212 冷たい校舎村(突)
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[ぱちり。
落ちてきたのは、一滴の雫。 瞬いた瞼に差し込んだのは、光。 人工的な照明の白、だった]
(12) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 10時半頃
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─現実世界─
…………眩しい。
[遮ったのは私の右腕。 濡れた目尻を乱雑に拭き取りました。 筋肉が少し落ちたけど、左腕に比べたらしっかりとした片腕の、 手首に走るのは、赤いストライプ。
怪我は多い方>>1:74 だけど大半は自分で作っていたものだったってことを思い出した。 気づかないうちに、無意識のうちに、なんて、嘘。 意識して私が残した傷痕だったんだ。 だって誰かに与えられた苦痛>>1:292>>3:99よりずっと楽だったから。
本当は、もしかしたら誰かに、助けて欲しかった。 その合図だったのかもしれない。 生憎とその時は来なかった訳だけど]
(13) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 10時半頃
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「…………悠?」
[なんて、ぼうっと手首を眺めていた私ははたりと瞬きを。 声の方を向けば、なんということでしょう。 兄が私に跨っていた。 どうにも重いわけだ。
兄の手元には剃り刀。私の愛用アイテム。 どうして兄が持ってるのかは分からかったけど、 部屋の惨状を見るにどうやら兄のお楽しみ中に逃げた私がそれを持ったまま、意識を手放した、のかもしれない。
うん。そうだね。そうだった。 死にたいわけじゃないけど消えたいって思ってたのは本当だった。 ただ、隠し通すためには他に熱中できることが必要だった。それだけ。 だから私は、お守り代わりに持ってたんだと思う。
扉の隙間。 覗き込んでいたのは二対の瞳。 見て見ぬフリしてたママに微笑むために必要な儀式だった]
(14) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 10時半頃
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おはよう、お兄ちゃん。 退いて、もらっていい?
[だけど、もう必要ない。 私がご機嫌を伺うように笑みを浮かべずに、兄に“おねがい”したのは今が初めて、兄は驚いたように目を見開いた。 だけどそれも一瞬。 逆上した兄が利き腕だった左腕を振り上げる。
ガツンとした、衝撃。 脳が揺れて、頬がじぃんと痛む。 今まで顔を殴られたことなんてなかったのに、今日はとくべつらしい>>2:410
痛すぎでしょ。 冷静な頭で考えて、ふと、思い出す。 今、私、一人だ。 考えるより先に手じゃなく足が出ていた]
(15) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 10時半頃
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私、やっぱりテニスもだけどハンドボール向いているのでは? ストライク、決まったね。
[勢いよく蹴り上げた足が狙ったのは男の急所。 傾く兄の体。生まれた隙を見逃すわけがない。
意識して兄と似た顔を隠すための化粧。 兄から離れる為に着ていた女の子らしい服装。 残念だけど今はあんまり気にしてはられなさそう。 でもほら、今はカツ丼の気分だし>>3:101
今のうちにささっと部屋から脱出しよう。 きちんと上着と携帯とお財布を持って、階段を駆け下りる。 後ろから突き刺すような怒鳴り声は相変わらず怖かったから>>1:258]
(16) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 10時半頃
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[そしたらリビングにママがいた。 私の赤くなった左頬を見て驚いたように目を見開いている。 何かを紡ごうとする母の言葉を瞳で制した。
扉の隙間から物言いたげに啜り泣いていた私をじっと見つめてきた瞳。 私達に悩んでいて夜遅くにパパと相談してきたこと、知ってた>>5:59
それでも踏み込んできてもらったことはない。 それはもしかしたら、ママも同じようなこと>>5:60で悩んでいたのかもしれない。 だから今は責めることはなく、ただ一言。 だけど、兄を庇うことはもうしない]
絆創膏、ちょうだい。 それとちょっと、外出てくるね。
[受け渡しされた絆創膏を唇に貼り付けつつ、時間を気にした母には大丈夫だと告げて、私は外を出た。 その時、確認したのはつばさちゃんからの連絡]
(17) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 10時半頃
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[やっぱり夢じゃなかったんだって気持ちと、 夢であってたまるかって気持ちの半分半分。
あの時間があって今の私があるなら、捨てたものじゃなかったし、 大切な私を象る時間の一部だから、現実であってくれないと、困るの]
つばさちゃんみたいな右ストレートがいいかな。 通みたいに拳で一発…? や、ダメか。那由多みたいに優しく…。
[浮遊感と共におやすみなさいをする前、結んだ約束>>5:253 真っ直ぐ、帰ること。 うん。家にはちゃんと帰ってきた。 だから、今からみんなのところにも帰るよ。
みんなに、理一に、おはようを言うために、私は夜道を早歩きで進んでいました]**
(18) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 10時半頃
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[名前は、大事なもの。 それは、私を象る記号。 私が私であるための証明。 だから、今まで大切だった。
だけど、これからはそれだけじゃない]
(24) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 12時半頃
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[私を呼ぶ声が聞こえた>>23]
(25) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 12時半頃
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[振り返る。 その時は、いつかみたいな気まずさや、不機嫌を湛えたものじゃない。 右手を上げた。 ほら、あの時と同じ手>>5:242 はぐれなかったでしょ? 今は繋いでなくたって、あの時、掴み取ったものは忘れない。
いつか那由多が言っていたこと>>1:220が頭の中に過ぎった。 だけど今はその名残は感じなかったから、私は両手を叩いて明るく戯けた]
那由多のそういうところ、最高にクール。 重たいだろうけど吹っ飛ばしちゃって!
[女子だから、男子だから、で遠慮せずに私は全体重を自転車に押し付けた。 また怪我してる私を那由多がどう思うかは分からない。 私たちはあの場所で、そりゃあ全部が全部じゃないだろうから。 打ち明けてないないしょ話なら私にもある]
(26) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 12時半頃
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[だけど、それで私の中の何かが大きく変わったわけじゃない。 それが“当たり前”に当てはまるかも分からないけど、私はやっぱり“いつも通り”だった。
ゆる・ゆるり>>0:409とね]
よっし、通もちゃんと起きれたかなー。 途中見つけたら三ケツでもする?
[冗談を交えながら私の頭の中では計算式を。 さすがに男子高校生二人を後ろに乗せて私が自転車を漕ぐのは大変かな、なんて。
漕がれながら唇の傷がちりりと傷んだけど私の意識は他のところへ]
理一のいたずらの仕返しも考えないと。 あと、たくさんお返しもね。
(27) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 12時半頃
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[こかされたって言ってたし>>0:409 それに、あんな無茶振りもしてきたんだ>>5:240 あの通学路でのやり取りを思い出せば今更に掘り返そう]
その後は堆も気に入ってたと思う昴の作ったパンケーキを、健ちゃんに可愛くしてもらって、食べよう。 かまくら出来そうならみんなでしよう。 お鍋、うん。いい響き。
[不思議と怖くなかった。 この世界はきっと、痛みや苦しみ、悲しさに満ちているかもしれないけど。 大切なともだちがいるから。
なんとかなるような、気がしてる]*
(28) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 12時半頃
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昴が言ってたよ。この時期に縁起でもないこと言っちゃダメって。
だけどへーき。落ちる時は那由多も一緒に道連れにするから。
[前までならこんな踏み込んだ冗談を言うことも控えたけども、あんなたいそうなことしてのけた那由多が何とも可愛らしいことを気にするから>>29 気にするな、と、軽く肩を叩いた]
(41) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 14時頃
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[ふたりぶんの体重を抱えた自転車は、少し苦しそうな音を上げた。 ちょっと重たそうなペダルを見てると、一人分とは違う反応。 ちょっと心配になったけど、早足より随分と早くて>>30 今なら何にでもなれそうな軽率な予感]
通……ダッシュ。 見たこと…ない通の一面は確かに、気になるかも。
[提案に一票、投じてみた。 怒っちゃったらごめんって謝るけど許してくれるかどうかは未来に期待して、やりたいことに想いを馳せる]
(42) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 14時頃
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通から聞いたけどお勉強会私も行くから教えてよね、那由多せんせー。 というかみんな呼ぼう。 どっか寝泊まりして。
[勝ち取ったものはきちんと使わないと。 そのためにはまず会計様の意見も聞きたいところ。
前を向く那由多の代わりに私はキョロキョロ探すように辺りを見ていた、時だった。 那由多から話を切り出してきたのは>>38 私は、那由多の背中を見ていた。 どこを見ればいいのか、分からなくなってたから]
(43) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 14時頃
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[おしまい。 じゃないのは分かってる。 だって、本当に今からまた、始まるんだ。 今までもういいや、仕方ないやって諦めてたものと、これからきっと向き合っていくことになると思う。
まだ、夜風が撫でる左頬は痛い。 これから多分赤く腫れるんだろうと思う。 それに初めてやり返しちゃったんだ。 その後のツケが怖くないと言えば嘘になる。
だけど、それって、家庭の問題だから、どうしようも出来ないかとだって、私も何処かで諦めていたから]
…………那由多は優しいね。
[顔、見られなくてよかった。 少しだけ、背中を貸して欲しい。 額を、那由多の背中にぽすりと預けて唇をへの字に曲げる。 そうしないと、泣いちゃいそうだった]
(44) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 14時頃
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那由多が想像できないこと、かもしれないよ。
[想像できないことってこわいでしょ。 想像できないと共感はむずかしいでしょ。 ひとつの答えを決めつけようとするのは、わるい癖。 だから、深く息を吸って、落ち着かそう。
強いのかな。優しいのかな。 自分のことが一番自分でも分かっていないけど、ひとつワガママを押し付けよう]
じゃあさ、どうしても遠くに行きたくなった時は、また後ろ乗せてよ。
フツウの幸せは分かんないけど、私の幸せは、もうちょっと、みんなと、いたい…みたいだからさ。
(45) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 14時頃
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やりたいこと、いっぱいできたんだ。 だから、那由多も、理一も、他のみんなも、私のために生きてて。 見返りに私が幸せにしてあげる。 商品券、当たったくらいのやつは保証しとく。
[那由多があの時理一伝えた言葉>>5:166と同じものがするりとこぼれた。 顔は、相変わらず見えなかったかもしれないけど、伏せていた顔をあげれば再び流れる景色を眺めて、赤くなった鼻をすんっ、と鳴らして]
(46) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 14時頃
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[いくらか進んだ先、だったかもしれない。 なんだか通にも会いたくなってきた。 だって、大切なこと教えてくれた人だもあったし、っていう>>5:113 そう願った私の気持ちが通じたのかもしれない]
とーーり! とーーーり!
[見かけたことのあるような背中。 それが古辺通のものなら軽く叩いてみようか。 ちょっと勢いがあったからいたかったかもしれませんし、女の手だから、困らせるかもしれないけども。
さっきぐずぐずしてた気配はぶっ飛ばす勢いで、赤い目尻はまた気づかれないことを祈っておく。
会計様からみて自転車のニケツはセーフ、ですかね? 今はどちらかというとそっちの方が気がかり。 …とは、言えないので]
(47) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 14時頃
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まっすぐ病院行くけど通も、行くよね?
[行くなら一緒に行こう、と誘って。 承諾がもらえたなら三人連れ立って病院まで超特急で向かおう。 もしかしたら、全国駅伝も出られちゃうくらいの記録も達成したかもしれないくらいの速さで]*
(48) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 14時頃
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[バレたか。 なんて逃げる那由多の肩を追いかける遊びをした>>55 だけど新しいチャレンジ>>56…お勉強会に関しては、片眉を上げたんだ]
へえ、那由多のお手並み拝見だ。 ん。最強に英語強くなったら海外だね。
[その前に、受験は? だとか、 色々と片付けなきゃいけないことは、たくさん、山盛り、てんてこ舞い、だけど]
最高。 ごはんの美味しいところがいいなーー。
[こうして気にかけて、助けてくれる人>>58を知っているから、 未だ見ぬ先、落ちた時に見えた真っ暗闇は少しこわいけれど、少しだけ楽しみに思えた。
二人ぶんの、適当になんの曲かわかってない鼻歌>>60を奏でながら、息を吐いて、吸って、緩んだ頬といっしょに笑った]*
(64) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 15時半頃
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[びくりと跳ねた肩>>52 以前までの私なら触れちゃいけないラインを意識して、二度としないように最新の注意を測って距離を取ったんだと思う。
今でも完全に服を脱ぎ捨てることなんか出来ないし、親しき仲にも礼儀あり、 相手がいやがることはしたくないとは思うけども、 取り繕ってなあなあにすることもやめたから、通の笑み>>53に歯を見せてお返しした]
前髪、やっぱ長いね。 でも、上げてるのもわるくないと思うよ。
[少しだけ不恰好にも思えるピンの止め方>>10 だけど、その格好は悪くないもので。 那由多はどう思ったかな。 一度自転車を止めてもらってどうどう?って尋ねてみたり]
(65) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 15時半頃
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[でも、走るなら簡単に手直しをしようか。 勿論、通が良いといったなら、だけど。
あの時と同じように触れたらやっぱり怖がらせてしまうかもしれないけど、 もし触れていいなら、今度は教えてあげる。 こうやって髪の毛止めたら綺麗に纏まるし、よく見える方法。
そうしたらまた今度から一人でできるでしょ?]
(66) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 15時半頃
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[そうしてまた、自転車を漕ぎだす時。 今度は私が漕ぐ、なんて言ったけど那由多が聞き入れてくれたかどうかは、分からない]
とーり〜! 前髪すごいことになってるよ!
[だけど、自転車に並ぶようにダッシュする古辺通の全力投球。 こんな姿させた橘理一はおそろしい男だなって少し責任を理一の預かり知らないところでプレゼント。
病院に着く頃には風でボサボサになった髪の毛があるだろうけど、気にせず晒して、三人揃ってロビーに向かおうか]*
(67) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 15時半頃
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─病院:ロビー─
[自転車を何処かに手頃なところに止めよう。 改めて頑張って息を切らし走ってくれた通と連れてきてくれた那由多にはお礼を込めて、飲み物の一つでも送りたかったのだけども、 理一の容態が気になってしまって私はダッシュを決め込んでいた。
また、お礼するね、とは残したけどね。
廊下を走ってはいけません。 自転車の二人乗りはいけません。 午後22時以降は外を出歩いてはいけません。 今が何時か分かっていないけど、そういう注意とかすっ飛ばしてしまうくらいには、気がかりだったんだ。
私たちが到着した頃合いは、もう少しで手術が終わる頃>>+5:89だったと思う。 駆け込んだ先、一足先に帰ってたみんなの姿があったなら、安心したように息を吐いて、みんなといっしょに理一の帰りを待とう]**
(68) 24kisouth 2017/03/20(Mon) 16時頃
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[転けられない筈だから、少しくらい無茶したって平気でしょ。 なんて理由で無茶振りを。 でもほらぐらりと揺れたとしてもきっと、支えてくれたから怪我は増えなかった。
だけど那由多が挨拶をして>>78 そういえば、ただいまも、おかえりも言いそびれてしまってたことを思い出す。 だけど、どうせなら全員揃ってから持ち越したかったから私は笑みを浮かべただけだった]
ばっちり。もっとよくなったよ。今度もし上げる髪があるなら、思い出してやってね。
あと、今更だけどありがとう。 あの時、迎えに来てくれて。 色々と気付かされたよ。 それとさ、ピン、持っててくれて嬉しかった。 役に立てたみたいで、よかったよ。
[通の髪の毛をいつぞやの休憩時間と同じように整いつつ、通にもお礼を伝えよう]
(118) 24kisouth 2017/03/21(Tue) 01時半頃
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[それから選手交代しようか>>79 渋る顔に無料のスマイルをプレゼント。
元ハンド部のそれも男子。 重さは正直、それなりに。 ペダルにかかる負荷も、軽くはないけども]
那由多にら、貴重な古辺通スペシャル、任せたからね!
[肩にかかったのは男な人の手>>80 兄を、思い出さなかったわけじゃない。 だけどなんとも可愛らしいピストルの音>>84が聞こえた。 それが少しおかしくて、撮影係を那由多に任せて今度は私が前を向こう。
通の後ろからでも、那由多の後ろからでもなく見えた世界は、案外捨てたものじゃなかった。 自然と一生懸命気迫満点な通の勇姿を収めた動画の中>>81には、那由多と私の笑い声も紛れ込んだ。 少しでも仲良しそうな映像が映っているといいなって思う。 ともだちにおくるともだちとの、ワンシーンだから]*
(119) 24kisouth 2017/03/21(Tue) 01時半頃
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─病院:ロビー─
[病院に着くなり慌ただしく駆け出す私の息は切れていた。 それこそ通の勇姿>>85を笑えないくらいの髪型だってしていたと思う。
ロビーにいたみんなにも驚かれてしまうくらいのボッサボサ。
だけど事情説明は出迎えてくれた昴>>111みたいに察してくれると甘えて割愛しただろうけど、驚いたような昴にはきっと笑ってしまった。 もしかしたら他の人もそれぞれ反応があったかもしれないし、あの世界で話した時と様子の異なる人がいたら、“そうだった”って目を細めたと思う]
(120) 24kisouth 2017/03/21(Tue) 02時頃
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まっすぐ帰るって約束したから、帰ってくるよ。
[那由多のように>>88 私も不安そうにする子がいたなら声をかけたけど、いざ、その灯りが消えた時>>+5:98
通が病室を尋ねたのはどのタイミングだったかな>>87 私はひとまず手術が終了したことに一気に肩の力が抜けてしまって、思わず後ろに倒れて尻餅をついていただろうけど。 居ても立っても居られずに理一の扉の前に行きたい気持ちはきっと、誰かさんと同じ。
だからもう少しだけ頑張って欲しい、私の脚。 言い聞かせながらも、しばらくは放心したように見つめていた]**
(121) 24kisouth 2017/03/21(Tue) 02時頃
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[莉緒の声が聞こえた>>176 ランプの灯が消えて放心していた私は反応が遅れてしまって、惚けたように莉緒の顔を見ていたと思う]
り、お…ちゃん。
[それはきっと、カッターの埋まった首>>2:572を見ていたから。 だから幼さを感じる声色で引き連れた呼び方は、文化祭の途中までの呼び方。
頭を撫でる手は、温かい。 無機質で硬くて白くて、冷たくない>>2:573 流れる血はきっと、あおくない。 冬空の中に紛れるあったかなあかいろだ]
(204) 24kisouth 2017/03/22(Wed) 22時半頃
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