158 Anotherday for "wolves"
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…… 力持つ者の話を、聞いたことはあるかね?
[代わりに問うのは、若者らへ。 それが何か、どれ程のものであるのか。 男とて、詳しくを知るわけではないけど]
(*39) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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これまでは使われなかった力だ。 私も詳しくは知らん。
だが、以前耳にしたことがある。 人を食らう人狼を見抜く術持つ者の話を。
[視るは生者であるか死者なのか。 それすらも良くは分からない。 分からないまま、ただ警告のみを発する]
(*40) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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この村に今、いるのかも知れない…いないのかも知れない。 だが、気をお付け。
血は血の中に、用心して隠し切ることだ。 耳と牙、…醒めるのはお前たちだけではあるまい。
[最後の響きは案ずるように、諦めのようにどこか*暗く*]
(*41) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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[村の空気は、もうわたしひとりではどうにもならないくらい "いつも"と変わってしまっていて。 ヒトから刺さる蔑視の視線は、遠慮なく2人と1匹へ降り注ぐ。
けれどわたしは、それを遠巻きな足音でしか視られないのだ。]
ねぇジョス、なにか…へん?
[兄さんの様子、村の様子、ジョスはわたしに変わってしまった村を教えてくれた。
……ヒトが喰われた 族長も……
肉も残らず……
噂はどんどんとかたちをゆがめ、嘘、真実ごちゃ混ぜで。]
(373) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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[狼狽えるわたしを、とりあえず家まで、と送ってくれたジョスに御礼を]
ジョス、ありがとう…………
[別れ際、不安な気持ちを押し潰すように手をぎゅうっと握る。
気を付けて、は、言えなかった。またね、も言えなかった。 手も、離せなかった。 あんまりにも……怖すぎて。]
ごめんなさい…わたしったら。
[兄さんをすこうし撫でさせてもらって、大丈夫、と。 無理にわらって家の前から彼を見送る。
……でも、いやだ。ひとりは、こわい。 ]
ばいばい。
[その場で泣きつけるほど、わたしはジョスを知らなかったんだ。]
(374) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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[一旦は家に入った。 薄暗い部屋で、空になったバスケットを撫でて 今日はもう部屋にいよう、明日になればきっと、と 着替えようと……した、けれど。]
いや…………うそだよ…きっと うそ……よ…………。
[目を背けるちからも、直視するちからも、足りない。]
…………サイラス…………。
[溢れたのは、いちばん安心できるひとの 名。 一輪しか残らなかったタンポポを胸ポケットに挿して、隣の家へと駆けて行く。
ダン!(扉を叩いても) ]
さい……らす………(応えは無い)
[その場で膝が折れ、玄関の前の石に濃い染みが落ちる。出掛けたって…知っている癖に。]
(375) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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[ 呼ぶ ]
(376) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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どこにいるの………
[ 開いた目から、ぼろぼろと 珠のような雫が落ちた。 ]
(377) 2015/05/14(Thu) 17時半頃
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[ラディスラヴァの頬に涙が伝う。>>358]
[村医者はそっと目を伏せた。 咽び泣く声は聞こえずとも 息遣いが彼女の深い悲しみを伝えてくる。
オーレリアちゃんは>>355、と 唇の動きに、 それが教会で亡くなっていた女性だと悟った。 崩されてしまった均衡を思う。]
……。 [泣くな、とは言えなかった。]
それじゃ痛いだろ……。
[己の首を絞めるような仕草に、 彼女の右手をそっと首から外そうとしたが どうだっただろう。]
(378) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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[それから]
この部屋は好きに使っていいと宿主が。 僕は行くよ。 ……何かあれば、気軽に尋ねてきてくれ。 喉のことも。
[それだけ彼女に伝えて、部屋を出ていく。 ──ぱたん、と扉を閉めた。
伏せがちにしていた琥珀の目。 掌を見つめ、強く握り、前を向いて歩きだす]
(379) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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[ ───呼び声がした。 ]
(380) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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[宿屋を後にする。
そこにまだサイラスが居たなら、 ついてきてくれと強く頼んだだろう。
そしてマーゴットの家へ向かう。 サイラスの家の前で涙をこぼす彼女を見つける事は できただろうか。
きつく掌を握る。 誰かの涙を拭う役は己の領分ではない。 ただ、この均衡が崩れ 誰かの死を嘆く人がいて、 そして未だに、村に「それ」がいるなら、 多分、……多分、 ]
(───なあ、ルパート。)
[どうして彼がそう言ったのか、わからないままだが*]
(381) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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[ 声。 ]
…………っ、
[ 鴉よりも真っ暗な目が見開かれる。
ひかりを宿さぬ目が開かれる。
墓地から漂う死臭のように、過去が顔を出す。
あの日が来る直前。「わたし」の村の長は
ころされては、いなかったか。 ]
(382) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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―墓地― [辿りついた墓地には誰もいないと思っていた。 族長と、オーレリアを入れるための布袋。 恐らく奥にある倉庫にあるはずだ、 奥へと向かおうとして、風に揺れる黄色に目を留める。
手向けられた花は墓地には多い、 けれどもその黄色い花が目についたのは それが墓の前にある訳でもなく墓石の裏側で、 まるで浮いているようにも見えたからだ。
倉庫へ向かう足を留めてから、そちらへ向かう。 見慣れた墓石。その後ろでそよぐ花輪。
ああ、と小さく裡で呟く。
朝から色々あったから、 頭から一度は抜けてしまっていたけれども 今日は叔母の命日だった。]
(383) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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[黄色い花輪を頭に乗せ絵本の文字を追う姿。 天使のわっかみたいだ、と、花輪を見て連想する。
ルパートが見たらどう思うだろう、 正に、天使。とでも思うのだろうか。
朝、花畑へ行く姿を見送ってから切り取られていた 日常が元の形へと少し、戻ったような気さえして。 ここに来るまで張り詰めていた肩の力が抜けていくのを 感じながら墓石の上からメアリーへと話しかけた。]
それ、 キャサリンにあげなくていいのか?
[自分で被ったままでいいのかと、少し笑って。]
(384) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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……綺麗だな。
[そう褒めるのはメアリーのことではなくて、 その上に乗る花輪のことだ。]
それ、全部自分で作ったのか? …崩れないうちにキャサリンに掛けてあげなよ。
(385) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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[そう、声を掛けてからメアリーと同じように 墓石の裏側に回って、 メアリーの隣に腰を下ろそうとする。
少しだけ、血のにおいがした。 先程血をぬぐったから、それが残っているのかと考えて。]
…その絵本さ、 ちゃんと全部読めたんだっけ?
[そう言って、メアリーの読む絵本を指し示す。 毎日少しずつ読んでははじめに戻り、を繰り返している本は 前の方のページばかりが読み込まれて紙がやわらかくなり、 後ろのページの紙はまだピンと張られているのが 横目で見てもよくわかった。]
(386) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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[メアリーが絵本を買ってもらったばかりの頃は、 本を読まない従兄はその物語の内容を知りたがった。
どこまで読めた? おおかみはどうなった?
一緒に文字を追って読もうとはせず、 そうやってメアリーから話の顛末を聞こうとするけど 従妹はなかなか絵本を最後まで読み切れなくて。
そのうち従兄は絵本の中のおおかみが どうなったのかを聞かなくなった。 従妹が楽しそうに読んでいるから、 きっと楽しい本なのだと結論をつけて。]
(387) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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[この場で、キャサリンのすぐ傍で、 村で今起きていることをメアリーに言う気にはならなくて。
本当の妹を見る兄のような気持ちで、 絵本を読む従妹の姿を隣で、眺めている。**]
(388) 2015/05/14(Thu) 18時頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/05/14(Thu) 18時半頃
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[話はどうやら纏まって、診療所へ向かう
寄り道好きな渡鴉は 途中の寄り道も吝かではなかったが 外に疎らに出ている「人間」が 許してくれそうにもないとも肌で感じ
言葉は呪い、はたまた病の源か それとも無味無臭の毒なのか じわりじわりと視線と呟く声が 其処彼処に染み渡る
族長が村の均衡を保つ 要であったのは紛うなきことと]
(389) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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[>>369言い澱むように。
開けられた間に、 耳がぴくり。 動く。]
[ 音にされる前に。 なあんとく、それは。
……察しとれることで。]
…… 。
[―― 思わず飛び出た、つめたいいろで、 『平和を打ち壊すもの』が居ることはいえても。
惑うような、徐々に勢いを失くす言葉の球に 猫は。黙り込んで。]
(390) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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[ 認めたくない事実に。 かなしそうに、逃げるよに。 なんでか、微笑みなんか浮かぶばかり。 それは、皮肉にも。
… 重い現実を突きつけるよになったかもしれない。]
(391) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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[人様の店先で、 茶を飲んで出かける なあんて。
そんな頭は、毛頭猫にもなかったし、 それよりもどうせ診療所に向かうなら、 もしそんな提案が出ても、首を振ったかもしれない。]
[>>371淡く、眸が弧を描く。] [張り詰めた猫の頬も、和らいだ。]
[飲み込まれた言葉には 気付くことは、なかったけれど。]
(392) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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っふふ、これでも居候だもの。 ……まあ、ごろごろしてるだけだけど。
[大して手伝いをするでもなく。 手伝いをしたところで、荒らすくらいだ。
――― 茶くらいは、 (たぶん)注げるはずだけれど。
そんな、別種の一抹の不安は蚊帳の外。
ごにょり。次句を濁しながらも、 飾られたマーガレットに見送られながら 外へ。 診療所の方へ向かおうと、出る。]
(393) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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[>>366 訝しむ猫には何と答えたか
身寄りを亡くし 途方に暮れてた若き渡鴉は 族長に命じられるまま その伝手で、共存共栄を目指す村を 幾つか旅して見て来たけれど
──全て破綻の行く末だった
一見、均衡保つ理想の楽園であっても 何かの犠牲や代償を払っている有り様で それを失ってしまえば容易く崩れて行く
この村例に漏れていないのだと 自分は既に知っていたのだが*]
(394) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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[ぴりり。
『族長が殺されたんですって』 『それはもう、無惨に』 『死体も残らないほどに』 『え?聞いた話じゃ、はらわたをぶちまけ――』 『いやいや、誰かもわからないような、』
実体を伴わない噂は、 けれど 確実に『根』を持って。
ぞわり ぞわり ひとおおかみたちが寄り着くのを拒むよう、 人間たちは槍の穂先でつつくよな 白い、視線で追い。]
[ ひそひそ、 ]
[長く、道に留まっていたくないと。 毛並に、緊張と嫌悪が宿る。]
(395) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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―墓地―
[頭に濃いオレンジ色の花輪を乗せたまま。 ゆっくり、ひと文字ひと文字 スペルを辿る。]
ア カ は い い ま し た。
[アカというのがその本での狼の名前。 そして次の行へ指をなぞろうとすると
上から振ってくる声に びっくりしてヘンな声が出た。]
(396) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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わぁあぷ!! ……びっくりした。
グレッグお兄ちゃん。
[「それ」というのが何を指すのか一瞬わからなくて きょとんとしていたが頭を示されると あ、と小さく声をあげる。]
綺麗でしょ。 これはね、マーゴがくれたの。 わたしのはこっち。
[とバスケットの中で本と一緒になっていた 少しくたびれた花輪を見せる。 走りながらバスケットを大きく振っていたから 元々いびつだったそれは 更に解けそうなくらい緩くなっていた。]
(397) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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[腰を下ろすグレッグに]
……まだ。 今アカがシロのおともだちを 追い払ったところ。
[シロというのがその絵本での山羊の名前。 白いからシロというらしい。]
……。
[それだけ言うと、ふ、と俯いて少女は押し黙る。 従兄はそれを不思議に思って尋ねるだろう。 俯いて口を尖らせたまま]
(398) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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「キャサリン」っていうのやめて。 お母さんはお母さんだもん……。
[普段、彼が父のことを「ルパート」と呼ぶのは さほど気にならない。 なのに、何故か久しぶりに彼のくちから聞く 母の名前はすごく不快だった。]
(399) 2015/05/14(Thu) 19時頃
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