145 来る年への道標
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
アシモフが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、チェビイ、アンタレス、シルク、ナユタ、エフ、アイライト、ポーラ、ワクラバの8名。
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[アシモフが船を出ている頃だろうか、客室の方から不自然に 髪のハネた青年が、展望ラウンジにやってきた。]
まいったな…。あの子、もう行ったか?
[別れ際に挨拶ぐらいしておこうと思っていたのにと、 頭を掻きため息をつく。まだ残っていないか、辺りを見渡した。]
(0) 2015/01/04(Sun) 17時頃
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─ 展望室 ─
え、ええ…… あー…、ええ。まあ。
[ポーラは、指先に淡い光の球体を浮かべたまま男の言葉>>1:38に曖昧な笑みを浮かべます。 彼が何を勘違いしているのかは、明白でした。 けれどポーラは、すぐには否定をし損ねて、結局なんだか半端な笑顔を彼へと浮かべてみせたのです。 困ったポーラの指先で、くるりと光の球が回りました]
きっとアナウンスを聞き逃してはいないと思いますわ、ミスター。 少なくとも私はアナウンスをしてはいませんでしたから。
まあ!星のお話が好きですの? ふふ…宜しければ少しはご案内も出来ますわ。 お嬢さんも、星はお好き?
[仕事で磨かれた綺麗な宇宙標準語で返し、彼の向こうのシルクへも軽く小首を傾けました。ポーラの指先の球は、やはりくるりと回って輝きます]
(1) 2015/01/04(Sun) 22時半頃
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…さっき通り過ぎた星は、キャット☆スター。 ラット☆スターの兄弟星ですわ。 ずっと等間隔を保って、追いかけっこするように恒星の周りを回っていますの。
その名の通り、ラット☆スターにはあちらのような…ネズミの方々が多く住まわれています。特産の小型機械の精密さは有名ですわ。
ああ、あの方はやはりラット☆スターへ向かわれますのね。
[ネズミがきらきらした目を星へ向けるのに、そう頷いた]
(2) 2015/01/04(Sun) 22時半頃
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星は…いいですわね。 私の故郷は、なかなか外に出られない場所でしたから。 こうして星の間を巡って語るのも聞くのも好きですの。
ミスターは作曲家か演奏家でいらっしゃいますの? あ……不躾に申し訳ございません。 でも素敵に、聞こえたものですから。
[話し始めてしまえばいつもの仕事のように、そしていつもよりは少しだけ砕けた風で問いかけて目を細めるのです*]
(3) 2015/01/04(Sun) 23時頃
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[キャット☆スターを通り過ぎれば、兄弟星のラット☆スターはまもなくだった。
宇宙船全体、どの部屋でも、アナウンスの声は聞くことができた。
―― まもなく ラット☆スター です
―― お降りのお客様は、
お忘れものないよう手荷物をお確かめの上お降りください
―― まもなく ラット☆スター です
……次の星が近づいてきた……
到着までの分数が船のあちこちに表示される。
ネズミの乗客は、感慨深げにまっしろなヒゲをひくつかせていた。]
(#0) 2015/01/04(Sun) 23時半頃
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/01/05(Mon) 00時半頃
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― 展望ラウンジ・アナウンス前 ―
[大窓の中央から、コートの男の人は星々を眺めていました。 シガレットケースから、シアン色に光る硝子管を取り出して、 たばこのカートリッジを装着し、くわえます。 すぐに、けむりが立ち上りました。 昔吸っていたたばこと同じ味のものは、 未だ見つけることは、できていません。 すっかり新しいたばこの味にも、慣れました。]
(4) 2015/01/05(Mon) 00時半頃
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[けむりをくゆらせながら、エフは、 窓の端に、ひとを避けてそこにあるような ぽつんとした姿をみとめました。
目立つ姿の客が窓のむこうをみています。 藍から白へ夜明けのように色のかわるワンピースと じゃらじゃらとした筒の束。 その体のそこかしこが、ちかちかと、 プリズムのような色とりどりの光を纏い、輝いています。 それは、ふしぎで、奇妙でありながら とても美しい姿をしているようでした。]
(5) 2015/01/05(Mon) 00時半頃
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[コートの男にとっては、この何年ものあいだ 目に映るものすべて、草臥れるほど奇異でしたから トリンクル出身者のその外見もまた、 他のものとかわらず、珍しいものでした。
またとにかく、必要なことを覚えるのに必死ですから この時代の楽団やコンサートなどについて よく識るわけでもありませんでした。
けむりを吸い込むのもわすれていたことに気づくと すこしの反省とともに、また宇宙船のそとへ視線を向けました。 機械をいれた片目のまぶたを、ぎこちなく瞬きます。 病気もない元気な片目を抜いてしまってでも、 この機械が必要でしたから、必死でお金をためて、 つけてもらったもので、いまでは相棒です。]
(6) 2015/01/05(Mon) 00時半頃
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[ラット☆スターが遠ざかっていく]
この船の次の到着星はどこだったかな…。
[ぼんやりと考えながら、彼は日付を越えていきました]
(7) 2015/01/05(Mon) 00時半頃
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[暫く星をみていました。 次の星をしらせる船内アナウンスがきこえてきました。 エフはなんとなく、この数年慢性的に感じている 「珍しもの疲れ」のため 割り当てられた客室にもどることにきめました。
目でみてわからないことを機械におしえてもらうたび とほうもないことだと感じます。 あの乗客もまた、ひとなのです。
昔々、はじめて宇宙に出た人間が、宇宙飛行中 「見回してみても神はいない」と言ったそうですが、 かすかに、乗客のほうからきこえた音は>>0:7 エフの耳には、どうしてか、 人のための音のようには、聞こえませんでした。]
(8) 2015/01/05(Mon) 01時半頃
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[猫の星をとおりすぎ、鼠の星へ向かう船の 海を漂うのとも違う、独特のゆれをかんじながら エフはその日は客室へと、戻っていきました。]
(9) 2015/01/05(Mon) 01時半頃
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[エフが客室に戻ってくると、 客室のあかりはきえていました。
この客室にも、鼠の星までの到着分数が光で表示され、 うすぼんやりと室内を照らしています。
ひとの気配がありましたから、 多分眠っているものと思ったエフは、 そうっと足音を殺して室内に入ったつもりでしたが 相部屋の客のことを、起こしてしまったようでした。>>2:*5
それは、鼠のお客が船を出る時間がまだ 船内に表示されているころでしたから、 彼が寝癖をつけたまま、 展望ラウンジに出るよりも少し前のことです。>>0]
(*0) 2015/01/05(Mon) 01時半頃
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悪いね。 起こしたかい。
[眠っていたのだろう彼に、一言かけました。]
ベッドの方を使ってくれても良かったんだが……
[ソファで睡眠をとっていた彼に、 エフはすまなそうに言いました。]
(*1) 2015/01/05(Mon) 01時半頃
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[ベッドに腰掛け、コートのポケットをさぐります。 シガレットケースを手のひらで掴んでから、 エフは、はたとしました。]
ナユタは、たばこはだめな人かい。 もし嫌いなら、外で吸うようにするよ。
(*2) 2015/01/05(Mon) 01時半頃
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もうじき、ラットスターという星だそうだね。 ねずみのお客が、いっぴき、降りるみたいだ。
[ベッドの近くのライトを弱く灯すと、 エフは鞄から航宙図を取り出し、のんびりと眺めはじめました。 彼は、そのようにしながら、 ナユタが部屋を飛び出していくまでの短い間 いくらかの言葉を交わしました。**]
(*3) 2015/01/05(Mon) 02時頃
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[ナユタが部屋を出た後、一人になったエフは コートハンガーにコートを預けました。 ふるい時代の人間には、 いま着ている特別さのとくにない服の素材すらも さらりとして着やすく、心地良い手触りの生地に感じられ こればかりは、未来も良いものだと実感します。
襟元を緩め、履き心地のよい靴を脱ぐと、 エフはベッドの上に、あぐらをかき、 ベストに取り付けたいくつかの機械の道具や、 鞄の中身の点検をはじめました。 さいごに目にいれた機械に線をつなぐと、 そちらも日課として、メンテナンスを行います。
日課の全てを終えると、彼はベッドの上で足を伸ばします。 深く息をつき、見知らぬ天井を見上げました。
体にたまった疲れを感じながら、 眠るでもなく、目を閉じました。]
(*4) 2015/01/05(Mon) 02時頃
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― 売店:日付変更後 ―
[鼠の星に到着後、鼠のお客は、船をおりていったようでした。 エフは客室で体をやすめながら「昨日」から「今日」へ 日付を超えたことを、時計の表示で知りました。 栄養のつまったタブレットだけでは 誤魔化しきれなくなってきた人としての食欲を満たすため、 彼は売店へと向かいます。
船の案内にしたがって、白い壁の廊下を歩み、 売店に到着すると、自動ドアをくぐります。 陳列棚には、うんざりするほどの、 意味は分かったが馴染みの少ない商品が並んでいます。]
(10) 2015/01/05(Mon) 02時半頃
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[エフは液状食糧の棚を探しました。 栄養満点で携帯にも向くそれは、 まず宇宙船の売店には置かれていない事はないであろう 基本の宇宙食のひとつでした。
彼が手にとったのは、 食事としての娯楽が、極端に薄い食べ物です。]
(11) 2015/01/05(Mon) 03時頃
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[無機質なプラスチックを連想させる 透明感のない白色のクリーム。 ブドウ糖のべたついた甘み。蛋白質のくどさ。 ビタミン類のケミカルなあじわい。 おざなりな、合成オレンジ香料による香りづけ。 そして、もっとも良い状態で栄養が体に吸収されるよう、 人肌程度に常にあたたまるように 容器が工夫されている、というものでした。
美味しいと言えるものでは、ありませんでしたが 一日分を食べるには、簡単で丁度よいものでした。**]
(12) 2015/01/05(Mon) 03時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2015/01/05(Mon) 03時頃
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[ラウンジで一人星を眺めていると、人の話も聞こえてきます。聞き耳しているわけではないけれど、結局暇を潰せるならなんだっていいのです。]
(星先案内人に……作曲家?)
[お仲間、とはアイライトは思わないのでした。彼女の所属する楽団や、動揺のトリンクルの楽団は星外の作曲家からは一笑に付されることがしばしばあったから。 他では見ない楽器だけを使って、他では出来ない曲しかやらない。そういう楽団のスタイルが排他的で進歩がないと言われたり、そもそも評価に値しないとされたりしてきたのです。
なので、トリンクル以外の作曲家と言われる人々には居心地の悪さを感じます。]
(13) 2015/01/05(Mon) 10時半頃
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(今日はもう客室に戻ろうかしらね……)
[ラット☆スターで降りるらしいネズミや青い髪のかわいらしい星先案内人や赤い髪をした宇宙服の男性、不思議なイントネーションの言葉を話す少女を横目に眺めながら窓を離れます。作曲家らしきマスクの男性にはなるべく目線をやらぬように。]
(……あら)
[微かにシガレットの良い香りがしました。楽団ではなかなか漂ってこないけれど、アイライトはそれを嫌いではありません。]
(……)
[黒いコートに黒髪の男性がシガレットを吸っていました。しばしじっと目をやってしまいます。]
(シアンの光……シガレットの終わる瞬間の音は美しいのよね)
[楽器にするには少し足りないけれど。あれは一つだけぽつんと鳴るのがいいから……などと考えつつ、彼がシガレットを終えるまで眺めてしまいました。 そうした後にハッと、なんだかはしたないような気もしてそそくさとラウンジを出ます。
人のいる場所に名残を感じながら、今日は客室へと戻ることにしました。]
(14) 2015/01/05(Mon) 10時半頃
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―客室廊下:日付変更後―
[今は一人で楽器を触っている気分にもなりませんでしたし、じっとしているより動いていた方がマシかと、アイライトはとにかく客室から出ることにしました。]
(ええと……)
[どこに何があったか、昨日の案内図を思い出しながら歩き出します。]
(ラウンジに行けば誰かしら人がいるかしら……?『ナユタ』もいたらいいんだけれど)
(15) 2015/01/05(Mon) 11時半頃
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……………。
(16) 2015/01/05(Mon) 11時半頃
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(……どこかしら、ここ)
[迷いました。さして広い船内でもないのに。]
(昨日は……ほら、エントランスからラウンジに行ったものだから……)
[彼女の光もなんだか落ち着かないような瞬きを繰り返します。]
{ttti..kvvaa..tttikki..yyygy..}
(あ!)
(17) 2015/01/05(Mon) 11時半頃
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―売店―
[アイライトは迷った先に売店を見つけます。]
(そう、売店に来たかったの!そうそう。食事も済ませていないものね)
[内心でそんなことを言いながら、とにかく売店のドアをくぐります。いくつか並んだ棚は味気ない空気を出していましたが、壁にも埋め込まれたケースが並んでいて商品選びをわずか楽しむのに困りはしませんでした。]
(あら……シガレットの人だわ)
[棚から食品を手に取る黒髪の男を目にしました。しかし彼は昨日もそうでしたが、アイライトにはどこか剣呑な空気があるよう感じられます。近づき過ぎないよう、それでも何となく見ていました。]
(ああいう人は何を買うのかしら)
[視力の異常な良さもあいまってつい見てしまいます。彼が手にしていたのは液状食糧。それも、味わいもへったくれもない大雑把な(上品でない界隈なら『クソったれな』とでも言いそうな)味で、とにかく一日分の栄養だけ摂取できたらいいというようなものでした。]
(……) {til.........}
[思わずアイライトの光まで瞬きをやめてしまうよう。]
(18) 2015/01/05(Mon) 11時半頃
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(あんまりお友達にはなれそうにない好みね……)
[もとよりそういうつもりなわけではありませんが、何となくそんな感想を抱きます。 こそこそとしながら棚を眺めて買い物を楽しむことにしました。]
(19) 2015/01/05(Mon) 11時半頃
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おや?おや。 すまない、個人のガイドか何かだったかな。
[ポーラの曖昧なその返し>>1に、ワクラバは小さく肩をすくめた。先ほど目のあった少女にも、ちらりと視線をやりながら。 そしてそれ以上、ポーラの身の上を追求するような様子はない。彼女が星先案内人である――あるいは、あった――ことには、間違いがなさそうなのだから。]
へえ、さっきの星はキャット☆スターというのか。 猫の耳のような山が見えたような気がしたが、あながち間違いではなかったかな。 それに、猫と鼠の追いかけっこだなんて、なかなか…… ……うん……追いかけっこか。ふむ……
[言うなりやおら腕を組むと、再び指先をとんとんと鳴らしだす。先ほどより幾分か早い、楽しげなそのリズムは、猫と鼠の追いかけっこに感化されたものに違いないだろう。 数秒、会話を途切れさせたままそれが続く。 それからはたと我に返り、ワクラバはポーラに視線を戻すと、目を三日月のように細めて笑った。]
(20) 2015/01/05(Mon) 20時頃
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