196 水面に映る影より遠く
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─朝、教室─
[お汁粉以外のどれにするか悩み始めた俺を置いて、 神山は教室へと戻った。ひどいやつめ!
自販機のボタンを彷徨う指先。 段々飲み物のパッケージが、クラスメイトの顔へと変わる。 どれにしようかな。 だれが転校するのかな。
……考えるのも嫌になって、売り切れの赤い文字が浮かび上がっていないものを押す。 音を立てて、落ちてきたそれは、ブラックコーヒー。]
あーあ。
[落胆の声。 飲めないわけじゃない。好きになれない味なだけ。]
(202) 2016/08/20(Sat) 12時頃
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[UFOキャッチャーのように、指先だけで缶を掴み教室へと戻る。 教室では、スズがアイスを配っていたか。 10本しかないと知れば、遠慮しようか。>>49>>77 コンビニアイスが待ってることだし、 俺のすぐ後にきた神せんせも、ちょっと物欲しげな顔をしている。>>144]
俺は、別にいーよ。
[な?神山。 席について、コーヒーを啜る。 ああやっぱり、苦い。 アイスを食べ終えた担任がとる出席に、やる気なさげに返事した。*]
(203) 2016/08/20(Sat) 12時頃
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─プール─
[女子の着替えは神聖なれど、男子に関しては特に言うこともない。 少し凹んだ箇所のあるロッカーを見詰めて、着替えを終える。 プールサイドへ行く前に浴びさせられるシャワーは相も変わらず勢いが激しかった。]
(205) 2016/08/20(Sat) 12時半頃
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[準備運動中、神山が豊に近づく。>>159 ほう、「あのこと知ってる?」の出番だろうか。 俺の教えた情報もついでに流しておけよ。
一瞬合った視線は、切ってしまう。>>160 不安げな目に見えた。 視線があったままだと、自分の気持ちも伝わってしまいそうで。 まだ、口の中は苦かった。 水の中に突き落とされた神山のことを、笑ってみてもそれでも。]
(206) 2016/08/20(Sat) 12時半頃
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[準備運動を終えれば、泳ぎ始める。 目の保養は、目の保養でしかない。 丹野じゃないが、ストレス発散?で好き勝手泳ごうか。
人並みの泳ぎをした後、陸へ上がる。 日陰に避難し、プールでおこることを眺めた。]**
(207) 2016/08/20(Sat) 13時頃
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[あれから、泳ぐ気にもならず。 担任にどうかした?と問われることがあれば、 満面の笑みで腹が痛い、と答えた。 勿論嘘だ。*]
(273) 2016/08/20(Sat) 19時半頃
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─教室─
[髪を拭くのは、めんどい。 そのうち乾くと、滴が落ちない程度にしか タオルで拭かないのが常。 高校から、家までは微妙に乾かない距離。>>44
昨日と同じように解散。]
んじゃ、またあしたなー。
[アイスのことは遠くにいってしまって、 帰ろうと歩を進めれば、牽かれるYシャツ。>>259 そうだ、宿題見せる見返りの、アイス・ジュース。]
(275) 2016/08/20(Sat) 20時頃
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おー、行こうか。 だいたい、決まってる。
[向かうは学校から、徒歩2分のコンビニ。 大原もいたのだっけ。>>271 明日でいいと断られたのか、否か。]
(276) 2016/08/20(Sat) 20時頃
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[二人だろうと三人だろうと、向かおうか。 教室を出て、昇降口を出て、 温度が、不快指数が、上昇していくのがわかる。 コンビニの自動ドアが、恋しい。 多少歩いて恋しい自動ドアに辿り着けば、そこは極楽。]
これにする。 それからー、これ。
[真っ先にアイス売り場に向かって、お目当てをとりだした。 コーンタイプのやつ。好きなやつ。 チョコレートとアーモンドがアイスの部分についている。 飲み物は、コーラにした。]
んじゃ、よろしく。
[会計に並んで、にっこりと丹野に笑いかける。 対価だ、対価。 喜んで受け取ろうじゃないか。]
(277) 2016/08/20(Sat) 20時頃
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[女子のあんみつ会のことは、 クラスでか、丹野からか聞いたことだろう。 買い物がおわれば、]
んじゃ、いってきなー。 課題は明日、もってくる。
[と、丹野を見送る。 携帯に、丹野に課題とメモして、 近所の公園へはいる。 アイスと、コーラを食べるために。*]
(278) 2016/08/20(Sat) 20時頃
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[寂しさを胸に、 公園のベンチへと腰かける。 学校から公園まで、距離は遠くない。 誰か通りかかると期待して。 いわゆる、出待ち状態である。
これを食べ終わるまでに誰も来なかったら帰ろう。 家帰るなら、弟の分もアイス買って帰らんとなあ。]
(292) 2016/08/20(Sat) 21時半頃
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[アイスを81%程胃に入れた頃。 炭酸飲料の蓋をあけて、流し込む。 夏休みを大満喫している、小学生に目を細めた。 ふと、そこに名前を呼ぶ声が聞こえた。>>287 どうやら、出待ち成功らしい。]
おー、ゆたかー。
[顔をそちらに向けて、ペットボトルで太ももで挟んでから、 同じ仕草を片手で返す。]
アイス食べてる。
[公園に入ってきた優に、 見ればわかる、ことを伝えてた。*]
(293) 2016/08/20(Sat) 21時半頃
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[公園は砂地で。 重なった靴跡の上に1本の線が残る。>>303 そりゃ、そうだ。 視覚から得られる情報しか渡してない。 そうだな、とケラケラ笑い返す。]
ひとりだわー。 俺は常にろんりー、ろんりー。 丹野は女子会?らしい、あんみつがなんとかだとさ。
デー、ト……。 ……なんて甘酸っぱいものは、来世に期待する。
[返答を求めてないだろう問いかけ。 頷くころには、答えはほぼだされていた。]
(312) 2016/08/20(Sat) 22時半頃
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あのこと? ……どのこと?
[「あのこと知ってる?」>>305 神山の切り出し方はいつだってそう。 補講中にその言葉を切り出したのは、知っている。 神山の事だ、転校の事は絶対噂として流しているだろう。 どのこと、は、ちょっとした、悪あがき。
口角を上げて、対応する、 あーん、の内容の方であることを、願った。*]
(313) 2016/08/20(Sat) 22時半頃
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仲間だな。 ユタカ、ゼッタイ裏切るナ。
[冗談交じりの片言。 勝手にろんりー同盟の発起が決定した。]
んだなー、今度行くか。 6人で遊べるとこって、どこだろ。
いーわけあるか。 思ったほど、ないからなー。 優ほどないわ、絶対。
[男子会するなら神山辺りがいいとこ知ってそうだ。 そのうち決まるだろうとは、思う。
ケラケラ笑いながら答える。 何処かの誰かにチャラ男>>99と評されているのは知らない。 知らないけど、そういう結論だ、察しろ。]
(336) 2016/08/20(Sat) 23時半頃
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[残念。期待外れ。>>323 ああ、公園でキャッチボールしている兄弟。 兄の方が取りこぼして、ボールは遠くへ。 そのボールの行方を目で追いかけつつ、]
……知ってるよ。 神山発信だろ? 聞きたくなくても、割と耳に入る。
[戸惑いは感じ取れる。 知らなければ、そのままで幸せなこともあるのに。]
(337) 2016/08/20(Sat) 23時半頃
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[今までの神山の噂の真否は、 俺が知ってる限りだいたい半分。 転校する人が、 2分の1でいるのを多いと感じるのか 少ないと感じるのか、 俺は、前者だった。 それが声の色に乗ってしまわないといい。]
そーだな!
[気まずい空気をかき乱すように、 汗の書いたペットボトルを優の首筋にあてようと。*]
(338) 2016/08/20(Sat) 23時半頃
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