244 【R18】ミゼリコルディアの宴【魔女村】
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── UnhappyBirthday ──
[それはなんでもないとある日のこと。 UnhappyBirthdayと称して弟子が寄越したのは 琥珀のついた、綺麗な羽飾り。
── プレゼントなんて珍しすぎるできごとに、 目を丸くして、暫し、瞬いて。 その繊細な羽飾りに瞳を輝かせる ]
(254) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 17時頃
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これ、もらっていいのか?
[驚いたように彼を見たことだろう。 その反応がどうだったにせよ、とてもうれしくて 顔が綻びそうになるけれど、 フェルゼの前では素直になれぬ魔女ゴコロ、 おもわず、ツン、と平静を装ったのなら ]
……… もらってやる、ありがとう。
[そんな態度だったから、後々友だちからの贈り物に 面白くない、と思わせてしまったのも無理はない >>249]
(255) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 17時頃
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[嫁は必要がないらしい。>>250 フェルゼの本心は読めないけれど、 嘘をついている気配もない。
人間というのは年頃になれば嫁を取り、 家族を築いて生きる事を望むのかと、思っていた。]
……… ふうん? フェルゼがそういうのなら、良いけどな
[その話はきっとそれでおしまい。 私が嫁になってやろうだなんて言葉、残念ながら、 魔女の頭のなかにはこれっぽっちもなかったから
結局移動魔法を成し遂げられなかった魔女たちは しぶしぶ人間のような移動手段で城へと向かうのだろう]*
(256) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 17時頃
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── 呪いのキャンバス ──
[主の意向で取り出されたキャンバスには 魔女たちの集合写真が映し出される >>251 ]
ほう、こんなものもあるのか
[そういえばどこかの書籍で読んだ気もするが 実際に目にするのは初めてで、成程とうなずく。 2ショットを提案されたかもしれないし、 他の魔女や人間(+くま)との写真が叶ったかもしれない だがほんの少し、思案してから。 ]
なあ、レオナルド。
[魔法使いではなく吸血鬼だったらしい主に声を掛ける。 ─── そして、ひとつ、頼み事を。 ]
(257) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 17時半頃
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── わたしをおぼえていて ──
[しばらく経ってからまた、今度はフェルゼに声をかける ]
なあ、フェルゼ。
[声を掛け、振り向いてくれたのならば 拾った頃よりも随分大人に成長した彼に、 そっと一枚の写真サイズのキャンバスを手渡した。]
………これを、持っていてくれ。 あー、そう怪訝そうな顔をするな。 私がとびきり美人に撮れた一枚だ。 家宝にしろ、家宝。
[先程家主に頼み込んだこと。 それは “自分ひとりが映った絵が欲しい” という願い。]
(258) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 17時半頃
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[もし自分の呪いが解けることがあるのならば フェルゼはたった一人きりになってしまうだろう。
呪いが解けると同時に、自分の姿は朽ち、 14歳であった “いまある” 魔女リッキィは、 どこにも居なくなってしまうかもしれない。
── どうか、私を覚えていて欲しい
大人になりたいと願っていた 大人の女性として生きる事を、望んでいた
だけど、今は違う。 今の自分を認めてくれる家族がいる 今の私の姿のままで、慕い、支えてくれる人がいる
そんな自分を、どうか覚えていて欲しい。 有限の生命の君が、こんな私の傍に居たいと願うなら。 ]*
(259) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 17時半頃
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[師匠、と久しぶりにフェルゼが紡ぐ >>280 なんだ、と言いたげに視線を上げれば その口から出てきたのは、解呪のことば。
先延ばし、先延ばしにしてきたこと 裏に見え隠れするのは彼なりの想い
── 頭の良い子だった >>0:157
年相応でない知能も、恵まれた魔力も 三歳にして、すべてを拒絶した瞳も
ああもう四半世紀近く ずっと、その成長や変化を見てきたから
彼に、最早幼なき日の面影はない。 だけど確実にあの頃の延長上の未来に いま、魔女たちは、ともに立っている ]
(298) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 21時半頃
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── 未来図 ──
[やがて宴もたけなわ、集会はお開きとなる 夕闇の空には一番星が輝いて とても綺麗な茜色が地平線の向こうに消えてゆく
── 楽しかった。 これほどまでに楽しい思いをしたこと たくさんの友や ……家族に、恵まれたこと 百年、数百年の人生で、きっと 今日という一日が一番心が晴れやかだった ]
(299) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 21時半頃
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[決まっていたさ、最初から気持ちなんて。 そもそも呪いを掛けた相手が生命を落とせば いつ死ぬかもわからなかった呪いだ、 そんな突然の別れになるよりも、ずっと。 大切な愛弟子に望みを叶えてもらったほうがいい。
今まで呪いに縛られて生きてきた いっときも忘れたことがなかった、は嘘になるが それでもいつも心の片隅にあった、自分の生命 預けるならば
── 今日が最適な日じゃあないか。]
(300) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 21時半頃
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なあ、フェルゼ。 ひとつ、行きたい場所があるんだ。
[だいぶ大きくなってしまった彼の手をつなぐ 手をつなぐなんて、いつぶりのことだろうか。 いつのまにか、自分のほうが随分と小さくなってしまった
手をつないだならば瞳を閉じて、願いを込める 失敗する未来図を描かずに、強い願いがあるならば、 魔術は強くなるんだろう ? >>282
”行き先” は遠い遠いむかしに >>0:277 はじめての友だちと未来を思い描いた泉の畔 ]
(301) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 21時半頃
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[願いは叶う。一瞬で魔女たちの身体は 秘密の森の奥、美しい泉の縁にたどり着く しっとりと夜の帳が落ちかけたその場所で、 月明かりに照らされた泉がきらきらと輝いている ]
綺麗な泉だろう。 私が、大好きだった場所なんだ
[フェルゼとの手は繋いだままで、語りかける ]
なあ、”解呪”の話 いつでもいい、って言ったよな。
…… 今、解いてくれないか。 どうしても、今、この場所がいいんだ。
[眼鏡の下からフェルゼをまっすぐに見上げる その瞳は、やはりとても穏やかだったに違いない。]*
(302) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 21時半頃
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[取り出されたのは水晶と魔導書。 難解な詠唱にルーン文字。 最早その力は “師以上だった” から その真摯な様子を、双眸細めて見つめよう
月明かりが射す美しい泉の傍 強く青白い光が身体を包む
痛みや苦しみなどは感じない それに安堵したというのは蛇足だろうか。 解呪の光は、ただ、力強く優しくそこにあった
同時に、身体のあちこちに感じる異変 ”崩れていく” その感覚は きっとあとにも先にも、経験することなく そして誰にも伝えられることはないだろう ]
(347) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 22時半頃
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[ 星へと旅立っていくことを 意を決する勇気は、貴方が受け止めてくれた。
私が遺していく光の欠片も 大切な場所が掬いとってくれるだろう
優しくて 冷たくて いつも寄り添ってくれた 貴方は、冬の美しい泉のようだった。私の、”私だけの弟子。” ]
(348) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 22時半頃
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[青白い光はすでに落ちきった夜の闇を明るく照らす
きらり、きらりと舞い落ちる水晶の欠片 それに混じって見えるだろうか 白く、美しい灰 いのちの、きらめき。
まるでそれは長い間ともにあった 雪 のように ひらり、ひらりと、泉へと降り注ぐ
空には青白い月がぽっかりと浮かぶ。 泉の畔に赤いコートだけが、落ちていた ]
(350) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 23時頃
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[ …………え? それからの御伽噺が聞きたいって? ]
(351) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 23時頃
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[なあに、ここからは、もしももしもの話さ。 だけどもし遠い未来、例えば天国なんかがあったとして? 万が一ふたりの運命が交錯するようなことがあるならば
ああ、言ってやろうじゃないか。 あの日みたいに仁王立ちして 生意気なクソガキ見下すようにして ]
なんだい? お客さんかい?
[ロリババアなんて呼んだらただじゃ置かないからね。]**
(352) ししゃもん 2018/06/23(Sat) 23時頃
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