273 魔性の病院【R18ペア】
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[導いた快楽が彼の上に華開くのを見守る。 狂おしくも毅然として体を開き、頂へ駆ける姿は眩いほどだ。 さて。彼を悦びの僕に堕とさず、気高き主に留まらせたものは何だったのか。 いずれ、それもわかるだろう。
雄々しくも官能的な叫びと共に、彼の体を輝きが走る。 樹が伸びていくように、虹色の煌きが広がった。 見る者を幻惑する色彩の美しさに、視線が吸い込まれるようだ。]
(*0) nekomichi 2019/12/15(Sun) 23時頃
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ああ───…
[請われた言葉に応えるとも、感嘆の溜息をつくともつかぬ息を零して、自らも精を解き放つ。 意図したよりも些か多くの気を注いでしまったのは、はたして彼の業だろうか。
嫋やかに彼の背へ身を伏せて抱きしめ、息が静まるのを待つ。*]
(*1) nekomichi 2019/12/15(Sun) 23時頃
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[ 満たされて、満ち溢れて、真っ白になった。 気を失ったのかもしれない。]
……、
[ のしかかる、というのとは別の重さを感じて目を開く。 同じ温もりをもつ者が背に寄り添っていた。]
(*2) enju 2019/12/16(Mon) 00時頃
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[ もう少し、こうしていたいような、 放置してはおけないような。
右の手にナイフを握り、左手を背後に伸ばして、まさぐる。]
(*3) enju 2019/12/16(Mon) 00時頃
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── 黍炉、
[ 腕を持ち上げるのすら難しかったのが嘘のように、すこぶる調子が良い。 その一方で、身体の節々が悲鳴をあげている。
その元凶に間違いない相手の名を呼んだ。*]
(*4) enju 2019/12/16(Mon) 00時頃
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[共にいきはてて、白い微睡に落ちる。 名を呼ばれ、まさぐられて、気怠げに瞼を持ち上げた。]
……なんだい?
[彼へと注ぎすぎてしまったせいで身体がいささか重い。 緩慢な動きで、彼の腰を撫でる。*]
(*5) nekomichi 2019/12/16(Mon) 00時半頃
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[ あんなことをした後だというのに、黍炉の返事はいたって普遍的だった。 別に、愛の言葉を期待していたわけではないけれど。 少しばかり拗ねた──りするものか。まったく。]
自分が何をしたか、わかっているのか?
[ どこか気怠げな色をまとう声に、彼の消耗を読み取って、叱るような言葉を返す。]
(*6) enju 2019/12/16(Mon) 21時半頃
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人間や下級の妖魔なら吸い尽くされてミイラになっているところだぞ。
[ 淫魔の力を制御できなかったのは自分の方なのだけれど。]
おれをやたらと煽るな。
[ 腰を撫でてくる手を捕らえて、少しばかり強く握った。*]
(*7) enju 2019/12/16(Mon) 21時半頃
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[わかっているのかと詰問する彼の声に、気遣いの色を見る。 叱責は心配の裏返しだろう。 そうと思えば、嬉しくもなる。]
私が干からびたら、悲しんでくれるのかい?
[喉の奥で笑い、首筋に唇をつける。 握られた手の圧は、想いの深さだ。]
(*8) nekomichi 2019/12/16(Mon) 22時頃
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おまえの顔が見たい。 抜いてもいいかい?
[彼の中に入っている部分は、さすがにもう柔らかくなっている。 けれども繋がりを解くのは惜しく、彼も同じように思っていると信じて、そんな確認をする。 実際は、彼の返事を待たず、じっくり時間を掛けて引き抜いた。]
とても良かった。
[何かを言われる前に、揺るぎなく告げて接吻ける。*]
(*9) nekomichi 2019/12/16(Mon) 22時頃
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[ 煽るなと警告したのに、すぐさま質問の形で絡んでくるのだから始末に負えない。]
助けなど要らないだろう。
[ この分なら、わざわざ血を分けてやる必要もなさそうだ。 そう判断して、手にしていたナイフをそっと枕の下に差し戻す。]
(*10) enju 2019/12/16(Mon) 23時頃
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[ 首筋に唇を押し付けてくるのに気を取られていたら、抜いてもいいかと確認された。]
…え?
[ 何をどう、と把握する間もなく、覚えたばかりの快感が下肢を駆け抜ける。 時間が経って暈は減っているのだろうが、こちらだって拡張されたのが戻っているのだから摩擦の度合いは同じようなもの。]
んン…っ!
[ 堪える声に甘美な色が混じる。]
(*11) enju 2019/12/16(Mon) 23時頃
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──っ、この莫迦! さっさと服を着ろ。
[ 目元に朱を刷いて、身を捩らせた。*]
(*12) enju 2019/12/16(Mon) 23時頃
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[どうやら血を分けてもらい損ねたらしい。 それとは気づかず、ただ彼の甘い声が胸に届く。 目元に朱を指した姿も美しく、間近に覗きこんで笑む。]
─── 愛しい子。
[思いが溢れて零れた。]
(*13) nekomichi 2019/12/16(Mon) 23時半頃
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[脱ぎ棄てたはずの衣を影より織り出して身に纏いながら、彼の上に覆いかぶさる。 流れ落ちる黒髪は密室を作り、初めての時を再現した。]
おまえには、私のすべてを注いでも惜しくない。 そう思っているよ。
おまえはわたしの宝玉だ。 愛している。
[囁いて顔を下ろす。 薄く開いた唇は、無言のうちに接吻けを要求していた。*]
(*14) nekomichi 2019/12/17(Tue) 00時頃
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[ 罵声を投げたら、告白が返ってきた。 相変わらず顔が近い。 黒髪の紗幕の中で、艶やかな唇が触れられるのを待っている。
前回は首をもたげることもままならなかったけれど、今は違う。]
おまえのすべてを注いだら、おれはおまえになってしまう。 逃げられないな。
[ 腕を上げて黍炉の後頭部に回す。 長い髪の間に指を差し入れて掴み、身体を転がして上下を入れ替えた。]
(*15) enju 2019/12/17(Tue) 19時半頃
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[ 格闘のような動きの最中、わずかに唇が掠めたのは事実だったけれど。]
── 体力が戻ったか、確かめる。
外に出て、付き合え。
[ 黍炉の頬を軽く引っかいて晴れ晴れと笑った。*]
(*16) enju 2019/12/17(Tue) 20時頃
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[髪を掴まれ、体を転がされ、世界が軽やかに回る。 身を任すのも心地よい。 唇を舐めて触れた余韻を味わい、彼を見上げた。]
いいとも。 おまえの、望むままに。
[何をするのか興味があるという顔で、体を起こす。]
(*17) nekomichi 2019/12/17(Tue) 21時頃
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おまえの服はその籠だよ。 他のものがよければ、私が術で作り出すけれど?
[寝台の脇にある籠を示し、ついでのように誘いをかける。 術で作る方は、己が望むときに消せるというおまけつきだ。
彼の本来の服は脱がせるときに破いてしまったので、置いてあるのは良く似せて作らせた新しい服だった。*]
(*18) nekomichi 2019/12/17(Tue) 21時頃
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[ 術で服を作り出すと聞いて目を細める。 楽を選ぶと碌なことにはならなそうだ。
寝台から足をおろす。 酷使された腰だの尻だのが少しばかり痛み、件の"治療"を思い出させた。]
ああもう。
[ 思わず口に出る。 これ以上、惑わされないうちに服をまとおう。]
(*19) enju 2019/12/17(Tue) 21時半頃
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[ 用意されていたのは、鎧の下に着込んでいた服によく似ていた。 生地はより手触りがいいものだ。 肌にぴたりと吸い付くようで、筋肉のラインまでしっかり出る。]
──…
[ 胸の頂がいささか腫れているのがわかった。 容赦なかったな、と思う。]
(*20) enju 2019/12/17(Tue) 21時半頃
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案内してくれるのか?
[ 黍炉に声をかける。 この病院にどんな設備があるのか、浴室以外は知らない。*]
(*21) enju 2019/12/17(Tue) 21時半頃
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[寝台から降りる際に零れた彼の言葉が、先ほどまでの営みを思い出させる。 直ぐにもまた押し倒したいと思いつつ、服を身に着ける彼を見ていた。 良く伸びてぴたりと合う服は、裸よりもむしろ身体の線を際立たせる。 つんと突き出している胸などは、触れて欲しいと主張しているようだ。
眺めまわしていたら、彼から問いが飛んできた。]
私も詳しくは知らないよ。 おまえに必要な場所だけ、都度確認していたからね。 リハビリ施設とやらもあったけれども、それだけ動けるのだから、いまさら歩行練習でもないだろう?
[答えながら立ち上がる。 軽く衣服を整えて歩き出せば、先ほどの名残は見当たらない。]
(*22) nekomichi 2019/12/17(Tue) 23時頃
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そういえば、遊技場という場所があったね。 長期の入院患者が楽しむための場所らしいけれど。 広さはありそうだから、行ってみるとしようか。
[先に立って病室の扉を開く。 外は相変わらず、誰も見当たらない。 注意深く観察すれば、それもまたなにかの術だと気付くだろう。*]
(*23) nekomichi 2019/12/17(Tue) 23時頃
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[ 黍炉に見られているのが気になる。 また以前のようなストイックな鎧を誂えようと決めた。 何を着ていようと、彼に見られた事実は変えられないのだけれど。
黍炉だけだ──この先ずっと。]
遊技場か。
[ 彼のいう"楽しむ"を図りかねるけれど、彼もよく知らないらしいから、行ってみて鍛錬に使えないようであれば別をあたればいい。 そう判断して、黍炉の後に続く。]
(*24) enju 2019/12/17(Tue) 23時半頃
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[ 勝手に開いた扉について黍炉に確認することはなかった。 部屋の外に出て自分の手で閉める。]
できるなら他の者と会いたくはない。
[ 控えめに希望を告げておく。 黍炉の説明を信じるならば、自分は戦死したことになっているようであるし。*]
(*25) enju 2019/12/17(Tue) 23時半頃
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[移動するにあたって、彼から要望が出される。 もとより、他と会わせる気は無かった。 わざわざ空間の位相をずらして、他者と遇わぬようにしている。]
心配いらない。 私とおまえだけだよ。
おまえを独占していたいから。
[エスコートの手を伸ばすが、彼が取らずとも気にしない。 ついて来ることを疑わない足取りで廊下を進む。]
(*26) nekomichi 2019/12/18(Wed) 00時頃
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[ほどなくして遊技場というプレートが掛かった扉の前に到着する。 扉は全面がガラス張りで、奥にはどうやら運動のスペースが広がっているようだった。
組みうちでも剣の手合せでも楽にできる場所だったが、そちらへ向かうより先に別の表示が目に入る。]
プール? 水の気配がするね。
[導かれるように扉を開けば、大きな水場の周囲を、これもまた様々な形の水場が囲んでいる。探せば水ではないものが入っている場所もあるかもしれない。]
(*27) nekomichi 2019/12/18(Wed) 00時頃
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これはいいね。 水の中なら、負担を少なくして負荷を増やせる。 体の動きを確認するなら、こちらの方がいいよ。
[嬉々としてプールの方へ誘う。 つまりは、水遊びしたい心境になったのだった。*]
(*28) nekomichi 2019/12/18(Wed) 00時頃
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− 遊技場 −
[ 独占云々については、城主であれば彼も忙しく、自由になる時間も少ないのだろうと思うことにした。 言に違わず、誰とも顔をあわせることなく遊技場につく。
プールに興味をもったらしい黍炉を横目で見た。]
ここのは熱くはなさそうだ。
[ 温泉と比較してみたりする。 黍炉が脱ぐつもりなのか、そのまま飛び込むのか様子を伺った。*]
(*29) enju 2019/12/18(Wed) 01時頃
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