人狼議事


278 冷たい校舎村8

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【人】 鉄血の福音 セイカ

[ パフェのお供の飲み物は、
 いつもなら絶対飲まないブラックコーヒー。
 甘味がリセットされるのでお勧めです。
 
 ショートケーキを完食したら、
 今度はちょっと溶けかかっていたバニラアイスを
 お玉に一杯分くらい引き受けた。
 気分はすっかりフードファイターで、
 あれ、パフェってこんな風に食べるものだっけ?
 もっと美味しさを噛み締めながら
 食べるものじゃなかったっけ?
 そんな疑問がよぎったけれど、
 考えなかったことにした。
 楽しければいいんじゃないかな!!* ]

(946) takicchi 2020/06/28(Sun) 19時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

 ―― デート、じゃない話 ――

[ 何の躊躇いもなく即答されて>>1028
 唇が少し震えた。

 聞いてくれるんだ、という安堵の気持ち。
 これでもう逃げ道はなくなった。
 全部、話さなければいけない。
 その結果、軽蔑されるかもしれなくても。
 ……そんな、気持ち。
 それでも誠香は話すと決めた ]

 ……ありがと。

[ 一緒に背負っていきたいという言葉は素直に嬉しくて、
 全部、話し終わった後も、
 その気持ちでいてくれたらいいな、と思う。
 軽蔑されても仕方のないことだけど、
 できれば、嫌いにならないでほしいな、と思う ]

(1046) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 僕さ、お兄ちゃんがいたんだ。
 僕が中3の時、交通事故で亡くなったんだけど。
 ……事故の前、僕、お兄ちゃんに酷いこと言ったんだ。
 それで……ずっと僕、本当は、
 お兄ちゃんは自殺したんじゃないかって、疑ってた。
 ……どうやらそれは、
 僕の考えすぎだったらしいんだけど。

[ ラテアートのくまさんは、
 誠香が口をつけると歪んでいく。
 見るともなしにそれを見つめて、
 誠香は小さく息を吐きだす ]

(1047) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 ……自殺じゃなくて事故だって、
 僕がはっきりわかったのって、つい最近のことなんだ。
 どうもお兄ちゃん、僕と仲直りするために、
 僕にお菓子を買いに行って事故に遭ったらしいんだよね。
 僕がそれを聞いたらきっと気に病むだろうって、
 両親はそのことを僕に言わなかったんだ。

[ 両親は悪くない。誠香が悪い。
 兄は自殺したのかも。
 誠香が両親にそう言ってさえいれば、
 即座に否定されていたに違いないのだから ]

(1048) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 それでね、僕はお兄ちゃんに言った酷い一言が、
 せめて“嘘じゃなかった”って証明したくなった。
 そんなの、何の救いにもならないんだけど、
 でもその時はもう、
 僕にはそれしか縋るものがなかったんだ。
 
[ 肝心のことはぼかし続けたけれど、
 このあたりで限界だった。
 誠香はグラスを手に取ると、
 レモンの香る水を一口飲んで、ため息をつく。
 覚悟を決めて、顔を上げた ]

(1049) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 ……お兄ちゃんの夢は、作家になることだった。
 事故の日、僕、模試の結果にイライラしててさ、
 のんきそうなお兄ちゃんに八つ当たりしたんだ。
 それで、言っちゃった。
 ……お兄ちゃんには、才能なんか、ないって。

[ 酷いよな、と誠香は笑う。
 ああ、これ、辰美が嫌いな笑い方だよな、なんて思って
 けれど他の表情が見つからなかった ]

(1050) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 酷いよな。そんな言葉を投げつけたこともだけど、
 その言葉が嘘じゃないって証明しようなんてさ。
 でもその時はもう、そうするしか逃げ道はないと思って。
 それで、応募したんだ。
 お兄ちゃんの残した原稿を、僕の名前で。
 だって、亡くなった人の名前を使って応募なんて
 できないと思ったし。
 ……才能がないことを証明する、つもりだったし。

 ……そしたら、証明されちゃった。
 お兄ちゃんには、才能があったって、証明されちゃった。

[ はあ、と大きく息を吐くと、
 誠香はやっぱり泣き出しそうな笑みを浮かべた ]

 これが、高校生作家の正体。
 今まで僕の名前で出された本は全部、
 お兄ちゃんの残した原稿なんだよ。
 

(1051) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ だから死にたかった、と誠香は言った ]

 もう、耐えきれなかったんだ。
 お兄ちゃんが僕の言葉に傷ついて、
 自殺したかもしれなかったことも、
 お兄ちゃんの原稿を盗むみたいにして、
 作家になってしまったことも、
 お兄ちゃんの残した原稿が、
 どんどん少なくなっていくことも、
 ……お兄ちゃんはもういないのに、
 時々、普通に楽しく暮らしてる自分のことも。
 全部、全部、辛かった。投げ捨ててしまいたかった。
 

(1052) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ 本当のことを言うと、
 そんな気持ちが全部なくなったわけではなかった。
 兄の死が自殺じゃなかったとしても、
 あの日喧嘩をしていなければ、という気持ちはあるし、
 兄の原稿を盗んで作家になってしまったことに
 変わりはない。
 なにもかもなかったことにはならない ]

(1053) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 だけど、あの、しおちゃんの作った校舎で、
 色んなこと考えたし、
 一度、本当に死んじゃったし、
 ……怜を置いて死ねないなって思ったし、
 向き合う覚悟、決めた。

 それで、両親に打ち明けて、
 出版社にも、事情を説明したんだ。
 なんとか、許してもらえた。
 ……いろいろ、条件を出されちゃったけど。
 だから、ごめんね、怜。

[ 情けない笑みを誠香は浮かべた。
 カプチーノに口をつける。
 くまさんは無残なことになった ]

(1054) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 これで、怜も、共犯。
 今話したこと全部は、
 絶対に漏らしちゃいけない秘密なんだ。
 それが、出版社の出した条件の一つだから。

[ 馬鹿みたいだよねえ、と自嘲の笑みを浮かべながら、
 出版社の出した条件を伝える。
 売れるための美談にすること ]

(1055) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 ……ある意味、僕にとっても都合がいいけどね。
 本当のことなんか発表したら、
 バッシングで僕死にそうだし。
 でもこれで、僕はまた、
 新しい嘘をつき通さなきゃいけなくなったってわけ。

[ 全部話し終えたタイミングで、
 カプチーノの入ったカップは空っぽになった。
 空っぽになったカップをしばらく眺めて、
 はあ、と誠香は大きくため息をつく。
 それから、顔を上げて、微笑んで。
 軽蔑した? って、聞いた* ]

(1056) takicchi 2020/06/28(Sun) 23時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

 ―― デート、じゃない話 ――

[ 軽蔑した? って聞きながら、
 肯定されたらどうしようと思っていた。
 否定の言葉を期待しながら、
 虫のいいことを考えているなと思う。
 だって、誠香だったらきっと軽蔑する。
 全部自滅の自業自得じゃん、と思ってしまう。

 それなのに、返ってきたのは
 思いがけない感謝の言葉。>>1077
 誠香は思わずきょとんとして、
 それから意味を理解すると苦笑した ]

 ……お礼を言うことじゃないよ。
 僕の嘘に、巻きこんじゃったのに。

[ 頭を撫でる手に、
 怜は僕に甘すぎだ、なんて思う ]

(1117) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ 感想を伝えられたことは確かになかった。>>1079
 あの雪の日に、
 初めて読者だったことを知って驚いたくらいだ。
 だから誠香はうんと頷いて、
 僕は、と言った ]

 僕は、そのことに感謝してたよ。

[ 正直、知り合って間もない頃に小説の話をされていたら、 仲良くなれたか怪しいとすら思う ]

(1118) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ 初めて怜から聞く兄の本への感想に、>>1081
 誠香は目の奥が熱くなった。

 兄は優しい人だった。
 兄は、優しい文章を書く人だった。
 
 誠香は、兄が好きだった。
 兄が書く文章が好きだった。

 そう、兄に才能がないなんて、そんなはずなかった。
 そのことを、誰よりも誠香は知っていたはずだったのだ ]

(1119) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ うん、うん、と涙をこらえながら、
 誠香は相槌を打っていたけれど、
 ファンレターを送っていた、と聞いて>>1082
 ぽかんと口を大きく開けた。
 そんなこと、知らなかった。
 全然、気づかなかった ]

 なにそれ……知らない。
 うそ……まじで?

[ ファンレターは、もちろん全部読んだ。
 大切に取ってあるけれど、読むたび誠香は胸が痛かった。
 その感想を受け取るべき人は、誠香ではなかったから ]

(1120) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ だから、兄は誠香を恨んでいない。>>1083
 その言葉に、表面張力ぎりぎりだった、
 誠香の瞳の涙が、とうとうあふれてしまう ]

 そう、かな……?
 おにーちゃん、許してくれる、かなあ……?
 僕……僕、おにーちゃんのこと、好きだった!
 大好きだった!
 おにーちゃんに才能がないなんて、
 ひどい……ひどいうそついた!
 それでもっ、許して、くれる、かなあ……?

[ きっと誠香は涙でぐちゃぐちゃで、酷い顔をしている。
 両手で顔を覆ったけれど、
 指の隙間から涙があふれて止まらない。
 墓参り、という言葉に、>>1084
 声にならずうんうんと頷いた ]

(1121) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ 思い出したのは、あの校舎でのこと。
 あの時誠香はわんわん泣く怜を慰めたけれど、 
 今は完全に立場が逆転していて。
 きっと今、誠香はとてもブサイクだ。

 こんな恥ずかしいとこ見られたら、
 女だったら嫁にいけないとこだった。>>2:52

 そんな言葉を思い出したタイミングで、
 怜が何か言った>>1085 ]

 いやそれは気が早すぎだろ!?

[ 食い気味でツッコんだ誠香はきっと悪くない。
 驚きのあまり涙も止まっちゃったよ!!* ]

(1122) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

 ―― ニセモノ作家の進む未来 ――

[ 誠香の書いた、最初で最後の小説が世に出た。
 出版社の力の入れようはそれはもうものすごく、
 今まで世間を欺いていたことを告白する自伝的小説、
 という内容も世間の注目を集めた。
 どうやら本当に映画化の話まであるらしい。

 嘘が真実になっていく現実を、
 誠香は黙って受け止めていた。
 誠香はそれだけのことをしたのだし、
 その道を選んだのは、誠香自身だ ]

(1123) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ 最初で最後の小説、という約束だった。
 これで作家は終わり。そのはずだった。
 ふつーの大学生に戻ります!
 
 ちなみに進学先は海星大学だ。
 国公立への進学はやめた。
 もともと、そこを第一志望にしたのは、
 そこが兄の入学した大学だったからだ。
 兄の陰を追いかけるのは、もうおしまい。
 あと、美貌の彼氏に群がる女どもを
 ちぎっては投げちぎっては投げするためには、
 やっぱり近くにいたかったので。

 そうしてふつーの大学生になった、はずだったが、
 出版社は諦めが悪かった。
 誠香の書いた小説が売れたので、欲が出たらしい。
 暴露本みたいなものだから話題になっただけだよ、
 と誠香は思っているのだが ]

(1124) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ その日も、出版社に呼ばれていた。
 出版社あてに届いたというファンレターは開封済みで、
 批判的な内容の手紙は弾かれたのだろうなと知れた。
 正真正銘誠香の小説に宛てられた感想の手紙だ。
 ありがたいとは思うけれど、
 まだどこか、現実味がないというか、
 信じられないような気持ちでいる。
 ……本当だったとしても、あの小説の内容は、
 誠香が一生つき通す嘘なのだけど ]

 「あと……そうそう、これ、見てください」

[ 相変わらず誠香はエゴサはしない。
 きっと誠香のついた嘘への批判なんて、
 山ほど出てくるだろうし。
 受け止める勇気は正直なかった。
 受け止めようとしたら、ごめんなさいと叫びながら、
 今度こそ死にたくなってしまいそうだ ]

(1125) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


[ 出版社の人が示したディスプレイに、
 気のない顔を向けた誠香は、
 目に飛び込んできたものに大きく目を見開いた ]
 

(1126) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ それは、CG作品だった。
 重苦しいフクロウの幻影がほどかれて、
 その中から翼を広げた白鳥が出てくるような>>733 ]

 「このCG描いた子、福住さんと同い年らしいですよ。
  それで……」

[ 出版社の人が何か言っていたけれど、
 誠香の耳には届いていなかった。
 食い入るようにディスプレイを見つめる誠香の目から、
 ぱたぱたと透明の雫が零れる ]

(1127) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ 怜があの世界から持ち帰った何枚かの写真。>>75
 その中に、深緑色のフクロウを描いたCG作品を>>5:56
 撮影したものは含まれていただろうか。>>5:256 
 見たことがあればすぐにわかったし、
 見たことがなくても、同い年のHN『Hanon』の名に、
 きっと誠香は察しただろう。
 あの時は、気づけなかったけれど。>>0:1192
 察したというより、きっとそうだと信じた、という方が
 正しいかもしれない ]

(1128) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 ……ひとつだけ、書いてみたいお話があります。

[ 涙を拭った誠香は、顔を上げて出版社の人間を見つめた。

 悩みを抱えた人々が、自らの悩みと向き合いながら
 仲間と手を取り合って前に進んでいく物語。
 それなら、書けるかもしれないと思った。
 それなら、書いてみてもいいと思った ]

 ひとつ、条件を出してもいいですか?
 表紙のデザインを『Hanon』さんにお願いしたいです。

[ 作者と同い年の若手デザイナーが表紙を手掛ける。
 出版社の好きな“話題性”という意味でも、
 悪くはないはずだ ]

(1129) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 おにーちゃん。
 おにーちゃんと違って、私には才能なんか、ないけど。
 それでも、作家になったよ。
 きっと一生、おにーちゃんには敵わないけど。
 

(1130) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ



[ 真実になってしまった大きな嘘を一つ胸に抱えたまま、
 白鳥はもう兄のいない未来へと羽ばたく** ]
 
 

(1131) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

 ―― デート、じゃない話? ――

[ 誠香は知る由もないことだが、
 あれが“ごく自然な流れ”で
 “遠回し”のつもりだとしたら>>1132 
 怜の直球って何だろう。
 知る由もなくてよかった。
 知ってたら戦慄を禁じ得ないところだった ]

 早いよ!?
 僕たち、まだ高校生だし!
 これから大学生! 学生! が・く・せ・い!!

[ 未来を見据えてくれている、というのは、
 嬉しくないわけではないのだが、
 それよりやっぱり
 「気が早すぎぃ!」という気持ちが勝るのは
 仕方のないことだと思う ]

(1137) takicchi 2020/06/29(Mon) 02時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ

[ こんな展開、予想していなかった。
 誠香はずっと隠してきた秘密を打ち明けるつもりで、
 それは、怜以外には絶対聞かれてはならないことで、
 だから落ち着いたこの店を選んだのに。
 まさか迷惑行為になるほど
 自分たちが騒ぐ羽目になるなんて、
 思ってもみなかったのだ>>1134 ]

 すみませんすみません。

[ まだ泣きはらして赤い目元を
 ハンカチで誤魔化し(誤魔化せてない)ながら、
 ぺこぺこと頭を下げて、お店を出る羽目になった ]

(1138) takicchi 2020/06/29(Mon) 02時頃

【人】 鉄血の福音 セイカ


 ……まあ、このお店、ちょっと遠いし。

[ 絶対知り合いには会わないように、遠めの店を選んだ。
 だから、行きつけにするには少し不向きだ。
 未練がましく店を見つめる怜に>>1135
 誠香はそう言って笑う。

 場所変えよっか、という言葉に少し驚いたように瞬いて、
 それからふにゃっと笑みを浮かべた。
 これで解散、ではないことが嬉しくて ]

(1139) takicchi 2020/06/29(Mon) 02時頃

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