278 冷たい校舎村8
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[ リフレインする。]
(291) 2020/06/18(Thu) 20時頃
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[ 少なくとも礼一郎はそう思ったんだから、 人形なんだから平気だなんて言えるわけないじゃん。]
(292) 2020/06/18(Thu) 20時頃
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イクト、は。
[ ……今度こそちゃんと、 友達の顔を思い浮かべて呼べたね。
あれを指して友人の名を呼ぶのが、 正解も不正解も礼一郎の知ったこっちゃないけど。]
……死んでる、ように見える。 それは、七星のと同じ。
痛そうだった。 ……首が、折れてて。
だからそりゃ、見るのきついよ。 だってあんなのさあ……、
(293) 2020/06/18(Thu) 20時頃
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……友達が死んでるように見える。 それでも見るべきとか、見たいとか、 そういう理由があるなら、見ればいいと思う。
[ つまりそれが、不用意に見ないほうがってこと。
答えになってる? どうだろうな。 だけどさ、礼一郎の決めていいことかな。 でも、一言だけ付け足しとこうかな。]
(294) 2020/06/18(Thu) 20時頃
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……俺は見たこと、 後悔してるわけじゃねえよ。
[ それだけ。
それだけは言っておこうかな。 あくまで礼一郎個人の感覚として。*]
(295) 2020/06/18(Thu) 20時頃
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……千夏ちゃんは、帰ったんだよ。
[ 誰に聞かせるでもなく呟く。 自分自身に言い聞かせたかったのかもしれない ]
(296) 2020/06/18(Thu) 20時頃
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―― 現在:教室 ――
[ そして、教室に戻ってきた。 黒板に向かって、チョークを握って、 ]
『6階まで増築。 床が傾いてて、教室も歪んでる。酔う』
[ ここまでは躊躇うことなく書けた、けれども。 誠香は、黒板の書き込みをじっと見つめた。 夏美がいなくなったという連絡事項>>2:221 ]
……書かないと。
[ 自分に言い聞かせるように誠香は呟く。 みんなに知らせる必要がある。 だから、これは必要なこと。 けれども、やっぱりチョークを握りしめたまま、 なかなか手は動いてくれなかった* ]
(297) 2020/06/18(Thu) 20時頃
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──回想・打ち上げ──
[ あれ。あれはあれ、だよね。>>2:611
ないの、知ったし。大体察することもできる。 だからジェスチャーで判別できたけど。 お揃いの中の、お揃い。
そう、今日は忙しかったから、 いつも以上に自分の距離感を測りかねていて どこかに引っ掛けて、びりびりーっと外れた。 至極全うで、正当な理由に他ならない。 ]
(298) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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思ってたより、忙しかったもんねえ あっちへいったり、こっちへいったり
[ ものにぶつかることは、よくあるよ。 自分の避ける能力を把握しきれてないぽいから。
そうだね、きっと。 なくしただけで、怒るような二人じゃないし、 許してくれるんだと思うの分かってる。
心乃の勝手な印象ではあるけれど、 でも、やっぱり、なくしたら悲しまれはするかも?
だから、ふりふりを差し出されて、 ちょっとだけ、困ったなあって顔になる。>>2:614 ]
(299) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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いいの?……ありがとう
[ でも、もう文化祭は終わりだし。 ふりふりをつける機会もほとんどない。 差し出されたふりふりは、 ありがたいなって顔をして受け取るけれど。
結局つけることはなく、鞄の中へ仕舞ってた。* ]
(300) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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──ふりふりの話──
『 それ、かわいいね 』
[ 文化祭の合間。>>0:1347 取り巻きと共に訪れた妹は、 心乃のふりふりを指さしてそう言った。
そうね、私なんかより妹の方が似合う。 周りの男の子たちも、そう言っている。
ほしいの?って聞いたら、うんっていうの。 おねえちゃんには、似合わないよ。って。 そうだね、似合わないよね、って答える。 ]
(301) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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[ 値踏みされるような視線が痛かった。 きっと、真心ちゃんの姉だからって、 期待していたんだと思う。それくらい分かる。
あからさまにがっかりしたような、 そんな声や、表情も、わかるよ。わかっちゃう。
いっつも、妹と比べられていたんだよね。 比べられて、劣っていないようにって、 がんばったつもりだったんだけどね、 ]
(302) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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[ クレープを食べて、口周りを汚す妹に ハンカチを差し出そうとしたら───
取り巻きの男の子たちが すかさずにお世話、していたの。 ]
『 おねえちゃん、まこはもう大丈夫だよ 』
[ 笑っている妹をみて、 肩の力が、すごく抜けた。脱力感。 ]
(303) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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[ なんだかどうでもよくなっちゃった。 ]
(304) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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[ 外したふりふりは妹にあげた。 ふりふりだけじゃ、何にもできないけど。 ほしいっていうから、あげた。
そのあとは、またねって手を振って。 忙しくてよかったなあ、なんて仕事に戻った。
ただ、それだけのお話し。* ]
(305) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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――現在/購買―― [窓の外で雪が降っている。]
(306) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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[雪が降っているのに、手元にはクレープがあって なんだか文化祭の日みたいだな、と 変わってしまった校舎を一瞥して思う。
あの日は楽しかった。 葉野とCG研や色んな店を回って、 演劇は大成功で。
クラスの打ち上げの集合写真、 なんでか俺だけ強制的にふりふりつけさせられて。 ――いやそれはまじでふざけんな。似合ってなかった。
楽しかったな、と思う。 思ってクレープを口にする。
……血の味がするこの口に、 クレープはずいぶんと甘すぎる。 それが少しだけ辛い。]
(307) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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[こんな風にしていると、 少しだけ前のことがふつふつと思い出されてくる。]
(308) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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……どっか行ってんじゃねー、って、なんだよ。
[すごく当たり前のように、 礼一郎の口から「それ」が出た事は 辰美にとっては少し嬉しかった。>>248>>252 昔に戻ったような理不尽さだった。
……嬉しかったのだけれど、 当時の辰美は混乱していたので 理解も及ばずに舞台袖から出た。]
(309) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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「――だから、謝らなくていいっていっただろ」
[最後にそう言った気もする。>>253 聞こえていたかはわからないけれど。]
(310) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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[そうしてクレープのひとかけらも食べ終えてしまって、 辰美は血の滴る片手を見下ろしながら、 ほんの少し、ぼんやりとそれを見ていた。
喜多仲がいなくなったことを思い出せば 赤い花の腐っていくのを見るような心地で 浮きかけた心は、沈む手前で留まる。
緩慢な手つきで戸棚の消毒液や絆創膏に手を出す。 適当ともいえるかたちで手当てをする。
……今度は、代金を払っていかなかった。*]
(311) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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[入り口のところにある白い布の下が、夏美ちゃん。 それはやっぱり間違いないらしい。 そして、>>293喜多仲くんの人形について鮮明に伝えられる情報。 生々しい状態の報告。 ……いくらわたしでも、ショッキングなものだということは伝わった。]
死んでるのを見たいっていうか……。 なんだろ……。
この世界のこと何もわかんないし、 招かれたんだったら、向き合わなくていいのかなって、 そう思っただけだから。
(312) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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[警告は受け取った。 じゃあ見る、とも、見ない、とも言えない。]
ちょっとだけ。 確認だけ、して、やめる。
[見るか見ないかの二択じゃなくて、 見る・やや見る・どちらともいえない・やや見ない・見ない、の五択だったらなー。 「やや見る」に丸を付けるところなんだけどな。]
まあ、わたしって委員長みたいにちゃんとしてる子じゃないし、 見ても何も思わないかもしれない。
[なんつって。強がりですけど。 今のぼさぼさの髪も“ちゃんとしてない”感あるよね。
委員長の脇を横切って、さっき指で示された方向へ向かって行こうとするだろう。*]
(313) 2020/06/18(Thu) 20時半頃
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──現在/体育館──
……ああ、うん。
[ さっきまでより、穏やかな声で言う。
葉野は、この世界を知るために。 というようなことを言って、>>312
礼一郎には、それが少しわかる気がした。]
……うん。 あれも、この世界の一部? ──っていうか、 なにか、なんだよな、たぶん。
(314) 2020/06/18(Thu) 21時頃
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キツイと思うけど、 そういうことなら……がんばれ?
[ がんばれってのも変な話だけどさ。
腰、抜かさないようにな。 ──って、礼一郎は言った。真面目に。 すでにひとり前例を見てきたせいだ。]
(315) 2020/06/18(Thu) 21時頃
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……なんかさ、わかんねえけど、 あの人形、ひどい状態だけどさ、 誰かの悪意、とかじゃなくて、 そうなっちゃっただけなら、いいなって。
[ ちょっとだけ確認する。って葉野に、 礼一郎はただ感想を言う、みたいに言う。
その五択だったら、どうかな。 「どちらともいえない」を穴があくほど見つめて、 腹をくくって「見る」を選ぶ礼一郎です。
意見が合わないようだな。でも、]
(316) 2020/06/18(Thu) 21時頃
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そんなことないと思う。 から、キツイって言ってんだけど。
葉野だって、 あいつらのこと嫌いじゃないだろ。
[ それなら当然辛いはずだと、 何を知っているんだか、 礼一郎は当然のような顔をして言う。
ふわり。と横切ってく葉野に、>>313 礼一郎はたちの悪い強がりにだけは物申して、 逆方向、体育館の外へと消える。*]
(317) 2020/06/18(Thu) 21時頃
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――現在:準備室――
……っ!お、おう、おはよ、誠香ちゃん
[ 少しの間、下のマネキンから目を離せずにいたが、扉の方から聞こえた声>>267にハッと我に返り、顔を上げて振り返る。]
あー……、ちか、いや、マネキンがさ、下にあって……
[ 何をしているのか聞かれ、つい「千夏ちゃんが」と言いそうになるのを言い変えつつ、最後までは言えずに口ごもる。 すると誠香は、窓際に駆け寄って下を覗き込み、それを目にした>>272。 「なんで」という叫びに>>272胸が痛くなるが、 こっちもそれを聞きたいくらいで、それに返せる答えを持っているわけがなかった。]
(318) 2020/06/18(Thu) 21時頃
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ちょ、行くってどこに……
[ 誠香はそれから、どこに行くかも言わずに飛び出して行ってしまった>>273。 ただ、下のマネキンを見て飛び出していったのだから、マネキンに対し何かするつもりなんだろうか、と思って。 少しの間マネキンに目をやりつつ待っていると、下の階からコートが投げられ、マネキンに被さる様子が見えた>>274。]
あ……
[ そうだな。うん、その方がきっといい。 あれは千夏そのものではないけど。でも、その行動は正しく、優しいものに思えた。 何も出来ず見ていることしか出来ていない自分が、罪悪感を覚えるくらい、で。 でも、何かしたいと思っても、何も思いつかなくて、何もあげられるものも持っていなくて。]
(319) 2020/06/18(Thu) 21時頃
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あー……とりあえず、閉めるか。
[ 怜に確認を取るように一言呟き、ようやく窓を閉める。 それから怜の方に向き直って。]
きっとほら、アレだよ。 千夏ちゃんは現実に帰ってさ、その代わりに残された、みたいな感じだよな。うん。
[ 俺と同じようにマネキンをみて、多分ショックを受けただろう怜を元気づけたかったし、自分にも、言い聞かせたかった。 千夏ちゃんも、夏美ちゃんも、別に死んだわけじゃない、って。]
(320) 2020/06/18(Thu) 21時頃
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