184 【RP】Septimo Oves Errantes【R18】
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[大量の資料に目を通してはいるが、先程はあれだけあっさりと見つかった、ここに集められた者たちの資料は目にする事が出来ないでいた。 此処にはどれだけの人物の記録が収められていると言うのだろう。 そして、流石に大量の資料を目にしているうちに流石に気づき始めた。
──生年月日の記載が可笑しい──
詳細に人の過去が書いてあるように見えて、此処だけ出鱈目を書いているのだろうか? その様には考え難いものの、生まれ年が過去の物は兎も角未来の年月日のものまである。 確か、今は────。
(大正12年……西暦では、…1923年?)
西暦では断言し切れないが、そう大きくは外していない筈だ。 そして今、手元にある資料の人物は1950年頃の生まれとされている。 これは、どう考えれば良いのだろう? 然し。娘はこれは考えているだけでは仕方が無い事とその見知らぬ人物の資料を三人分ほど胸に抱えたまま、また真っ直ぐに歩き始めた。 向かうのは己の資料を隠した場所。 記憶通りの場所に辿り着くと、娘は自分の資料を開いた。其処に矢張り、己の鮮明な姿絵がある。 己のものと、誰とも知らぬ資料を合わせて抱え込むと、娘は足早に本棚の部屋から立ち去っていく]*
(1) 2016/02/25(Thu) 08時頃
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[木を隠すなら森の中。 資料を隠すなら本棚の中? ────いや、此処には目を通すものは資料しかない。皆、遅かれ早かれ資料を目にするだろう。
ならば、隠してしまってはどうか。 皆が目を通す場所ではなく、あの視界の聞かない漆黒の場所へ。
娘は一度、己が軟禁されていた"傲慢"の部屋へと向かう。 誰かに見咎められたかもしれないが、「疲れてしまいましたので、1人になれる場所で休憩しながら考えさせて頂きますわ」とでも告げて「御機嫌よう」と立ち去るだろう]
(2) 2016/02/25(Thu) 08時頃
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[そして、己と見知らぬ三人分の資料と共に"傲慢"の扉の中へ。 其処は相変わらずの暗闇だったか。 壁に手を添え壁伝いに歩きながら、その成るべく奥へと向かっていく]**
(3) 2016/02/25(Thu) 08時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/02/25(Thu) 08時頃
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──"傲慢"の部屋に入る前──
[4人分の資料を抱え、首無し男が出てきた扉から自分もまた出ようとした時である。 "どこか行くんですか?"と、先程悲鳴をあげていた情け無い男から問いかけを受けた。(>>4オスカー) だから、相手には眉尻を下げて少しだけ困った風を装ってみる。 今はもう既に顔は平素に戻った顔色。それでも、少し疲れているのは本当だから、疲れは装う事も無かった]
ええ、少し疲れてしまいましたの。 ………ですから、1人で休めそうな場所で考え事をさせて頂きますわ。 御機嫌よう。
[相手はどの扉から出た相手だったか。 色欲、強欲、憤怒、嫉妬。 その4人は確りと把握出来ていたが、彼はどの扉であったか。 疑問を抱いたものの膝を曲げ軽い会釈をし、そのまま"傲慢"の部屋へと入っていく。
そして、中に入ればピタリと扉を閉じ、深い深い闇の中へ]*
(10) 2016/02/25(Thu) 12時半頃
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──"傲慢"の扉の中──
[壁を伝い、暗闇の奥深くへと歩みを進めていく。 袴姿であるのに摺足になってしまうのは、足元に穴でも空いていれば堪らないからだ。穴に落ちて足を挫くだけならばまだしも、奈落に落ちてしまったならば命の保証はあるまい。 どれだけ奥に進んだだろう。資料のうち、手探りで順番を違えぬよう自分の物を握り締め、部屋の奥深くへと投げ入れた。 その後、矢張り壁を伝い元の道、扉の方へと歩いていく。 そしてそっと扉を開き明かりを差し入れると、ぱらりぱらりと残った資料の頁を手繰り視線を落とした。 違えず、自分の資料は闇に包まれた部屋の奥へと隠せた事を確認する]
(16) 2016/02/25(Thu) 15時頃
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(これで、私の資料はあの中からは探せませんわよね)
[そっと、残された三人分の資料は扉の横、光の射す位置へと重ねて置いておく。 1人分が消えるならばともかく、抱え込んだ4人分が3人分に減ったくらいは気付かれにくい筈。 隠した、と思われなければ良い。 扉の隙間から外を伺うが、今は他に誰も居なかったか──生きている者は。 辺りを伺いながらそっと扉から出てくると、扉を閉ざした後に向かってみたのは"嫉妬"の扉の前。 さて、彼女はまだ扉の内側にいるのだろうか]
────もし?
[そっと声を掛けてみる。 果たして、返事はあったろうか]
先程は失念しておりましたが、御髪を整えて差し上げましょうか? **
(17) 2016/02/25(Thu) 15時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/02/25(Thu) 15時頃
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──"嫉妬"の扉前──
[声をかけ様子を伺えば、薄らと扉が開く。(>>23ヨーランダ) 矢張り、ずっと此処に隠れていたのだろう。 その鎖が外されていたのは知らなかったし、何故か彼女にだけ足枷と首枷がなされているのは思えば不思議だったのだが、それでも相手が女と言うだけで娘には少しだけ都合が良い。 女の園で生きてきた娘には、女の方が余程扱いやすいように思えていたのだから。 薄らと開かれた扉がもう少しだけ開く。 そして、漸く今の女の姿を改める事が出来た。
(────見すぼらしいですこと)
折角渡してやったリボンは、適当に括られている為に見るに堪えない状態になっている。 本来ならば乞食のような女にこれ以上手を掛けてやる事も無いのだが、利用価値を高める為ならば]
(27) 2016/02/25(Thu) 19時頃
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私も、今は櫛を持っておりませんから手櫛で堪忍して下さいませ。
[そして、扉の境で相手の背に周り、一度リボンを解いては手櫛でその白い髪を梳いていく。 どうせならば三つ編みにしてやりたい所だが、放置されていたらしい髪では後れ毛が目立ち醜くなるかもしれない。 それを思えば、先程女がやろうとしていたように、髪の流れを指先で整えながら高い位置で一つに纏めてやった。 先程よりは余程マシになった事だろう。 然しそうしてやりながら、相手の言葉には背後で片眉を上げ笑みを消す。 ピタリと一瞬だけ指先が止まったが、直ぐにキュッとリボンを結び直してやった]
──私も驚きは致しましたわ。 悍ましいとも思いはします。 けれど、こんな奇天烈不可解な状態に巻き込まれて、立ち止まるのは性に合いませんの。
……あの部屋の先には、資料が。
(28) 2016/02/25(Thu) 19時頃
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[相手の問いにあくまで自然な声で語る。 そして笑みを浮かべ直せば、「少しお待ちくださいまし」と、相手の背後から離れて傲慢の扉へと向かう。 少し開き、扉の脇に置いてあった資料3人分を持ち出せば、扉をピタリと閉めてまた女の元に戻ってきた。 そして、無関係3人分の資料を相手に差し出してみせる。 1800年代、1900年代、そして2100年代の生きた場所も時代も別々の人物の資料だ]
あの部屋には、大量の資料がありましたの。 そして見ての通り、犯罪歴が記されておりました。 けれど、ご覧くださいまし。 過去の記録は兎も角────未来の生年月日の物までありませぬか?
其処に記されている犯歴も、悍ましいものばかりですが……。
[とは言え、その3人分の資料の罪はまだ軽い方。それでも、殺人と性犯罪と強盗殺人のものがそれぞれか。 口元に拳を添え、視線を伏せて見せてからそっと問いを向ける]
(29) 2016/02/25(Thu) 19時頃
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この資料の信憑性を確かめる為にも、お姉さまにお伺いしたいのです。 ────貴方様の生きる時代は、私と異なるのかと。
[視線を上げ、相手を真っ直ぐに見つめ直す。 凛としたその表情は、憂いも不安も現れる事はなかった。
傲慢な娘は、この女は良い様に出来そうだとタカをくくってもいたのである]
(30) 2016/02/25(Thu) 19時頃
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──"嫉妬"の扉前──
[相手の内心には気付かない。 何処までも臆病で、不甲斐ない女なのだろうと見下してしまう。 この女が重要かもしれぬ鍵や食料を持っている事も知らぬのだ。 思えば、自分はどれだけ此処に居なければならないのだろう。
(1人を指し示すまで────?)
ならば、適当に自分以外を選ばせれば良いのだ。 自分の心の中は既に決まっている。 婦女子に乱暴を働く上、猟奇的に女体を保存するなど────それが必要である事では無いならば理解に苦しむ。 何事か自分に起きなければ、そのまま あの色欲の異人を指し示すだろう。 そして、相手の言葉に耳を傾ける]
まあ…、私は1907年の生まれですわ。 それが本当なら、国どころか時代すら違う方々がここに………?
おねえ、さま?
(38) 2016/02/25(Thu) 20時半頃
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[然し、思考を巡らせようとする間もなく、白髪の女は歌を歌い始める。 意味は何故か分かった、分かったが不愉快な歌だ。 そしてフラリと女は立ち上がり、何かに誘われるかのように本棚の間へと向かっていく。 呆気に取られたように相手の背を見送っていたが、小さくため息をついた。
あの女とは、まともな会話を長くするのは難しいのかも知れない、と。 そして、扉の境にいた女は辺りを確認する。
────その"嫉妬"の扉が開かれたままならば、興味本位で中を覗こうとするだろう。 もし、外からの光が届く位置に"何か"があったならば、その興味のままに中に入るのだろうが、そもそも扉は開いたままだったろうか。 閉ざされていたならば、暫し呆然と彼女を見送った後、再び手元の資料を開き見るふりをするのだ]
(39) 2016/02/25(Thu) 20時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/02/25(Thu) 20時半頃
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──"嫉妬"の扉前──
[立ち去っていく白髪の女(>>40ヨーランダ)を見守っては僅かに眉を顰めてしまう。 せめて、あの首無し男からもう少し離れて歩けばその服の裾を踏む事も無かっただろうにと。 そして、視線を嫉妬の扉の内側へと向けた。
────何か、ある。
あの女は此処に何かあるかとは言っては居なかったが、何が置かれているのかと扉を開け放したまま中へと入ってみた。 そして見つけたのは、ある程度の食料。 ────何故、こんな物がこんな所に]
……私の部屋にはありませんでしたわね。 これは、一体……?
(42) 2016/02/25(Thu) 21時頃
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[盗ろうとは思わぬが、何故ここに食料があるのか。 疑問を抱きながらも、恐ろしい想像が頭を巡り思わず自身の腕を握りしめる。 悲鳴を上げて、逃げ惑って、しかしそれが全て演技なのだとしたら? ────あの女、なかなか食えぬかも知れぬ。
一度、娘は嫉妬の扉を大きく開き、その外側へと腰を下ろしては改めて手持ちの資料を広げてみせた。
さて、これからどうすべきか。 資料には思考は向かず、頁を手繰る事も無いままそのまま暫しぼんやりとしているのだった]
(43) 2016/02/25(Thu) 21時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/02/25(Thu) 21時頃
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[視界の端には首無し男。
──不気味とは言えあの肉も特効薬になるのか。
しかし此処には焼く火が無い。
──もしかして、焼いてしまっては効果が無い?
食料よりも余程気になる。
──あれは薬になるのか否か。
火浦の血は残さねばならぬ。
──庶民たちなどより尊い血を。
ならばあの肉も試しに喰らってみようか──?]
(*1) 2016/02/26(Fri) 00時半頃
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[ぼんやりと、資料を眺めるふりをするつもりがいつの間にか首無し男を見つめていた。 しかし男の肉は硬そうで ──しかし子供の肉では特効薬にはならぬのかとか ──自分よりも兄に喰わせねば意味が無いだとか そんな、今考えても無意味なことをつい考えてしまう。 小さくため息をつき、一度静かに瞳を閉じた]
(61) 2016/02/26(Fri) 00時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/02/26(Fri) 00時半頃
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[その悲鳴に娘は目を見開き全身を強張らせた] (>>77ヨーランダ)
────何事ですの?
[訝しむ視線を辺りに巡らせるが、その叫びはどうやら今自分が境にいた、嫉妬の扉の奥側からでは無かった。 それぞれの扉の奥は知らないが、今、皆が居るのは────恐らく。
懐から小刀を取り出す。 護身用にと持たされたそれを護身に使う事はなく、特効薬を得る為だけに使ってはいたが、何も持たぬよりはマシだろう。 緊張した面持ちで、しかし走り出すような事はなく再び資料室へと向かう。
嫉妬の扉は開け放たれ、資料は散乱したまま。 再び、記録の間へと足を踏み入れていた]
(81) 2016/02/26(Fri) 06時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/02/26(Fri) 06時半頃
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──記録の間にて──
[記録の間へと足を踏み入れる。 コツッ、コツッ、とその踵が鳴る音は決して早くは無い。走っていて見落とす方が余程恐ろしい。
──何事か起きているのだとしても、肉壁一つ失われたに過ぎぬかもしれぬのだし。 状況は確認すべきだが、慌てる必要は無いのだ。
自分の居る方からでは無かった、しかし資料の間の何方らからまでかは流石に分からない。 しかし歩みを進めるうちに、黒づくめの男──今はまだ確りと把握はしていないが、暴食の彼を視界に捉えた。 その時はまだ何かを食べていたか(>>25オスカー)、それとも流石に何かをしようとしていたか]
────もし。 今の悲鳴は────?
[小刀を握る手に力がこもる。 緊張した面持ちは僅かに青ざめていただろう]
(88) 2016/02/26(Fri) 08時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/02/26(Fri) 08時半頃
看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/02/26(Fri) 12時半頃
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──暴食と、強欲と──
[暴食の男の様子は如何だっただろうか。 一声掛けたが、そのままツイと顔を部屋の奥へと向ける。 バサバサと紙が落ちる音が響いた方へと(>*9ニコラ) そして、人のうめき声も届いたか。 それを受け、緊張した面持ちのまた告げた]
────私は彼方を見て参ります。 あなた様は、如何なさいます?
[その、返事も聞かぬままだろう。 コツリ、コツリ。 急がぬ足取りではあったが、事の詳細を知る為にはここで相手に言葉を聞いても仕方なしと思えたようだ。 相手がついてきたとしても、別の方向に行ったとしても、留まったとしても特に気には止めなかっただろう。
そして歩いて行けば血の臭いが濃厚に漂ってくる。 ヨーランダに渡したリボン(>>92)は血溜まりに落とされていただろうが、資料の山の中へと消えていたかもしれない。 そしてその資料の山の中には────]
(96) 2016/02/26(Fri) 18時頃
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………ニック様?
[瞳と、脇腹と、肩とから血を流す男の姿があった(>>94ニコラ) 一度足を止めてしまうが、眉をキツく寄せては小刀を一度懐にしまい、その代わりに手拭いを取り出しては相手の目の下へと押し当てようとした。 白いそれが血に染まるのは構わない]
酷い事を……これは、何方が?
[物は汚れれば棄てれば良い。 使えなくなれば新しい物を用意すれば良いのだ。 この男からは、先ず何があったのかを聞かねばなるまい。
捨てるとしても先ずそれからだ。 だから、手拭いで血を拭おうと試み、嫌がらなければそのナイフに触れて抜こうとでもしながら更に止血して優しい声を掛けてやろう。
腹の中では酷く冷淡に、優しい娘を装ってみるのだ]
(97) 2016/02/26(Fri) 18時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2016/02/26(Fri) 18時頃
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[血は似合わない──── そんな事、貴方が決める事では無い。 そんな風に言ってしまいたいが、男である彼がこれ程までに手傷を負うとは。 労ってやらねばなるまい。 そして、手を下した相手を警戒せねばなるまい。 白い手拭いが血に染まる。それでも強目に押し当てれば、少しはその流れる血を止める事は叶うのだろうか。 女は知らない。どの程度の血が流れれば、人は死に至るのか。 紐で子供の細首を縊り殺した事しか無いのだから。 青白い顔は生者の血を見たからだろう。 死者の血ならば、何とも思いはしないのに。 抜いたナイフはカラリとその場に落とした。肩の物を抜けば、懐から普段は首を締めるための紐で肩に強く巻き付けての止血を試みる。 腹部に刺さったそれには手を伸ばしかけて、然し寸での所でそのナイフに触れる事を止めていた。 止血する道具が足りなかったから]
(109) 2016/02/26(Fri) 20時半頃
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[────では、ない]
(*12) 2016/02/26(Fri) 20時半頃
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[そう言えば肝は滋養に良いと聞いた事がある。 人魚もその肝を食らえば不死の体を得られるのだとか。 もしや、天刑病の特効薬となる人肉の部位が間違っていたのだろうか。 肝を喰らえば、あるいは────?]
(*13) 2016/02/26(Fri) 20時半頃
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[然し、この男を傷付けた相手が警察を名乗った男であると聞けばハッと我に返った。 辺りをよく見れば資料の山が途絶えたあたり、血痕が続いている。 あの方向へと逃げたのだろうか。 よく見れば扉もあるでは無いか。
一度立ち上がり、その扉へと向かいドアノブを回してみる────開かない(>>108ケイイチ) 辺りに鍵が落ちていないか視線を巡らせながら、そっと扉へと耳を押し当ててみせたが音は何か聞こえただろうか。 どちらにしても、小さく溜息をついて]
────もし、ニック様。 此方の多量の血は…………?
[やられたから、やらざるを得なかったのか。 それが、もう1人ここに居た人物を知らぬ身では、続く血痕と扉前に残された其れが、相手の物というよりは小競り合いの末、警官が流した血にも思えた。
ならば、先に手を出したのは何方だろう? 警官が手を出したと言うのならば、どうしてここに逃げ込むような事をしているのだろう。
果たして凶行に及んだのは誰だ?]
(110) 2016/02/26(Fri) 20時半頃
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警官の方も、怪我を負われているのでしょうか。
[だから、尋ねたのはそれだけだ。 コツリコツリ、相手の元に戻りその傍らで膝をついてはさり気なく落としたナイフへと手を伸ばす。
答え次第によっては。 ────この手負いの男くらいなら]
(111) 2016/02/26(Fri) 20時半頃
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──暴食と、強欲と──
[自分と共に叫びの大元に来た男は、この惨状を見て気が触れてしまったか。(>>114オスカー) 初めも悲鳴をあげていた、情けない男────酷く優しい男なのかもしれぬが、こんな時に動けぬ様では腑抜けと言われてもしょうがないであろう。 女の自分が動けるのに、何とか弱き事か。 益荒男とまでは行かずとも、大和魂を持つ男は居ないのか。 もっとも、彼が何処の生まれのいつの時代の人物かについては失念してしまっている。 この娘は何時でも己の価値観でしか人を判断せず、そしてそれを当然と思う節があった。
なぜならば────"至極当然"であるから。
奇妙な笑い方をして立ち去る黒づくめの男をチラリと見ては眉を顰める。 気の弱い男の行く末を案じてやる暇は、今は、無い]
(116) 2016/02/26(Fri) 22時頃
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────醜い、人形? 人形が血を流す筈は無いではありませぬか。 人形とは────、
[其処まで言葉にしてはヒュッと喉を風が通った。 そのまま息を詰める。落とされたナイフを握り締め、俯かせた顔は能面のように感情を消していた。 俯いた事でぱさりと黒髪が落ち、尚のことその表情は相手から隠れてしまっていただろう]
(117) 2016/02/26(Fri) 22時頃
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[────この男は、危険だ。 自分以外を人ではなく"モノ"として扱い、簡単に屠る事も出来るのだろうと。 自分の事を棚に上げ、娘はその被害者が誰であれ、この男の危険性を感じてはナイフを構え直し、フラつきながらも立ち上がった男の心の臓目掛けて、立ち上がりざまに下方から突き上げるようにしてナイフの切っ先を閃かせた。 貫く事が叶ったとて、女の力。心の臓まで届いたかどうか。 それでも黒髪の合間からギラリと覗く眼光は矢張り何も感情を写してはいない。
────強いて言えば、思想に耽りながら雑草を踏み躙るときの、貌]
(*15) 2016/02/26(Fri) 22時頃
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[相手の言葉には吐き気がする。 確かに人形の様だ、と形容される事もある。若く美しい自分ならば当然の事。
だが、自分はただ黙って座っているだけの人形ではないのだ。 自分の意思で立ち、自分の意思で全てを決めることが出来る強き者なのだ。 兄の病があったからこそ不遇を強いられてはいるが、見てみろ、兄を蝕む病はそれ以上深刻にはならず、己の身にも降り掛からぬではないか。
それは、娘が特効薬を手にする強い意思があったからだと娘は自賛する。 特効薬があると知りながらそれを隠し処方しない医者には用は無い。 非人道的?ならば、死刑囚の人肉でも喰わせれば良いのに、それを特効薬とせず人道の一言で火浦を切り捨てる臆病な愚か者には用は無いのだ。
ならば、自分自身でそれを得るのみ。
この目の前の男とは、人を人として見ていない点は似ていたかもしれない。 だが、それは似て非なるもの。 娘は美しさは求めない。 血を保つ事、強き者が強き者であり続ける事を望むばかり]
(130) 2016/02/26(Fri) 23時半頃
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[しかし娘の刃は相手の掌を貫いたものの、心の臓は僅かに食い込んだのみだろう。 その唇から吐き出される言葉に嫌悪を露わにし、キツく眉を顰めては両手で相手の掌を貫くナイフを押し返そうと試みる。 だが、小娘の力だ。相手は手負いとは言え大の男。 両手では押さえ込むのが精一杯で、その手もワナワナと震えていた]
────穢らわしい、無礼者! 私は火浦の子女、兄の天刑病さえ癒えれば子を成し家を保つ役目が御座います! 天刑病さえ、癒えれば……っ!!
[そう、あれさえ無ければ全ては心地よいままであったのに。 あの病が無ければ。火浦の家が断絶される事も無い、あの病が己を修羅の道へと落としたのだ。 ────否。 当然、本来与えられるべきなのだ。火浦の家の為に特効薬を差し出すべきなのだ。 可哀想で臆病な者たちの代わりに、してあげているだけ]
(*20) 2016/02/26(Fri) 23時半頃
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