196 水面に映る影より遠く
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- 回想 -
[水面から顔を出せば聞こえてきた笑い声>>0:312 本来なら怒るところなんだろうけれど。 優の楽しそうな表情を見れば、なんだかどうでもよくなった。
お前が笑ってくれるなら、まあいいや]
ふ、くく…… あー、かんっぜんに油断してたわー
[つられるように笑みをこぼす。 制服が水を含んで、身体が変に重たい]
(36) 2016/08/19(Fri) 18時半頃
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そう? ……なら、いいんだ。
[素直にその心>>0:277を打ち明けてくれたのなら、 深い深い海の底にだって一緒に、沈んでやれるのに。 目を逸らした彼>>0:313にそれ以上の詮索はせず、 程よく鍛えられたその腹へと手を伸ばした]
良い筋肉しやがってー 羨ましいぞー、このー
[くすぐりながら、冗談交じりにそんなことを言う。 決してやらしい触り方はしていなかったはずだ。 逃げるようにプールから上がった優から伸ばされる手>>341 先程の事もあって、僅かに身構えてしまった]
(37) 2016/08/19(Fri) 18時半頃
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[迷ったのは一瞬にも満たない時間。 差し出された掌に、自分のそれを重ねた。 替えのシャツを貸してくれるというのなら、 ありがたく受け取った]
……一番重要なのはパンツだと思う。
[上は優のTシャツ、下は偶然持ってきていたジャージ。 替えのない下着が濡れたままなのが気持ち悪くって、 真顔でそう言ったのだ。 濡れた髪から滴る雫が、首筋を伝った]
(38) 2016/08/19(Fri) 18時半頃
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なんだよ、優、
[帰り道、きつい坂道を上りおえて緩やかな坂道を下っている。 頬を撫でる生ぬるい風が、心地いい。 スピードを上げることなく、ブレーキを握って。 少しでも長く、この時間が続いて欲しいと願う]
(39) 2016/08/19(Fri) 18時半頃
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ええー、気になるじゃん。 言いかけたなら最後まで言えよー
[間延びした声を発しながら彼の表情を見ようと振り返ると、 前を見て走れ>>0:343、なんて軽く背中を叩かれる。 納得いかない、と言う風にふてくされながら、 勢いよくペダルを漕いだ]
(40) 2016/08/19(Fri) 18時半頃
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俺は少し曇ってくれた方が嬉しいかな
[日差しだけではバテてしまうから。 あとは、夕立がなければもっといい。
夏の空と蝉の聲。遠くから風鈴の音が響いていた *]
(43) 2016/08/19(Fri) 18時半頃
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- 朝 -
にゃあー
[いつものブロック塀の上。 お高そうな首輪を付けた真白い毛並みの彼女。
毎朝ここで会うなんて、運命だと思うんだ!]
(45) 2016/08/19(Fri) 19時頃
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なーぉ ぃっ、
[君のお名前は? そんな風に問いかけても、伝わる筈がない。 今日は大きな進歩がひとつ。 なんと、彼女が毛並みを触られてくれたのだ。 予想以上にふわふわの感触。 楽園はここにあったのだ。
調子に乗ってもう一撫でしようと試みれば、 引っかかれてしまった。地味に痛い]
(46) 2016/08/19(Fri) 19時頃
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ありがと、お嬢さん。
[こっそり猫の首輪に括り付けた手紙に、 誰かが気付くことはあるのだろうか。 誰かに見付けて欲しいと、そう願うだけ。
それと、こんなことをしている俺の姿も どうか見られていませんように]
(47) 2016/08/19(Fri) 19時頃
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[学校に到着すると、向かう先は保健室。 校門のところで楽しげに話しているふたり>>13>>34を見かければ、 お邪魔しないように、そそくさと足早に昇降口へ向かった]
せんせー、ばんそーこーちょーだい
[がらり、保健室の扉を開けながら声を掛ける。 先程猫に引っ掛かれた指先が僅かに痛むのだ。 痛むだけならまだいい。 思いのほか深かったのか、血が止まらないのが問題だ]
(54) 2016/08/19(Fri) 19時頃
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( かっこわる。 ってか、せんせーいねえのか? )
[室内を見渡すも、誰もいる気配がない。 訂正しよう。誰かはいるみたいだ。 カーテンに仕切られた先。 鎮座しているベッドからかすかに衣擦れの音が聞こえた]
おはよー、ございます?
[恐る恐るという風にカーテンを開けれは、 僅かな隙間から顔を覗かせて声を掛けた。 彼>>7はまだ寝ていたのだろうか。 俺の角度からは、 寝ているのが誰なのかまでは判別できなかった]
(55) 2016/08/19(Fri) 19時半頃
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[猫の首輪に括り付けた手紙はふたつ。 ひとつは、あなたはそれを見付けてくれたのだろうか。 そしてもうひとつは、誰かのポケットの中へ]
(102) 2016/08/19(Fri) 23時頃
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[教室に辿り付けたのはいつ頃だったろうか。 たぶん、既に昨日のメンバーは殆ど揃っていて。 手には絆創膏がきっちり巻かれている。 大原がベッドから出てくれくれたのならば一緒に。 そうでないなら俺ひとりで教室の扉をくぐったのだろう]
はよー、
[気だるげに挨拶を。 蒸し暑い教室内。 足を踏み入れただけで背中にじんわり汗をかいた。
昨日も見慣れた顔、けれどひとつだけ違うモノがあった]
(112) 2016/08/20(Sat) 00時頃
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はよ、鈴宮。 教卓に立ってなにしてんの?せんせーごっこ?
[欠伸を噛み殺しながらそう尋ねると、 彼女がアイスを持ってきてくれたことを教えてくれただろうか]
アイス?え、俺の分もあんの? さんきゅー、今度なんか礼するわ。
[箱を覗き込んでモモがまだ残っていたならばそれを。 ないのなら余っている物の中から適当に選んだ。
冷たい甘味の味が口内に広がる。 そうして、密かに眉を寄せた。 礼って、何をすればいいんだ。女子が喜ぶものってなんだ?]
(113) 2016/08/20(Sat) 00時頃
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[氷菓を頬張りながら、向かう先は優の机>>122 挨拶もそこそこ。 彼が手にしている自分とは違う色のアイスを見付けた]
それ、何味? ひとくちちょーだい。
俺のは桃、どーぞ。
[返事を待たず、白桃味のそれを優の方へ向ければ、 自分は彼が手に持っている蜜柑色のそれを貰おうと、 あーん、なんて。口をあけたんだ]
(126) 2016/08/20(Sat) 01時頃
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[彼はどんな反応をしたのだったか。 断られたのなら、しぶしぶ引き下がって。 ふたりともアイスを食べ終わった後、俺は口を開いた]
……なあ、ヘンなこと聞くんだけど。 女子って何をあげたら喜んでくれるのかな。
[真面目な声音で、神妙な面持ちで。 じい、と彼の目を見据えながらそう問いかけたのだった]
(127) 2016/08/20(Sat) 01時頃
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さんきゅー、んま。 みかんか、優好きだもんな。
[差し出してくれた氷菓>>153を遠慮がちにかじる。 自分か手にしているものとは幾分も違う味が口内に広がり、 二倍得をした気分だ。
そうして、自分のアイスの減り具合に気付くのは少し後のこと]
あー、もー 食いすぎ。俺ちょっとしかもらってない!
だろ?桃が一番好き。
[声にならない声を漏らしながら、頬を膨らませる。 そうして、自分が持ってきた訳でもないのに得意げに微笑んだ]
(166) 2016/08/20(Sat) 10時頃
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ばか、ちげえよ!
[コレか?なんて小指を立てられれば>>156 顔が僅かに朱に染まった。 図星を指されたからではない、決して]
(167) 2016/08/20(Sat) 10時頃
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むりむり、無理。 自分で聞くとか、はずかしーじゃん。 こんなん聞ける相手お前しかいないし、
誰って、そりゃあ ……ナイショ。
[しばらく考えた後、教卓あたりに視線を彷徨わせる。 鈴宮はまだそこにいたのだろうか、分からないけれど。 食べ終わったアイスの棒を指に見立てて、口元に持ってくる。 含みのある言い方で微笑んだ]
(168) 2016/08/20(Sat) 10時頃
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[誰かが転校するらしい。 そんな噂を、誰かから聞いた]
( 色紙とか 最後の想い出、とか? )
[どれも、転校するのか誰か分からない今では、 到底用意なんて出来そうにない。 ぼんやり、天井を見上げながら更衣室までの道のりを歩く]
(169) 2016/08/20(Sat) 10時頃
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( こんな時期に転校って、大変だな。 ……さみしく、なるな )
[転校するのが誰であれ、クラスメイトが一人欠けてしまう。 それはとてもさみしいと、柄にもなくそう思った。 ただの噂だ、本当か分からない、なんて。 自分を騙しながら。 今日も補講が始まる *]
(170) 2016/08/20(Sat) 10時頃
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- プール - [着替えて軽く準備運動を終える。 昨日の教訓を生かしてちゃんとパンツの替えを持ってきた。 まあ、昨日とおんなじことなんて、起こらないんだろうけれど]
( あっづー )
[水の中には入らず、飛び込み台の上に座って水面を蹴った。 ぱしゃぱしゃと涼しげな音を立てて、水しぶきが上がる。 きらきら 太陽の光を浴びて輝けば、落ちていく。 星みたいだ、例えるなら、流れ星。 そんなことをぼんやり思った]
(173) 2016/08/20(Sat) 10時半頃
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[視界には、 誰かに泳ぎを教える彼>>138だったり、 教えてもらう誰か>>149だったり。 水に棲んでいる彼>>161だったり、 その彼が手を伸ばした溺れそうな彼女>>130だったり。
他には誰がいただろう。 プールが見渡せる場所で、俺はまた水面を蹴った]
いーてんき。
[今日も誰かが、晴れを願ったお陰だろうか>>0:344 どうやら俺の願いは届かなかった>>43らしく。 雲一つない青空が広がっている。 太陽の光が、大原程ではないにしろ、白い俺の肌を焼いていた]
(174) 2016/08/20(Sat) 10時半頃
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[そうして、視界に入ってきたのは丹野>>172 ぷかり、水面に浮かんできたかと思ったら そのまま仰向けになった]
( きもちよさそー )
[灼熱の太陽の下にさらされている俺が、 水面に浮かぶ彼女を見てそう思うのは当然のこと。 そうなれば居てもたってもいられず、 音を立てて水の中に飛び込んだ]
(189) 2016/08/20(Sat) 11時頃
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何を思ってたんだ?
[制服のまま入った昨日に比べれば幾分も軽い身体。 ぱしゃぱしゃと僅かに音を立てながら近寄れば、 偶然聞こえてきたその声に首を傾げた。
先程俺が考えていたこと>>169>>170を、 それと似たような事を、丹野も考えているなんて知らなくて。 ぷかり、浮き出ている彼女の顔に、僅かな水しぶきをかけた]
(190) 2016/08/20(Sat) 11時頃
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- 教室 - [俺の視線の先に気付いたのか、 優の視線は俺と教卓付近にいる彼女をいったりきたり>>212 おまけに感嘆の声なんて漏らされたら、たまったもんじゃない]
ち、が、う! いや、ちがわねえけど、ただアイスの礼がしたいなって
それだけだから!
[だから、ヘンな意味じゃないって。 愛とか恋とか、青い春とか。 そんな甘酸っぱいものと、勘違いされたくなくって。 かぶりを振って必死に否定をした]
(218) 2016/08/20(Sat) 14時頃
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みかんかー、 今の時期って蜜柑売ってたっけ、
[そうして、その後に続いた言葉に瞳を丸くさせた]
(219) 2016/08/20(Sat) 14時頃
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……デートとか、誘われても迷惑だろ。 俺なんかと行ったって楽しくないって。
[背もたれに身体を預ければ、 足先に視線が落とされた彼>>213のつむじがみえた。 その姿がさみしそう、だとか。 ふれくされているように見えたのは、俺の気のせいなんだろう。 主将に推薦されたことについて、何度か相談したことはあった。 次期主将様。 その言葉は、まだ何も決められていない俺の心に突き刺さる。
手を伸ばせば、その頭を乱暴に撫でた]
(220) 2016/08/20(Sat) 14時頃
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それに、俺にカノジョできると 優がさみしーだろ?
[表情を見られないように、ぐりぐりと乱暴に撫でたまま。 髪のセットが崩れたって、 すぐプールに入るんだから、いいだろ?]
(221) 2016/08/20(Sat) 14時頃
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- プール - [お返し!なんて水をかけられた>>216ならば、 華麗なステップで緊急回避を試みた。 水しぶきは避けられたものの、 足を滑られた俺はバランスを保てず、 大きな音を立てて水中に消えた。
おお りつ! しんでしまうとは なさけない……]
( はずかしぬ…… )
[ぶくぶくと息を吐きながら沈み続けること21(0..100)x1秒。 何事も無かったように水面から顔を出した]
(225) 2016/08/20(Sat) 15時頃
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