人狼議事


270 「  」に至る病

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視点:


【人】 山師 グスタフ

[朝起きたら、久しぶりにひとりだった。]

 ………、

[寝起きの頭は霞みがかり、ベッドの上でぼうっとした眼を洗いもせず、癖毛をガシガシと掻いた。耳を澄ませても生活音は聞こえない。元々同居人は静かな方だが、こんな静けさは実に二十年ぶりだ。
 欠伸の仕方を思い出すまでも時間が掛かった。]

 ……行ったのか。

[抑揚のない声で、うん。と相槌を口腔で打ち、凝った身体を伸ばす。
 肩と背骨がパキパキと小さく鳴った。]

(98) 2019/10/10(Thu) 21時頃

【人】 山師 グスタフ


 んー……、




 ―――…… 結構、効くな。

[独り言を漏らせば、気怠さを背負ってベッドを出た。]

(99) 2019/10/10(Thu) 21時頃

【人】 山師 グスタフ

[本日、白亜の診療所は休診。

 新聞をポストから回収し、珈琲を二杯飲みながらゆっくりと隅から隅まで目を通してもまだまだ時間に余裕があった。

 応接室を兼ねる待合室の掃除は昨日してしまったし、いつでも茶を出せるよう準備も済ませた。向かい合わせの長ソファに挟まれたローテーブルの上には、お抱えの蝋燭職人が飾ってくれた花の蝋細工も咲いている。>>293

 日々忙しなく同居人を咎めたり、
 医者として仕事に没頭している身には過ぎたる余暇。

 白衣に丁寧にアイロンを掛けて時間を潰しても、来客が来るまでの時間が長い。]

(100) 2019/10/10(Thu) 21時頃

【人】 山師 グスタフ

[アルブレヒト医院は郊外の丘の上。
 春には白い花が咲いて、秋は色褪せた草を風が揺らす。

 近くのバス停から歩いて10分。
 ぽつんと立つ墓標のような白い建物。
 それが死に逝く者を苦しみから救う場所。

 彼女の感性が幼いままなら、
 不気味さを感じ取っても仕方ないくらい、
 世俗から遠く、死後の世界に近い地。*]

(101) 2019/10/10(Thu) 21時頃

山師 グスタフは、メモを貼った。

2019/10/10(Thu) 21時頃


【人】 山師 グスタフ

[ただ客を待つだけの時間。
 己は二十年ぶりの余暇を持て余していた。
 本を開いても気はそぞろ、雑用めいた書類整理の仕事も気が乗らない。

 迷子になっていなければ良いが。
 バスに乗れたなら良いが。

 そんな思考が浮いては消える。
 此れより己を訪ねてくる記憶の中の少女は幼い少女のまま。脳内で幼い姿から成長していないのは、一番身近な眷属が幼いままで時を止めた所為か。
 
 幾ら眷属化したとはいえ、子供のままでいる方が珍しいのに。]

 おっと、

[何度目か思惑の海に意識を漕ぎだして。
 己の以外の人の気配に、沈みかけた頭と体を覚醒させる。]

(159) 2019/10/10(Thu) 23時頃

【人】 山師 グスタフ

[予定していた時間よりも大分、遅い。
 やはり、道に迷ったのだろうか。

 はい、とよく通る声を先に扉の向こうへ響かせ。]

 いらっしゃいませ。
 ――――……、ケイトさんだね。

 此処まで遠かっただろう。
 どうぞ、直ぐにお茶を淹れよう。

 疲れた身体には休息が必要だ。

[妙な一拍が挟まったのは、想像していたよりも、ずっと年を重ねた妙齢の婦女が立っていた所為。
 控えめな三度のノックといい、寸分の狂いもない会釈といい、行儀作法がその身に染みてる。多少舌が縺れている点を除けば、良家の令嬢然とした。]

(161) 2019/10/10(Thu) 23時頃

【人】 山師 グスタフ


 いいや、気にする必要はない。
 本日の私の予定は、君を迎える以外ないからね。

[案内する診療所の待合室はこじんまりとした応接室を兼ねる。
 ふかふかのソファが彼女を歓迎し、寛ぐように告げると茶の準備を始めよう。]

 ――――…、

[そっ、と、彼女の横顔を覗くように視線を滑らせ。
 彼女の面差しから汲み取ろうと試みるのは、主の傍を離れた眷属に見られる傾向。

 ティースプーンに乗せる角砂糖をふたつにするかみっつにするか。判断基準に使うだけだけれど。**]

(162) 2019/10/10(Thu) 23時頃

山師 グスタフは、メモを貼った。

2019/10/10(Thu) 23時頃


【人】 山師 グスタフ

[二十年前に年を取らない同居人と云う特殊な存在を得た所為で、毎日患者と関わっているにも関わらず、少女の成長に少々驚いた。
 老衰ではなく成長を目の当たりにするのは久々で。

 だが、その印象も彼女が口を開けば少し見方が変わる。
 一声で判断するほど早計ではないが、続いた声も同じ揺らぎを持てば、少しだけ片目を眇め。]

 ―――…それは失礼。

 この通り辺鄙なところで開業しているもので、
 あまり年頃のお嬢さんとの会話に慣れていなくてね。

[微笑みを壊さないのは年の功。
 カルテに記入するなら本名が欲しいがそうでないなら、無理に呼称に拘ることはない。その名に彼女の精神を支えるほどの力があるなら、尚のこと。]

(312) 2019/10/11(Fri) 20時半頃

【人】 山師 グスタフ



 改めてようこそ、“アリス”さん。


[木製のトレイには来客用のティーカップとソーサー。
 普段は此処に珈琲を淹れて出すが、何十年も前の記憶を引きずって、本日は紅茶だ。己にとっては色のついた湯に等しいものの、子供にブラックコーヒーを出すほど非道な大人ではないと。

 ―――― 無論、ティーバッグ利用だが。]

(313) 2019/10/11(Fri) 20時半頃

【人】 山師 グスタフ


 寛いでくれて構わないよ。
 ああ……、それらは同居人の作品だ。

 気になるかい?
 君にもお土産を預かっているよ。

[彼女の前にカップを置いて、己も向かいに腰を下ろす。
 大衆的だが企業努力の見える紅茶は香りも少しあまい。

 柔らかな蝋の質感と、可愛らしいモチーフに惹かれる彼女に水を向け。]

(314) 2019/10/11(Fri) 20時半頃

【人】 山師 グスタフ

[来訪したばかりの印象はすっかりと濯がれ。
 理知的で謙虚な雰囲気を纏い直した彼女は、礼節にも抜かりがない。態々差し出してくれる手土産を恭しく受け取り、深々と頭を下げようか。まるでビジネスのワンシーンだ。欲しい医療機器の営業マンとこんなやりとりをしたことがある。]

 これはご丁寧にどうもありがとう。
 うちのはまだ子供だから、きっと喜ぶよ。

 ……そちらのMr.ホワイトはその後も息災だろうか。

 私があまり街に出ないから、世俗に疎くてね。
 会社経営をしながらも、精力的に活動していると聞く。
 見目のハンデがない訳がないだろうに、勤労は美徳だ。

 アリスさんはもうずっと彼の秘書を?

[訝し気な彼女に向けるのは、単なる世間話。
 Mr.のプライバシーに関わらない程度の他愛無いもの。]

(315) 2019/10/11(Fri) 21時頃

【人】 山師 グスタフ

[促すように緩く首を傾ければ、伺うように覗く赤色の瞳。

 彼女の瞳に過ぎる不安は彼女が人見知りであるからか、
 中年男性に彼女が慣れていないからか。

 それとも ―――。*]

(316) 2019/10/11(Fri) 21時頃

山師 グスタフは、メモを貼った。

2019/10/11(Fri) 21時頃


【人】 山師 グスタフ

[他者の眷属、と一口に括ってみるも、彼女は依存症を患っていると同時に、別のものにも囚われているようだった。

 過去なのか今なのか、ナニカなのかダレカなのか。
 ゴシップを好まない身としては一旦頭から追い出して。]

 うちのがアリスさんの為に用意したんだ。
 受け取って貰えなければ困ってしまう。

 どうぞ。

[冗句めかして告げれば、傍らから取り出すのは小さな箱。
 ビロードの色をしたラッピングに白いリボン。
 丸いカーブは白兎の耳を模して縦に長い。]

(406) 2019/10/12(Sat) 00時半頃

【人】 山師 グスタフ

[同居人から預かったものを不器用ながら包装して整えたのは己だ。
 中身はクリスマスを彩るキャンドルたち。>>1:311

 年頃の女性への贈り物として正しいのかは分からない。
 もしかしたら、己が彼女を子供の印象で覚えていたように、彼も己と大差ない認識でいたのかもしれない。
 二十年も一緒にいると自然と似てくるものであるから。

 ただ、彼女は小さな白兎贔屓。
 愛らしいものを好むなら的はそれほど離れていまい。

 ――― 彼女の聖夜になにがあったかは知らぬまま。]

(407) 2019/10/12(Sat) 00時半頃

【人】 山師 グスタフ


 ……?

[最初は不意に訪れた沈黙の意味を計りかねた。

 己は老人も病人も五万と診ているが、自身が隷属させた眷属は初めて見る。それゆえの違和感だろうと当たりを付けても、彼女から失われる平静は徐々に表面化し。]

 アリスさん、

[思い詰めたような、耐え難い何かを堪えるような。
 そんな気配が彼女から膨らむ。

 そして、見透かされるような視線が居た堪れない。
 彼女も己も外見通りの年齢ではないが、少なくとも己の感性は三十路絡みの中年だ。妙齢の女性の妖しい視線に、なにも察せないほど幼くない。]

(408) 2019/10/12(Sat) 00時半頃

【人】 山師 グスタフ

[何を考えているのか。
 なんとなく分からぬでもない。]

 ………、

[己の眼に焼き付く視線とだぶらせ ――――、
 直ぐに中てられかけた頭を振った。]

(409) 2019/10/12(Sat) 00時半頃

【人】 山師 グスタフ


 ……アリスさん、

[もう一度彼女の名前を呼ぶと、一度は取り繕ったものが壊れて再び零れた。しかも、今度は激しく。
 彼女の依存段階では、自己を律するにしても限界があるのだろう。]

 構いませんよ、私が聞いたんです。
 貴女とMr.ホワイトのこと。

[刺激となるような否定の言葉を避け、責任を貰い受ける。
 無論、その程度で落ち着くとは思っていないし、己にカウンセラーの資格はないが。]

(410) 2019/10/12(Sat) 01時頃

【人】 山師 グスタフ


 日々に不安や不満はないかい。
 怖いことや、苦しいことは。

[今は恐慌からすぐに戻ってこれたが、安定していないのは目にも明らかだった。吐き出させてしまうように静かに紡ぎ、ゆっくりと足を組み替える。
 彼女を慰めるために腕を伸ばすことはやぶさかでないが、多分、この五指では大きすぎる。]

 ―――― 貴女が気に病むことではない。
 その衝動に抗える眷属はいません。
 

(411) 2019/10/12(Sat) 01時頃

【人】 山師 グスタフ



  あなたの所為では、ないから。


[視線を彼女から外して床に捨てた。
 労わる心算が、言い聞かせるように硬い声が出た。

 言い聞かせる相手は、彼女と己と。
 
 眷属の依存に心が伴うか、など。
 議論せずとも知っているのに。*]

(412) 2019/10/12(Sat) 01時頃

【人】 山師 グスタフ

[彼女が眷属になった経緯は分からない。

 自分も人助けとは言い切れない経緯があるから強くは言えないが、公に出来ない紆余曲折を経て、彼女は今此処にいるのかもしれない。
 医者の眼から見れば、彼女の失声症は治っていなかった。
 綻びの合間からするすると零れ、度々安定を欠く。

 治さなかったのか、治らなかったのか。

 個人的意見は如何あれ。
 その性質上、血に振り回され、精神を病むのは眷属側だ。
 そのように病が蔓延り、血が穢れる。]

 ……良い、大丈夫だ。

 私は君を変えることが出来ないし、精神科は門外漢だ。
 患者ではないから、処方箋も出さない。
 

(455) 2019/10/12(Sat) 03時半頃

【人】 山師 グスタフ



 大丈夫、“私は何も出来ない。”


[両手を挙げて掌を見せた。

 己には、彼女の張り詰めた悲鳴を聞くしか出来ない。
 しかも、吸血鬼としてでなく、医者としてではなく。
 たまたまそこにあった、眼と鼻と口のある壁としてだ。

 吸血鬼と眷属の繋がりは、他者の介入を許さぬほど強い。

 だから、彼女は吐き出して良かった。
 堪えていた声も涙も。]

(456) 2019/10/12(Sat) 03時半頃

【人】 山師 グスタフ

[きらきらと光る雫が赤い瞳を透かす。
 怖れながら言葉と心を探す声に、双眸を歪め。
 ほんの少し、己も何かを耐えるように眉間に皺を刻む。]

 君たちにも心がある。
 分かっているんだ。
 
 ――― 本当に、分かっているんだ。

[小さく呟くのは慰めではなく同調。
 主への肯定だけではない嘆きを拾って。]

(457) 2019/10/12(Sat) 03時半頃

【人】 山師 グスタフ

[彼女の嘆きと謝罪に察するものがあっても、
 先に吐いた言葉通り、己に出来ることはない。
 眷属は主無しでは生きられないのだ。

 父親のロールプレイを担ってやることなら出来るが、
 既に砕けそうな精神を、更に踏み躙るほど外道ではない。

 許すことが彼女の救いなのか、
 許さぬことが救いなのかも分からぬまま。]

(459) 2019/10/12(Sat) 03時半頃

【人】 山師 グスタフ

[深い懊悩に苛まれ、眉間の皺を一層深くする。
 それでも泣きながら逃げ出す彼女に僅か安堵を覚えた。

 恐れて、泣いて、謝って。
 一生を主に縛られる眷属と言う存在にも、
 血の穢れによる執着を越える心があるのだと。

 胸に軋みを覚えて、細い息を吐いた。
 心臓が壊れそうなほど痛む。]

(460) 2019/10/12(Sat) 03時半頃

【人】 山師 グスタフ


 ……出ていくのは少し待ってほしい。
 今の君の精神状態でひとりで戻るのは危険だ。

[ドアノブを回せばすぐ外だ。
 10分歩けばバス停があって、走れば5分で街に戻れる。
 だが。]


 Mr.ホワイトに連絡を入れて迎えに来てもらうから。


[万一に備えて緊急連絡先も預かっている。
 眷属の執心は血故だが、逆を支える論理はない。
 しかし、安定を欠いたままの眷属を衆人の中に送り出す訳にはいかない。――― 少なくとも、自分が同じことをされたら平静でいられない。]

(461) 2019/10/12(Sat) 03時半頃

【人】 山師 グスタフ

[それに、なにより。
 どれだけ怖れ、怯え、竦んでも。
 結局、彼女は主の下へ戻らねばならない。

 何処にも行けない魂はすり減るだけと知っていても。
 いつ、足元の薄氷が砕けるか分からないとしても。]

 お大事に、ケイトさん。

[駆けだしたか、留まったか。

 どちらにせよ、
 その背に掛けるのは同じ言葉と同じ名前。]

(463) 2019/10/12(Sat) 03時半頃

【人】 山師 グスタフ

[不穏と安寧は同じ場所にあって、
 それでも死ぬまで生きねばならない。

 彼の彼女も、
  ―――― 己の彼も。**] 

(464) 2019/10/12(Sat) 03時半頃

山師 グスタフは、メモを貼った。

2019/10/12(Sat) 03時半頃


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