273 魔性の病院【R18ペア】
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なに、 を!
[ 身体の上で繰り広げられている光景に思わず声を掠れさせた。 淫美に舌を翻らせて微笑む黍炉は紛れもなく愉しげだ。]
無用だ。
[ 治療に関係のないことをするなと、視線をきつくして毅然と告げた。 感情の揺れが肌に石鹸の泡にも似た遊色を浮かび上がらせる。*]
(*30) 2019/12/12(Thu) 16時半頃
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[看護人のことを問われたが、呼べと言われたわけではないらしい。 それより、こちらの事情を心配された気がする。]
気にせずとも構わない。 おまえのことは、私がしたいのだから。
おまえの為ならば、なにを費やしても惜しくはないよ。
[むしろ仕事をしない口実にもなる、とは口にしないけれど。]
(*31) 2019/12/12(Thu) 20時半頃
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[体を洗う間にも、彼は自らの力で動こうと努力していた。 その試みが、熱の中心に触れた瞬間に中断され、声が漏れ聞こえる。 感じないわけではないのだなと、密やかに確かめた。]
嫌いかい?
[無用だと睨む視線が、触れてくれるなと告げている。 泡の下に透ける膚が虹の色どりを纏うのを、目を細めて眺めた。 彼はどうやら肌までも宝石に変じるらしい。 掌を滑らせて、その感触を楽しむ。]
(*32) 2019/12/12(Thu) 20時半頃
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これも治療の一環だよ。 おまえの身体に刺激を与えて、動くように促している。 わかるね?
[強弁だが、まったくの詭弁というわけでもない。 刺激の種類は多いほどいい。
だから、これも治療なのだと言うように、下へ潜り込ませた手を動かした。 当人の心に似て固く閉ざされている窄まりを、石鹸のぬめりを借りて柔らかく押し開き、指先を忍び込ませる。]
(*33) 2019/12/12(Thu) 20時半頃
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[ 黍炉は優しげな口調で、したいことをしているのだと言うが、二重の意味で、それに甘えてはいけないと自戒する。 ひとつには、自分のことは自分で管理すべきだという考えゆえであり、 もうひとつは、彼のしたいことのうちに、「シコウを手に入れる」が含まれているのを聞いているからであった。
今しがたの行為を鑑みても、不穏極まりない。
母由来の能力は極力、出さないようにしているはずなのに、彼に影響を及ぼしてしまったのかと戸惑いもする。]
(*34) 2019/12/12(Thu) 21時頃
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嫌いだ。
[ 肌に触れたままの問いかけには簡潔に答えた。 黍炉のような立場にある男が、母の侍女たちのような真似をするのを苦々しくさえ思う。
治療の一環だと言われ、顔をしかめた。]
そこは最後でいい。
(*35) 2019/12/12(Thu) 21時頃
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[ と、腰の裏側へと彼の指が潜り込む。 圧をかけられ押し入られるような違和感。
前方ほど直裁な性感帯ではないから、悲鳴が爆ぜるようなことはなかった。 むずむずとした落ち着かなさに首を振る。]
それより、 手 を、 動かし──て
[ 片手なりと機能が回復すれば、自分でできることは飛躍的に増えるのだからとアピールする。*]
(*36) 2019/12/12(Thu) 21時半頃
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[快感に繋がる行為への、彼が持つ忌避感は何だろうかと思案する。 自制によるものか、別の経験によるものか。 けれども受け入れる土台はあり、開拓する余地もありそうだ。 手を掛ければきっと艶やかに咲いてくれることだろう。]
つれないことを言うね。 末端より、身体の内側に近い部分の方が気を通しやすいというのに。
感じる、というのはそういうことだよ。
[こちらは強く拒まれなかったので、内側に潜り込ませた指を曲げて周囲を探索する。 ここはまだ未踏の原野とみえた。 早く悦びの鉱床を見つけ出してやりたいものだ。]
(*37) 2019/12/12(Thu) 22時半頃
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[それ以上は無理を押し通さずに手を引く。 彼の体に湯をかけて泡を洗い流し、柔らかな布で包んで水を拭ってやった。 水気を落した肌に香油を塗り広げ、今度は全身を揉み解していく。]
命を分け与えてもいいと思うほどの出会いは、稀なのだよ。 おまえは私にとっての宝玉だ。
───ふふ。おまえの身体が宝石に変じずとも、私にとっての価値は変わらないけれど。
[問わず語りに、そんな言葉を囁いた。]
(*38) 2019/12/12(Thu) 22時半頃
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