268 オリュース・ロマンスは顔が良い
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[辿り着いた先は、独特の芳香が漂う屋台。 店番が年若い女性だと気づいた時点で、勢いづけて左手を払う。恐らくこれが、彼の"素"なのだろう。 砕けた口調にほんの少しだけ目を細める。 不機嫌未満の表情は店についての説明を耳に、違う意味で眉を顰め。]
……きみ、…いえ……セナ様はこのような店と 馴染みになる程、お怪我をする機会が……?
[車掌とはそれほど過酷な仕事なのか。 繊細な顔の造形と違い、武骨な指を思考に、視界に。 手にした硝子壜のラベルに意識を向けた時には既に、右手は囚われていたが、流石に振りほどけなかった。 掌越しに患部へと液体を塗り込める彼の表情があまりにも真剣で、思わず魅入ってしまったから。
何度も、何度も。 柔らかな粘度は彼の掌との摩擦で滑らかさを増し、乾いていた手の甲からやがて百合の匂いが立ち込める。]
(26) 2019/08/03(Sat) 03時半頃
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……先ほどの話ですが 執事としての私をご要望なら、…… このような行為は困ります
[もう十分ではなかろうか。 患部だけでなく右手全体がしとりと潤っても尚、剥がれることがない掌を見下ろし。 不快でもなく、憤慨でもなく、続く静かな口調は、ともすれば言い聞かせのように響いたやも。]
お客様のご要望に幅広く、平等にお応えするために 我々は公私の別をきっちりつけることで 良いサービスを提供できると考えておりますので
──…名前の呼び方も接し方にも いくらか制限がございます
不用意な接触、奉仕を受けるなぞ以ての外ですし 恐らく私は……
(27) 2019/08/03(Sat) 03時半頃
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[そこで、視線を碧眼へと移す。 背筋を軽く撓ませ、窺うように顔を傾け掌を重ね。
参考までに、私の時間がプライベートでは困る ……とは、どういう意味か窺っても?
[匂い立つ百合の香りと──彼の熱に誘われたように。 一歩を縮めた。]**
(28) 2019/08/03(Sat) 03時半頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
2019/08/03(Sat) 03時半頃
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─ 3週目の夜 ─
[自分とは違う褐色の指] [離れていった後も、一度励起した神経は疼くように幻の熱を伝え続ける]
魔除け
……子供を護る呪いは、良いものだ
[ゆっくり立ち上がり片手に手袋をしてカーテンを掴んだ。 細く開ければ、先日の食堂ほどではないが、眺めの良い部屋。 ベッド上からなら空しか見えなかろうが]
いや良い 悪い報せでも、君に頼られたのは嬉しかった
(29) 2019/08/03(Sat) 09時頃
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さっさと元気になれ 貧血の人間なんか食欲も湧かない
[吸血鬼ジョークは真顔で。 そのまま、カーテンを寄せた窓枠に座る]
俺も眠い… 少し休んでから帰るよ
[触覚過敏は人よりずっと疲労しやすい、との精神科医の言葉を思い出す。 たしかに負荷過多で脳が疲れている。 何か言い訳のようにそう考えながら、軽く瞼を閉じた。
休養の邪魔をしないよう、死体のごとく行儀よく口を噤んでいよう**]
(30) 2019/08/03(Sat) 09時頃
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― 三週目・マーケット ―
[己の為だけに時間を確保された夜。 なんでもない一分一秒を尊く思え、繋いだ手から静かな喜びが伝播する。
毎年なんだかんだとマーケットには顔を出しているが、こんな風に胸の底を擽る気持ちで歩くのは初めてかもれない。]
(31) 2019/08/03(Sat) 10時半頃
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[浮かれていたら、彼の自制に手を払われた。>>26 傷つくよりも可笑しくなるのは、彼に甘やかして貰った分の余裕。ささやかに咽喉仏が上下に揺れた。]
市電《うち》は都市に比べて規模が小さいから、 機関士の仕事を手伝うこともあるけど、そこまでは。
親が町医者だから、 薬屋の子とは小さい時から仲が良いんです。
[其れゆえに某画伯との付き合いも長いのだが。 年月を経た掌に若い指が絡んで、手背だけでなく節にも触れる。なんにでも効くと言う謳い文句の万能薬は胡散臭いが、触れ続ける理由になるから利用した。 体温と香りが馴染み、お互いの掌がそろって芳しい。]
(32) 2019/08/03(Sat) 10時半頃
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……、
[正論に俯く顔は、聞いているのに拗ねるよう。>>27 頑是ない子供になりたい訳ではないが、彼へ向ける気持ちは理性で割り切れず、侭ならない。
百度は眼を通した利用規約と企業理念。>>>>3:114 サービスを売る場所から個人を買っているのだから、是正されて当然ではあるが。
取っていた手を握り込む。
露天が並ぶ路地とはいえ往来だ。 けれど今度は払われないように強く握った。 薬屋の娘は視界の端で呆れていたが、見られても一向に構わなかったし、――― 己は彼しか見ていなかった。]
(33) 2019/08/03(Sat) 10時半頃
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貴方を……、
[息を呑んで彼と視線を交わす。 近い距離感に胸が跳ねるが同じ香りがパーソナルスペースを曖昧にする。視線だけを迷わせて吐露する声は小さく。]
尊敬している。その仕事ぶりも、実直さも。 先週も、素敵だなと思いました。
(34) 2019/08/03(Sat) 10時半頃
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でも ―――、
[効能で選んだが、百合の香りは彼と親和性が高かった。 気高いのに親しみやすく、ほんの少しセクシーだ。]
事務所に来る前は誰の御用を聞いていたのだろうとか。 電車を降りたあと、何処へ行くのだろうとか。 誰に傅いて、どんなふうに依頼先で呼ぶんだろうとか。
……仕事でなければ、今も。 呼び出された途端、離れて行くのではないかと。
[仕事と自身を比べるほど愚かなこともないが、己はもう何週間も前から彼の愚者だ。序列をつけて選んでほしい訳ではないのに聞かずにはいられない。]
(35) 2019/08/03(Sat) 10時半頃
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[視線を彼に戻して少し顔が強張る。 真面目な顔を作りたいのに羞恥が頬に乗る。 いや、至近距離の彼はそもそも心臓に悪いが。]
俺をトレイルと呼ぶ時でも、傍に居てくれるんですか。 無償でも、そんな装いで待合わせてくれるんですか。
ハワードさん。
……来週の今頃は、お暇ですか?
[余計なことは言わないように気を付けたが、心臓は何時でも口から飛び出る準備が出来ていた。 まるで、デートのお誘いだ。**]
(36) 2019/08/03(Sat) 10時半頃
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[細く開かれたカーテンが揺れるのを] [頭だけを動かして見上げる>>29]
[頼られて嬉しいと聞いて] [いつもならば] [だって、ザーゴさんお金持ちそうだし] [なんて軽口を叩くところだが] [ふ、と小さく笑っただけだった] [本当の理由は、先に話してしまったし]
[窓の外の夜空を見上げる] [病室の薄明かりが窓ガラスに反射して] [すべての星が見えるわけではないけれど]
―――――。
[微かにはしったラインを見て目を閉じた]
(37) 2019/08/03(Sat) 14時半頃
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どうせ俺の血なんて 飲んだところでまずいって言うんでしょ。
[目を閉じたまま、励まし>>30にニヤリ]
[雑草育ちの己と、いいとこのオニーサン] [普通ならば、あの晩に見せた表情が語る通り] [終生交じることのない関係だったろう]
[奇跡>>3:64、ねぇ……] [そーなのかもな] [ぼんやりと考えているうちに、眠りに落ちていった]
(38) 2019/08/03(Sat) 14時半頃
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-- 3週目と4週目の間 --
[命に別条はないが傷は深い] [感染症のリスクもあるために] [ある程度塞がるまでは入院は続くらしい]
[警察が事情を聞きに来たり] [今週分の仕事の断りの連絡をしたり] [着替えを持ってきた大家にクダ巻かれたり] [親しい人足連中が見舞いに来てくれたり] [週が明けてすぐはそれなりに忙しかった]
[…、けど] [マドンナを構うこともできないし] [外を歩くこともできないし] [食事は味気ないし] [やっぱり退屈だ]
[週末は、外に出られるのかなあ**]
(39) 2019/08/03(Sat) 14時半頃
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[通常ならありえない報酬を払った分、もっと無茶を強いられることも予見していた。けれど彼が望んだのは、謝罪と、星祭りを練り歩き、薬を塗布すること。 これでは割りに合わぬだろう。ふざけているわけでも揶揄っているわけでもないのなら、何故。何故。
出会ってから数年、言葉を交わすようになって数週間。 トレイル、と。その名を口にしてからずっと、思考の小道に踏み込んでは戸惑い、足踏み、後退し。 徐々に途轍もない道へと進みつつある。]
ああ……なるほど……街医者…。 御兄弟は?
[通常、新規の顧客には依頼に応じて家族構成や資産状況など、様々な調査が入るが、彼の場合その手順は省いていた。不意に知る彼の背景に胸が湧く。 もっと知りたい、と思う心にブレーキを掛けたのもまた、曖昧となっている今がどんな時間か。不用意な詮索はよろしくない。
そんな自制は働く癖に、往来で始まる治療は止められなかった。 ご法度と知りながら、彼を知る者がこの場に居合わせればどうなるか、という危惧も忘れ、ともすれば幼稚でひたむきで── 狡猾な慰撫に甘えたのもまた、重ねる失態のひとつ。]
(40) 2019/08/03(Sat) 15時頃
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[さて、さて。 結局のところ、一体どんな意図があったのか。 貴方にとってどちらの自分を必要とされているのか見定めるための問いに返ってきたのは、あまりにも予想外のものだった。
これではまるで──。まるで。>>34>>35] …きみは、……
[どこか拗ねるような顔は、失礼ながら歳相応の餓鬼じみて見え、自然と口元が緩んだ。くるりとした旋毛を逆さに混ぜ返したいと疼く掌は、今も彼に囚われた儘で。
今更のように腕を引いてもびくともせず、諭すような表情にひと匙ほどの怯えと狼狽が混じる。 電飾が映るのとは別の薄紅が、刷毛を叩いたように頬骨に広がり。]
(41) 2019/08/03(Sat) 15時半頃
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そういう仕事、ですから否定はしません、が [今度こそ、何を莫迦なことを、と一蹴するべきだろう。 だからといってあのような大金を支払うなんてどうかしていると。
無意識に、無自覚に。随分と距離を詰めていた。 互いの体温でより匂い立つ百合の香に思考が眩む。 間近にある碧眼の揺らぎはぞっとするほど美しく、逃れたいのに逸らせない。]
(42) 2019/08/03(Sat) 15時半頃
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[永遠のような数秒の逡巡。 舌先までからからに乾いていくのを感じながら、 重なる追求に絞り出したのは一言だけ。>>36]
────…はい
[無償で。自らの意思で。 彼が望む通りの形での逢瀬に約を結ぼう。
それ以上は何も言えなかった。 何を言っても墓穴で、蛇足になるような気がして。]*
(43) 2019/08/03(Sat) 15時半頃
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執事 ハワードは、メモを貼った。
2019/08/03(Sat) 15時半頃
執事 ハワードは、メモを貼った。
2019/08/03(Sat) 15時半頃
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── それから ──
[一週間をこれほど長く、そして短いと思うのは久しぶりだ。 通常業務に加えて休日を返上した後輩の分の業務に勤しむ。 週末、途中で呼び出しがないよう常勤の仕事は進んで他へと振り分け、継続中の執務についても事前に可能な限りの手を打つ。 旺盛に動く右手の甲から痣は消えていた。
或る日は、ローズ・ホテルへと向かう。 過日、可燃ごみとなったシャツやスラックスとまったく同じ服が仕立て上がったので、それを届ける為に。
通常ならホテルに預けるだけで済むが、事前にアポイントを取って部屋に赴くのは、その後の容態や近況、不足しているものを訊ね、適宜手配する為。]
不勉強ながら、ひとつ窺ってもよろしいですかな
触覚過敏とは、特定の物や人に対しても 起こりうるものでしょうか?
[余談を交わす余裕があるなら、そんな問いを投げたかと。]
(44) 2019/08/03(Sat) 16時頃
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[彼のことを碌々知らないままに転がり落ちて、知れば知るほど深みに嵌った。清冽とした執事然とした側面も、何週間も掛けて発掘した彼本来の側面も、均しく己を狂わせ、思考と情緒を破壊した。
彼は同性で、自身の親より年上だ。 何時か懇意にしている時計屋の示唆通り、彼なら自身くらいの息子がいても可笑しくないし、多少やんちゃをすれば孫世代とてまかり通る。>>3:189 この想いを憧れではないと断定するまでも長く、唯一人に捧ぐものであると気付いてからも散々戸惑った。
けれど、どれだけ取り繕っても心が謀れない。
不毛な想いは自分だけなく、相手にも覚悟を強いる。 人生の先輩の金言は、胸に深く刺さって。>>3:190]
(45) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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[諦める機会を何度も見送り。 視線だけでなく、足も手も、頭も使って彼を追い掛けるようになった。
触れたいし、呼ばれたいし、知りたかった。 自身に多くのものが足りなくても近づきたかった。
憧憬以上の感情に惹かれ、逢うたびに彼に落ちていく。
緊張と息を呑んで、返事を待つ間。 己の瞳は頬を染める彼を熱心に見つめていた。 異性にもそのような繊細な感情を抱いたことはないが、今の彼だけは酷く可憐に思えて、視線を外すタイミングを失うまま。>>41]
(46) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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[言い訳のように先に置かれた言葉は正論だ。>>42 本当のところ、彼の仕事の邪魔をしたい訳ではない。
ただ、主張して、知って欲しいのだ。彼に。
酷く心の狭い若造が彼を想っていると。 何をするにしても何処にいくにしても、意識が彼を追い掛けてしまうと。]
(47) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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[男は恋をしている、と。]
(48) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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………!
はい! はい、じゃあ、来週、この時間に。 待ち合わせ場所は分かり難くなかったですか? なんなら停留所まで迎えに行きます、最寄は先日の?
[掴んだ手を錨にして喰い気味に頷いた。 短い返答を正しく受け取り、喜色が破顔する。]
(49) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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[嬉しそうな気配を隠しもせず、彼に百合のボトルを持たせると、お土産です。と微笑んだ。 彼の首肯ひとつに機嫌は天井知らずに上がっていく。空では星が流れているが、己は花を撒いていた。]
……そうそう、兄弟は俺だけです。 だから、その分、少し憧れがあって。 友達連中も年上が多いんですよ。
街角の絵描きとか、何でも屋とか。 あ、でも何でも屋と言ってもハワードさん達とは違って、 フィジカル上等みたいな。良いヤツらなんですが―――
[指を緩く絡めて繋いだまま、他愛無い話が零れていく。 取り留めのない世間話。
知りたくて知られたいこと。彼と己のこと。]
(50) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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[彼を買い上げた日付変更線まで、職務に従事させよう。 満天から落ちる星よりも、彼を眺めながら。**]
(51) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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─ 4週目への平日 ─
[脳が疲れようがなんだろうが、仕事は絶えない。 スケジュール管理は個人の裁量とはいえ、顧客と営業の関係は一対一。 クライアントに損をさせないのが銀行屋の理想で、経済は日々動き続けるのだから]
[しかし、引きこもりな他の季節に比べて体をよく動かすせいか、体力はむしろついたらしい。 午前中と夕方の睡眠時間、前よりも深く眠れるし] [夜更け、Ruokala Lokkiという食堂のデリを病院まで届けたのは木曜日。 前夜に食事が不味いと聞いたからだったが、 なん年ぶりだろう、『空腹』を覚えて一緒に食べた]
(52) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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[祭りの時期の刃傷沙汰>>3:96 港で起きたその事件は、ちょっとした港湾関係の大人の事情──縄張り争いのような──で少し厄介だったらしいが、 傷害致傷か殺人未遂か。どうやら十分な証言が集まって後者の方向で審理が進むことになりそうだという。
加害者についた公選弁護人は荒んだ目をした有能な男で、今後がどうあれ、尻の毛まで毟っても治療費を補償する能力は皆無だと言い切った*]
(53) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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― 幕間・お見舞い ―
刺されたって聞いたけど、結構大事っぽいな。 平気か?
[病院を訪れたのは週が明けて直ぐ。>>39 命に別状はないと自棄に噂話に耳聡い靴磨きの少年から聞いたが、心配になって顔を覗きに来た。 見舞いの品はこの時期が旬の平たい桃。一山幾らで、皮ごと齧って食べられるから、甘味の足りない入院生活のスナック感覚に。]
暫く動けないなら無理するなよな。 お前の本職ってアクロバティックに猫追い掛けてるイメージがあるし。
と言うか、その怪我。 ……仕事復帰できるのか?
[掛けた声は心配八割、疑問は二割。 彼がフリーランスな自営業以外に従事している姿は想像出来なかったが。**]
(54) 2019/08/03(Sat) 17時頃
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─ 幕間・ホテルにて ─
[立体裁断で、縫製も特殊にしてもらっている衣服は、体型が変わると採寸のし直しが面倒なもの(高いし) 幸い、クローゼットの隙間を埋めた補充>>44は問題なく着られそうな範囲]
今年は少し、整理整頓まで手が回らなくて ハウスキーパーにはさせられないので、秘書のサービスを半日ほど頼んでも良いですか?書類の片付けが主になりそうなので若い子に。
[不足物のリストもその時頼む、と告げて、眉間を揉んだ]
(55) 2019/08/03(Sat) 17時半頃
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