212 冷たい校舎村(突)
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[ ――― 落下。 ]
(255) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[ 感じて いたもの。 風を切る音と、 繋がれた手、生きている人の温もり。
見えて いたもの。 真白な景色と、繋いだ手の先、の 友人の姿。
それから。 ちか、ちか 瞬くような光が見えたのは、 ―― 気のせい だったの かな* ]
(256) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[そうして振り返りながらバラバラと崩れていく世界を眺めて、私は息を吸う。 私は何者にもなれないけれど、私は私で生きている]
文化祭、楽しかったね?
[誰かの言葉>>4:176に応えるように、私は一つ、溢して]
でもこれからはもっと、楽しくするよ。
[那由多の「帰ろう」>>244に一つ頷いた。 理一と、通はどんな顔をしていただろう。 私はごめん、やっぱりちょっと怖かったから誤魔化すように笑った。 通みたいにギョッとはしてなかったけど…>>249 でも、ひきつり笑いはしたかも。
だけど、怖いのは、はぐれてしまうことじゃない。 ここがちょっと高過ぎただけ]
(257) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[戻るときはみんなのところへ。 きっと、楽しい文化祭をしたみんなが待っていてくれるから]
約束、ね。
[通の言葉>>253に頷いて、一歩、踏み出した。 だいじょうぶ、こっちには“かみさま”がついてる。 それに“かみさま”がいなくても、ともだちがいるから、きっとへいきだ。
落ちるときは言葉は何も紡げなくて、 だけど、ちかりと瞬いたように輝いた光に見惚れるように、落ちていく]
(258) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[ 光なんて、もしかしたら気のせいかもしれないけれど。
冷たい、冷たい校舎。 だけど、思い出がたくさん詰まった場所を“飛び出した”。
明日「おはよう」を言うために。 今は少しのお別れ。 「さようなら」じゃなくて、「おやすみなさい」
次に目を開けるのを夢見て、空を飛んだ]*
(259) 2017/03/19(Sun) 23時頃
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[抱きしめてくるちよちゃんの腕の力が、
思ってたより強いように感じてまばたきひとつ。
それだけじゃない、ぼんやり突っ立って、感じる温かさに身を任せているわたしと違って、
ここにいる、ってことを確かめるのに余念がない、ちよちゃん。
だから自ずとわかる。
会えなかった時間がどれほどちよちゃんの中で大きかったか]
…… ごめんね、勝手にいなくなっちゃって。
[だから、咎めるみたいな言い方をするちよちゃんに、神妙な表情で謝った。
本当はあえてすぐに謝るべきだったんだろうけど。
おかえり、以外の言葉がうまく紡げなくて今に至る。
それからちよちゃんの拗ねたような表情を双眸に映す。
けれど、それはすぐに笑みに変わっていって。
つられて、わたしの顔にも笑みが戻る。
もちろん奢るよって頷きながら。
注文はどしどし聞くつもりだけど、
特になさそうなら駅前のコーヒーショップのケーキにしようかな。
冬限定の新作が出ていたし]
[―――と、その前に、]
お菓子じゃないけど、……はい。
買ったばかりだからまだあったかいよ。
[コートのポケットに入れていた缶コーヒーを差し出した]
[わたしが帰ってからあの校舎でちよちゃんがどうしてたかは知らないけれど、
校舎で同じ時を過ごしていて、隣にいて、
支えがなければ崩れそうな危うさ、というのを、
ちよちゃんからはほんのり感じていた。
感じていた、のに。結局わたし自身も支えが必要で、
その点でちよちゃんのことは頼りにしっぱなしだ。今だってそう。
……格好悪いかも、わたし。
しかして内心のばつの悪さは長くは続かない。
ちよちゃんがこうして目の前にいるから、ね。
そろそろ中に行こう、って、
繋いだままの手を引こうとした、その前に声がかかる。
言わなきゃいけないことがあるんだって。]
[――長きにわたりわたしを励ましてくれたヒーローは、
どうやらすぐ近くにいたみたい、です。
わたし今、すっごく驚いた顔をしている。
それからちよちゃんの顔を、
帽子のつばの下から覗きこむように、見上げて]
……そっかあ。ちよちゃんだったんだね。
わたしにお手紙をくれて、
わたしの話を聞いててくれたのは―――、
…もう! なんでもっと早く言ってくれなかったの?
[そうしてわたしはきらきらと笑う。
ちよちゃんの握ったままの手が震えてたのも、
どこか、固い様子を見せてるのも、全部吹き飛ばせるように]
……わたしこそごめんね。
自分で自分のこと、ヒーローに頼る資格なんかないくらいどうしようもないって思ってたくせに、
あの時はホントにどうしようもなくなって……頼ってた。
[直後、一転してか細い声で謝る。
ちよちゃんの顔もまともに見ていられなくなって、一度は目を伏せたんだけど]
PPP イルマは、メモを貼った。
2017/03/19(Sun) 23時半頃
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[屋上から飛べ、なんて言ったらさ、 那由多も通も面白い顔してた。 こんな状況だけど、その顔、ウケる。
ひひって笑ったの、バレなきゃいい。 バレたら殴られそうな気がする。
入間は平気そうに見えた。 のは、気のせいで、ちょっと引き攣ってたかな。顔]
心配すんなよォ。 ちゃんときっちり全員帰してやっから!
[主がこう言ってんだから、 何とかしろよな、俺の世界。
入間と那由多と俺と通。並んで屋上の淵に立つ。 びゅうびゅう吹き上げる風は、あの日と似てた]
(260) 2017/03/19(Sun) 23時半頃
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はいはーい、りょーかーい。
[>>253 通の言葉に、敬礼を返したかったけど、 両手が塞がってたから、返せたのは軽い返事だけ。
俺やっぱヤバイのか?まァしゃーねーな。 でもちゃんと帰ってくるからサ。もう説教はごめんだし]
(261) 2017/03/19(Sun) 23時半頃
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だから、ちよちゃんは気にしないでいいよ。
……それに、
すぐにきて、くれたから。
それだけでじゅうぶんだよ。
…ありがとう。
[そっぽ向いてお礼を言うなんてますます格好悪い。
だから、真っ直ぐちよちゃんを見てもう一度目を細めて笑う。
だから、ちよちゃんも笑って、って。
願うことはひとつ*]
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[那由多と通が帰ろうって言って、 入間が頷くのを見た。
それを合図に、誰ともなく、 宙に重力を預けて背中から落ちていく。
雪風を受けながら、 校舎がどんどん遠ざかっていく]
(262) 2017/03/19(Sun) 23時半頃
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— 病院・ロビー —
[レジ袋を手に、ばつの悪さを顔にぶら下げて、
病院のロビーへと戻ってくれば、上須賀くんと莉緒ちゃんを探す。
頼まれていたものをそれぞれ渡そうと。
どうやら、手術はもうすぐ終わるらしい。
看護士がそう私たちに伝えてくれたかどうか。
口の中が乾いてきたのを感じた。
みんなの思いは、祈りは、通じただろうか。]
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[ あの時は一人で、 微かな希望と、諦念を抱えて飛んだけど、
今はちゃんと帰るために、 みんなと生きるために飛ぼう。
さよなら、俺の世界。
…… って言いたいところだけど、 これからも俺は俺の世界を抱えて生きてくンだろ ]
[ だからさ、]
(263) 2017/03/19(Sun) 23時半頃
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[ 両手をしっかりと握ったまま、 俺は心から笑った。
―――― ちかり。 白い空に瞬く光を、瞳に宿して ]**
(264) 2017/03/19(Sun) 23時半頃
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ご、ごめ…だってさ、だって……
[堆に謂われて、
涙に濁った声で息を一つ。
出来る限りの注意を払って そっと力を抜く。]
……うん、……気を付ける。
ああ、……よかったぁ、たかしだぁ……
[背中を叩かれた、多少力が強くても、気にしない]
……ただいま。
……――、おっかけたよ、
約束だから さ……
――病院 ロビー――
上須賀……!?
[ロビーで他の皆を待っていると、奥の、病室の方から車椅子でこちらに向かってくるクラスメイトの姿が見えて目を見開く。
あの校舎では普通に登校していたせいで忘れていたが、そういえば、確か入院していたんだったか、と今更のように思い出した。彼の病状や体調も気になるところではあるが、今は、まず、]
ああ。ただいま。上須賀もおかえり。
[再会を喜ぼう、と。色々聞くのは止めにして、笑いかけた。]
いや、上着は着てきたんだが、さっきそこで会った大和に貸してきた。まあ…中なら風もないし、大丈夫だ。
[寒くないか聞かれれば、あの朝のことをなんだか少し懐かしく思いながら釣られるように苦笑して、そう説明した。]
[それから。上須賀が小さな声で話す言葉を、ただ黙って聞いていた。
まあ、そうだろうな、と思う。感覚が失われていくなんて想像もできないし、もじ自分がそうなってしまったら、と思うとぞっとする。あの世界に居たかった、と感じてしまうのも、当たり前のことかもしれない。
俺にとっては……俺にとっては、どうだっただろうか。あの、世界は。]
……俺は……情けないかもしれないが、正直、怖かった。どうして閉じ込められなきゃならないんだ、と思ったし、スピーカーから流れる笑い声や泣き声が、不気味だとも思った。
水野が、あんなマネキンを残して居なくなって…夢なら早く覚めてくれ、とも、思った。
[あの校舎では、しっかりしなければ、と思って言えなかった本音を、ぽつぽつと話していく。
そうだ。怖かったし、帰りたかった。だが……それだけでも、なかった。]
だが……今は、あの校舎に行けて良かった、とも思う。
家庭科室で、パンケーキ、食べただろう。
俺が飾りつけしたクリームを、皆が、かわいい、すごい……こういうの向いてるんじゃないか、って言ってくれて。
多分、上須賀達にとっては、何気ない言葉だったんだろうが。
その言葉で、俺は……救われた、気がしたんだ。
[あの時、皆が受け入れてくれたから。俺は、俺のままでいいんだと、思えた。
あの時の皆の言葉が無ければ、俺はまだぐずぐずと思い悩んでいたかもしれない。
……まあ、ただ「救われた気がした」なんて言っても、上須賀には訳が分からないだろうが。
あの世界はどうだったか聞かれたし、俺も、誰かに言っておきたかったんだ。許してくれ。]
[しかし、俺はあの世界で救われて、こうして戻ってこれて、良かったと思えているが。
上須賀は、もっとあの世界に居たかった、と、自分の世界だったら良かった、と言う。
そう思うことを否定はしない。が、]
……きっと、あそこがお前の世界で、最後まで残っていたとしても。他の皆は、少しずつ帰っていくんだと思うぞ。
[ただの、偽物のマネキンだけ残して。
たとえ感覚があったとしても、そんな世界に一人で残ったら、寂しいんじゃないだろうか。]
……それに、最後にはどのみち連れ戻されてたんじゃないか?
それともお前、能久に「一緒に帰ろう」って泣きつかれたりしても、一人で残るって突き放せる自信、あるのか?
[冗談っぽく、苦笑しながら告げれば、上須賀はどんな反応を見せただろう。
いや、反応を見る前に、能久が泣きそうな顔でやってきただろうか。
内緒な、と合図されれば、少し笑って頷いて、それから、幼馴染達の再会を邪魔しないように見守ろうか*]
[橘くん、いいえ、あの世界の“あなた”へ。
“あなた”がもし、あの校舎に残ることを選んだなら、
わたしはそれを尊重しようと思う。
元より、その選択を否定する権利なんて持っているわけがないし、
結局のところ、“あなた”のこと、何も理解してあげられていないから。
悲しいけど、泣かない。
薄情なわたしは泣いたりしない。きっと。
泣かずにさよならをしようと思う。]
[そして、もし、
“あなた”がこちらに戻ってくるのなら。
やっぱり、わたしは泣かない。
泣かなくても、大丈夫。]
——おかえり。
[手術中のランプが消え、報せが耳に届けば、
わたしはそのまま普段通りに、代わり映えしない一言を紡ぐんだ。*]
[手術室のランプが消える。
その時を固唾を飲んで待っていた。
――大事なクラスメイトが、ちゃんと戻ってくるように。
祈り、そして、きっと、泣き笑いで*]
……行こう。
わたし達がここにいる間に手術が終わっちゃってるかもしれないし。
[それからわたしは改めてちよちゃんの手を引く。
病院に戻れば変わり映えのしない面子に囲まれ―――否、面子が増えていた。健士郎くんと昴くんだ。
ふたりにもおかえり、と言って手を振ってから、
ささらちゃんのところに行って注文の飴を受け取った。
そうして、待つ、ことにした。
今度はりーくんの帰りを*]
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