272 【R18RP】十一月と、蝶が奏でる前奏曲
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[わたわたしている私とは対照的に 大和はとっても落ち着いている。>>183 わあ、たよりになるなあ〜って感心することで ちょっとがっかりした心を押し殺した。
…大和が照れたり肯定してくれれば ちょっとは期待が持てたんだけどなあ……。
っていやいや、相手はまだ学生だし。 私だってまだ二十四だし。 結婚なんてずっと先の話だ。 特集のせいでいろいろ調べたから ちょっと詳しくなっちゃってるだけです。
大和とずっと付き合うかもわからないし まだ付き合う?ことになって二か月もしてないし 恋人らしいコトなにもないし……]
(196) moggyu 2019/11/13(Wed) 23時頃
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[プチパニックだった自分を落ち着かせるため つらつら考えていたらだんだん凹んできた。
恋人(のはず)だけどそれらしいことは何もない。 退院日も初出勤日も付き添ってくれたけど>>180 抱きしめてはくれたし、手を繋いでもいるけど
……私、大和に女性として意識されてないのでは?
思いあたってしまって顔が強張っていたから とっさに上手く言葉がでてこなくて んーん、ってかえすのが精いっぱいだった。]
(197) moggyu 2019/11/13(Wed) 23時頃
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[さらっと言われた言葉の意味が分からなくて>>184 無表情のままゆっくり三回は瞬きをしたから 大和を誤解させたかもしれない。
指輪、だけならピンキーリングとかかな?って (それもかなり恥ずかしいけど) 意識をそらすこともできたのだけど
だってウェディングドレスだよ。 それとセットの指輪っていわれたら どう聞いてもそういう解釈になっちゃうよ。]
えっ、えっ、えっ あ、あ、あの、ど、ど、どういう
[動揺しすぎて足元がもつれたけど 大和が手を握ってくれていたので転ばずに済んだ。]
(198) moggyu 2019/11/13(Wed) 23時頃
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[なんとか体勢を立て直しながら 繋いだままの手から視線を動かして 大和の肩から、顔を見上げる。
向うの顔も赤ければちょっと緊張はほぐれたけど どっちにしろ動悸がうるさくて倒れそう。]
そっ…そういうのは 調子乗っちゃうって、いったじゃん!
[大和にとっては遠い昔かもしれないけれど 私にとってはちょっと前のことだったから>>2:185 思わずあの時のことを思いだして 繋いでいないほうの手でぺちりと大和の胸を叩いた。*]
(199) moggyu 2019/11/13(Wed) 23時頃
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[ほら、またそういうこと言う。>>209 調子に乗って良いみたいな…みたいな!?]
よっ……予約って あのキャンペーンは今年度中の予約のやつで
[いやいや、そうじゃないでしょ私。 うん、混乱してるけどそうじゃないのはわかるよ。 ちょっぴり…いやだいぶ期待しちゃってたもんね。
握られた手は大和の本心を伝えてきているようで その態度も心もまっすぐだったから 私はしばし、息を止めてその言葉を聞いて。]
(213) moggyu 2019/11/14(Thu) 00時頃
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[どうしてそこで視線をそらしちゃうかな〜。 大人っぽくなった。男の人になった。 それでも大和は大和のままだなぁ。 ――すきだなあ。
私は変わらぬ彼に安心してしまって 気抜けた笑みを浮かべてから 大和のマフラーを掴む>>139
転びかけたのを支えてもらった時に 通路のど真ん中から壁際に移動していたけれど ここはクリスマスイブのショッピングモールで 人がたくさん行きかう場所なので 恋人っぽいことするのはとっても恥ずかしいんだけど。
でもね、私もちょっと反省しているの。 だってあの病室のとき以来 あなたにちゃんと伝えてなかったと思うから。]
(214) moggyu 2019/11/14(Thu) 00時頃
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[きらきらの飾りつけの中で 大和のマフラーをぐいっと私の方へと引っ張った。
つま先立ちになって 大和の頬に唇を押し付ける。
リップ音をたてるサービスをする余裕はなくて 代わりに思いっきり笑顔を見せれたかな。]
いいよ! 予約ね〜!
[心臓はバックンバックン言ってるし あぁああ人前でなんてことを! とか 内心は大嵐だったんだけど。
大和の視線がこちらを向いてくれたら 今はそれでいいかなって。
なおこっちに気がついた人は5人ぐらい!**]
(215) moggyu 2019/11/14(Thu) 00時頃
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[小学生の方が上手いんじゃないかって思う稚拙なキスは ちゃんと大和の顔を赤くしてくれた。>>241
マフラーに隠された笑顔をみたくて 掴んだままだったマフラーをなおしていれば ようやく周囲の注目はなくなった。
何人かには注目された気がするけど 私は何も見えてない、見えてないぞ〜!]
大和こそキャンセルは、だめだよ〜?
[冗談めかして本音を告げる。 もちろん未来がどうなるかはわからないから 100%本音として押し付けるつもりはないけどね。]
(243) moggyu 2019/11/14(Thu) 22時半頃
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――ジュエリー Reincarnation――
[人の波とは逆の方向に歩いていけば 高級感溢れる佇まいの店舗があった。
店内で一番私の目を引いたのは きらきらした宝石ではなく 黒いスーツの男の人。>>238
日本人らしくない顔立ちに青い目で 外人さんかな?って思いながら足を止める。 あれっ、どこかで会ったような――…… 雑誌か何かで見たのかな?]
(244) moggyu 2019/11/14(Thu) 22時半頃
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[足を止めたから興味があると思われたのか それとももともとそこが目的地だったのか、 大和と一緒に店内に入れば 店員さん(だよね?)は静かに笑みを浮かべている。
おっと、お店なんだから商品みなきゃ。 わ〜! イヤリング可愛いなぁ。 でも私はそそっかしくてなくしそうなので 覚悟を決めてピアスを開けたほうがいい気がする。
こっちの宝石は大きいなあ。 お値段もいち、じゅう、ひゃく、せん… ………みなかったことにしよ。]
(245) moggyu 2019/11/14(Thu) 22時半頃
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[大和は何かみたいものがあるのかな。 私もそこまでおバカじゃないというか ここで「来年の母の日は何にしようかな〜」などと のほほん相談する空気じゃないのはわかる。
さっき、指輪買ってから、なんて言ってたけど>>184 そんなのまだ早いからね、大和…! 給与三か月分は今や過去の話ではあるけど!]
(246) moggyu 2019/11/14(Thu) 22時半頃
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[などと私は勝手にいろいろ考えすぎていたけど 並んだ結婚指輪も婚約指輪もとても綺麗で いいなあ、ってケースの前で思ったのは事実です。
さすがに大和は結婚指輪を買うつもりはないだろうし 何を探しているのかなって振り向けば ショーケースを見ている大和の横顔は 七年前にはあった少年らしい丸みはもうなくて 私の手を握る掌はもっと大きくなって 記憶と同じに、でも、それ以上に、]
……あッ! いやっ かっ、かっこよくなったなって思って……
[私の方を向いた大和と視線があってしまい 大慌ての中で漏れてしまった言葉は 頼むから聞こえてないことにしてほしい。 聞こえてない!聞こえないで!*]
(247) moggyu 2019/11/14(Thu) 22時半頃
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[あーあーあーあ! ほら聞こえてた!>>251 心なしか店員さんの視線も向いているような]
忘れて! 忘れてね? ちょっと思っちゃっただけなの!
[内容自体は否定しないまま 深呼吸を何度かして自分を落ち着けて 大和と一緒にショーケースを覗き込む。
結婚指輪はそれなりにお値段はしていたけど ペアリングのコーナーはちゃんと価格帯に幅があって 学生でも買おうと思えば買える値段だった。
男女で黒とピンクのリングもあるし 石が一石入っているのもきれいだし 裏に刻印できるのも素敵だよね。]
(257) moggyu 2019/11/14(Thu) 23時半頃
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[じっと見ていれば店員さんに声をかけられ 断る前にペアリングが目の前に並べられた。
だ、出されたらつけてみるしかないよね…? 大和が指輪を買って〜と言っていたの>>184 私ちゃんと聞いてたし覚えてるんだからね? ちょっとは期待してるんだからね?
ちらっと大和の様子をうかがって 止めてくれって様子じゃなければ 指輪を手にして――……]
(258) moggyu 2019/11/14(Thu) 23時半頃
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ねえ大和……。
[ちらり見上げてから いや、これ恥ずかしすぎるなって視線を指輪に戻す。]
……ど、どの指につければいい?
[言われた通りの指につけるつもりだけれど 左手の薬指だけは分かっていても意識しちゃって 耳まで真っ赤になると思う。**]
(259) moggyu 2019/11/14(Thu) 23時半頃
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[大和の答えが返ってこない。 これはミスったな…! そうだよね! ちょっと重かったよね! 右手の薬指にでもつければよかったのよ私め!
焦ったせいか上手く手が動かなくて 傍目には戸惑っているようにみえたのか 大和の手が伸びて私の左手をとる。>>296
い、いや落ち着こう。 中指とかかもしれな、]
ひゃっ…!
[さり、と指をなぞられて 変な声をだした私は手を引っ込めかける。]
(297) moggyu 2019/11/15(Fri) 22時頃
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[えっ……エロいよ! いつそんなの覚えたの! 確かにこの七年間をぜんぜん知らないけれど!
頭から湯気が出そうになりながら 八つ当たりめいたことを考えながら それでも指輪を落とさなかった私はえらいと思う。
黙っていれば大和はもう一度同じことをしたかな。 未だなにもつけたことのない指を見下ろせば 一応残っている乙女心が胸の内をくすぐる感じがする。
私だって女の子だからね。 誰かに贈られた指輪を、ここに付けて欲しいって そう思ったことは何度もあったから。]
(298) moggyu 2019/11/15(Fri) 22時頃
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[ようやく大和の顔を見る余裕ができたけど 視線は合わなかったかもしれない。 ちらりとこちらを見る瞬間を捕まえて 私は握ってた指輪を大和の手の中に押し込む。]
大和がつけてよ。 好きなところで、いいから。
[最初につけてくれるのは、あなたがいいな。*]
(299) moggyu 2019/11/15(Fri) 22時頃
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[指を撫でるなんて思わせぶりなことをするくせに 手を引っこめられかけたらしょんぼりするとか>>300 そう言うところがかっ…わいいよね! 言わないけど!]
大和がいいな。
[迷っているのか確認したいだけなのか どちらにせよ、私の心は決まっているんだよ。 だからそっと私の希望を伝えれば 大和がゆっくり指輪を指に付けてくれた。>>302
好きな人に指輪を付けてもらうって とってもとっても ドキドキするよね。]
(306) moggyu 2019/11/15(Fri) 23時頃
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[左手の薬指に光る銀色。 手を開いたまま目の高さにもってきてから 握ったり開いたりするのは挙動不審に見えたかも。
何度繰り返しても消える様子もなくて ちゃんと私の指にはまったままだ。]
きれい……! 大和はどう思う?
[手の向こう側には頬を押さえている大和がいて 照れてるのを隠してるのはバレバレだったので 私は質問の答えを聞く前に 男性用のリングを手にして、大和の左手を勝手に握るの。]
(307) moggyu 2019/11/15(Fri) 23時頃
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[大和の指に指輪はうまくはいったかな。 もしかしたらちょっと緩いかもしれないけど。
もちろん左手の薬指。 重ねた手に、同じデザインの指輪が光る。
これから先何が起きるかはわからないけれど 結婚だってしないかもしれないけれど。]
……ふふっ ううん、幸せだなって思って。
[今は、本当にそう思うから。 ちゃんと今の幸せを大事にしようと思う。*]
(308) moggyu 2019/11/15(Fri) 23時頃
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[サイズを測ったり、やっぱりこっち?と悩んだり ペアリングが決まるまで色々あったけど ようやく二人とも満足できるものを決めて これ結婚指輪はもっと悩むんじゃ……とか あるかもしれない未来に想いを馳せる。
店の前を行く人たちからは 結婚指輪を決めにきたカップルに見えるのかな。
そう思うとくすぐったい気持ちになっていた私は ちょっと離れたところに見た人影が>>319 知っている人のような気がしたのだけれど 仕事の時のイメージとかなり違っていたので 確信を持てないでいるのでした。]
(342) moggyu 2019/11/16(Sat) 21時頃
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[とんとん、と肩を叩かれて>>316 なあに、ってなんの警戒もなく振り返る。
かさっと紙の音がして 視界一杯に大和の顔があって それから、唇にそっと触れたのは――]
(343) moggyu 2019/11/16(Sat) 21時頃
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なっ なっ なっ…!
なんっ…! こ、ここ外っ……!
[パンフレットで隠したつもりなのかな!? 紙一枚だし店内からは丸見えじゃない! だいたい、キスならもっとムードのある場所でしてよ! さっき頬にしちゃった私が言うことじゃないけど……
――と、言いたい文句はたくさん思い浮かんだし 落ち着いてからはしっかり怒ったのだけど。>>317
それよりね、今はね。]
(344) moggyu 2019/11/16(Sat) 21時頃
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[だから困るな、って呟いた私は さすがに恥ずかしさで顔を伏せていたから 大和の表情は見えなかったし
その頃には店員さんが戻ってきたから 店内ではそのあと何もなかった……はず。*]
(345) moggyu 2019/11/16(Sat) 21時頃
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