268 オリュース・ロマンスは顔が良い
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― オリュース市電 ―
[―――― が。 まだペルセウス・マーケットは始まったばかり。 見つけようと空を仰ぐと意外と見つからないのは例年通り。
しかし全天を見上げる視線は真剣で、煽られたからには見つけたい。 結局電車を待つ間も、もうすこし。と猶予を貰い、乗車しても車窓の傍に陣取った。]
……いえ、お礼なんて。
そもそも助けたと言うより、 迷惑を掛けた部分の方が大きいですし。
[黒に染まった窓に映る自身越し、放射点を探して相槌を打つ。 こんな時、さらりと簡単な手土産を求められればスマートなのだろうが、彼に関わったのは謝礼欲しさではないから上手く行かない。]
(319) 2019/07/29(Mon) 23時頃
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あ、
[閃いたのと、指が窓硝子に触れるのは同時。 空から零れる一条の光。夏の始まりを告げる流れ星。
瞬きよりも素早く夜に溶けたが、願いは胸で唱えた。]
(320) 2019/07/29(Mon) 23時頃
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………、 ―――…なんでも構いませんか?
[視線がゆっくりとスライド。 欲しいものはなかったが、彼がくれるなら話は別だと気が付いた。 星が与えたもうた悪知恵。掌をくるりと返した男は、彼を間近で覗いた時と同じ顔をしていた。*]
(321) 2019/07/29(Mon) 23時頃
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