204 銀花の咲く路、灰白の世界で君を想う
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[ ぽつりと零したつぶやき。
……とうとう聞いてしまった。 もうあとには、戻れない。
知ってしまうのが怖い。 けど、これで諦めがつくかもしれない。
藤が頷くならば、きっと。 いつもの“ お節介なニモ ”として 彼の背中を、押せるから。
賑わう声が、どこか遠く感じられた。 **]
(137) choro 2016/12/22(Thu) 14時半頃
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── 幼馴染のプレゼント ──
………わ、 かわいい…!
[ プレゼント交換、 私の元へとやってきたのは 雪のように真っ白でふわふわもこもこな 可愛らしいうさぎさん>>21 思わずぎゅっと抱きしめて 私は贈り主へ向き直る。 ]
律、ほんとにこの子 もらっちゃってもいいの? ……返してって言ってももううちの子だから あげないけどね
[ そう言って子どものように無邪気に笑いながら 私はうさぎの頭を撫でる。 ]
(148) choro 2016/12/22(Thu) 21時半頃
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律からプレゼント貰うなんて 何年振りだろ……
そういえば、昔 くまのぬいぐるみあげたよね あれ、まだ持ってる?
[ 宝物になってるなんて思いもしない。>>1:-130 懐かしむようにあの日の律を思い出し 向き合う彼に、その姿を重ねていた。
すっかり抜かされてしまった背、 精悍な顔つきに、低くなった声。 変わってしまったものはたくさんあるけれど ……やっぱり、律は律のままだと 近所のおねーさんは、思うのです。 ]
(149) choro 2016/12/22(Thu) 21時半頃
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[ ……ふと、ぬいぐるみを見て気がついたことがある。 お店で売っているような綺麗な見た目だけど タグがついていないんだ。 「手作り?」って聞いたら、律は答えてくれたかな。 もしも、肯定の返事がくれば すごい!ほんとに?って驚いた後 ]
じゃあ、世界にひとつだけ なんだね 宝物にしなくっちゃ
律だと思って 大事にする
[ ふわりと柔らかな笑みを咲かせ 私はもう一度、うさぎをぎゅっと抱きしめる。 ]
(150) choro 2016/12/22(Thu) 21時半頃
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[ ──── そう、大事なキミだから ]
好きな人と、うまくいくといいね
[ うさぎの手をつかんで、えいっ。 かるーくパンチしながら、へにゃ と目を細める。
ニモは、おねーちゃんは、 律が幸せになってくれたら とてもうれしいです。 ]
(151) choro 2016/12/22(Thu) 21時半頃
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[ いつか、先の未来 もしもの話
この日の律の想いを知ることができたなら 私はもう、逃げることはしない。 まっすぐ彼の瞳を見つめて
「 ありがとう、うれしい 」
そう言って、溢れる笑みを彼に送ろう。
─── その側にはきっと、あなたがくれた ふわふわのたからものが。 **]
(152) choro 2016/12/22(Thu) 21時半頃
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[ 『 俺は、好きな人居るよ。 』
耳に届いたこたえ>>144に、あぁ やっぱり。 何かがするりと 落ちていく。 きっと、私の恋は ここで────……
張り詰めていた糸を緩めるように 私は口元にゆるく弧を描く。 ]
………私?
[ ニモは?と聞き返す声は、どこか楽しげ。>>145 そんな顔を見ていたら 沈む気持ちはふわふわとどこかへ飛んでいく。
諦めようって決めてたのにな。 ……やっぱり私、この人が 好きだ。 ]
(153) choro 2016/12/22(Thu) 23時頃
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[ 「 私もいるよ 」 それだけ、伝えようと思ったんだ。 私も確かに、恋をしていたのだと 藤には知ってほしいから。
なのに、口を開いた瞬間 被さるように、藤の言葉が降ってきて>>145。
………居たら嫌、って? ]
(154) choro 2016/12/22(Thu) 23時頃
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…………へ、
────え?
[ いつもと同じ調子で 流れるように零された言葉。>>-179 うっかり みたいな顔する藤を 私はぽかんと口を開けて見つめていた。 ]
(155) choro 2016/12/22(Thu) 23時頃
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……ふじ、 いま…なんて、
[ 私の聞き間違いなんじゃないかって ほんの少し、顔を寄せる。 そうしたら、彼はこちらに向き直り 眉を垂れ、綺麗に微笑みながら もう一度 「 好きなんだ 」って。>>146 ]
(156) choro 2016/12/22(Thu) 23時頃
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[ 予想なんてこれっぽっちもしてなかった言葉に 私はただただ、彼を見つめることしかできなくて 立ち上がり、部屋を出るのも ひとりぼうっと 見送るだけ。
………けど、]
────…っ
[ 最後に見せた彼の笑顔が どこか儚くて、消えてしまいそうで 弾かれたように立ち上がった私は 駆け足で彼の後を追う。
手にしていたうさぎのぬいぐるみは ぽつんとソファに、置いたまま。 ]
(157) choro 2016/12/22(Thu) 23時頃
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………ふじっ!!
[ 真冬の寒空の下、 ひとり佇む彼の姿を見つけられたなら 冷えた空気さえ気にせずに 側へと駆け寄り 両の掌で ぎゅっと彼の手を包みこむ。 ]
風邪 引いちゃうよ
[ いつものように 心配するような声をかければ 藤は、こっちを向いてくれたかな。 例え向いてくれなくっても 私はじっとその顔を見上げて口を開くんだ。 ]
(158) choro 2016/12/22(Thu) 23時頃
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勝手に、いなくならないで 私、まだ質問に答えてない
[ 吐いた息は白く、夜の闇に溶けていく。 ]
(159) choro 2016/12/22(Thu) 23時頃
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………私も、好きな人、いるよ
今日も、その人に会えて嬉しい オシャレしたのも その人のため 可愛いって、褒めてほしかった
ずっとずっと、大切に想ってた
[ 震えそうな声を抑えながら さっきは答えられなかった問いを、ひとつひとつ。 だめだ、なんだか泣きそうだ。 滲む視界で、藤がどんな顔をしているのか見えない]
(160) choro 2016/12/22(Thu) 23時頃
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………ぜんぶ、藤のことだよ
(161) choro 2016/12/22(Thu) 23時頃
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[ ぎゅっと握った手は、離さない。 もういなくなってしまわぬように。
見上げた彼の その先には きらきら輝く 満天の星空。 **]
(162) choro 2016/12/22(Thu) 23時半頃
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[ そっと握り返される大きな手。 夜空の星のようにきらきら輝く瞳。 どれも、私の好きなもの。 愛おしむように微笑んで ]
夢じゃないよ 私はここにいる 藤も、ここにいる
[ 本当に、夢みたいだ。 ずっと想っていた相手と こうして見つめ合い、触れ合うなんて。 分けられた体温が 混ざり合う。 ]
(208) choro 2016/12/23(Fri) 03時頃
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………ふふ、ごめん しあわせすぎて びっくりしちゃった
なかないで、
[ こどもをあやすように 優しく、柔らかな声を響かせ 目には雫を浮かべながら、 彼と繋がる手に 小さく口付ける。
あなたがあたたかくありますよう 泣いてしまいませんように ]
(209) choro 2016/12/23(Fri) 03時頃
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[ きらきら きらきら お空に輝く おほしさまに 願い事
どうか彼のもとに ( 私たちのもとに ) 幸せが降り注ぎますように 眠りにつくときも 目覚めるときも ずっと側に あれますように
────… 彼をどこにも 連れて行かないで ]
(210) choro 2016/12/23(Fri) 03時頃
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[ 心に降り積もった雪は 彼の熱で解かされてしまった。 もう隠すことのなくなった想いは 溢れていくばかり。 ]
…………
[ こっそり彼に、抱きついてみようか。 藤が、ゆっくり眠れるかな なんて。>>27
たくさんの想いを繋ぎ結ばれた私たちは 星空の下、きっと永遠に。
大好きなあなた、 今夜はどうか、良い夢を。 **]
(211) choro 2016/12/23(Fri) 03時頃
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