270 「 」に至る病
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[ けれど。
その季節が来る前に――
彼は逝った。**]
(46) 2019/10/05(Sat) 17時頃
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[その頃には既に、この身との付き合い方は理解していた。 動悸がするような激しい運動はご法度で それは感情の揺らぎについても同じこと。
思うように動かぬ身体に苛立ち、 泣いて、喚いて、暴れて、癇癪を起こす度、 余計に苦しい想いをするのは、ほかでもない自分自身。
──だから。 長きに渡る不妊を経て、漸く授かった子を溺愛する 両親からの繰り返される無益な懺悔に眉ひとつ寄せず 敢えて笑って、優しく諭してやれた。]
(47) 2019/10/05(Sat) 17時頃
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父さんたちは何も悪くないよ これは僕の運命で、どうすることもできない
だから、もう泣かないで ふたりには笑って、元気に、長生きして欲しい ……僕の分まで
[彼らにとってどれだけ酷な願いか知っていて。]
(48) 2019/10/05(Sat) 17時頃
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それに──… あんまり謝られても かえって責められているみたいで
今すぐ死にたくなっちゃう から、 …さあ
悪いと思っているなら、残りの人生 僕の好きにさせてよ
ほんの少しでも、──…生まれてきて良かった って、思えるように
(49) 2019/10/05(Sat) 17時頃
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[そう思えたことなど一度もない、と。
薄い唇に乗せぬ本音を、感情の乗らぬ双眸に乗せて。]**
(50) 2019/10/05(Sat) 17時頃
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フェルゼは、某医院への紹介状を受け取るのは、それから11(0..100)x1日後。**
2019/10/05(Sat) 17時頃
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[その日も、雨の匂いが鼻を掠める曇天の日だった。]
(51) 2019/10/05(Sat) 17時頃
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[120年前、 リンディン大学にまだ電子機器といったものが見当たらず 参考書も随分不恰好だった頃、 セイルズ・ウォルフォードは1人の生徒の面倒を見ていた。
クラリッサ・ローズブレイド。 当時の名簿にはその名前が記されている。
男女両者の高等教育の有用性が認められてそう間もない頃 「彼女」は、セイルズにとって 「人間の可能性」の一つだった。]
(52) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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「先生、……ウォルフォード先生。 論文の相談に乗っていただきたいのです」 [冬の冷たい雨が降る時期、 クラリッサはよくセイルズの研究室の扉を叩いた。
利発だが女性であるがゆえに 教授陣には相手にしてもらえないことが多い彼女を セイルズは時に応援し、時に研究の相談に乗った。
二人が親密になるのに、そう時間はかからなかった。]
(53) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[ある令嬢が家を勘当された、などという噂は リンディンの片隅すら震わせなかったが、
程なくしてリンディン大学には、 ある歴史学の教授と揃いの指輪を左手につけた 淑女が現れるようになった。
よき教師と生徒、よき夫婦、 そして、よき吸血鬼と眷属となったセイルズとクラリッサは 時にお似合いだと祝福され、時に笑われ冷やかされながら いつしか、大学の中で認知されていった。]
(54) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[長い年月の中で研究は枝葉を伸ばし、 愛情は根をはり地を巡った。――――けれども。
季節は巡る。 はじまりがそうであったように、いずれ終わりが訪れる。
(55) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[15年前。 灰色の冬の時期に、教授セイルズ・ウォルフォードと その妻クラリスは一度姿を消した。
10年前。 大学へ戻ってきたセイルズが左手に携えていたものは 真っ白な薔薇の花束。
120年前の静かさを取り戻したセイルズの研究室は、 今日も、珈琲と煙草、 ――それから白薔薇の匂いに満たされている。]
(56) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[季節は巡る。時間は降り積もる。 望まぬ全てを引き受けて、悔恨は今も部屋に燻っている。]
(57) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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―― 回想:大通り ――
[リンディンの時計塔が鐘の音を響き渡らせて、 セイルズは灰色の空を見上げた。
頬を拭い指先を見て、雨か、とひとりごちてからようやく 鞄の中身が濡れないように黒い傘を差す。
クリスマスが近づく町はどこもかしこも彩りに溢れている。 ぴかぴかと光る電飾に目を細めて、 黒い傘の花を咲かせた男が町を歩いていくと 石畳を歩く人々の中に幸せそうな親子の姿が見えた。]
(58) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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「ママ、パパ、サンタクロースが来たら ぼくあれが欲しいなあ」
「いい子にしてたらきっとくれるわ」
「おいおい、いつもいい子にしてるじゃないか、なあ? クリスマスを待ちなさい」
(59) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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(「ねえ、セイルズ。私達の間に子供が出来たら、 あなたはサンタクロースになるのかしら?
私はきっとね、ターキーを焼いて、ケーキも用意して サンタクロースが運んできたプレゼントを見て 子供と一緒に喜ぶでしょう。
イブの日に誰が白いお髭をつけていたか、 思い出しながらね…………」)
(60) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[耳をくすぐる懐かしい笑い声に、 セイルズは思わず首元にかけたリングネックレスを握った。
それから灰色の空に似つかわしい、 重苦しいため息をつくと、 大通りから逸れて裏通りへと向かう。
勝手知ったるリンディンの都で それは自宅へ向け近道するためのもの――の、筈だった。]
(61) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[季節は巡る。終わりを齎したように、 報せなくはじまりを連れて。]
(62) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[いよいよ本降りになってきた雨を傘で弾きながら 男は裏通りを歩いていた。 足元駆け抜けるねずみを見るとも無しに眺めて、 今日はここをたむろする孤児の数が少ないな、と考える。
革靴が浅い水溜りを踏む。 白い波紋が石畳に現れては消える。 自宅まであと少し、と言った頃合に、]
――……クラリッサ?
[セイルズの唇は、音もなく、今は亡き女の名を呼んだ。]
(63) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[呼んでから、違う、と思い至る。 亜麻色の髪。紅茶色の瞳。愛した妻と同じ色をした孤児が 裏通りの片隅で、ねずみよりも酷い有様でそこに居た。
病に罹っているのだろう。 口から血を零した少女の姿に生気はない。
黒い傘がひらりと落ちた。]
きみ、大丈夫かい
[セイルズは少女に近づき、肩を抱こうとする。 けれどもその命の火が消えかけている事に気づき あたりの病院の場所に思いを至らせてから、 再び、揺れる視界で少女の姿を見た。
雨の音がやけに強く聞こえる。 眼鏡にかかる水滴が視界を濁らせる。]
(64) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[少女を連れて少し遠い病院に駆け込めば良い。 こんな事は日常茶飯事なのだから見捨てれば良い。 そういった思考の只中で、
――僕なら救ってあげられる。 ――今度こそ。
確信に近い何かを抱き、 とっさにその軽い体を抱き上げる。>>41]
(65) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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……死ぬな。
[短く呼びかけ、細い首に唇を押し当てる。 やせ細った肌に牙を立てて
――――つぷりと食い破った。 食い破ってから、 傘も置き去りに少女を抱いて自宅へ駆けていくだろう。
セイルズの白いシャツに点々と赤が滲む。 襟にささやかにあしらわれた白薔薇が、赤く、紅く。**]
(66) 2019/10/05(Sat) 17時半頃
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[淡い花びらが舞う季節。東洋の島国でのこと。
それは、『朽木』の表札が下げられた一軒家。 静まり返った家屋のポストに詰め込まれた紙の束が、春特有の突風でバサリ、と落ちた。]
(67) 2019/10/05(Sat) 18時頃
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本日、○○市内の一軒家で子どもが保護された。 警察によると、昨日川辺で発見された遺体の女性の身元を確認するため家を訪れたところ、一人でいた子どもを発見。 この子どもは人類の変異体である吸血鬼であり、遺体の女性が母親だった。 しかし近所の住人の話によれば、ここ数年子どもの姿を見かけた者はおらず、眷属となった母親が監禁していたとみられる。 こういった吸血鬼と眷属のトラブルについて────
(68) 2019/10/05(Sat) 18時頃
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[落ちた拍子に開いた紙面に綴られた記事。 それを攫ったのは、再度、淡い色の花びらを巻き込んで吹き荒れる突風。
バサバサ、と騒がしい音が人気のない道を過ぎ去っていき。 後には、住人を失った一軒家だけが残されていた。*]
(69) 2019/10/05(Sat) 18時頃
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── アパートメントの一室 ──
[所狭しと本がる部屋の中。 ペンを動かす手を止めたのは、徐にずしりと肩にかかる重みと。べろり、と頬にあたる生温かさ。]
わっ、おい。ちょっと重いって、 モモ!
[慌ててペンを置けば、傍らに開いた本の頁にしおりを挟んで閉じ。 こちらを見上げる桃色の首輪をした大型犬を振り返れば、はぁ、とため息をひとつ。壁にかかった時計を見れば、そろそろ散歩の時間だ。
椅子から立ち上がり、仕事部屋を出ようとして。 向かおうとした先。薄く開いたドアに、ギクリ、とした。]
(70) 2019/10/05(Sat) 18時頃
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────……
[あの日もああして、薄くドアが開いていた。
そして閉じ込められた箱庭の中から。 僕は、隙間から薄く零れるその光に手を伸ばして──]
(71) 2019/10/05(Sat) 18時頃
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[どすっと膝裏に食らった頭突き。 思わず尻餅をついて我に返れば、息を吐きながら黒目を伏せ。 じゃれついてくる大型犬の頭をわしゃわしゃと撫でてやれば、ちぎれんばかりにぶんぶんと揺らす尻尾に、ふ、と小さく吹き出した。]
……はいはい。 わかったよ、早く散歩にいこうか。
[わぅ、と一鳴き。 返事のようなそれに、眼鏡の奥の黒目を細めて。 再び立ち上がったなら、ゆっくりとドアに手を掛けて部屋から出た。]
(72) 2019/10/05(Sat) 18時頃
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[クチキ・アオ。 大都市リンディンの一角にある古びたアパートメントの一階に住む青年。 東洋人の顔立ちをしてることもあり、大学生にも度々間違われるその容姿は、ここに住みはじめてから数十年間変わらない。
朝夕にはこの辺りで犬の散歩をしている、青年の”吸血鬼”。 それが今の僕だ。**]
(73) 2019/10/05(Sat) 18時頃
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アオは、今日の散歩は36(0..100)x1分歩いた先にある公園へ行ってみようかな。**
2019/10/05(Sat) 18時頃
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── 青い屋根の家 ──
[路地裏から大通りへ入り、またいくつもの路地を抜けていく。 そうして歩いてくうちに、いつの間にか人々の服装も変わり、徐々に辺りの風景も変わっていった。
中流のいわゆる普通の人々が暮らす場所。 そんな住宅地へ移動した頃には、路上で物を売る人々の姿もなく、鼠はおろか野良犬の姿もなく 身なりの良い子供達が道端で遊んでいる光景は、同じ国の景色なのにまるで遠い国の景色のようで──]
──── ……。
[さらに急ぎ足。逃げるように通りの奥へ、奥へ。 目的の場所、富裕層の暮らす住宅街へと足を進ませる。 羨ましくない、なんて自分を騙しながら]
(74) 2019/10/05(Sat) 18時半頃
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