196 水面に映る影より遠く
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[色とりどりの花火が、咲いている。 花が咲いてはしぼみ、また花を咲かせる。 実になることは永遠に無く。 散るために咲き誇る。
ひとはそれを、きれい というのだろう]
そーだな。 楽しそうで良かった。少しだけ、不安だったから。 八竹より素敵なひとなんて、早々いねえよ。
[その一つがまた、散った>>2:445 散った花の色は思い出されることはなく。 他の花と共に水の中に沈んでいくのだろう]
(21) かの 2016/08/23(Tue) 22時半頃
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[切り取った一瞬の想い出をを形に。 小さな想いを、遠い未来へと繋ぐための。
たとえ、俺がその時に彼女を思い出すことが無かったとしても。 記憶のいとをいくら手繰り寄せても、 思い出せない想いであったとしても]
(22) かの 2016/08/23(Tue) 22時半頃
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さんきゅ、大切にする。 後で送るから。 今日の花火の写真も全部。
[いつか見るこの写真の隣に、君がいないとしても。 みんなに笑われたとしても。 それでも手元に残るから。 八竹と俺の、想い出の形として。
一枚の絵となって、ずっと傍に在る。 写真の中、閉じ込めた彼女は、笑ってくれているのだろうか]
(23) かの 2016/08/23(Tue) 22時半頃
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どうして、って、 ……嬉しかったからに決まってんだろ。
[その時聞こえた声>>2:-133に、俺は瞳を丸くした。 驚いたからではない。 心のどこかで解っていたんだ。 転校するのが、八竹だということ。
俺に教えてくれるなんて、思ってなかったから]
(24) かの 2016/08/23(Tue) 22時半頃
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[そうして浮かんだ笑顔>>2:453は綺麗で、美しくて。 そして、消えてしまいそうなくらい、儚くて。 浴衣の袂を掴むなんて無作法なことはしない。
同じように立ち上がって、 手を掴もうと、自分のそれを伸ばした。 そうしないと、どこか遠くへ行ってしまいそうだったから *]
(25) かの 2016/08/23(Tue) 22時半頃
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[それから、どんなことを話しただろう。 なにか、話せたのだろうか。 願わくばそれが全部 褪せない記憶となってこの胸に留まりますよう]
(31) かの 2016/08/23(Tue) 23時頃
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[沢山の写真を撮った。 ひとつひとつを、忘れないように。 そうしたら、もしかしたら俺も撮られたのかな>>2:471
へび花火を結局することは無かったんだと思う。 あれは明るいうちにやるもんだから、来年までお預けかな。 付き合ってくれるなら、また来年。 嗚呼、でも。 受験とか、甘酸っぱい何かで優は忙しいのかな]
(32) かの 2016/08/23(Tue) 23時頃
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ゆたか、
[名を呼ばれれば>>2:472、いつもと同じように。 呼び返して、花火から視線を上げた]
そーだな。
[お前が楽しいって思ってくれてるなら、俺も。 花が咲いたように輝くその笑顔は、 散ることも、褪せる事もない。
もうすぐ散る花火の光で照らされた表情に 口元を綻ばせて微笑んだ *]
(33) かの 2016/08/23(Tue) 23時頃
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- 朝 -
ヒナ、おはよう。
[にゃー、とかなーお、ではない。 お嬢さん、と呼んでいたもの昨日まで。 飼い主さんに見つかったら、きっと怒られてしまう。
今日もまた、ここできみに会えた]
(35) かの 2016/08/23(Tue) 23時半頃
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ありがとう、
[昨日と同じ、校章の入った紙を開いた。 丁寧に折られたそれは、 一目で自分が括り付けたものでは無いと分かる。
同じ学校、ヒナという名前。 女の子らしい可愛い字。 少し考えればわかる事。 けれどまだ、知らない振りをしていたい。
しらない誰かと、細いいとで繋がっていたい]
(36) かの 2016/08/23(Tue) 23時半頃
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[どうか、どうか。 届きますように。 願いをかけて、今日も学校への道を辿る]
ヒナ、じゃーな!
[水着も、花火も入っていない鞄をさげて。 ポケットの中に突っ込んである携帯。 優への返信>>4はしないまま。 いわゆる既読スルー。 だって昨日返事したし、いいかなって。
欠伸を噛み殺せば、大きく伸びをした。 昨日よりも、一昨日よりもひとの少ない通学路。 補講が終わった今日、 昨日のメンバーとすれ違う事は無かっただろう **]
(37) かの 2016/08/23(Tue) 23時半頃
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[まだ誰も来ていな弓道場は、とても静かで。 昨日までの賑やかさが少し懐かしくなった。 主将になったからって、何か変わった訳では無い。 強いて言うならば、周りからの見る目。 それに、弓道部主将と呼ばれることで 俺の名前が消えていくこと。 そして遠い未来まで、残される事。
それは、少しだけ恥ずかしい]
(121) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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( 言葉に出来ない想いは、 どこにいけばいいんだろう )
[深呼吸をひとつ。 身体に沁みついた動作は、一寸も狂ううことは無い。 物心ついた時からずっと、弓を握っていた。 だから、俺にはこれしかないと思い込んでいたし、 ここに逃げてきて、それが事実だと知った]
(122) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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( 俺にはこれしかないんじゃなくて、 沢山あるものの中から俺はこれを選んだんだ )
[好きだから、好きなように。 沢山寄り道をしながら。 ブロック塀の上の猫を撫でながら、 たまには星を見上げて。 風鈴のおとに耳を澄ませよう]
(123) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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はよー
[人が集まってくれば挨拶だけを返して、 また的に向き直る。 主将、なんてからかいながら同級生が呼んでくるものだから]
ばぁか、
[照れくさそうに、耳まで赤くして。 口元を綻ばせたんだ *]
(124) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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[さみしい、なんて>>-377
俺にも滅多に言ってくれない言葉を誰かに 間違って送ってしまうくらいお前は、 ほんとはそいつに来てほしいんじゃねーの?
なんて。 そんなこと知らない俺が思う事は無いのだけれど]
(125) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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にーちゃん。 浴衣、俺のもついでに出しといてー
[今日の部活は午前まで。 元々自由参加で、顧問は適当な時間に覗きに来るだけだから。 その日の集まり具合や気分によってコロコロ変わる。
今日は、夏祭りにいく!って奴が大半を占めていたから。 もちろん、俺もそのうちのひとり]
(126) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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……かっこいい? 似合う?
えー、俺が言うの? どーせデートなんだろ?言ってもらえばいーじゃん。 はいはい。にいちゃんかっこいいよ、似合ってる。
[濃藍色に染められた生地に、 淡藤色で藤の花があつらえられた着物を着て、 くるり、回ってみせた。 信玄袋に携帯と、財布を入れて。
時計を見ると長針は12を、短針は4を指したところ。 少し早いだろうが、誰かいるだろうか。 下駄を履けば、カランと音が響く]
(127) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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は?俺はデートじゃねえし。 じゃ、いってきます。
[はやくきて>>119 それが送られてくる前に、家を出た]
(129) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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( なーに、してんだか )
[面白いから暫く眺めていようと決めた矢先、 信玄袋の中の携帯が震えた。 開けば、それはまだ俺に気付いていない彼からのもの。
仕方ない、なんて胸中で呟いた]
(130) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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……だーれだっ
[見つからないように背後に回り込めば、 両手で彼の目を覆って。 思いっきり可愛く、耳元で囁いた *]
(131) かの 2016/08/24(Wed) 22時頃
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せーかい。
[そのまま耳元で、また囁いて。 くすぐったがりの彼の肩>>143が大きく揺れるのを、 楽しそうに見つめた。
でも、可笑しいな。俺結構頑張ったんだけど。 ばれないと思ったんだけどな?]
(165) かの 2016/08/25(Thu) 00時頃
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[手をかけられれば、目を覆っていたそれを離した>>145 ばれてしまったもの。隠す理由はもうないのだから。 こちらへ振り向いた彼と目が合った]
馬鹿とはなんだ、馬鹿とは。 優がはやくきて、って言うから飛んできたのに。
[ぐーぱんちを避けることはせず、掌で受け止める。 誰に見られていようと別に構わないのだが。 後ずさりをされているのを知れば、 流石に少し落ち込むかもしれない]
(166) かの 2016/08/25(Thu) 00時頃
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似合ってる? ……ありがと、嬉しい。
優もかっこいーよ。 いつもと違う感じで、新鮮。 一瞬誰だかわかんなかったもん。
[じろじろ見られれば>>456、 見すぎ、なんて少しだけ恥ずかしそうに頬を赤らめて、 手の甲を口に当てて顔を隠した]
(167) かの 2016/08/25(Thu) 00時頃
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さんきゅ、そーする。
[隣に腰掛ければ、小さく息を吐く。 服装が変わると雰囲気もこんなに変わるのか。 どこを見ていいか分からず、 しばらくは視線を彷徨わせていた]
今日は何食う?彰人がたこ焼き奢ってくれんだっけ? 折角だから、射的とか金魚すくいもしたいよな。
[なんと返ってきたのだろうか。 俺は一端、言葉を区切って、視線を下に向けた]
(168) かの 2016/08/25(Thu) 00時頃
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…… なあ、デートの話って まだ有効?
[できるだけ、冗談交じりの声音で。 視線は下に向けたまま、声を紡いだ]
(169) かの 2016/08/25(Thu) 00時頃
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[やっとの思いで絞り出した小さな想いは、 俺の心の内を知られることなく>>181 いつも通り、他愛ない冗談として伝わっていく。 俺が心を隠すのが上手いから? 彼がそういうのに酷く鈍感だから?
そうじゃ、なくて]
(207) かの 2016/08/25(Thu) 07時頃
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( 友達としか見られてないって、 きっとそういうこと。 どう足掻いても、それ以上になんて なれないってこと )
[当たり前のこと。 当たり前なのに、胸の奥が少しだけ痛いんだ。
心の内に渦巻く感情を、何と呼ぼう]
(208) かの 2016/08/25(Thu) 07時頃
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[下に落ちていた表情を上げる。 隣にはからかうように笑う優の顔。 同じように笑えば、いつもの調子で]
やーりい。 食べる!初恋の味。 実は優は俺より先に初恋済ませちゃってたりしてー
じゃーさ、集合時間まで デートな。
[けってー!と言って時計を見れば、 長針が丁度4を指した所だった。 立ち上がり、右手を差し出した]
(209) かの 2016/08/25(Thu) 07時頃
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お手をどーぞ? 優は慣れない浴衣で歩きにくいだろ。
それに、人多いから逸れちゃうかもしれないし、
[その手は、取ってもらえたのだろうか。 どこも変じゃなかったはず。 いつも通りを意識して。 冗談っぽく笑えていたはずだから]
(210) かの 2016/08/25(Thu) 07時頃
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