266 冷たい校舎村7
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[ 七月葉子がどこからともなく、 大きな暗幕を抱えて帰ってくる。>>132
それまで、僕はただその場にしゃがみ、 人形と同じように天井を見つめてみたけど、 学校の、白い天井がそこにあるだけだった。
提案に則って>>133、 僕はその人形を暗幕に閉じ込めながら、 こうすると本当に遺体みたいだと思った。
モノを運ぶみたいに、 彼女とそれを持ち上げて──、 もしそこに、3人目4人目がやってきたなら、 もう少し手分けをしながら持ち上げて、
ぽつりと零された呟き>>133に、 手元に落としていた視線を上げる。]
(148) 2019/06/12(Wed) 18時頃
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どう……どうかな。 七月さんは、どうかなると思ってるの?
[ どうなっちゃうのか。 あまり考えていなかった疑問に、 思わず質問で返してしまったけれど。
声にして、ああ。と思う。]
……僕は、待つしかないと。 待って、起きたことを受け入れればいいと、 そういうふうに思っていたから。
[ ただ、この静かな世界で息をして、 食事をしたり、眠って過ごす。 終わりが向こうからやってくるまで。]
(149) 2019/06/12(Wed) 18時頃
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[ そうじゃなくていいのかもしれない。と、ふと思う。**]
(150) 2019/06/12(Wed) 18時頃
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──現在:道中>>159──
[ 七月葉子と一緒に運ぼうにも、 きっとその歩みは亀みたいなもの。
ぽつぽつと、言葉を交わして体育館へ。 注意深く階段を下りて1階へ。
そこで、不意に声をかけられ>>160、 僕は首を傾けてそちらを向く。
朝の教室になかった顔が、 それ。と言って僕の手元を示している。]
(161) 2019/06/12(Wed) 20時頃
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これ? 灰谷さん。
[ 視線を手元のモノに振って、 これ、と示して僕は言った。
朝起きて、チャイムが響いて、 階段に行ったら落ちていた。そういうもの。
ごく端的に答えた僕は、そこでふと、 そういえば彼はどこにいたのだろう。と思う。]
そういえば、轟木くんはどこに? 昨晩、教室にはいなかったよね。 *
(162) 2019/06/12(Wed) 20時頃
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──現在:道中>>163──
うん、マネキン。 階段から落ちたみたい。
[ 暗い布に厳重に包まれた人形。 それに注がれる視線>>163に目を細める。
驚き。は、あまりなかった。 この場所に迷い込んだ時点で、 たぶんもう使い切ってしまったのだ。
というか、この世界自体が不可解で、 現実離れしているんだから、 あとは、受け入れるだけだ。と思う。 起きることすべて。ここのルールだって。]
(200) 2019/06/12(Wed) 22時頃
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[ ……ほら、現実社会に生きるのと一緒。]
(201) 2019/06/12(Wed) 22時頃
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……そんなに不思議? 相原さんもそうだったんだから、 そういうものなんだよ。ここでは。
──あ。そういえば、 あれもチャイムが鳴ったときだ。 合図なのかもしれないね。
[ ひとつずつ、結び付けていく。 正解かはわからない。予測を広げて。
探り当て、ひも解いた、 そのルール上で僕らは過ごす。
そのことに違和感も何もないし、 どちらかというと、今気になったのは、 轟木颯太>>164の何気ない一言だった。]
(202) 2019/06/12(Wed) 22時頃
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もしかして、ベッド余ってた? 使う人いないなら、借りればよかった。
[ 昨日、きちんと決めなかったから、 結局一番いい寝床が使われてない気がする。
毛布を運んだ甲斐があったと言えばいいけど、 少し勿体ない気がして、そんな呟き。
一息、というのも>>164、 僕は言葉通り非常に素直に受け取って、 それなら。と笑顔で視線を上階に向ける。]
柊くんが、朝ごはんにって。 パンとか色々、教室に置いてくれてた。
[ 手伝ってくれようとする手を、 少なくとも僕は受け入れようとしながら。]
(203) 2019/06/12(Wed) 22時頃
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……帰った。って考えるのが、 1番すわりがいいと思うよ、僕は。
果たして、帰りたいと思えば帰れるのか、 本人の意思はまるで関係ないのか、 そういうことは、全然わからないけど。
……この世界で死ねば、帰れるか、 帰るなら、この世界では死んじゃうのか。 どっちが先かも、体験しなきゃわからない。
[ 結局のところすべて推論である。
けれど、きっとこの場にいる多くの人間が、 似たような結論にたどり着いてもいるんだろう。
轟木颯太の考え>>164と、どこまで同じか、 知らないまんま、僕は微笑んで頷いた。*]
(204) 2019/06/12(Wed) 22時頃
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──階段踊り場>>205──
そっか。なら仕方ないね。 プラネタリウムなんてあったんだ。
[ そこにいたくない気分>>205なら仕方ない。 僕は納得し、文化祭について1つ詳しくなる。]
みんなで多目的室に毛布を運び込んで、 そこで眠ればいい夢が見られるかも。
[ ……やや夢見が悪かった僕は、 そんなことをぼんやりと思って、
最後だったのだろうか。と言う七月葉子>>205に、 「そうかもしれない」と曖昧な肯定を返す。]
(218) 2019/06/12(Wed) 22時半頃
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[ この世界の仕組みについての予測は、 すらすらと言葉になって口から出るのに、
どうして慰めの言葉であるとか、 良い種類の嘘はうまく形にならないんだろう。
淡々と語る七月葉子>>207がいた。 僕は、その言葉が途切れるまで、 いつも通り、黙って聞いているしかできず、
みんなで死ねばいいじゃない。 最後にそう括られたことで、ようやく、 自然な形で口を開くことができる。]
(219) 2019/06/12(Wed) 22時半頃
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じゃあ、やってみる?
みんなで手を繋いで、4階かどこかの窓から。 せーので一緒に飛び降りて、死後を見てみよう。 ひとり残れば、きっとその人がこの世界の主。
そういうことになるかもしれない。 あのメールが本当に遺書だっていうなら。
(220) 2019/06/12(Wed) 22時半頃
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[ 暗幕を折り、白い人形を覆っていく。 その作業を進めながら、僕も静かに答える。]
悪くはないと思う。 みんなが賛成するなら。 みんなが何よりも、 元の世界に帰ることを優先するなら。
……でも、そうすると、 あのメールの送り主が誰か、 分かったときには二度と口をきけないかも。
僕は、それは少し嫌かな。
[ 白い物体が黒い物体へ。 こんなものかなとそれを持って立ち上がり、 会話の続き>>209をするため、顔を上げる。]
(221) 2019/06/12(Wed) 22時半頃
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どこにいたって、そんなものでしょう。 どんなに違和感があっても、疑問を抱いても、 与えられたルール上に生きるのがみんな得意。
……ただ、そうだね。 少しくらいは、ホストの意思に反することも、 してみたっていいかもしれない。とは思うけど。
……そっち、持ってもらえる?
[ そろり、そろりと階段を下ろう。 多分、背の高い僕が先導したほうがいい。
手を滑らさないように気を付けて、 ゆっくり歩みを始める前に、ひとつだけ。
僕は気がかりだったこと>>210を指摘する。]
(222) 2019/06/12(Wed) 22時半頃
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七月さん。信じるのは自由だけれど、 ここで死んだって、待ってるのはきっと現実だよ。*
(223) 2019/06/12(Wed) 22時半頃
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──現在:道中>>229──
どうしてだろうね。 みんな、現実世界じゃあ、 簡単にそういうものだよって、 迎合できちゃうくせに。
[ 一緒だよ。と僕は呟いた。 にこにこと笑ったままだった。
ばかみたい。って思ってたことは否定しない。 さっきから、同じようなことを言われて、 なんだか心がささくれだっていたのだ。
それって、いつも僕が思ってることだ。 不可解だ。理解できない。割り切れない。 世界に馴染めないなんて。そんなの。]
(241) 2019/06/12(Wed) 23時半頃
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……わかったよ。僕はいいけど。 床で雑魚寝でも困らないし……、 勿体無いなと思っただけ。 轟木くんの体、ひとつしかないから。
[ ベッドはもらえなかった。>>230 少し残念だけど、その程度。
黒い塊を運ぶ手は6本になって、 目的にはもう間も無く。
順番に殺される。>>217 その被害者を運んでるのだとしたら、 なかなかに凄絶な状況だな。と思う。]
(242) 2019/06/12(Wed) 23時半頃
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殺される、かあ。 恨みを買っていたかな、僕ら。 ここにいる誰かの望みがそれなら、 それは、申し訳ないね。
[ みんなを殺せば、その人の気は晴れるのかな。
僕はそんなことを考えていたんだけど、 轟木颯太の想定>>231にはなるほど、と。]
ああ、確かに。 最後に会えるといいよね。 ……探さないでって話だったから、 どうかな、わからないけど。
[ これは誰の世界なのか。 そのことに、僕もまた興味があって。 うんうん。と頷いていたところだった。]
(243) 2019/06/12(Wed) 23時半頃
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[ まさか。と言う轟木颯太>>232に、 僕はやっぱり笑って首を横に振る。]
僕じゃないよ。 顔は──ごめん。
[ 短く。けれど、はっきりと。
顔については、口角を下げる努力をしたものの、 ほんの数分後、目的地に到着し、 「このあたりで下ろそうか」と、 相原愛子の人形の隣を示すころには、 すっかり元どおりになっていることだろう。
それから、ひと仕事終えたころに、 僕は、再び視線を轟木颯太の方に向ける。]
(244) 2019/06/12(Wed) 23時半頃
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轟木くんは、違うって言えるの?
[ 違うって。確信してるならいいんだ。 そんなふうに微笑んで、答えが得られたら、 きっと、体育館を後にしたことだろう。*]
(245) 2019/06/12(Wed) 23時半頃
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──現在:道中>>266──
……そうだね、言い過ぎた。ごめん。 僕はただ──よくわからないだけ。
ここと現実が別の仕組みを持っていて、 僕らは今ここにいる。ってだけなのに。
[ 轟木颯太の指摘>>266は正しい。 し、僕自身調子が狂っている自覚はあった。 言わなくていいことを言ったし、 主語を大きくし過ぎた。ので、謝罪をする。
……少し疲れた。と思って、 そう。意見を言うのは疲れる。
ので、贅沢に使うという主張>>267は、 副委員長からのご意見がなければ、 あっさりとその場を通ったはずだ。]
(276) 2019/06/13(Thu) 01時半頃
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どうせいつか帰されるんなら、 殺しに来てくれるといいけど。 ……探しても、いいのかなあ。
[ 僕の眉はハの字気味に下がっていたけれど、 たぶん、口角は持ち上がったままで、
そんな折に、顔。>>268と言われたもんだから、]
……どうしてだろうね。 もうそれが、普通になってて……、 でもほら、笑っている方が、楽だし…… そのほうが、周りの人も、いいでしょ。
[ 笑っていればそれで済むことが、 この世には案外多いのだし。 笑って。とは言われても、 怒って。とは言われないし。]
(277) 2019/06/13(Thu) 01時半頃
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[ ……おっと、目の前の彼が例外だった。]
……轟木くんは違うみたいだから、 これでも努力はしてるんだけど。
[ あはは。と思わず笑った僕は、 また、おっと。と思って神妙な顔をする。 それもやっぱり、少しの間のことで、
問いかけに、きっぱりと答えた轟木颯太>>269に、]
……そうだよね。 誰でも。誰でもおかしくないと思う。
[ そんなものだと思ってしまって、困るよ。 そんな風に苦笑して、 僕は自然とその場を離れたことだろう。 そう。少しだけ、疲れてしまって。**]
(278) 2019/06/13(Thu) 01時半頃
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──現在:道中>>301──
……そういう話じゃなかった?
死ねば人形になって帰れる。 そう思うんなら死ねばいいって。
[ 至って本気だった僕には、 七月葉子が意を翻したようにも思え、 困惑したように視線を返した>>302。
もし、そうしてまで帰りたいなら、 それもひとつの手段なのだから、 いいんじゃないかな。と思っただけだ。]
(306) 2019/06/13(Thu) 10時半頃
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[ 違ったんだろうか。と思いながら、 僕はゆっくりと口を開く彼女>>302を見ていた。
同じ目線。人ひとり分の距離。 それが、いつもよりうんと近いようで、 果てしなく遠いようで、めまいがする。]
飛び降りたいわけじゃないなら、 飛び降りなくていいんじゃないかな。
本当に、戻らなきゃいけないんだろうか。 ……仕組みとして、いつかは帰るとしても、 逃げてたいなら、そのときが来るまで、 ここで静かに過ごせばいいと思う。
[ たぶん、分かり切ったようなことを言い、 意思はないのか>>303と問う声に、 僕もまた、ゆっくりと迷いがちに口を開く。]
(307) 2019/06/13(Thu) 10時半頃
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……僕は、ただ、 僕をここに招いてくれた人が、 その人の望んだ通りに、 今を過ごせてたらいいなって、そう思う。
だから、つまり……、 ここは、きっと僕の友人の誰かが、 その精神に則ってつくり上げた世界で、
それに怯えたり、苛立ったり、 巻き込まないでほしい。と言う人を見ると、 落ち着かないんだ。どうしてって思う。
それって、その人の内面を、 そういう風に扱っている気がして……
(308) 2019/06/13(Thu) 10時半頃
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でも、それって単純に──、 僕自身が、生きるのが辛いなら、 無理に生きなくたっていい。って、 誰かに認めてもらいたいだけで、
それを実行したらしい誰かに、 感謝しているのかもしれない。
この世界のことも、嫌いじゃないんだ。 狭くて、平坦で……居心地がいい。
そういう、僕個人の感情が由来で、 同情や思いやりというのでもないと思うけど、
……だから、少なくとも僕は、 いずれ帰されるにしても、一言、 殺されるにしたって、ありがとうって……、
(309) 2019/06/13(Thu) 10時半頃
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……言いたい。 たぶん、……それが僕の意思だよ。
[ うまく説明ができたかわからない。
ただ、僕は意思を、僕の意思を問われ、 確かにさっきそう思ったことを口にした。
文句のひとつでも言うつもりで、 ホストを探す人がいるのなら、 僕もまた、別の理由でその人を見つけたいと。*]
(310) 2019/06/13(Thu) 10時半頃
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──道中>>312──
ああ……、ごめん、そこまで説明させて。 七月さんの思考って、その、わかりやすい。 し、それは、その通りだと思う。
[ 七月葉子>>312に飛ぶ気はなかった。
その理由というのは非常に明瞭で、 僕は、理解した。という意味で息をつく。
けれど、すごい。>>314と言われてしまえば、 それは……どうだろう。表現として相応しいか、 あんまりそうと思えなくって、
それも小学校の時から>>315ときたから、 僕は一言付け加えておくことにする。]
(316) 2019/06/13(Thu) 15時半頃
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