15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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―回廊― >>0 [ベネットの身体が不案内に傾ぎ、倒れる。 衰弱していたのだから無理もない、ただ……]
大丈夫か……っ
[チャールズと二人、手分けしてマーゴとベネットを助け起こす。
何故こんな事態になったのか、解らない。]
(6) 2010/07/22(Thu) 00時頃
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フィリップは、城の奥からも、声が聞こえた気がする。
2010/07/22(Thu) 00時半頃
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>>12 [安堵の息を吐くチャールズと顔を見合わせる。 二人とも意識がないようだった。
遠くの悲鳴は聞き覚えのある声。眉根を寄せる。]
……――この二人
頼んでも、良いか
[酷く真剣な様相で。 ちょっと、無茶なお願いを、してみる。]
(15) 2010/07/22(Thu) 00時半頃
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フィリップは、マーゴの意識が戻らないようなら、楽な姿勢に横たえる。
2010/07/22(Thu) 00時半頃
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ごめ、ありがと
[肯定に感謝して、確かに視線を交わして走り出す。
予感はどうしようもなく、一人の顔を脳裏に過ぎらせる。 伸ばし掛けた手を、恐れたように引き戻し。 どうすればよかったのか、なんて悩んで。
どうやっても大丈夫、とは言ったが、本気で泣かすのは許していない。 自分を大切にしない事も。
悲鳴の元に辿り着けば、アリーシャの背中が見えた。]
中っ、どうなっ……
[部屋に詰め込まれたシィラの体に驚く。]
(22) 2010/07/22(Thu) 00時半頃
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フィリップは、紅の混じる砂が流れ出せば、表情は硬くなる。
2010/07/22(Thu) 00時半頃
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>>@2>>24 [我に返ったようなアリーシャの返事に頷き、その肩を叩く。 何に対してか、表情は厳しく。 しかし、室内に視線を向ける時には穏やかになる。]
……――ヨナ そこに、いるのか セシルも
[静かに問う。]
……中に、入れてくれないか?
[怪我人、が居るのなら、手当が要る筈。]
(25) 2010/07/22(Thu) 01時頃
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>>28 [それは、どう言う意味かと。問うより見た方が早い。 『セシル』とすれ違い際、おはよ、と小さく声を向けて。
……嫌な予感通りの光景を見た。]
……ラルフ
[名を呼ぶ声は響かない。 紅い砂に塗れた体を挟んで、丁度ヨナの反対に膝をつく。]
(30) 2010/07/22(Thu) 01時頃
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フィリップは、二人の様子に、言葉が出ない。
2010/07/22(Thu) 01時頃
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>>34
……ヨナ、待て それじゃ、手……痛めるから
[まるで、ラルフの身体を元通りにしようとする動き。 この状況で傷付かないようになんて、無理な話なのに。 傷口に砂を詰める手の上に、自分の手を乗せようと伸ばす。]
無理、するな
(36) 2010/07/22(Thu) 01時半頃
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フィリップは、そうして、ラルフの顔を手で拭う。
2010/07/22(Thu) 01時半頃
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>>38 [泣き腫らした眼に揺れる青色の眸を見返し。 崩れ落ちる身体の華奢な肩を掴んで。 横たわるラルフと、まとめて抱き寄せた。]
……っ
……――かやろ、
[呟きは掠れ消える。]
(39) 2010/07/22(Thu) 02時頃
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[それからそっと、腕を離して。 ヨナの体を抱えてベッドに運ぶ。 ……返り血を浴びたシィラを見た。
ラルフの体を清めてやらないと。 傷だらけでも、元通りにならなくても。
向き合って傷付くとしても。
自分の外套でラルフを包んで抱え上げる。 彼の手が彼自身を傷付けないよう、慎重に空き部屋へ運んだ。 血が流れても、ずしりと重い。 それでも、自分より背のある相手を運べるのは多分。 戦場慣れの所為なのだろうな、とどこかで思う。]
(43) 2010/07/22(Thu) 02時頃
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……着替えは、ないかも、知れな、けど …したら、ごめんな
[そんな事を呟いて。 遺体に手を掛けるのは、ただの生者の感傷だけど、それ位は許されても良いと思う。
水を汲みに、泉に向かって。 癖のようにその光景に見入る。]
(44) 2010/07/22(Thu) 02時頃
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―中庭―
[泉の縁に、ことりと手桶を置く。 そこで不意に身を曲げて、幾度か咳をした。]
……げほ、けふっ
[水面に映る自分と目が合う。 何か押し隠した、随分厳しい顔をしていた。]
[ぽちゃり]
[泉に寄り添う梢から雫が落ちて、とける**]
(50) 2010/07/22(Thu) 02時半頃
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フィリップは、木の葉の浮かぶ波紋を、ゆるりと目で追った**
2010/07/22(Thu) 02時半頃
フィリップは、気を取り直して、泉から水を汲む。
2010/07/22(Thu) 08時頃
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―中庭― >>70 [ホリーの姿があったのは、自分より先か後か。 誰もいない、ように見える方向に話し掛けたように見える。 それとも誰か隠れているのかと、目を細めるけど。
――さらさらと梢が鳴る位で。
泉の傍に立つ樹木の異形を見上げる。]
……――
[ふと、誰かの名を呼びそうになって、止めた。]
(75) 2010/07/22(Thu) 08時頃
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>>76 [ホリーがこちらを振り返る。 目を合わせて、首に掛けたゴーグルを指先で弄った。]
……誰か、居るのか?
[ホリーが声を掛けていた方向を見遣った。]
(78) 2010/07/22(Thu) 09時頃
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>>79 [そうか、と静かに相槌を打った。]
……けど あんま、嫌な感じ……ないな
[どちらかと言えば逆の感覚がある。]
一応、気、付けろよ
[……ラルフの事をいきなり告げるのは、少ししんどい。 曖昧に注意を促して、その場を離れる。
遺体の所に戻って、流れた血と砂を清めて行った。 それが済んだら、チャールズ達の様子を遠目に確かめて。 最後、ヨナの塒に向かうつもり**]
(80) 2010/07/22(Thu) 09時半頃
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>>86 [回廊の方から、チャールズとベネットの姿が見えた。 一人足りない事に気付いて、とと、と近付く。]
……マーゴは?
[ガストンが介抱に連れて行った事が解れば頷く。 二人の様子を見て。 ……深くを問う事はせずに、また離れる。]
(95) 2010/07/22(Thu) 13時半頃
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>>97
――……
[自分の身に移った血の匂いは、多分亡骸に触れた時の。
問われたら。 隠し通す事も出来ない。]
ラルフが襲われた
[苦味走った砂の声は、尋ねられれば遺体の場所も告げるが。 経緯が解らない以上、理由は説明出来そうにない。]
(98) 2010/07/22(Thu) 14時頃
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そんな 死ななきゃ…けないみたいな
言い方、止せ
[去り際、ベネットを振り返った。]
(99) 2010/07/22(Thu) 14時頃
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―ヨナの塒―
[戻った時、シィラはいなくなっていた。 セシルとコリーンが、並ぶように目を閉じているのを見て。 紅い砂の流れた床に眉を寄せた。
去り際のベネットの言葉、言いようのない微笑を思い出し。
部屋の戸口に肩をもたれて、吐いた溜息は酷く長い**]
(103) 2010/07/22(Thu) 16時半頃
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[セシルとコリーン、二人に適当な布を見繕って掛ける。 窓から外を見た。 ここからはシィラは見えない。
……まだ泣いてんのか。 ベッドで頬を伝う雫に気付き、それを拭った。 足元に水の入った手桶を下ろす。
一つ、考えた事はあって。 でも口にはしない**]
(109) 2010/07/22(Thu) 18時頃
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[ヨナが目を覚ましたなら、布を水に浸して手を拭う。 自分でやれ、と言ってもまともにやらない気がしたので。
目を覚ましたセシルはさっきとは別人みたいだった。 実際まるで、別人が心(そこ)にいるみたいに話す。
交わされる言葉を止める事はしない。 ……自分が言葉を選んでも多分、現実を叩き付ける。]
…………
確かめるか?
[泣き腫らした目を見て問う。]
……ちゃんと向き合う、つもりがあるんなら
[ラルフの、遺体の場所に連れて行く。と、暗に示した**]
(127) 2010/07/22(Thu) 20時半頃
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>>130>>131 [部屋を出る二人に、一つは首肯して、一つは否定した。]
どう致しまして、かな
…………――生きてるよ
ここに居る人達は 生きてる
(148) 2010/07/22(Thu) 21時半頃
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>>141 [譫言のように、機械みたいに繰り返す言葉を聞いて。
ぽふ、と緩く手を握った。
>>1:253言葉を思い出す。]
ヨナ
……――お前は、ど…言う風に、生きたいんだ?
[尋ねるのはそんな事。
何が望みで。 本当はどうなりたいのか。]
これから、先
[この、最後の町で。]
(149) 2010/07/22(Thu) 21時半頃
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>>154>>155>>167 [淡い願い。 それは過去形じゃなくて。]
……今からでも、遅くはない 多分、あいつ……待ってるし
[不意に、傍らに視線を遣るヨナの姿を不思議そうに眺め。
……もしかしたら、と、 もうだめなのか、と、 心に入り混じる。]
(186) 2010/07/22(Thu) 23時頃
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フィリップは、響き渡る異形の声を聞く。
2010/07/22(Thu) 23時頃
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>>202 [青い眸を見返して、砂の声は落ちる。]
もし、生きてなかったら もう、それっきりか?
[生きている事にも、生きていた事にも、意味はある、と思う。]
……――ラルフがヨナにくれたものは なくならない
……違うか
(209) 2010/07/22(Thu) 23時半頃
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フィリップは、チャールズの聖痕が、彼を苦しめていなければ良いと思う。
2010/07/23(Fri) 00時頃
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>>212 [静かに首を振る。]
……――っ
[シィラとヨナは別物だ。 それを説明するんじゃなくて、解ってもらうのに。
二人の本当の願いがきっと寄り添っていた事を伝えるのに。
どうしたら良いんだろう。]
お前はきたなく、なんかないだろ……ッ
あいつがちゃんと、っ教えてくれたのと、違うのか、っ
[ざり、と、喉の奥が擦れた気がした。]
(221) 2010/07/23(Fri) 00時頃
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>>223
……ばか、だな
[ぺし、と頭を撫でた。]
一人で背負、のが しんど…事だ、て……るだろ
そんな、完璧……に 綺麗、なれる訳、ない
[そう、どちらでもない。]
誰かの心を 求める、のが
……ひととして、普通、の事
(230) 2010/07/23(Fri) 00時半頃
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……――同情する程、甘くは
ないから
お前は、ちゃんと ラルフと、向き合え
[……耐え兼ねて、やけに重い咳が零れた。]
(232) 2010/07/23(Fri) 00時半頃
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フィリップは、口を押さえ付けて、嫌な感触を、飲み込んだ**
2010/07/23(Fri) 00時半頃
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>>233 [ヨナに幾つか頷いて見せて、手を引いて。 異形の声を警戒しながら、近くの部屋へと連れて行った。]
入…前に、約束
自分、責めな、い事……あと
心を、逸らさない、事
あの怖がりが、逃げ出さ、いよ…に ちゃんと
[そうしてドアを開ける。
生憎、ベッドが全壊していたから、床に布を敷いて。 顔や体を綺麗に拭って、肩から下に掛け布をして。
まるでそこに、眠らせるように、してある**]
(235) 2010/07/23(Fri) 01時頃
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>>242>>243 [ヨナがとめどなく泣いて。 死んでいない、と。 ラルフの名を呼んで、幸せそうに笑うのを見て。
フィルは、かたく目を閉じる。 ……生きる事と死ぬ事の線引きに、囚われているから。 ラルフのたましいに気付く事が出来ない。
思いを全部、呑んで。 佇む。]
(245) 2010/07/23(Fri) 02時頃
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