266 冷たい校舎村7
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あ、―――っ!
[駆けだしたのは宇井野の方が早かったし、 一度駆けだされてしまえばイロハごときじゃ追いつくことはできないように思った。 確かに宇井野の視線は受け取ったのだけれど、>>12 その意を受けてすぐ走り出すことはできなかった。
―――悲鳴。もしかしたら、アイちゃんの。
もちろんアイちゃんは無事で、 お化けとか、……黒いアレを見て悲鳴を上げた可能性もあるにはあるんだけど、 だからって怖いと思ってしまったものはしかたないのだ]
(49) 2019/06/10(Mon) 01時頃
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ああ、もうっ! だからってじたばたしてるわけには!
[ようやく足をもつれさせることなく走り出した。 後半の階段を一段飛ばしで降りて、 3階まで行けば、……BGMに混じって、3年7組の方から、 騒がしさを感じたような。 廊下を見て辺りを見回す]
……、 アイちゃん!?
[イロハとしては、まだ遠くから、 床に投げ出された黒髪の誰か、を見て、 相原を連想して駆け寄ったわけだが。 そこにいたのはマネキンだった。相原とどこか似た、マネキンだった。 そう、質感は見るからにマネキンのそれなのに、 血を流してうつぶせで横たわっているように見える――]
(50) 2019/06/10(Mon) 01時頃
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──回想・お化け屋敷の名前──
[ 適当にそれなりにやっとけばいいと思ってた。
だけど適材適所に役割を担うそれぞれが 持ってる能力を十二分に発揮して、 お化け屋敷は準備段階からなかなかの 仕上がりを見せていた。
何度も使い回されて厚く絵の具が重ねられた プラカードに名前を入れていく。 ]
夢幻病棟はどうかな。
[ 名前の案を求められて咄嗟に答えた>>1:523 ストーリーはこうだ ]
(51) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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とある廃病院。 そこには昔、幻の病棟があったの。 表向きには存在しない隠された病棟。
そこに集められた人は閉じ込められて 人体実験の被験者として扱われ、 順番に命を落としていくの。 時には医者や看護師も同じように。
病院がなくなった今もその場所では 怨念となった魂たちが彷徨って呼び続ける。
W一緒に遊ぼWって。
夢まぼろしの無限の世界、夢幻病棟。 誘われて帰れた人は、未だにいない。
(52) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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[ なぁんて後付けの世界を乗せて。
その名前が採用されたかどうかは どうだったかな ]**
(53) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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なにこれ……、え、だいじょうぶ!?
[思わずそんなことを口走ったけれどマネキンが返事をすることはなく、 夜の校舎に照らされて赤い液体がてらてらとひかっている。
ここは、イロハに都合のいい夢の世界じゃないんだって、 改めて、認識した**]
(54) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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──現在:職員室──
あ、そ?
[ 視線が合わない。>>22 荒らされた机の中から何を探していたのか。 それすら、わからない。何を隠してる? ]
密室殺人事件でも起きたりして、な? このまま出られない、……ってこたねえだろ きっと誰かが助けにきてくれる、と思う
[ 助けにきてくれるのか、本当に? ただ、その場で七月を安心させようとして出た言葉。 よくない妄想なんて、俺の中にも広がっている。 ]
(55) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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[ そして、不可解な七月の様子を 追及をする間もなくソレは耳にこだまする。 ]
(56) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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[ いつもの聞きなれた鐘が鳴った。>>#2 ]
(57) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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[ その直前には、女の叫び声も。>>#1 まるで、ゾンビを見たあとの叫びのように。
嫌な予感ほど、的中してしまうのか。 校舎全体がお化け屋敷にでもなったか? ]
なんだ、いまの みてくる。お前は?
[ 机の上に伸ばしかけた手は止められて、 天井を見上げたまま踵を返す。 もちろん七月を一人にするもの心配であるから どうするか尋ねはするが、答えはどうだったか ]
(58) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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[ さて、どちらにせよ 楓太は音の出どころを探して走る。
まずは迷わず階段へと向かっていった。 昇る途中、誰かと合流することはあったろうか? 会えば目配せはするが、足を止めることはない。 そうしてたどり着いたのは、三階だった。
廊下が真っ赤に染まっていた。>>#4 その先を辿ると───── ]
!?
[ 誰か≠ェ倒れていた。 マネキンかなんて、遠目からでは区別がつかない。 ]
(59) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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[ すでに集まっては、誰かの周りを囲う人々がいる。 直に堅治が離れ、階段へ向かってきた。>>20
すれ違いざまの彼の表情を覗けたのなら いつもとは違う、ってことだけは分かった。
走り抜けていく堅治も気にはなるが 中心になっているソレが最も気になるものだった ]
拓海、なにごと
[ その場にいた彼に問う。 問うたところで、答えはでないかもしれないが。 ]
(60) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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[ そして、視線を赤い海の中へとずらした───
息を飲む。言葉を失う。 鋭い瞳は、一層切れ目が深くなる。 血だまりの中に横たわる、顔のないマネキン。
果たしてこれは何なのだろう? 誰かが触れた痕を真似するように跪き、 紅く染まることのない濡れた黒髪へと 指先を伸ばしていたのだった。 ]**
(61) 2019/06/10(Mon) 01時半頃
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──現在・職員室──
[ うまく、誤魔化せたのか分からないけど それ以上は何も問われなかった ]
殺人!?や、やめてよ。演技でもない。 そうだよね、今頃誰かの親が心配して 学校や警察に連絡してる頃だよね、きっと。
[ 職員室の電話は、ひとつも鳴らないけれど ]
(62) 2019/06/10(Mon) 02時頃
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────────────
(63) 2019/06/10(Mon) 02時頃
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[ 甲高い悲鳴は決して近くないのに耳を刺す ]
(64) 2019/06/10(Mon) 02時頃
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や、だ、何……今の悲鳴……聞こえた? ま、待ってよ、置いてかないで。
[ 嫌な予感しかしないのに音の出所を探して 走る轟木くんの後を必死に追い掛けた。 その足が3階で止まるまで、ずっと ]
はぁ………はぁ…………なんな、の………
[ 息を整えながら何かを囲む人たちの隙間から 中を除いて、倒れる人影と赤い液体を目にする ]
(65) 2019/06/10(Mon) 02時頃
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[ キャーーーーーーと叫び声をあげて その場にへたりと座り込むと、 みんなの足の隙間からてらてらと光る赤色ばかり 目に入って思わずまた、ひぃ、と小さく漏らす。
よく見たら人のようで人ではないけれど、 私と同じ制服を纏ったその姿には 見覚えがあった ]
相原さん…………?
[ 密室連続殺人。轟木くんの言葉が頭をよぎる。 私はその場に座り込んだまま、 両手で顔を覆った ]**
(66) 2019/06/10(Mon) 02時半頃
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―― 回想 / うどん屋 ――
……げ、
[と小さな声が出た。 テーブルに座った女性客の顔>>1:486に、 見覚えがあったからだ。
よりにもよって灰谷彩華か、と俺は思う。
葉子と別れてから、あまり灰谷から よく思われていないという自覚はある。
言いふらされたら面倒だ、という思いが勝った]
(67) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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[だから俺は タカモトジャナイデスヨーという顔を 平気でして、店内に立っている。
俺は高本悟に似た店員。 そういう設定にしようと心に決めた。
バツが悪そうな顔をしてる?>>1:487 気のせい気のせい。 だって俺は別人だもの]
(68) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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[仲の良い女友達と別れた男が 古臭いうどん屋で働いてる。
そんなのダサすぎるし、 格好の噂話のネタだろう?
だから俺は、高本似の店員なんだ。 もう顔は見られている。厨房に引っ込んでも遅い]
(69) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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お待たせいたしました。 ご注文のきつねうどんです。
[まったく灰谷に気付いていない体で、 テーブルの上にきつねうどんの盆を置いた。
「おお」>>490だなんて声を出して うどんを前に顔を輝かせる灰谷に、 なんだ可愛いところもあるじゃんと思ったのは秘密だ。
こちとら、不機嫌に詰め寄ってきたり 塩対応された記憶しかないもんでね]*
(70) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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―― 1階廊下 ――
[いいよ>>28、と宣言する京輔の声は 存外に大きく廊下に響き渡った。
俺は大きく目をぱちぱちと瞬きさせて、 それから、ああ京輔は間違いなく メールの送り主ではないのだな、と思い至るのだ。
気が楽になる、と事もなげに言ってのける京輔は どう考えても普通の男子高校生のそれではない。
あのメールの文面から読み取れた愚直な願い。 「残りの時間を楽しんで」>>1:2だなんてことを 言えるような、そういう奴では、ないんだ。
ひん曲がっている。俺も、京輔も]
(71) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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[だから俺は京輔に、共感を覚えたんだ]
(72) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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[「お前ってそういう奴だよな」と 続けようと思った言葉は、 悲鳴>>#1とチャイム>>#2に掻き消される]
……行こう、京輔。
[京輔と顔を見合わせ、>>30 俺は悲鳴の聞こえた方向へと走り出した]*
(73) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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[自分勝手で、性格が悪いという自覚はあるんだ。 だって俺は賢いから。 自分のことは1番ようく知っている。
だから何度京輔に「性格悪くないと思う」と 言われたところで、それを肯定することはない。 そして自分で悪いと思ってるこの性格を 直す気も、ない。
我儘で高飛車でない俺など、 俺ではないんだ]
(74) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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[でも、人に嫌われるのは苦手だから 上っ面だけは整えるんだ。
寂しいのは嫌だ。 置いて行かれるのも嫌だ。
周囲の人々を馬鹿どもめと蔑みながら、 同時に好かれたいと願う。
矛盾してるだろ? ――知ってる]
(75) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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[あのメールを読んで思ったのは、 「こいつ性格いいな」ってことだった。
やっぱり、メールの送り主は 俺じゃあない。そう思う。
もしも不慮の事故に遭って俺が死んだのならば、 みんなまとめて交通事故で死ねって 俺は思ってしまう。
もしも突然の病気で俺が死んだのならば、 やっぱりみんなまとめて病気になって死ねって 俺は思ってしまう]
(76) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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[あんな、やさしいメール文は書けない。 生きてくれると嬉しい>>1:1、だなんて]
(77) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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[どうせ性格が良くて、悩みを抱えてて、繊細で。
そんな奴が受験のプレッシャーに負けて 自殺でも選んだんだろ、と。 俺はそんなことを考えている。
その条件に合うのは誰かを考えていて、 一番最初に顔が浮かんだのは――……]
(78) 2019/06/10(Mon) 04時頃
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