196 水面に映る影より遠く
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まずはかき氷! あとちょっとしかないし、いそがねぇと。
[手を取って貰えていたなら、優しく引いて。 手に感じる温もりと、僅かに煩い心臓と。 2人分の下駄の響く音が、耳に届く。
この感情に、何と名前を付けようか **]
(211) かの 2016/08/25(Thu) 07時頃
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[差し出した手が叩かれる>>318 小さな音が鳴った。 痛くはない、当たり前だ。 軽く叩かれただけなのだから。
なのに、どうして]
( どうしてこんなに いたいんだろう )
[よく考えなくても当たり前のこと。 同級生の男友達と手を繋ぐなんて、普通はしない。 傍からみれば、 そういう関係に勘違いされやすい事をよく分かっているから。
一瞬だけ、寂しそうに歪んだ表情。 けれどそれは、すぐに元の笑顔をつくる]
(232) かの 2016/08/25(Thu) 18時半頃
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ほんとかよー?下駄も慣れてねえんだろ? ……まさか、密かに練習を……?
あー、それは いつになるのかなあ、
[ぼんやり、まだ明るい空に視線を投げる。 初恋もまだの俺にはハードルが高いって、なあ]
[重なる事のない手、途切れることのない人ごみ。 ぶつからないように周りを気にして歩いていたから、 優より少し遅れてしまった。 足を取られる前に、誰かに割り込まれる前に。 逸れないように。 優の浴衣の袖、袂を小さく掴むくらいは許してくれるかな]
(233) かの 2016/08/25(Thu) 18時半頃
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……あ、ほんとだ。 うん、レモンがいい。 ブルーハワイって、すごく優っぽい。
[海の色だし、海底に棲んでそうだし? 差し出されれば、礼を言って受け取る。 冷たい氷をひとくち、僅かに首を傾げた。 甘酸っぱいというより唯々甘いそれは、 ハツコイとはどこか違う気がした]
(234) かの 2016/08/25(Thu) 18時半頃
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んー?わかんねえ。 けど美味いわ、レモン味。
ひとくちだけだからな?
[駄目だ、なんていう訳ないだろ。 向けてきたスプーン>>220には目もくれず。 自分のそれで白い山をすくえば、 あまくてにがい"初恋"をきみにあげよう]
(235) かの 2016/08/25(Thu) 18時半頃
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なるほどってなんだよ、 はじめてのこいの、その時は ほんとにこんな味か教えろよな。
[そうして、かき氷を食べ進める。 彼から見られているのに気付けば>>222]
なんだよ、俺のはもうやらねーぞ。 ……ブルーハワイ、くれんなら。
[あげてもいいと、笑って。 声も掛けずにひとの顔を見てるだけなんて、 優らしくもない。 その内容を聞きたいような、 知りたくないような、よく分からない感情が渦巻いていた]
(237) かの 2016/08/25(Thu) 18時半頃
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そー?
ううん、俺はいいや。 冷たさで口の感覚無くなってき た
[きたんだけど、その。 得意げな笑み>>246で口元に持ってこられては 食べぬ訳にはいくまい。 据え膳食わぬはなんとやら。 この場合は、違うのだろうが。
結局誘惑には勝てず、口を開けてひとくち。 痺れた口内では、その味も良く分からなかった]
(252) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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[かき氷を食べていれば、そろそろ舌が黄色に染まるころ。 次第に落ちていく視線には気付かないまま。 掻き消えそうな小さな声が聞こえた]
……それ、俺に聞く?
[言葉を詰まらせて、彼の方を見る。 俯いた視線では、どんな表情をしているのか、分からなくて。
ぽつり。言葉を綴る彼のこえに耳を傾ける。 俺の位置からは、柔い髪のつむじと、 朱く染まった耳だけが見えた]
(253) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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ないよ。
誰かといると緊張することも、 うまく話せないことも、 メールがくるのを待ち遠しく思うことも。
でも、他のひとといるのを見て、もやもやはするかな。 時折、可愛くは 見えたりもする。
[呼応するように、こえを紡ぐ。 頭に思い浮かべるのは、浮かんだのは、]
(254) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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なあ、ゆたか。
……それは たぶん ───
(255) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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[戀だ。 そう続けようとした音は、 彼の言葉>>249によって遮られた。
行き場を無くした声は、留まることなく空へ溶けていく。 いつか続きを聞かれたとしても、 あの時言わなかったっけ?って、誤魔化すように笑うんだ]
(256) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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おー、射的。 仕方ないなー、付き合ってやるよ。
[ようやく上がった視線は右へ、左へ>>249 無理やり話を逸らすように指を指されれば、 それ以上の追及など出来ようものか。
ぐいぐい袖を引かれれば、伸びちゃうだろと口元を綻ばせて]
(257) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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ふふん、舐めてると痛い目見るぞ。
今日の俺は一味違うからな。 なんてったって、弓道部主将になったんだから。
[イルカのぬいぐるみから10個程離れた場所。 カモノハシのストラップに狙いを定めた。 弓とは重さからして全く違う射的用の銃を身構える。 自信は全くと言っていいほどない。 持ち弾は10発。 3もあれば落ちると踏んで、 的を見据えて、小さく深呼吸。
当たったのは9発]
(258) かの 2016/08/25(Thu) 21時頃
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[隣ではイルカのぬいぐるみを見事打ち抜いた彼の姿]
なかなかやるじゃん。 あ、でも、 交代でやった方が良かったな。
写真撮れなかったから。
[少しだけ寂しそうに声音を落として、 イルカのぬいぐるみとツーショット撮ってやる! なんて、カメラを彼へと向けた。
誰かにあげんの? そんなこと、聞けやしない]
(264) かの 2016/08/25(Thu) 21時半頃
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カモノハシ、かわいーだろ。 ……やる。
[そう言って差し出したら、きみは受け取ってくれたのかな *]
(266) かの 2016/08/25(Thu) 21時半頃
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[弾が変な方向に向かって飛んでいく音が響いた>>279 そのことが何だか可笑しくて忍び笑いを漏らす]
うん。 ずっと、逃げてきたから。
[何度も優には弱音を吐いてきた。 弓道をやめたいと、言ったこともあったっけ。 そんな、いつかの昔話]
(297) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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ありがと! 俺なりに、俺らしく頑張ってみる。 ……たまには、弱音を吐きにいってもいい?
[君の棲む水の中へ。 背を押してくれたことが、どんなに嬉しかったのか 支えになったのか。ずっときみは知らないままでいて。 小さな大切な想いをまたひとつ、箱に仕舞う]
(298) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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[ストラップを受け取ってくれれば>>283 静かに胸を撫で下ろす。 先程店主に貰っていた小さな透明の箱>>281に、 俺から触れることはしなかった.
そうして、突然笑い出した彼>>283に小さく首を傾げた]
なんだよ、突然。 俺の顔になんかついてる?
[差し出された掌サイズのイルカのぬいぐるみ。 瞳を丸くして、数度瞬く]
(299) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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は、俺に? ……さびしー、とか、なんだよ。今になって。 なんでそういうこと、最初にいってくんねーかなあ
就任祝いはついでかよ!
[そんで、俺だと思って>>284とか。 なんだよ、まるでお前がどっか行っちゃうみてーじゃん。 ぽかん、としばらく開けていた口を手で押さえると、 堪えきれない、という風に笑いだした]
(300) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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……ふふ、っ くく、 ありがと……、はは
……優だと思って、大切にするよ。
[大事そうに胸に抱いて、柔らかく微笑んだ]
(301) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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[一緒に撮った写真。 肩と肩がぶつかることに、少しどきりとしたり。 でもそれが全て友達だからなこと、俺はちゃんとわかってる。 カシャリ、ふたりの時を切り取った一瞬に、俺の想いも込めて。
俺の褪せない淡い初恋を、閉じ込めて。 遠い未来に、いつかこの写真を見返すその日まで。 初恋は、甘くて酸っぱくて。 うまく、言葉に出来ないや。
色褪せない写真と一緒に さよなら、俺のこいごころ *]
(302) かの 2016/08/25(Thu) 23時半頃
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- 或る夏の日 -
ヒナ。 なんだよー、最初の頃のツンツンどこいったんだよ。
[だらしなく頬を緩めながら、 真白い毛並みと碧い瞳を持った猫の耳の後ろを撫でれば、 心地よさそうに喉が鳴った。
ヒナがここまで懐いてくれたのは、 手紙を受け取ってくれたあなたのおかげ。 俺一人じゃいつまで経っても懐いてくれなかったように思う]
(328) かの 2016/08/26(Fri) 01時頃
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んー?わりいな。 何も持ってねえよ、
[勝手にご飯をあげたら怒られてしまう。 両手を開いてなにもない、と意思表示。 少しがっかりしたのか、その顔を伏せた。
その時に首輪に括られている何かに気付いた。 もう何度目になるのだろう、丁寧に解いては口元を緩めた]
(329) かの 2016/08/26(Fri) 01時頃
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[小さな偶然も、奇跡も、必然も。 運命でさえも。 それが幾度となく起こるようになってしまったら、 それはただの日常になっていく。 そうして、生活の一部に成り果てる。
ある日突然、それが無くなって初めて。 とても尊いものだったと気付くんだ]
(331) かの 2016/08/26(Fri) 01時頃
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[夏休みはあとすこし。 彼女との別れの日まで、あと ──
照りつける日差しが眩しくて、目を細めた *]
(332) かの 2016/08/26(Fri) 01時頃
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[だれか は今日もまた美術室で絵を描いているのだろうか。 だれか は今日も図書室の主となっているのだろうか。 かれはきっとプールにはいなくって。 自転車に乗って現れることも、今日はまだないのだろう。
そんなことを考えながら辿る通学路。 横断歩道の白い部分だけを踏んで、 ひとり 楽しそうに跳ねた]
(349) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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お はよ、
[同じ部活の同級生に声をかけられれば、一瞬だけ固まって。 見た?と視線を向ければ同意の頷き]
い、いっしょにやる?
[すげなく断られたので、今日は部活に出ずに帰りたい]
(350) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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[少しだけ気まずい空気の中、 俺を気遣ってか彼は他愛ない実のない話を沢山してくれた。
弓道場に着いて、着替えれば。 いつもとおなじように射場に立った 不意に思い出したのは、花火の時八竹と話したこと]
( 俺が、さみしそーだから って そういうお前もさみしーからそう見えたんじゃねえの )
[あの日、終ぞ口からこぼれることのなかった言葉。 寂しいって見透かされたのが恥ずかしくて、言えなかった。 的を見据えて放った矢は、今日も的の真ん中へと吸い込まれる]
(351) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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[掴めた掌は俺なんかのとは全然違って、 細くて柔くて。力を入れれば壊れてしまいそうで。 ふたりで花火をした。 白い猫の話になれば、 少しだけ声音が上がってしまったことだろう。
去年も同じクラスだった彼女とのか細いいとは、 こうやっていつまでも続いていくと、 それがある日突然消えてしまって。 俺の記憶からも消えてしまって、褪せてしまっても。 その尊さに気付くことは出来なくても]
(352) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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( ……やだな )
[いなくならなければ感じられない大切さ、なんて。 もっと想い出をつくっておけば良かったって後悔しないために、 普段は言わないことを提案したりした。 でも、それでもやっぱり。 急ごしらえの想い出だけじゃ、足りないみたい]
……どうして、もっと、
[後悔だけが、深く心に刻まれる。 それも、もうじき消えてなくなってしまう。 酷く歪んだ表情を、誰がみることも 無かった *]
(353) かの 2016/08/26(Fri) 02時頃
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