241 The wonderful world -7days of KYRIE-
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Ms,碧衣、聞こえている!? さっさと安全な場所まで逃げなさい…!!
[果たして叫びは彼女へ聞こえただろうか。 どちらであったとしても女の行動は変わらない。
お前の相手はこっちだとばかりに 今度は口を展開し漆黒ブーマーへ飛びかかっただろう。*]
(@70) 2018/05/27(Sun) 00時頃
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[叩きつけた腕は牛の肩へとめり込む。すぐには引き戻さない。 てはグリグリとその筋肉を切断し――心臓を、探した。 死神に心臓があるのかなど知らない。 まして、ノイズにあるのかどうかも。
だからそれは、人間の感覚。
心臓で無くても良い、何か力の源があるのではないかと、そう、思ったのだ。 それを見つけて握りつぶしてしまえば良い。 相手を確実に倒すには、殺すには――時間をかけずに的確に。 身についた職業意識。 果たしてそれがあったとして、触れることができたかどうか……
それよりも先に、暴れ倒れる牛の勢いに腕が抜けて地面へと叩きつけられるのが先だったか。
さすがに。引き潰されるわけにはいかない。 地面に叩きつけられる痛みの中でそう思った。 動き悪く、それでもその場を転がり、なんとか牛の下敷きなるのだけは避けたはず]
(219) 2018/05/27(Sun) 00時頃
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[葵の花をパーカーのポケットへ。
幼馴染の手を握りしめると、そのまま走り抜ける。 途中、何度か攻撃があったかもしれない。
それに構わず、ただひたすら彼の元へ駆け抜ける。 そこにはすでに、ワレンチナが攻撃を加えていただろうか。 人には通らない彼の攻撃のあいだをすり抜けて、 獣となった黒牧の元へ。]
(220) 2018/05/27(Sun) 00時頃
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[獣の姿の彼に、あの男の面影はない。
あのときの変容する彼の様子を、 見ていたのにも関わらず、 どこか別の生き物のように感じてしまう。
その獣の姿に駆け寄って、 能力を使うことなく彼に、掌を向けて触れた。]
(221) 2018/05/27(Sun) 00時頃
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[――この世界は、不条理で碌でもない。 それは、俺自身嫌というほど感じてきた。
だけど、そんな世界でも、 俺は、今ここにいる幼馴染と出会えた。 …もし、幼馴染がいてくれなかったら きっと、碌でもない何かになっていたんだと思う。
それは、きっと碧衣にとっても同じことで。
――…碧衣のための素晴らしい世界には、 きっと、あんたの存在が必要だった。 自分を愛して、想ってくれるあんたの存在が 今だって、きっと必要なんだ。 何もかも壊した後、一人ぼっちの世界が 寂しくないわけ、ないじゃないか。]
(222) 2018/05/27(Sun) 00時頃
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[もう、戻れないのだと思う。 ……それでも、せめて。
俺は、あんたの思い描くような世界を きっと認めることはできない。 俺は、自分にとっての良かったことまで 否定したくない。
……でも、この碌でもない世界が 少しでもあの子にとっての素晴らしい世界に なれるようにこれから精一杯生きて、努力していく。 そう、約束する。]
(223) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[前のめりに転がって、何度か回転して、壁に激突して身体が止まった。 軋む身体を無視して立ち上がる。 突き当り。逃げる方角は、エスカレーターを下って下しかない。
相手を見ずに転ばせられるとは思わなかったから、黒牧に向き直って、背中で壁沿いにエスカレーターを目指す。
圧し潰されそうになって間一髪逃れるワレンチナ>>219と…… 黒牧に駆け寄る、翔也の姿>>220が見えた。*]
(224) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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…。
[それくらいしかできない自分がもどかしい。 そうして伝えようとするがあまりに 迫りくる攻撃に、無防備になっていたかもしれない。]*
(225) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[手を握られて、一緒に走り出す。>>220 攻撃が来れば……それは、望む所。 彼一人なら、もっと楽に移動ができる。
それでも私がついていく理由は、攻撃させるため。 隙がなければ近寄れないから。 かと言って、攻撃しなければそのまま近づくだけだ。
さぁ、なんでも対応してやる。 そんなつもりで、走る。*]
(226) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[夢中で転がり、暴れていた体を起こす。 男を仕留めるまでには至らなかったか。
そしてまた走り出そうとして、 >>219さっきの創傷が思ったよりも深々と抉られていたことに気付いた。 痛みが瞬く間に駆け巡る。]
グ……グオオォオォ!!
[ノイズと化したこの体にも心臓はあるが、その周囲を強化された筋肉がコーティングしている。 しかし、ノイズのみを切り裂く刃は、それらを貫いて、 心臓へと到達してしまったらしい。]
ガァ……アァァアァァ!!
(227) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[>>220こちらに向かってくる小さな体に吼える。 衝撃波で足元を浚おうとする。 しかし、周囲の援護もあってか、それは妨害され、潜り抜けられ、
そして——触れられた。>>221]
(228) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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—————。
[僕のサイキックは、その思考を読み取った。 言葉として、脳が認識する。]
……ア……オ……イ……。
[思考の中に入り込んできた、名前。 こいつは、アオイのことを知っている。
そうだ、あの時に預かった”お友達料”……思い出した。
こいつが考えていることは、 僕がやろうとしたこととは違うのに、それでも——]
(229) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[今更、止めるなんてできない。 できやしない。ここまできて。]
ウァァアアアァア!!
[>>225前脚をぶつけて、その小さな体を跳ね退けようとする。
だが、脳に直接流れ込んできた言葉は——もう消えない。
次の瞬間、黒牧 奉一の動きは完全に止まり、 最後の攻撃を無防備に受けるだけの、十分な隙が生まれただろう。*]
(230) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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……だれ……?
[>>@68恐ろしい音が聞こえて、ようやく顔を上げる。 わたしの目の前で、スージーさんが禁断ノイズと戦っていた。
それに動かされる感情は、ほとんど無い。 ただ、わたしを守るつもりなら、やめてほしい。]
ほといって……。 ほっいとて ってば……。
[死ぬべきだった、ちっぽけな人形を守るために、そんなに傷付かないで。 わたしは少しも動くことなく、ただここにいるだけ。*]
(@71) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[黒い牛が呟く>>229]
あおい……あおいちゃん!!!
[少し考えれば分かりそうな話しだった。 自分だって、今日のミッションメールの文面を見て、あおいちゃんに会いに行ったのに。 彼は……黒牧は、あおいちゃんのために、この世界を壊して新しい世界をプレゼントしようとしている?]
…………
[脳裏に過るのは、人を殺せなかったと悔し涙を流す彼女。死んでしまえと何度も何度も叫んでいた彼女。]
(231) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[衝撃波。>>228 その選択はありがたかった。 なぜなら、空間を削る能力としては。]
削り飛ばして! ちょっと前、見えなくなるよ。
[こうして削り取ってしまえば。 少しの衝撃を、血の膜で避けるだけで済む。 これが、打撃なんかじゃこうは行かなかった。
そして、幼馴染が、触れる。>>228]
(232) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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バカ野郎!!!!!
[気が付くと、声の限りに怒鳴っていた。 目の前の”人間”の、あまりのバカさ加減に、頭が真っ白になるくらいの怒りを覚えて。 未だ声が聞こえないと知らない自分は、ただただ大声で、怒鳴りつけていた。
言ってやりたい事は山ほどあるけれど、黒牧は動きを止めて>>230、自分は気が付くと、彼に向かって駆け出していたけれど。 転倒して痛んだ身体では、ワレンチナを止めるのには、間に合わなかっただろう。*]
(233) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[けれど、身体は暴れだした。>>230 それを見れば、自分ももう一度、走る。
今度は私が、幼馴染の小さな体を突き飛ばして。 巨体の前足を、胸で受けた。]
ァッ……!
[当たった瞬間、吐き気がこみ上げる。 蹴られながら吐いたのは、当然ながら血で。 相当な距離をふっとばされるけど。
蹴られた先で、上半身だけでも起き上がらせる。]
(234) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[多分、なんか潰れてる。 内臓はできるだけ、体内の血をクッションにして守った。だけど、余裕がなければ出来なかった。 守らなくていい場所が一箇所あって、良かった。
触れた一瞬で私の思考が通じるなら、わかっただろうか。
血は巡っている。 自分の力で巡らせられるのだから。
一箇所だけ、普通は弱点のそこが。 守る必要がなくて、良かった。]
(235) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[さぁ、後は任せよう。 致命傷になる拳がどちらでも。
少なくとも、私にはあの巨体には、トドメはさせない。*]
(236) 2018/05/27(Sun) 00時半頃
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[突き飛ばされる衝撃>>234 何度目かわからないままコンクリートの床を転がって。 そうしてその向こうに見えたのは>>234]
……圭!!
[黒牧の前脚に蹴り飛ばされ、 血を吐いて吹き飛ばされる幼馴染の姿。 慌てて駆け寄れば、ちょうど上半身を起こしたところだったか。]
(237) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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[────状況は、劣勢。
木徳図書館の裏。 館を囲む木々に隠れるようにして、陣はひっそりと存在していた。
最終日のこの局面にもなれば、禁断ノイズが他に気を取られるものも少ない。 故に、禁断ノイズたちに見つかればすかさず寄ってたかって餌食となるのがオチ、で。 そうして、陰気な死神少女は生憎と、隠れたり逃げたりするのがそう上手いわけじゃあないのだ。]
もう! これだけいると、 スージーへの連絡も出来やしない……!
[携帯端末を触っている余裕が、全くない! ヤドカリの鋏だのイタチの爪だのに裂かれて、制服がボロボロもいいところだ。]
(@72) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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今日が終わったら、 この制服も、着換え時かしらね……。
[裂かれたスカートの裾。 血の滲む袖に、ぶらりと揺れるとれかけのボタン。 それらを眺めて、深くため息を吐く。
JUN-Shockでお洒落な服でも買って、次回からは派手にイメチェン!陽気な死神少女!とでもいくべきか。 ……いや駄目だ、この死神、お洒落というものがとんと分からない。]
(@73) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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……すまない。
[自分が隙だらけだったせいで、幼馴染を危険に晒した。 その不甲斐なさに頭を垂れる。 そうしているあいだにも、ワレンチナが黒牧に 最後の一撃を与えていただろうか。]*
(238) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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[小さいからだが、黒牧にないかを伝えていた。
あおい、と呟いた言葉も意味はわからない。 叩きつけられた痛みにしばらく地に伏して。 それでも顔を、あげる。
激怒しているパートナー>>231 その理由の意味も、今の男にはわからなかった。 あおいちゃん、と言うその子が誰なのかも。
ただ、黒牧がその子のために何かをしたかったことは、わかった。 彼を殺すなら――]
二人分、でしょうか。 [背負う命と想いの数、は。 今更増えた所で大して変わりはしない。]
(239) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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[立ちあがる。 手の平のカウントは刻まれている。 もう、時間が無い。
ふらつく足を叱咤して、立ちあがる。 もうこれで最後だと思った。
走る。 無防備に隙を見せる牛――
いや、黒牧に向かって。
その手を、振り下ろし――さっき、一瞬掴んだ心臓へと、躊躇いなく]
(240) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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――特に生き返りたいと思っていない俺が、貴方を殺す――って。 なんの皮肉、でしょうね。
[それは、彼女達が伝えたと同じ言葉にしない思念で。 知るのは、黒牧だけでいい。
熱い筋肉を突き破って到達した、心臓。 それを、今度は躊躇いなく握りつぶして――]
(241) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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……まあいいわ。 それならそれで、最後ぐらい、 それらしくやってみせようじゃないの。
[言って。擦り切れた、スカートの裾を恭しく持ち上げる。 お嬢様らしく、軽く一礼。]
────御機嫌よう!
ゲームの最終日にふさわしい、気持ちのいい日和よね。 そんな日に、この街を埋め尽くすのが漆黒だなんて、 あんまりだと思わない?
[何時か学び舎で見た、花のように笑うお嬢様たちを真似て、笑う。 相手はただの、禁断ノイズの群れだけれど。]
(@74) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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貴方たちが呼び出された理由も何も、 正直、私、てんで分かっちゃいないのだけれど。
……それもまあ、当たり前の話よね。
──私まだ、この世界で、 自分が何をすればいいのかもよく分かっていないのよ。
[生前、ひたすら机に齧りついていた。 自分にはそれしかないと思っていたから、それだけを頑張って。
頑張る以外のやり方もあるのかもしれないと、薄ら思ったあの日から。>>5:@75 細々と、寿命を繋いで、此処にいる。 それが希望なのか、ただの未練なのか、それさえも分からない。]
(@75) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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[――いった!
振り上げた右手が漆黒の腕を一部食い千切る感触。 そのまま今度は胴を喰らってやろうと左足に力を入れれば、調子に乗るなとばかりに発達した脚によるカウンターを喰らう。]
ぐっ…ぇ……
[防御が間に合わずまともに腹へ受けてしまった。 ぐらりと宙でよろめけばさらなる追撃を入れそうとする様子が見えて。
それでも、息も絶え絶えの中女は笑う。]
(@76) 2018/05/27(Sun) 01時頃
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