253 緋桜奇譚・滅
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―隠者の知恵―
[羊羹目当てで甘味を買いに行くこともあれば 酒屋で気に入りの一本を買い求め>>48 隙間風がびゅうびゅう吹く廃寺で 赤い顔をさらに赤くする。
山暮らしであった頃は天狗を祀る寺に 届けられる施しで足るものだったが 人里で暮らすには、金銭の絡む道楽。
神通力は錬金術ではなく、 小判を産むことは成らずして 天狗爺は生業をひとつ、身につけていた。]
(74) 2018/11/06(Tue) 21時半頃
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[山暮らしで得た知識のひとつに、薬学がある。 京の山には野草が豊富で、 時折摘みに飛翔んではこの廃寺で調合する。
伽耶を遠方の酒造へ送り届ける代わりに 悪酔を防ぐ薬効の薬を酒屋に置いて貰い 薬が売れた分の金銭を流させる。 煎じることが出来るのは悪酔に限った話ではないが 和酒だけではなく、速成ブランデー流行る昨今、 悪酔防ぎの丸薬は遊び金を産む程度には銭になる。]*
(75) 2018/11/06(Tue) 21時半頃
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やあ、やあ、やあ。 元気だねえ。
[首を傾ける賑やかな妖>>70の前にゆらゆら漂う煙は。 そこに人とも、龍ともつかぬような顔を浮かび上がらせた。]
(76) 2018/11/06(Tue) 21時半頃
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うおっ
[ふわぁ、と。 煙が漂って、龍みたいな顔になった。 目をぱちくりさせて仰け反る。]
驚いたぞ。 けむけむするぞ?
(77) 2018/11/06(Tue) 21時半頃
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じゃ…じゃこうらん…? ええい、これだからめりけんは、 けったいな名をしおってからに!
[そうして稼いだ遊び金だが、 きっと小娘の菓子欲にいくらか炙消える>>68 飛ぶように踊るように軽快に駆け回る足に まともに追いつくことも出来ず、 店先で全部買い占める声が響く頃>>69 ようやっとその背が見えてきた。]
(78) 2018/11/06(Tue) 21時半頃
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けむけむするかい?
[目をぱちくりさせる様子>>77に。 浮かぶ顔は首を傾けるようにゆらり揺れると。
ふぅっと息を吹きかけるように。 真っ白い焚火の匂いさせた煙を相手へと吹きかけ、煙に巻く。]
(79) 2018/11/06(Tue) 21時半頃
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けむけむ! けむけむ!
ぶぇー
[ていてい、と手を伸ばしてみても、すかすかとすり抜ける。 煙だから当然か。 煙を吹き掛けられれば、きゅぅと目を瞑りこしこし擦った。]
目に染みるぞ! 爺の薬みたいだぞ!
(80) 2018/11/06(Tue) 21時半頃
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[雪が落ちてくる天を仰いでいるのを見、>>70 童子に紛した天狗爺もまた顔を上げる。 白霧とも煙ともつかない『もの』は>>72 くっきりと存在感を表し始めた。>>76]
ぜぇ、ひゅうひゅう。 おお…久々に駆け回ったら、腰が…
[声をかけるのが遅れたのは、 息切れと、腰痛の所為であった。]
……なにやらと思えば煙々羅の。 近頃はそのかたちか? ごぼっふ
[見様によっては龍にも取れる風貌を指して。 先日はまた違ったかたちに『みせていた』気もする
遊ぶ様子は微笑ましいが>>77>>79 呼吸が整いきらず荒いものだから、咳き込んだ]*
(81) 2018/11/06(Tue) 21時半頃
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煙の怪……か。
[柩に寝そべったまま、上空の龍のような煙>>18棚引く寒空を眺めていたが、姿が見えなくなってしばらく後、のそりと起き上がった]
……腹が空いた。血が欲しい。
[無論道士だから筮竹を使っての易占に関してはかなり秀でている。だから人間の振りをして運勢を見てやり、銭を稼ぐこともないではないが、どちらにせよそれができるのは夜だ。昼間では何かと目立ち過ぎる。
となれば、その辺りに野良の犬猫の類でも転がっているだろうから、探し出すほかはあるまい。]
そうだな、街へ行こう。
[のそりと棺桶の中から身を起こすと立ち上がる。直立したまま気を整えれば、たちまちのうちに身は宙に浮き、雲にでも乗ったかのように軽やかに、その身は都の町中へと飛んで行った]
(82) 2018/11/06(Tue) 22時頃
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[すかすか>>80とその手は煙の中を突き抜ける。]
わうわう。
[纏まる煙を散らされて。 龍の形を揺らがせながら、威嚇する犬のように、"鳴く"。]
けむけむしたかったのだろぅ? 煙を払う、もんじゃあないよ。
わう! …… がぅおー?
[今度は龍のつもりで鳴いた。 そんな直接、かき混ぜられれば例え手ごたえ無くとは思えても。 煙は、それを纏める妖力は多少は散るのだ。]
(83) 2018/11/06(Tue) 22時頃
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やあ、やあ、ヤツデの。 元気かいぃ?
いつもより、息が白い、けれど。
[何やら息吐く>>81、咳き込む様子に。 不思議そうに周囲をくるくると回りながら。]
わうん!
[煙は集まり、色を濃くし。 少し前だか、だいぶ前だかに、気に入りだった。 天狗にも見せた気がする真っ白な『犬』の姿へと変わり、尻尾を振った。]
(84) 2018/11/06(Tue) 22時頃
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―へいも屋>>56―
失礼する。この辺りで犬猫の集まるような場所を知らないか。 ついでに何か食い物はないか。包子か肉饅頭のようなものがあれば良いが。
[故郷の街とは違い、小奇麗な街並みの一角。たまたま通りかかった店先にいるのは人間ではないらしい。ならば話も多少は早かろうと、店の中に入り主人に尋ねてみた。他にも先客>>73がいたかもしれないが。*]
(85) 2018/11/06(Tue) 22時頃
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けむけむだぞ!
でも、もやもやしてると気になるぞ? がおー!
[妖力が散ってしまうとは思いもせず。 手を爪のように曲げ、真似するように吼える。]
(86) 2018/11/06(Tue) 22時頃
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調合中に冷やかしに来るからじゃ。 人の口に合うようにするには 熱を遠さねばならんからのう。
[もうもうと立つ煙は確かに調合中に似ているが>>80 それに比べれば雲のように漂っている 穏やかな煙々羅の煙からは草の青臭さや 燻ることで臭う異臭といった嫌な匂いはしない。
目をこすったり煙を散らそうとする提灯娘と なんの鳴き真似をしているのか 謎な喚き声を聞きながら>>83 孫を見るような細い目で見守る。 しかし外見は小僧であるからして……。
そうしているうち、乱れている呼吸も落ち着き始めた]
(87) 2018/11/06(Tue) 22時頃
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息も多くなるというものよ こやつのかけっこに 付き合うていたところじゃて。
……まったく、老人を労らん不届きものめが。
[龍の長い胴体が靄に溶け、白い輪っかが 童の身体のまわりを駆け巡る――かと思えば 朧げな煙はまた別の姿を取り始めた。]
おう、これよ、これこれ。 前に見たのは犬であったのう。
[白い犬のような輪郭を持つようになれば、 年寄りの頭でも『前』の姿を思い出す。 密度が上がっているのならば、 頭にあたる部分を撫でようと もみじのような小さな手のひらを伸ばした。]*
(88) 2018/11/06(Tue) 22時半頃
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[へいもやに向かう途中、酒屋のお得意様であるレンに声をかけられた。 月夜でもないのによく光る、金の髪や瞳、鈍色に光る眼鏡と、どこもかしこもきんきらしていて、容姿に関しては派手という以上の感想を持ち得ない。 周囲の人間が騒ぎもしないのは上手く見た目を誤魔化しているから。 その能力をこっそりと真似て習得したのは昔の話。 それ以来挨拶や金銭を貰って酒を渡したりの交流をしている。]
そうねえ。 今日は甘いものが食べたい気分なのよ。
[悪戯に今日の目当ては『特製団子5人前』と言いたいところだけれども、適当に甘いものと言って誤魔化しておく。 行き先が同じという事で共に向かいながら、流行りの甘味についての他愛ない会話の後に続いた狂い咲きの桜についての話題が興味をそそられた。]
(89) 2018/11/06(Tue) 22時半頃
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煙はもやもやけむけむしてるものだぞぅ。 わおーん。
[多少散ったくらいで痛い等と感じることもないのだけれど。 威嚇>>86には威嚇をお返ししよう。 犬の似姿で前足両方を上げて、もふもふ尻尾を膨らませ。
おや、尻尾が膨らむのは猫だったかな。 そのまま首を傾けた。]
(90) 2018/11/06(Tue) 22時半頃
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その噂は耳にした事があるわ。 桜がちょっとばかり紅くなっただけでしょう? 何を恐れる事があるのかしら。 [レンは桜を食べてみたという。その行為を子供っぽいとは思いながら、口元を綻ばせ、くすりと笑う。]
そういう話を知っているならば、神隠しの噂も知っていて? 私、人を食べるときは、場所も人間の種類も選んで食べたいのだけれども、そんな無節操な妖がいるもの困るわよね。 [そう溜息をつく。 桜が歩いて人を捕まえに行くとは思えないので、妖のせいではないのかと思っているのだが、──冥界の門。そんな噂の根底にある言い伝えには半信半疑だ*]
(91) 2018/11/06(Tue) 22時半頃
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[傾けたままの頭模した部分に小さな手>>88が乗った。
もゆんもゆん。 最初のように突き抜けることなく。 触れる事の出来た煙は見た目通りの犬の毛というよりも。 摘んだばかりの綿のような感触であろうか。]
ははぁ、かけっこ。 今日は手加減だったのぅかな。
前はもっと早かったろう?
[前にも見せたようにぴょんぴょん犬らしく。 向きを間違え後ろ向きに、童ともう一人の妖の周囲を跳ね回る。]
(92) 2018/11/06(Tue) 22時半頃
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何かうまいもんでも作ってるのかと思ったんだぞ。 爺の薬は、もっと味にこだわった方がいいぞ。
[しれっとつまみ食いもしました宣言。]
もやもやけむけむしてる煙だぞ! ん?普通だな?普通だな! でも面白いぞ! ぎゃおーん!
[両手を掲げ、また吼える。 同じ方向に首を傾げ、……尻尾はない。 もっと高く腕をあげた。]
(93) 2018/11/06(Tue) 22時半頃
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[ところでこれ、店の前である。 営業妨害では?
暖琴にはそんなもの知ったことではないけども。 やんややんや。]
(94) 2018/11/06(Tue) 22時半頃
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ヤツデのの薬の湯気は美味しいぞぅ。 もぅーっとけむけむさせれればいいのになぁ。
[何を隠そう、煙もつまみ食いの常習者である。]
煙だぞぅ、もくもくだぞぅ。 言葉を話す面白煙だ。 だから『言葉』だ。
わんわん、ぐ、がおー!
[営業妨害、何のその。 更なる威嚇>>98に犬の形を文字通り膨らませるも。 犬がよりもっふりしたかのようにしか見えないだろう。]
(95) 2018/11/06(Tue) 22時半頃
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[遠くからでも見える色とりどりの美味しそうなもの。 小さいもの、大きいもの、見た事のないもの。]
美味しそう だけど 好きな香りじゃ ない、わ
[仕方なく店内を見つめると、横をすり抜ける …こども?>>85]
あら あら こども?
(96) 2018/11/06(Tue) 23時頃
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ちょっとばかり紅いってのはせやけどさぁ。 言い伝えを考えるとね、ちょっと考えるやん?
冥府への扉が開いてどうなるかっての、分からへんし。 まあ、少しばかり興味あっけど。
[これでも長生きしているので。 言い伝えに関しては色々と耳に入っているし。 眉唾ではあったけど、それを笑って切り捨てる事も出来ない。 何故ならそれを本気で信じている妖怪もいたりするからだ。]
(97) 2018/11/06(Tue) 23時頃
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神隠し? 何、桜が人攫いでもするんやろか。
俺は人を喰うんは飽きたんよね。 今は喰うんやったら美味しいもんがええわ。
[美味しい団子に蕎麦に饂飩に。 鮨もいいし、野菜でもなんでも。 人間の口にする物は美味しい。
それでもたまに、人間の生気を喰らいたくもなるけど。 そして極上の妖気も喰らいたくなるけど。
今は、それを求めていないから。]
(98) 2018/11/06(Tue) 23時頃
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ああ、でもそういう話やったら爪輔はんとか知ってそうやね。 あの人、俺なんかより顔広そうやからなぁ。
[彼に話を聞きに行ってもいいかもしれない。 ついでに美味しいのかよく分からないこぉひぃとやらを飲むのもいいだろう*]
(99) 2018/11/06(Tue) 23時頃
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湯気なんて味わかんないぞ。 もぅっとけむけむしたら、爺のボロ屋なんて燻されちゃうぞー!
[当人を横にしてこの言いよう。 がうがう、と威嚇は続けたまま。]
わぅわぅー! へんてこ煙だ!言葉か! わぉーん!
[もっふりもっふり。 もふもふしたいけれど、できないのだ。 がっかり。]
(100) 2018/11/06(Tue) 23時頃
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[店の中で何かを話している。猫とか犬とか。探しものだろうか。 そういえば宿の裏が猫がよく鳴いている。]
猫とか 聞こえたけれど、 猫なら、この通りの 裏道とか 私の宿の近くで よく、見かけるわ よ
[後ろからそっと近づき、声をかける。 もう店主から答えを得たかもしれないが。]
(101) 2018/11/06(Tue) 23時頃
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味が香るのだよう。 香る煙を飲み込めば、その香りでけむけむだ。
[だからボロ屋とやらを燻すとしても。 多分匂いはそうは変わらないだろう。]
そうだぁ、言葉だあ。 へんてこ妖のオマエはなんだあ?
[威嚇の後に何故かがっかりした様子>>100。 何故だかわからない煙犬は、今までの勢いはどうした、と。 もふもふっと質量ある頭突きをしかけようと。]
(102) 2018/11/06(Tue) 23時頃
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あれで手を抜いておったのか…。 歳のせいもあるとはいえ 平和ボケにかまけて動かんでおるのも かんがえもんじゃのう。
[存分に負け越した為、さらに速いとなると 間違いなく足では追いつけないと確信する。>>92 飛べるからといって足腰を鈍らせていたが 日課に散歩も取り入れようと心に誓う。 今は雪が降る時節なだけに春から、と。 そうして春になれば忘れていそうなものだが]
(103) 2018/11/06(Tue) 23時頃
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