191 The wonderful world -7 days of MORI-
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全
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[お礼を言われた時も。>>526 ミッションをクリアして喜ぶ姿も。>>528 近付く人影も。>>533 幾何ちゃんがこっちを見た時も。>>@70 首に当てた手から、変な音がした時も。>>539 鈍色に光る刃を降り下ろす時も。>>543 地面に崩れ落ちる身体も。>>556 少し前、男が目を瞑り事切れる瞬間も。>>559 八千代ちゃんが来た時も。>>@75
僕はずぅっと、少し離れた上空から。 青いガラス玉の瞳をただ、下の景色へと向けて 一連の流れをずっと、ただ、眺めていた]
(@84) 2016/06/13(Mon) 02時半頃
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[八千代ちゃんが再び何処かへ飛んでいって。 僕は、出来るなら誰もいなくなってからがよかったんだけど、 ミッションがクリアされた今、ぼーなすたいむはもう暫しもないから まだひとが残っていたとしても、そろそろ地上へ降りるだろう。
幾何ちゃんは、包丁をもったひとはまだいたかな。 幾何ちゃんがいたなら、「疲れたでしょ」とか、 「もうすぐ始まるだろうから少し休んでなよ」とか、 そんなありきたりのことを言って見送ろう。
包丁をもったひと、ねるのほんと答えた君がいたのなら、 「今のうちに洗ってきたら」 「血がついたままだとすぐ錆びて、使い物にならなくなるらしいよ」 って、これまた何の感情も含めず、淡々と、 初めて会った時と同じ声色で告げるだろう。
どちらにせよ、ここから僕以外いなくなるまで。 血溜まりの海と、そこに沈む亡骸から君たちへは視線を一切向けず、 何時も通り無表情の僕が、其処にいただろう。 その頃どちらもいなくなっているなら、それが一番だけれど*]
(@85) 2016/06/13(Mon) 02時半頃
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[ ── 会話が、途切れたあたりだっただろうか。
それまでは気づかなかった、金髪の死神>>@85に、 おれはなるほど、と頷いて、 その場を足早に立ち去っただろう。
なんせ、血に濡れた包丁なんて、 おれは処理したこともないし、 使い物にならなくなると、困るのだ。
近くの建物、って。 水が使えそうなところ、って。 おれは、目についたユニシロに走って──、]
(653) 2016/06/13(Mon) 03時頃
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[ 最終的に、刃についた血を洗い流し、 手と、顔を洗ったところで、 意識を遠のくのを感じることになる。
── どれだけ洗っても、 木製の柄に染みこんだ赤色が取れない、って、 躍起になっている、そのときに。
その、おれが、血だまりを立ち去ってから、 ユニシロに飛び込み、意識を失うまでの間、
誰かに会ったか、というのは、さておき。**]
(654) 2016/06/13(Mon) 03時頃
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[包丁のひとは、すぐに此処を離れていった。>>653 説得染みたことも、忠告も、何一つせず、 僕は目を向けないまま、見送ろうか。 見てないから表現としては正しくないけれど。
幾何ちゃんは、いたなら何か話したかな。 僕は普段どおり、それでも急かすように言葉短めに返すから 君が立ち去ってくれればいいのだけれど。
そうして、怒涛の展開ってやつが終わった地に一人。 それでも、この死神のゲームでは珍しくはない、普通によくある出来事が終わった地に一人。 僕は膝を折るでもなく、立ったまま血だまりを見下ろしている。
別に、見慣れた光景で。ルール違反でもなんでもなくて。 だから僕は、その行為自体には何も感じないんだけど。 赤く染まったふたりをただ、じっと見下ろしている]
(@86) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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……大丈夫、だよ。
[零れた言葉を聞く人なんて、生きている人なんていないから これは僕の、独り言。 天使の福音だなんてそんな、喜ばしいものでも意味があるものでもない]
このせかいのかみさまってひとは、寛大らしいから 生き残れなくたって、 まぁ、喪ったものは戻らないけど、 それでも生き続けるチャンスを与えてくれるらしいから。 きっと、あなたたちも、たぶん そのチャンスを与えるに、値するって、 評価してくれてるんじゃない、かな。たぶん。
[だって、僕みたいなのが与えられるくらいなんだ。 可能性はゼロじゃないし、むしろ低くもないだろう。たぶん]
(@87) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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「そりゃ、楽しかったし、いい思い出になったぜー。 毎年キャンプに行ったのも、楽しいとわかったからだしな。」 「そっかあ。 じゃ、おいさん、恥ずかしいから、ちょっと内緒でもいい?」 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! そ…そ…そういうのは、できるだろうけど!!! 好きな人と!!! 好きな相手としか、しちゃ!駄目だとおれは!!思う!!!!!」 「結局は、カラダコミュニケーションってやつよ。 素直に曝け出すって楽しいし、心もぐーんと縮まるんだぜ。」 「こーのエロ親父ーーーー!!!!!」
「 あ、そーだ。 君、名前は?
俺は、テルね、テル。」 「やっぱ屋上なんだな。サンキュー!」
(@88) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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[――明日、からは。 もう少し、自分の手できちんと、 参加者を消していくべきかもしれない。
別にポイントは初日でそこそこ稼いで、 稼ごうと思ったってノイズの大群でもけしかければ、 それが自分のポイントになるのだけれど。
それでも、やけに賑やかで騒がしい漫才みたいな声が、 こうも頭の中で響いてしまうくらいなら。 さっきみたいに、ありがとうなんて言われてしまうなら。 そんな普段と異なる事態が起きてしまう前に、 無慈悲に、無感情に、無遠慮に、無残に、無責任に、 ただただ命を刈り取る方がきっと、楽なのに]
……なんだか、なぁ。
[無表情のまま、その場にしゃがみこむ。 膝に顔を埋もれさせるような真似はしない。 何も映さないガラス玉が、ただただ無機質に屍を眺めて]
(@89) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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…今回は、ちょっと、 やりづらいなぁ。
[途方に暮れたような声だった。 見知らぬ土地に一人ぽつんと立たされたような声だった。 僕にはそんなの、分からないけど。
理許おねーさんに、視認されてたらどうしようって 怒られるかなぁって思いながら、僕は日付が変わるまで その場を動かない。
参加者の一人に入れ込んだ覚えも、感情移入した覚えも、 そもそも移入する感情がないのだから、 僕はなんにも抱かないしなんにも覚えないのだけれど]
(@90) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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[いつかあのこが言っていた、歌ったらすっきりするって言葉>>3:229に倣って 歩きながらじゃないけど音を紡ごうとしても、上手く出てこなくて]
…なんでだろ。
[代わりに零したため息に応えてくれるひとはいない。答えなんて、僕は求めていない。 だって僕は、何にも抱かないし感じないから。
だから僕は無表情に、ガラス玉の瞳に何も乗せないまま 日付が変わるまで、ただ、目の前の沈黙する亡骸を眺めていた]
(@91) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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[ 「おまえは天使なんかでもお人形なんかでもないんだからさ」 「いつか今まで生きてきた分の感情とやらも取り戻せるだろ」
笑って僕の髪をかき混ぜる温度は、遠い記憶に褪せつつある** ]
(@92) 2016/06/13(Mon) 03時半頃
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……恨んでいない、か。そうか。
[いっそのこと、恨んでいると言ってほしかった。 小津の言葉>>615に、一瞬だけ黙り込んで。 そこで怒鳴はカラリと口調を変えた]
そりゃ、こちとら怖がられてナンボの商売だからなァ。 取り立て屋のヤクザモンが舐められたら終いだ。
[―――恐ろしくは“あった”。>>615 小津から語られた言葉は、過去形であった。 その意味が分からぬ怒鳴ではない]
(655) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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(債務者と取り立て屋。 それだけの関係だったはずなんだがなァ……)
(656) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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言ってくれるじゃねえか、テメエもよ。
[にぃと、笑って。
死んで悔いるくらいなら。 生きて、自らの過ちを悔いろ、だなんて。
難しいことを言ってくれる。 それがどれだけ苦しいことか、小津は分かっているのだろうか。
小津と喋っている今でさえ。 この矮小な心が、罪の意識に押しつぶされそうだというのに。
そして、この贖罪の気持ちを。 生き返った後も持ち合わせている保証など、 どこにもありはしないというのに]
(657) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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そりゃこっちの台詞だ。 テメエがそんな様子じゃ、俺の調子が狂っちまうだろ。
[内心とは裏腹に、怒鳴は声音を砕けたものにして。 軽く小津を小突いてみせた]
おうよ、生き返ってとっとと借金返しやがれ。 返済期限さえキチンと守れば、俺の顔を拝まずにすむぞ。
[冗談めかして言う]
(658) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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(俺の顔なんて、2度と見ることがないような。 そんな幸せな人生を送ってくれればいい―――)
(659) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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[そうして、意識は暗転する**]
(660) 2016/06/13(Mon) 04時頃
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