237 それは午前2時の噺。
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墓
少
霊
全
ホリーに8人が投票した。
イスルギに1人が投票した。
ホリーは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
全ての人狼を退治した……。人狼に怯える日々は去ったのだ!
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「おや、そんなとこにいたんかい」 [暗闇の中、アヤと対峙するこの張り詰めた空気を貫くように、ぱっと一条の光が差した。]
(0) ヨキ 2018/03/28(Wed) 16時半頃
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[それは……小さなおばあちゃんだ。 背負ったリュックに、財布に、携帯に、うざったいほど鈴を下げていて、一歩ずつアヤに歩み寄る度にカランカランと喧しく喚きたてる。これもまた鈴の下がった大きな懐中電灯を振り振り、おばあちゃんはアヤに厳しい顔を作って見せる。] 「こんな夜中に歩いちゃダメじゃろうが。 たまたま一人で山ン中入ってくのが見えたからいいけんど…… こっそり入って落ちても、だぁれも助けてくれんからな。」 [おばあちゃんは肩に下がった手拭いで汗を拭き拭きまくし立てて、どっこいせ、と肩に下がったずだ袋を地面に下す。 生え始めの筍やタラの芽、うど……春の緑のにおいがする。芽吹き始めた、命のにおいが。
おばあちゃんが彷徨わせる光は何度も私の身体を通りすぎていく。]
「この先は崖しかないよ」
[だから、さあ帰ろう、と。おばあちゃんはアヤの手だけを引いていく。]
(1) ヨキ 2018/03/28(Wed) 16時半頃
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「一人で怖くなかったかい?」 ずるい。
ずるい 「そんな恰好で寒かったろが」
「お父さんとかお母さんに叱られっちまうぞ」 ずるい
ずるい 「腹は減っとるかい?」
[ わ た し は ま だ こ こ に い る の に ]*
(2) ヨキ 2018/03/28(Wed) 16時半頃
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[はあ……、公園のフェンスと思われる物体に背中を預け、虚空に息を吐く。ひやりとした夜の空気は溜息一つでは払うことも出来ずに、膝を抱えて座り込む体をゆっくりと冷やしていた。
すぐそこに有るはずの鍵は見付からない。 街頭は息を吹き返さない。 真っ直ぐに光を飛ばす車も走らない。 明かりを持って出歩く人などいるはずもない。
今は一体何時なのだろう。 自宅の時計の短針は0時を超えていた記憶はある けれど、詳しくなんて覚えていない。 闇に鎖された町は──世界は。まるで息を潜めて 活動を止めてしまったかのよう。
──仮死状態、或いは永い眠りに就いたような。
それとも、このまま緩やかに朽ちていく その始まりの瞬間に、いるのだろうか。
]
(3) katainu 2018/03/28(Wed) 18時頃
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世界は、滅んでしまったのかな。
[いつかの夜明けの言葉を、呟いた。 今度は笑いなど出てこない。
自分の中にいくつも折り重なって眠っているであろう世界たちは、どれほど手探りしても、呼んでも、応えてはくれなかった。
何も無い。
無 、 だ 。
この暗闇の町のように、真っ黒に塗り潰された世界の揺り籠は、もう空っぽなのかもしれない。 存在しないから、どれだけ探しても、呼んでも、見付からないのだ。
暗く、静かで、芯まで冷やしていく闇の中、 ぎゅっと膝を抱えて小さくなる。]
(4) katainu 2018/03/28(Wed) 18時頃
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[
見えないんじゃない。 見ようとしていないだけ。
世界は変わらずここにある。 世界は、ほら、ここにある。
良くご覧。 月明かりで、星の瞬きで 闇のその先が、見える事に──気付いて。
]
(5) katainu 2018/03/28(Wed) 18時頃
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────…朝を、待とう。
*
(6) katainu 2018/03/28(Wed) 18時頃
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助手席のドアが開く音で、浅い眠りから目を覚ました。 長時間の待機は30を過ぎた身体には応える。背中を伸ばすと骨が面白いように鳴った。大きな欠伸をして滲んだ目を擦るとカーナビに表示されている時間が見える。助手席に入ってきた女性は雑にレジ袋を置いた。
「まだ動かないんですか〜?」
レジ袋から眠気覚ましの栄養ドリンクを一気に飲み干すと、六掛紫乃は仕事帰りに一杯引っ掛けた中年のような声を漏らした。
「一條の件、凄い騒ぎになってますね」
あの日、斗都良町で起こった奇妙な事件。三割方が撮った写真と六掛の書いた記事によって一條聖司の悪事は世間へ暴かれた。調子に乗った六掛が二郎系ラーメン特盛並みに嘘を盛ってしまったため、結局三割方がまたも徹夜で改稿する羽目になったというオチ付きだが。 このスクープが発端となり、一條の横暴は次々と明るみに出た。先日とうとう一條は逮捕され、世間は大騒ぎとなっている。
(7) G.G. 2018/03/28(Wed) 21時頃
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「私たち、センテンススプリングキャノンなんて言われてますケド、どう思います?」
六掛はバックミラーを見ながら髪をかきあげて冷えピタをおでこに貼った。三割方は煙草に火をつけて、
「知るか。糞食らえだ」
煙と共に愚痴を吐いた。 六掛は助手席の窓を開け、コンビニで買ってきた雑誌を捲る。月刊マー。オカルトを中心に取り上げる月刊誌だ。背表紙には『怪奇!?斗都良町の停電!』と恐怖を煽るような赤いフォントで書かれている。
「お前まだこんなもん読んでるのか」 「いいじゃないですかぁ〜! 趣味なんですよ」 「オカルトなんて7割が嘘じゃねえか」 「あれ、2割下がってません?」
三割方は口を閉ざす。実体験を元に、少しだけオカルトを信じるようになってしまったと言ったらバカにされるに決まっている。
(8) G.G. 2018/03/28(Wed) 21時頃
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「あっ、来ましたよ!」
六掛は正面のフロントガラスを指差す。アタマツでお馴染みの人気のお天気アナウンサーが通りを横切った。 慌ててシートベルトを外し、カメラを片手にドアレバーに手をかける。
「……三割方さん!」
六掛が三割方を呼び止めた。振り返ると、六掛は澄んだ瞳で三割方をじっと見つめている。瀕死の三割方に寄り添っていた時と同じ瞳だ。
「私達の仕事って、意味があるんですよね?」
この歪んだ世界に生きるパパラッチ。 人のありのままを晒し上げ、ロクでも無いものをフィルムに収める。長時間の張り込み。でっちあげの記事。どこまでも腐った仕事だ。 だが、腐っても根っこはある。世間を出し抜きスクープを撮るのは、人が真実を求めるからだ。例えロクでも無いものだとしても。 彼等は褒められることも、讃えられることもなく、世間の罵声を浴びながらカメラに真実を追い求める日々を繰り返す。
「……三割は、な」
(9) G.G. 2018/03/28(Wed) 21時頃
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「さんそって、すっぱそうとおもわない?」
…… 。
「ばあか、ちがうっての。」
……────、 。
[彼女の名を、噛み締めるように呼び続ける。呼応する声も、息すらも無い。平行線のまま滑り落ちていく音がただただ空しく響いた。]
(10) Lycoris 2018/03/28(Wed) 22時半頃
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[明かりを取り戻した病室の一角で、彼女は穏やかに微笑む。何を呼び掛けても、しゃがみ込んで彼女を射貫いても、交差することの無い眼差しの中で笑っていた。
叫び声が団地中に木霊したのだと、湿布を張り付けた腕を摩りながら小太りの女性は真っ青な顔で吐く。 手探りで駆け付けた先にあったのはゆらゆらと揺れている濃い影。泣き声が高らかに、何かを探すように蠢いていた。 大丈夫、と肩を触った大家を錯乱した彼女は投げ飛ばし、その先には小さな命が無防備に晒されていて────
ぐしゃり。
何もかもが遅すぎたのだ。もう一つの影を見つけるのも、救急車を呼ぶのも、俺自身がその事態に気付くのも。 ごめんなさい、ごめんなさい。肩を震わせながらそう紡ぐ大家を、攻めることなどできやしない。 あ、タクシーがあるじゃないっすか! ……、彼女を、そしてあの子を掬う可能性を潰したのは紛れも無く俺自身だと、記憶が刃を出して責め立てた。]
(11) Lycoris 2018/03/28(Wed) 22時半頃
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[果たして、彼女はその瞳で何処まで見ていたのだろうか。 腫れぼったく赤みの冷えないその目には、最期、何が映っていたのだろうか。 彼女の心の内を知る術は無く、ただ光を失ったカセットテープが延々と流れていく。再生、一時停止、そして、巻き戻し。無限回廊の中で外の世界から閉じ籠るかのように、その規則性は崩れることは無い。]
なぁ。どんな味がすんの、お前さんのそこにある空気は。
[頬へと宛がった指先が流れる血潮の温かさを覚える。無機質なそれとは異なる、柔らかな肌の中に温度を保ったまま彼女は座っていた。彼女は、ヒトだ。紛れも無く、何の変わりも無い、彼女は彼女だということを教えてくれる。 なのに、]
(12) Lycoris 2018/03/28(Wed) 22時半頃
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「…………、さんそって、すっぱそうとそうおもわない?」
[噛み合わない会話。いや、言葉の押し付け合いに近い何かの果てに、頬を伝わり自身の手先を濡らすものがあることが一つの救いなのか。それとも、一つの絶望なのか。自身には、分らない。 根を張り巡らす後悔と共に、その矮躯を抱き締めることしか、出来なかった。覚えのあるそれから、随分と細くなった彼女は腕を寄せることなく、「ばあか、ちがうっての。」と残酷に嗤うのだ。*]
(13) Lycoris 2018/03/28(Wed) 22時半頃
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[ 暗い空の雲の色がわかるくらいにはあかるかったから、ちゃんと公園にたどりつくことができた。ひざこぞうがまだじんじんして、しくしく泣いているみたい。 やっぱりお気に入りの服はやめておいた方がよかったのかもしれない。だけど、とびっきりのことをお願いするときはとびっきりの服で、したかったんだ。
ちょっとすてきなおかしを食べるときに、かわいいお皿を準備したくなるみたいに。 とくべつなことは、とくべつにふさわしく。
たとえばわるいことだったとしても。]
(14) Muimerp 2018/03/29(Thu) 03時半頃
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[ 八つ当たりじみた手紙を抜いて、ポケットにしまっていたもう一つの手紙を取り出した。なんとかいっしょの封筒に押し込んでまた封をする。はやくしないと、いつ電気がつくかわからない。電気がついたらとけいがうごきだしてしまう。そうしたら、そしたらもう埋められないし掘り出せない。 それに、 ]
「何してんの」
[ うしろから、 こえが、きこえて、 しんぞうが、 プールまえのシャワーのときみたいに ひっ、 と、 ちぢみあがった。]*
(15) Muimerp 2018/03/29(Thu) 04時頃
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[―――― ぷつっ]
あっついた
[地面に這うような体制のまま、背中に猫を乗せている。 目の前には音の鳴るボール、ふさふさした新しい猫じゃらし。ああそういえば、生放送の為に用意したんだっけ。あ〜わすれてたわすれてた、そうだったそうだった。 ぺたんとそのままうつ伏せに寝そべった。ラディは背中の上で座りなおした。なぁお、と鳴き声がする。ああ〜こんな時でも鳴き声がめちゃくちゃに可愛くってそのいつもはごろごろとなる喉から出るなめらかな声は人に出せるような音ではなく「ぬ」と「な」の間辺りの発音で、ぬなぁ〜お。みたいな、そんな感じで。凄く可愛く綺麗な声なのに、その声にもどこかごろっとした音が混じっていて更に愛しい。はあ〜〜可愛い。私もう猫のベッドとして生きる。生きたい。人生の目標。 でもまず猫が人間を家具としか思ってないような気がしてるのよね。のぼるし寝るし爪とぎするし。生きている家具。人間椅子。意味合いが変わる?江戸川乱歩は趣味じゃないから室尾犀星にしておいて。 ちなみに愛読しているのは梶井基次郎の「愛撫」なので皆さん読みましょうね。ああ、話がずれた。]
(16) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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[窓の外を見ると、まだ暗いようだった。
ペット可、のマンションだからこそ、温度変化に弱い動物を飼っている家が多く、その家では専用のヒーターやクーラーが常に稼働しているだろう。だからマンション自体に予備電源があるらしかった。実際、それがあるかないか、は住むかどうかの決め手になるらしい。 まあうちは猫だから、そこまで気にしないけど。 確かに爬虫類や小動物やらは大変よね、夏場とか冬場とかだったらさらに。]
すごおい… まあっくら
[猫を両手に抱えながら窓の外を見おろす。]
(17) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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ほら、ラディ見て 外は真っ暗よ、ああでもちらほら、 あのあたりも予備電源とかかしら?
車のライトは見えるけど
[外からはサイレンの音が聞こえる。 火事?事件?なんだろう。窓の外を覗いても、ただ赤い光が道をたくさん走っていく様子が見て取れるだけだった。]
物騒ねえ、停電の時くらい、 静かにしてればいいのに…… ああ、停電だからかな?
ぶっそ、…
(18) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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はっ あ、 あああ?!!? ぱそこんっっ 待って私保存ちゃんとおしたよね? っていうか生放送、生放送!!そっちが先!
[もう明るいのだ、スマホがどこにあるかも解るしパソコンだってつく。だけども有線ではまだネットにはつながらなくってぐぬぬとなった。とりあえずスマホだ。]
(19) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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「ご、ごめんなさい。 諸事情で生放送遅れてます。今日は出来ないかもしれないのほんとうにしんどい。かわりに撮りたてのラディの写真をたくさん載せますね。」
[ラディの写真×4]
(20) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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[ラディの写真×4]
(21) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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[ラディの写真×4]
(22) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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[ラディの写真×4]
(23) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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[ラディの写真×4]
(24) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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「仕切り直しの日程はまた後日お伝えします! はやめにできるといいな〜〜!(=^・・^=)」
[ラディの動画(絨毯の上でころんころんとひっくりかえりながらカメラ目線。した後にまたころんとひっくりかえって前足で顔や耳をくしくしとおこない、その前足を舌でざりざりと舐めた後、またころんと今度は丸まって尻尾をぱったんと一度音をたてて上下に大きく揺らした後、床の上でする〜りするりとその長い尻尾を揺らしている動画。1分。)]
(25) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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[ふう、と一つ息をつく。 社長に連絡する事なんてとっくに頭から消えうせた。
抱いているラディに頬擦りすると猫の短い毛がほっぺたに直であたってもしょもしょしてとても気持ちいい。猫飼いにはお風呂に入る前に裸で猫を抱きしめるのが趣味という人もいるけど正直気持ちはわかる。とても解る。やりたくなる気持ちもわかる。やらないけど。 ぬぇー。と少し情けない鳴き声をあげて、てちっと頬を猫の前足で押された。はああああああああああっ 肉球スタンプっっ。ありがとうございます!!!嫌がってるの解るけどこの嫌そうな顔がまたぶっちゃいくでかんわいいのよね〜〜んふふふふ。猫の表情すっごく豊か。いや解らない顔もあるんだけど。無みたいな表情多いし。でも解りやすい表情をしてる時の可愛さは本当に異常だからこれからもどんどんかわいい顔を見せてほしい。本当に可愛い。
これはもうらぶ。らぶよ。まるで私の名前みたい。]
(26) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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[猫愛に溢れヤバいくらいで結婚秒読みと言われるひとつのアカウントがあった。まあ実際ひとつくらいじゃなくって数多にある猫好きアカウントの一つなんだけど。この世の中にどれだけ猫を心から愛する人がいるというんだろうか! そう、でも実際に、大勢の中の一人で良いのだ。 皆が猫を愛する世界が好きなのだから。
そのひとつのアカウントの固定ツイートは、いつもこうだ。
「猫が好きです。うちのラディは世界一。 でもよその子だって誰かの世界一。
不定期で猫生活の配信やってます。 気が向いたら生放送、見に来てね。」
そのアカウント名は、 ――――― * ラディ’s LOVER *]
(27) udon 2018/03/29(Thu) 08時半頃
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───…ふ、と。 あかりが落ちた気がして緩慢に顔を上げれば、 視界の端に緑色のものが掠めたように見えた。 パチパチと瞬いて、薄ぼんやりとしたその緑色に 焦点を合わせると、それは看板だった。 座り込んだ地面から、民家の屋根や樹木らしき 陰の向こうに見え隠れする、発光するその板は 恐らく、総合病院の看板、だろう。
(28) katainu 2018/03/29(Thu) 18時頃
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「……そうか、非常用電源。」 機器のほんの一瞬の停止が生死を左右する病院は 独自の発電設備を備えていたのだろう。 闇に灯った「色」を目にすると、その場に立ち 上がり、くるりとゆっくり周囲を見渡した。
「生きてる……、滅んでなんかなかったんだ!」
遠くに見える縦に連なる灯りは、数年前に建った ばかりの新しいマンションだろうか。 冷たく澄んだ夜の空気を割いて、どこかで車が アスファルトを踏みしめていく音が聞こえる。 周囲の民家の窓の奥にも、電池が生む白い光や 揺らめく炎の灯りがぼんやりと見える気がする。
(29) katainu 2018/03/29(Thu) 18時頃
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世界は滅んでなどいなかった。 世界はまだここにある。
私が見付けた、私の見つめる、私の世界。
(30) katainu 2018/03/29(Thu) 18時頃
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……くっだらない。
[抱えた膝に肘をつき、掌で支えた頬を皮肉に歪める。 暗闇の中で自身の怯えを煽り、孤独を突き付けた、幼稚な想像たち。紡ぐ言葉すら稚拙なのはこの状況に疲弊しているから。
────けれど。
そこには確かに、この闇から生まれた自分を取り巻く世界、が広がっていた。
遠くに逃れて掴めなくなったと思った 深くに沈みこんで眠りから目覚めなくなったと思った 求めた「世界」が、闇の中には踊っていたのだ。]
(31) katainu 2018/03/29(Thu) 18時頃
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……あ、あった。
[妄想の自分がそうしたように、闇の向こうを見通そうとじっと見つめ、そうすればゆっくりと暗さに目が慣れていき、僅かな月明かりが視界に影の濃淡を付けていく。
見ようとしないから、見えない。 見る気になれば、輪郭くらいは掴めるんだ。
ゆっくりと黒に馴染ませた目で足元を丹念になぞれば、僅かに色の薄い小さな物──銀色の鍵を、見分けることが出来た。 ほっと息をついて拾い上げる。 どうやら落として転がした内に、どうにかなってキーホルダーは外れてしまったようだけれど、この際仕方ない。明るくなったらヨムマジロくんを探しに来てあげよう。
今は、兎に角自宅へと戻らなければ。 世界を描く工房へと戻り、誕生日や手紙に添えて贈られたキャンドル、棚の飾りとなっているあれらにオレンジの帽子を乗せて。 ゆらゆら頼りない光の中でも雰囲気が出て良いのではないだろうか。
暗闇が寄越した世界の影を、 真っ白の紙へ映してやらなければ。]
(32) katainu 2018/03/29(Thu) 18時頃
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[こつり、とペンの落ちる音。 じわりと滲むインクの黒。
いつだって、それが世界の始まり。
落としたペンは紙を滑り、すらりとインクが伸びていく。 これが美しい物語を描くのか、ただ泣きじゃくるだけの子供の叫びになるのかはまだ分からない。 けれど確かに、生まれようとしているのだ。
闇に閉ざされた町。 夜よりも深い夜。 やがて訪れる朝を待つ、あわいのとき。
さあ、産声を上げよう。]
(33) katainu 2018/03/29(Thu) 18時頃
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それは、午前2時の──── *
(34) katainu 2018/03/29(Thu) 18時頃
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[名もなき誰かが、スマホの画面を撫でている。 気紛れに上下行き来する指は、ゴシック体の上で止まると、一度だけ、軽く跳ねた。]
(35) riddles 2018/03/29(Thu) 20時頃
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[元交際相手の家で寛ぐ 住居侵入容疑で男逮捕
元交際相手の女性宅に侵入したなどとして、警視庁斗都良署は住居侵入の疑いで、元記者で無職、石動角美容疑者(30)を逮捕した。女性が帰宅したところ、女性の衣類を身に付けた容疑者と鉢合わせた。悲鳴を聞きつけた近隣住民の通報により、駆けつけた警察官が取り押さえた。 同署によると、石動容疑者は20代女性宅に合鍵を使って侵入した疑い。 石動容疑者は、女性と1月まで約2年間交際していた。調べに対し容疑を認め、「女性のことが忘れられなかった。よりを戻したかった」と供述している。]
(36) riddles 2018/03/29(Thu) 20時頃
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「そんなオバケなんかよりも人間のほうが怖いんだぜ」
[遠い記憶の中で、カナモリくんが笑ってる。まあるい頬に作った、大きな青痣を庇うようにして、ぎごちなく。
完]
(37) riddles 2018/03/29(Thu) 20時頃
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アヤ。 [思いのほか震える声が出た。バカみたいだ、今になってまた一人に戻るのが怖い。 泣いているアヤに向かって手を伸ばす。ブランコの上で所在無げにしていた時と同じように、握手を求めるように。 でも、アヤはおばあちゃんとわたしの間で、小さな子みたいにわんわん泣いていた。 ……泣けるなんて、泣いて助けを呼べるなんて、やっぱりずるい。 アヤの髪を梳く皴だらけの手はきっと温かい。 小さくてがりがりで可愛くなくて誰からも愛されないアヤは、この先できっと幸せを掴んでしまう。 守ってくれる大人に出会って、理解してくれる人に出会って、愛される人になる。 ……そんなの、ずるい。絶対わたしには許されない未来。]
(38) ヨキ 2018/03/29(Thu) 20時半頃
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[ふと、泣いてばかりのアヤが、嗚咽に合間に呟いた。] 「ほんとうは、わたしなんか、しんでもいいとおもったの……」 [わたしからはアヤの横顔しか見えない。アヤはこっちを見ない。 それはおばあちゃんへの返答なのか、それともわたしへの返事なのか……どっちもなのかな。
もし、本当にわたし達が友達になる道なんて、あったんだろうか。 死にたいからわたしとお友達になるのか、死んでもいいから友達になりたかったのか。
おばあちゃんが泣きじゃくるアヤをそっと抱きしめる。 痩せた背に回された手が握る懐中電灯は、わたしをそっと照らす。 けど、ただそれだけ。]
(39) ヨキ 2018/03/29(Thu) 20時半頃
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[そして、春の匂い、鈴の音を引き連れて、みんなどこかに行ってしまって……
静かな森と、私だけが残ってしまった。
そうして、大人に内緒のわたしの冒険は終わってしまった。]
(40) ヨキ 2018/03/29(Thu) 21時頃
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[真っ暗な森に飲まれそうになりながら、わたしは目的の場所を再び目指して歩く。寒い風も、顔に当たる枝葉も、足を滑らせようとする腐葉土も、身体を持たないわたしにはまるで関係がなかった。
何にも干渉できない存在、嫉妬する他ない存在、 大人には見えないし、家族もいない、家もない、
……そう、昼間の星みたいな存在。]
(41) ヨキ 2018/03/29(Thu) 21時頃
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[さあ、手の届かない星に会いに行こう。 そうして夜を過ごしたら、また生きてるふりをしに行こう。
公園で遊ぶ子供の横に ベランダで紫煙を燻らすあなたのそばに ペットと戯れるあなたの真上に パン屋で朝ごはんを選ぶあなたの背後に
わたしは、いる。そこにいるのが見えないだけで。]
(42) ヨキ 2018/03/29(Thu) 21時頃
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[そうして寂しさが募っていったら……
そう、夕暮れの公園に行こう
友達にするならひとりぼっちの寂しい子
絶対差し伸べた手を拒まないような
夜の公園で、ひとりでブランコに乗っているような、子。]**
(43) ヨキ 2018/03/29(Thu) 21時頃
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改めまして、ご参加くだすった皆様に厚く御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
(#0) 2018/03/30(Fri) 01時半頃
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[ ─────… ざぶ ん、]
(44) minstrel 2018/03/31(Sat) 02時頃
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[ 斗都良駅周辺の道すがら、突如、視界が黒に呑まれた。田舎町を細々と照らす灯火は、見渡す限り潰えたようで、夜の帳を打ち消す街灯も、今は無力にも夜闇を野放しにしている。
職場の送別会が、名残惜しさと今日限りの別離を言い訳に、二次会、三次会、四次会と長引いたおかげで、正しい夜の訪れに立ち会うが。脳髄までしっかり酒精が回った頭では、碌に事態が飲み込めない。
ただ頭上に明滅する無数の星を瞳に収め、天を仰ぐ。 綺麗なもんだ。悪くない、と吐き出した息の酒臭さに、少々目が醒める。上手く切り取れる気はしないが、出来心で夜空の写真でも撮ろうかと、ポケットを探り──…ない。
スマホがない。一気に酒が抜ける。あちこち叩いて、ある筈の機体の膨らみを探し当てんと願うが、手応えはない。入れた覚えがないのだから、当然鞄にもない ]
「はぁ、何やってんだ……」
[ 呆れと、諦観の入り混じった溜息が、忽ち夜に取り込まれる。端末の画面光も、連絡手段も絶たれ、暗闇と孤独に対抗する術を失う。星が降ろした電信柱の影から、眠りについた三両編成の電車の車体から、静寂が顔を覗かせる。月光が悪人を洗い出すかのように、一筋此方に差し向けた ]
(45) minstrel 2018/03/31(Sat) 02時頃
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「……先生?」
[ か細い、昼間の喧騒の中であれば捉え損ねる程の、小さな声を拾い上げる。遮断機の向こう側で、背に月明かりを受け立ち尽くす子供。見覚えのある白い肌が、夜との対比で一層際立つ。早春にしては薄着の袖のないワンピースと裸足が、はっきりと輪郭を持ち、丑三つ時に取り込まれる事なく存在している。昼の間、保健室で眠り姫然としているのが、納得出来る程に ]
「お前、こんな時間に何を、…………あっ?!」
[ 違和感は幾つもあるが、少女の手の内にある物を見て、声を上げる。長方形のシルエットだけで、小さな手が握り締めているのは、自分の探し物だと早合点する。が、見止めたと同時、少女が身を翻し、駆け出す ]
(46) minstrel 2018/03/31(Sat) 02時頃
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「おい、……待てって!何処行くんだ!」
[ 引き止める大声が、アスファルトを打ち路地に響く。反射的に追い掛けようと足が動き、踏切を越える。坂道に差し掛かり、運動不足の心臓が暴発しそうな程に痛むが、立ち止まることも出来ず、千鳥足に鞭を打つ。やがて世界が回り出し、足場を失う浮遊感に襲われる。視界に踊る白いワンピースだけが道標だった。
大人の脚力が開いていた距離を次第に埋め、もう一息だと伸ばした手は、空を切り、落ちる。後を追う速度を態と緩めたのは、少女が笑っていたからだ。長い黒髪が夜に棚引く。すれ違う夜風は少女を見逃し、誰も彼も、あの子を捕える事は出来ない ]
(47) minstrel 2018/03/31(Sat) 02時頃
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[ ──大人になれば、自由が手に入ると思っていた学生時代。苦渋に耐え、机に向かう事しか出来ないでいた。現実は、柵に行き場を失くし、背負う物が増える日々。
青年は時折、生きにくそうに笑っていたのを思い出す ]
(48) minstrel 2018/03/31(Sat) 02時頃
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[ 夜を駆ける、少女の今が、この子の本質だとするなら、保健室で俯いていた子供もまた抑圧されていたのか。棒切れのように動かなくなった足を素直に止める。
俺の負けだ、と口に出した途端、力が抜け座り込んだ。振り返った少女が、廊下を騒がした悪餓鬼達と似たような、いい笑みで笑った。斗都良の町は未だ闇の中であるのに、この一本道に静寂の気配はない。そうしてこの身体を縛る気怠い不自由が、なんだか愛おしく、思えて、薄く笑って身を任せた ]*
(49) minstrel 2018/03/31(Sat) 02時頃
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