息を止め、引き金を引く。 一発。二発。三発。 鉛玉はしかし地面へとめり込んで。
無理な動きでその場を飛び退き弾を避けた体は、 倒れないのが不思議なくらいだった。]
(102) 2013/07/04(Thu) 20時半頃
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[撃つ時に添えた左手で、 銃の持ち手は使い物にならなくなっていた。
どうせ残弾もなかったのだと捨て。 銃を持つためにつけていた手袋も捨てる。]
…逃げないで。
[足を踏み出す。今度はこちらから。 雷が放たれても最低限のものしか避けず。 まっすぐライジへと歩いていく。]
(103) 2013/07/04(Thu) 20時半頃
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ーー終わりに、しよう?
[手を胸に。]
(104) 2013/07/04(Thu) 20時半頃
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[銃弾の行く末には興味を示さず、 着地した位置から雷を放つ。 ソフィアに避けられれば、次を。 また避けられれば、さらに次を。
声を聞く。
―― 逃げる………? ―― 何から………?
―― 俺には「逃げる」なんて選択肢は無いのに。
三度目に呼んだ雷は、 ソフィアに届く前に消える。
力がまた尽きつつある。 咄嗟に薬を噛んで飲み込もうとするが、 咽返る血に阻まれて思うようにいかない。]
(105) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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[ソフィアが近付いてくる。
彼女の手に捕まれば死ぬ。 俺は死ぬわけにはいかない。 足は痛みに震えるだけで思うように動かない。
―― 生きて 生きろ 生きなくては 生きる …
薬を諦め、 右手で自らの頭を掻き毟りながら、 身体に残るありったけの電撃を脳に叩き込む。 直接的な刺激を与えればきっとまだ戦える。]
(106) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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[脳を部分的に壊し、 視神経を焼き切った電気が身体を貫く。
心臓が大きく脈打ち、 刺激に反応してか、能力がまた漲るのを感じる。
―― まだ、終わらない。生きて。戦って …
視力を失い死んだ目は もう何も見ていない。 血を吐くばかりで呼吸もままならない。
それでも俺は“戦場”に確かに立っていて、 小刻みに震える右手をがむしゃらに振るい 賑々しく夜空に稲妻を呼び雷鳴を響かせる。
見当違いな場所に振る雷は、 ただただ地面を焼くばかり。]
(107) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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[――生きるんだ。どこまでも。
その意思は失われない。 失う事は許されない。許せない。
なのに。]
(108) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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[ソフィアに触れられ、
安堵したように、 短く息を吐いた。]
(109) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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−回想:>>95− ゴホッ、ゴホゴホ―――
[ぼたり、ぼたりと床に血を吐き落としていく。 チアキが振りほどこうとする腕を動かせば炭化した表皮が落ち―、それでもなお、掴み続ける。]
ゴホッ、死にたくないなら――ッごほ―
[咳にかき消される。]
(110) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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―回想― [>>98 カチリと撃鉄を起こす音が聞こえた。]
[そうだ。これでいい――。 やっと会える。]
[軽い音が聞こえ、目の前が暗闇に包まれた。]
―――。
[誰かが見れば、そこには抑えきれなくなった熱で自身が焼かれ、頭撃ち抜かれたモニカが転がっていることだろう**]
(111) 2013/07/04(Thu) 21時半頃
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楽器職人 モニカは、メモをはがした。
2013/07/04(Thu) 21時半頃
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[ぎりぎりのところを飛ぶ雷の余波で皮膚がひりつく。 それでも足にさえ当たらなければ、歩みは止めない。
血を吐き、頭を掻き毟り、 自らに雷を向ける様を見つめ。]
(112) 2013/07/04(Thu) 22時頃
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[数歩の距離に立っていても、 雷の落ちる音は彼方ばかり。
壊れかけた体で、それでも戦いを止めない彼に。 死を届ける手を伸ばす。>>104
悲しい顔は見たくない。
苦しむ顔も見たくない。]
(113) 2013/07/04(Thu) 22時頃
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[だから。]
……いいよ。
[擦れた声で囁いて。 皮膚を、肉を、骨を崩したその先にある、 命の源に触れた。]
(114) 2013/07/04(Thu) 22時頃
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