275 歳末幻想2020
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―厨房−
しいたけー きのこーきのこだー まいたけーさるすべりー
[ やいの、やいのと厨房に、並ぶは二列の目玉の連なり。 行きて求めるは裸の目玉。 帰りて誇るは笠目玉。
ぞろり、ぞろりと列なす目玉。]
(66) 2019/12/29(Sun) 14時頃
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[ 思い思いの笠を所望し、金子一枚ちゃりんと渡すと引き換えに、眼頭に乗せてもらえば眼福と引き返す目玉たち。最後尾、と書の乗った札が、遅れ眼に引き渡される。 笠目玉の装いを羨み、列を乱して弾かれてしまえば、後尾眼に逆戻りする目玉もたまあにあるか。 まれによくある、年の瀬の景色。 ]
(67) 2019/12/29(Sun) 14時半頃
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心外(>>54) おならじゃないのに…
[憤慨したのか、またもプシュっと噴き出る瘴気。 堪り兼ねたか猛スピードのソランジュが行きついた先、早速湯殿にぬるりと滑り込められると、薬湯に接触した穢れが、もうもうたる蒸気のように立ちのぼった。]
請けた。請けた。今年も請けた…
(68) 2019/12/29(Sun) 17時半頃
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[肉塊の浮かんだ汚れた薬湯は、湯舟から何度も抜かれ、そして満たされる。そのたびに、肉塊の身体から金屎がゴトリと剥がれては湯舟の底に落ちた。それもまた穢れを払われ、黄金色の光を取り戻す。肉塊は対価と共に穢れを請け、そうして毎年、幻日屋への対価へとなる。]
(69) 2019/12/29(Sun) 17時半頃
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[残念ながら。 肉塊の身体は特に変化することもなく、ただ瘴気が消え、ほんの少しだけシェイプアップされたように見える程度。いつの日か穢れをすべて落とせば、まったく別の姿を持つといううわさも、ないことはなかった。]
美味s…い?(>>64)
[相も変わらず美味そうだ。 そう思う間もなく、若干喰われて、その潰れそうな目を見開いた肉塊だった。**]
(70) 2019/12/29(Sun) 17時半頃
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[その大声は、少し遠くにいた働き者の狐の尾をボワボワに膨らませるほど。(>>54)うしろからついてきた目玉にとってもよい目印となるだろう。(>>31) 大目玉を食らわすような大声だったので、かの大きな目玉をも呼んでしまったのやもしれない。 年末年始にはかけ言葉がつきものだ。 あの目もまた神、はたまた神の一部である。]
今年もここでお休みになられていたか。 本体のほうは?もう湯に浸かっておられるのかな。
(71) 2019/12/29(Sun) 19時半頃
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この鎧を全て外し湯屋に任せて浸かる湯は格別だ。 楽の神はいかがする。 進捗次第だぞ。 計画的に湯あみをいつにするか見極めるがよい。 [銀の苔取りでぴかぴかに生まれ変わった鎧を着るのもまた格別。(>>23) 普段やすらいとは無縁の神ながら、このごろの年の瀬で得るくつろぎは無類であった。**]
(72) 2019/12/29(Sun) 20時頃
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[ 吾輩は遅れ目玉である。カルメ焼きをたらふく吸い取り、栄養たっぷり三尺目玉に成り上がったものの、気持ちは一寸のころのまま。
大目玉もかくやの大喝に、しょせん子目玉の吾輩は瞳孔がきゅっと縮み上がるほど。 しかれど気さくな誰何に思い出すのは、そう、名前は先に行ってしまったのだ。きっと最高にいい感じの湯船でぷかぷかとろとろに蕩けているのだろうなあ…。 吾輩いまや眼底もぱんぱんに満ちていることだし、次は熱めのお茶か日本酒、それとも打たせ湯がこわいなあ。などと落語のようなオチをつけて、瀟洒な四色ほどで返事を瞬かせるのであった。]
ぴかぴか、ぴかり
(73) 2019/12/29(Sun) 20時半頃
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[ …まあ、眼光語彙はそんなには、瀟洒で愉快なニュアンスを伝えきれていないかも、しれないね。]
(74) 2019/12/29(Sun) 21時頃
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[年暮泥むは幻日屋。 ここの小海老は働き者。 ぱくんばくんと食われよう>>3とも、 逃げず怯えず、竜神の按摩。 ツマツマトントン、ツマツマトントン。
ぱらりはらりと舞い剥がれるは、 海の色した美しき穢れ。>>41。 水面に浮かぶも床に落ちるも 拾って運んで、齧らぬように。 列をなすように運んで行きや。
鱗を掲げた小海老の隊列は、 宛ら、打ち寄せる細波のよう。]
(75) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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[湯気に満ちるは大厨房。 ここの小海老は赤ら顔。 たっぷり蒸された野菜や酒を>>60 ミタシュと共に運びましょうや。 ツマツマスイスイ、ツマツマスイスイ。 海老の行列に目玉の行列>>66。 交錯せぬよう交通整理。 目玉がいくらに見えるから、など 笑おうものなら大海老が茹だる。
おやおや、どうやらもう一列。 厨房の中へ茸を運ぶ小海老たち。 在庫切らしはおもてなしにならぬゆえ。]
(76) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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[部屋に向かうはЩ組>>71。 いくさうさぎのお気に入り。 銀に溜まった穢れや苔を、 ツマツマトントン、ツマツマトントン。
…というのがいつもの流れ。 今年はどうやら先客アリ。 忠と従で出来た小海老は、 障子の隙間から修羅場を見つめる。
みんながみんな、そうしているから 部屋のまんまえ、戸隙間に添い 積み上がるは小海老の塔。]
(77) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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[穢れを受けるは祀排殿。 薬湯より来るとろけた肉塊>>69。 筧を通り集められた湯を 巨大な窯が受け止める。 しゃろしゃろどぶどぶ、しゃろしゃろどぶどぶ。
真上に吊るされた舞台にて、 神子の言祝ぎが穢れを払う。 底に溜まった澱みは揺らぎ、 細かな黄金が窯底に溜まる。
底部から伸びる筒を捻れば、 じゃらじゃらさらさら、出づるおたから。]
(78) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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[伸びる竹樋の上、川の如くに流れる金色を 無数の小海老の数多の足が、 ツマツマトントン、ツマツマトントン。 より分け、見定め、真っ黒おめめ。
蟻の行列のような海老の行列は、 宿の地下深く、黄金(ときどき、鱗)を抱えて 算盤部屋へと伸びるのである。]
(79) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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今年もかの御肉様はたいそう請けなすったようだ。
[ぱち、ぱち、ぱち。 算盤の音を纏いながら、微動だにせぬ駒に触れ。 張鐘は煙管の泡を燻らせる。
ごぅん、ごぅん、ごぅん。 障子戸の外から響くのは、 重く透き通った除夜の鐘。]**
(80) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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─ 岩露天風呂 ─
[きらきら と>>32。 光に惹き付けられるのは、真っ暗な影でございます。
──── はて。こんな建築あったかしら。
背を高めていく様子に目を丸くしながら ……いえ、元々丸いのですけれどね、 とぼとぼ 近づくさまはまるで羽虫。
色めくそれへ触れようとして、躊躇い。 伸ばしかけた手はそのまま引き上げて、 暫しじ っとそれを眺める時間もあったでしょう。
……同じく惹き寄せられた孤眼がそこにあるなら、 何も言わずにそっと拾い上げ 何も言わずにそのまま持ち歩こうとするでしょうが。 抵抗があるならやはり、手放すのでしょう]
(81) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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[酒精で僅かにふらつく足元ながら 丁度良いので、岩風呂を堪能する事にしましょう。 影をはらはら舞わせながら、 まず軽く身を清めようと桶を取ろうとするのですが。
ざぶんっ などと。
足を縺れさせては無様に湯の中へ。 影が沈み、広がる波紋と少しの闇色。
わやん≠フ纏う影は言うなれば 保てなくなった神通力に近いものですから。 湯の中で透明になってゆくそれは、 共に入っていたとしても、害は無いものです。 …………恐らく、ですが]
(82) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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D.バルベルデは、小海老の減るに合わせて更に追い海老している…**
2019/12/29(Sun) 21時半頃
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[岩風呂には先客が居たかもしれませんが>>52 一度水柱を上げてからは静かになりましたので そうご迷惑をおかけする事は無かったでしょう。
呼吸の要らぬ神の身。 湯の温かさに身を浸しながら きらきらときらめくペンタグラムの 色とりどりを、ゆらりと楽しんでおりました。
料理を運ぶ者が現れるのであれば>>60 ご相伴に預かったり、酒を…… ああ、それと蕎麦でも、追加で注文したり。 そんな事を、したいところでもありますが]**
(83) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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[蛇神を真似て解ける目群に、くつりくつり。>>51 舞った蒼鱗と、浮かぶ目玉が湯に揺れる。
人に寄り添う神の追想は、人と共に想起され、 湯と共に溢れる追思は、波のように一波二波。]
…導の先は人が決める事よな。
[そこが目的地であれ、道半ばであれ。 隣人がする事は請われた事のみと。*]
(84) 2019/12/29(Sun) 21時半頃
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[厨房の裏手にある蒸し場。 蒸籠から笊へと温野菜をひょいひょい盛って駆ける最中。 突然の通り雨よろしく頭上に落ちる雫に 獣じみた咆哮が零れた。
反射的に掲げた籠から、椎茸の一本、二本落ちたとて 気づける筈もない。 何せ、山の幸は山盛りで、数なんて数えちゃおらん。]
(85) 2019/12/29(Sun) 22時頃
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[毎度の要求は是、と返る。 粗相は蛇神にも覚えがあった。 雨に、風にと、荒らすくせに居座る図太さは>>61 民も蛇神も辟易した。]
貴方に素面は無理だろうて。 しかし、酔うても良いが、 以前のような不覚は止せよ?
[数百年前の暴風雨のように、>>59 守りをする気はないとは念を押す。]
(86) 2019/12/29(Sun) 22時半頃
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舞か? 舞ならば、お安い御用。
私の舞は吉兆、 良い年になろうぞ。
[己の美を示すにも、新春の空は良い舞台。 粋な余興の提案ににまりと返し、 桧風呂を後にした。*]
(87) 2019/12/29(Sun) 22時半頃
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[ そっと拾われたなごころ、収まり意外とわるくない。 そのまま行くならどこへなり。ざぶんと岩風呂それもよい。
そのうち御神酒が届くなら、もしや熱燗届くなら。 熱い視線を熱い徳利に。 ちょっぴりおこぼれ浸して欲しい。]
ほわんほわん
(88) 2019/12/29(Sun) 22時半頃
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ランタン ジルは、メモを貼った。
2019/12/29(Sun) 22時半頃
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[小海老の列を成して、手分けしたとて 赴く風呂場は両手を越える。 大海老による計らいはミタシュには理解できぬが 絶妙な頃合で追加が運ばれてくるものだから 籠の中が品薄になることもない。]
あい、あい、お待たせしやした お冷はこっち、熱燗はこっち
…目玉の旦那はええと…浴びるように飲む方で?
[周到に小海老が携えていたのは、猪口よりも やや深く安定感のある、ぐい呑み。>>88]
(89) 2019/12/29(Sun) 23時半頃
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オグンは、喜び勇んでぐい呑みにとびうつる。ぽいんっ
2019/12/29(Sun) 23時半頃
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へい、もり蕎麦に天婦羅、葱なし… 影の旦那も湯上りにお召しで?
[悠久とも思える空や海、陸を渡って 幻日屋へと訪れる神は概ね、長風呂だ。
急かす必要なぞない。 各々、溜めこんだ疲れや穢れ、澱を濯ぎ 除夜の鐘が鳴る頃には、湯からあがるだろう。
狸の旦那を始め、聞き届けた注文は速やかに>>55 小海老を通じて厨房へと伝わる具合。]
(90) 2019/12/29(Sun) 23時半頃
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[ 茸笠かぶってご満悦の孤眼たち、ふと見上げると裸孤眼が一人風呂。 じっと見上げる熱視線。しいたけ、まつたけ、しめじにてんぐ。群れなす笠の見つめる先は、ほかほか湯気立つとびきり燗]
アビルー ホシーイ ヒタルー イイナー グイノミー
(91) 2019/12/29(Sun) 23時半頃
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[いちど湯からざぶりと上がり、岩の上に腰掛けて火照りを冷ます。 程よく冷めたらまた湯に浸かる。 これぞ、冬の露天風呂の至福のひとつ。]
ほほぅ、これはなんとも煌びやかな。
[>>32風呂の岩間から覗く飾り木は、不可思議な色彩を湛えていた。 欠けた虹色は、ふとした拍子に揺らめいて。まるで生き物か何かのようだ。 新たなつまみが届くまで、これを肴に一杯やるのも悪くない。]
(92) 2019/12/29(Sun) 23時半頃
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[>>60やがて、小海老がぞろぞろと。 蒸された野菜と卵を運んできたが]
うんっ?
[>>82ざぶん、っと。 湯の中に、何かが落ちる音がしたのも、そんな頃。]
おやおや、どなたかおいでかな? 丁度、追加の酒も来たとこじゃて、どうだ、一杯やらんかいの?
……ん〜?
[たしかに、湯飛沫が上がったような気がしたのだが?]
(93) 2019/12/30(Mon) 00時頃
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[ ちかちか、またたいていた七色のサインのパターンを少し変えて思案すると、籠に賽銭じゃらりと詰めて、根元のてきぱきミタシュに降ろす。]
やあやあ我こそは、僕であり僕たち御群。 いつもご苦労様だよ。僕たちの御神酒代、此れで遣り繰り頼めるかしら。
(94) 2019/12/30(Mon) 00時頃
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ん〜、んんん?
[こってんと、首を傾げて湯面を見る。 >>83揺らめく湯気の中、だれか、なにか、いるようなどうなのか。 それが、やはり勘違いでないと知ったのは、料理と酒がこの場まで到着してのこと。]
おお、おぉ。 ぬしは、どちらから?
[まずは一献、と。 黒い湯楽里に杯を勧めようか。]
(95) 2019/12/30(Mon) 00時頃
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