15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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アリーシャ。
私の初めてのお友達。
一番に大好きよ。
私の精霊さん。
[たった一粒零した涙。
けれど、少女は笑顔であった。
それは幸せそうな、安らかな。]
[ 約束という呪いが影を動かす ]
[ 気配の手は冷たかっただろうか、温かだっただろうか ]
[ それは彼女の望む通りに ]
[そして]
[ 背後から伸びたその両腕は、
薄い肩を交差して、ヨナの両目を覆い隠そうとする ]
――……泣かないで、ヨナ
|
[>>171何かの強烈な絶叫が城内に響き渡った。]
!!??
[斧を取り出し、周囲を見る。その様は怯えに近い狼狽を宿して、さながら食物連鎖の"食われる側"を髣髴させるだろう。]
あれは―
[窓の外を見れば、ほんの僅かでも、中空を浮かぶ大きな異形が見えただろうか。遠めに見えた形から、なんとなしヨーランダから聞いた姿かたちが想像され―]
あれが、シィラ―。
(239) 2010/07/23(Fri) 01時頃
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はは…あんなの。 襲われたら、どうにか、できるのか…?
[どうしようもない、と言う諦めの単語を我慢という水を嚥下し抑え込む。
此処から離れたい気持ちが、体を部屋の外に押し出した。]
(240) 2010/07/23(Fri) 01時頃
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ガストンは、そのまま廊下を転るように移動しただろう。 ―回想おしまい―**
2010/07/23(Fri) 01時頃
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[目がふさがれたような気がした。 涙が一瞬、流れを止めて…。]
――……
[ラルフの遺体をまた見てから。振り返る。 そこにいるのはフィルのはずなのだけど……。]
(241) 2010/07/23(Fri) 01時半頃
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私が視えていなくてもいいの。
ソフィアも大好きよ。
私のお友達、大事なお友達。
みんな、みんな、大好き。
[やっぱり花《ポーチュラカ》の微笑みを携えて。]
視えてなくてもいいの。
慣れているもの。
誰にも見られず、相手にされず。
そうやって生きて来たのだから。
[淡く淡く、胸元の花が褪せていく。
淡く淡く、胸から落ちた記憶が戻っていく。]
[ ふりかえれば、
影は彼女が望むように、そこにあるだろう ]
[ そして ]
ヨナ、俺は死んでいないよ……
君がそう言わなければ、死なない。
――……だから、泣かないで
俺は死んでいない。
[ 声音は 囁き 再びその腕を伸ばす ]
チャールズは、叶うなら、ベネットを抱きとめて*その場に*
2010/07/23(Fri) 01時半頃
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――…死んでいない?
[その青色が微かに見開いて……]
死んでいない……死んで……。
[その眸は、左手が刃でない、その姿を捉える。]
――…ラルフ……。
[フィルがそこにいるなら、どんな風に見えているのか。ともかく……]
(242) 2010/07/23(Fri) 01時半頃
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――……よかった……。
[そして、今までで一番の笑みが漏れる。]
(243) 2010/07/23(Fri) 01時半頃
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[セシルへの涙が尽きると零す吐息が震えた。 声が、聞こえる…責める声。遠くから、記憶から。 これは――…ベネットの声、 一人では死ぬこともできぬと、そう責める。
―――…私は… ターリャじゃないわ…
もう、声にはならない。紺の瞳をゆっくりと閉じて。 連れて行ってはくれないと、彼は責める。
―――…なら… あなたが死ぬ時は、 私を連れて行ってくれるの…?
生きて欲しいと、世界を書き留めて欲しいと。 彼にはそう願うのに―――…願う のに。**]
――――…独りは …いや…
(244) 2010/07/23(Fri) 02時頃
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驚かせること、好きだったわ。
怒られるなら、怒られたかった。
お話したかった。
遊びたかった。
手を繋いで欲しかった。
だいすきって
抱きしめて欲しかった。
呪われた、この躯がいけなかったの。
[触れるのは自分の冷たい躯。
動かず冷たい、呪われた躯。]
[その影は微笑むヨナに、優しげに微笑む。
伸ばした両腕は彼女を包み込むように抱きしめて]
[ 視界を、世界を閉ざす ]
――…うん、泣かなくていいんだよ。
あんまり泣いたら、涸れてしまう。
もう大丈夫だから。
ずっと傍にいるから。
ヨナ、辛いことは全部忘れてしまえばいい。
嫌なことがあったら俺に教えて、君を護るから……
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>>242>>243 [ヨナがとめどなく泣いて。 死んでいない、と。 ラルフの名を呼んで、幸せそうに笑うのを見て。
フィルは、かたく目を閉じる。 ……生きる事と死ぬ事の線引きに、囚われているから。 ラルフのたましいに気付く事が出来ない。
思いを全部、呑んで。 佇む。]
(245) 2010/07/23(Fri) 02時頃
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[ その左腕の影は一度刃の形をなして、
けれど、決して彼女だけは傷つけない ]
[ ヨナの望むように、
その影は振舞うだろう ]
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うん、泣かなくていいのね。 泣かなくて……。
[その姿をフィルとの間に見ている。 そして、フィルにも見えていると思っている。]
傍にいる……。 傍にいてくれる。
それだけでいい……。
[その言葉は、シィラとの決別も意味しているようで……。]
(246) 2010/07/23(Fri) 02時頃
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[少女の冷たい躯に誰が触れるだろう。
きっと、誰にも愛されない少女は
動かなくなったら触れられることもない。
花は枯れれば愛されない。
気付かれることはないのだろう。
少女は“少女でない”ことに**]
うん、ずっとずぅっと傍にいる。
[ 一度刃を為した腕は、その髪を撫でおろす。
涙の滲む眦にそっと口唇を寄せて、ささやく ]
たくさん、辛いことがあったね。
だから、
君はもっと望んでいいんだ。
[そう、彼女が“天使”との決別を望むのならば、
それは彼女を傷つけぬように、叶えられるだろう]
―生命の泉―
[ ――そして ]
[ ぽちゃり ]
[ 大樹から零れた露が、水面に落ちる。
臆病な青年の透き通る姿は、幾重にも割れた ]
[ それもまた一瞬の幻影 **]
|
望む……。
[その言葉に、しばらくはぼんやりと…。 そう、あまりにも、かけ離れた言葉だったから…。
でも、目にくすぐったさを感じ、見上げると、その顔が見えて…。
視線を落とし泳がせた。 それは恥らう姿にも見えて……。
もしかして、ヨナは気が触れたと見えるのかもしれない。]
(247) 2010/07/23(Fri) 02時半頃
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[ 眦に触れた口唇は、
温かかっただろうか、冷たかっただろうか]
――君の望みを叶えたいんだ。
なんでも、いいから。
[恥じらうようなその仕草に、
影は慈しむような眼差しを落として、その手を取った]
……こんなところには、
あまり長くいないほうがいいよ。
[ここには“死んでいない”ことを、揺らがせるモノがある。]
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―城内・どこかの部屋―
[転がるように城内のどこかの部屋に飛び込んだ。 激しく、荒い息を少しずつ整えていく。]
くは…、はあ、―――ふ。 ヨーランダ、は、あんなんを、相棒か…。
[笑うしかない―そんな笑みがこぼれた。見て浮かんだ一つのイメージについ足が動いた。]
(248) 2010/07/23(Fri) 03時頃
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[気づけば何処の部屋に居るかも、中に誰が居るかも分らずじまい。完全に冷静さを失っていたようだ。]
で、ここはどこ―――。
[部屋のベッドの上に、何かが横たわっているようだった。]**
(249) 2010/07/23(Fri) 03時頃
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森番 ガストンは、メモを貼った。
2010/07/23(Fri) 03時頃
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――…え ここには、あまりいないほうがいいの?
私、この町から出たこと、ないから…。
[一人で話しているように見えるかもしれない。]
願い……。
願いを……。
[聴こえる言葉に、微かに頬を緩めた。]
(250) 2010/07/23(Fri) 03時頃
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あ、うん、この部屋は……あまり
――…街から出るの?それは少し大変だね。
でも、君が望むなら……
きっとここから、解放してあげられる。
[ 沈んだ意識 ]
[ それは、一度だけ過ぎった 形にならない自問 ]
[ どうすれば、よかったのか ? ]
[ 殺すことしか出来ない自分 ]
[ 救う方法はそれしかなかった ]
……うん、
時間はあるから、ゆっくり考えて。
ずっと、傍にいる からね。
[ 影は微笑う ]
[ 佇むフィルが、ヨナの望みを否定しなければ、
それを視界にいれることも、ない **]
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私、誰かに願いを叶えてもらえるなんて、 思いもしなかった。
ここから、出る? ほんとうに?
[そう昔、もらったあの手紙>>1:0 それを思い出していた。**]
(251) 2010/07/23(Fri) 04時頃
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[歌が、聞こえた。 ざわざわと、何かを狂わせるような響き。 争いを求める歌。]
…コリーン?
[ちらと頭を過ぎる記憶。 人と人とが殺しあう日々。
嫌だ。 そう願って、気がつけば町は焼き付くされていただろうか]
(252) 2010/07/23(Fri) 04時頃
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[次は間に合うようにと、 歌のする方へ駆ける。
誰が居るか、何があるのか。 それはは知らないけれど、 ただ、とても嫌な予感がした]
(253) 2010/07/23(Fri) 04時頃
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