273 魔性の病院【R18ペア】
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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…そっちじゃないよ、こっちだよ。 ここ、秘密基地なんだ。雨もへいきだし暖かいよ。
(0) 2019/12/06(Fri) 22時頃
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[魔界、と呼ばれるこの世界を統べるのは、一柱の王だった。
魔王スヴァルニール。 人の上半身と獅子の体を持ち、鷲の翼を備えた異容。 肌は鞣した革のように強靭で、毛並みは夜を煮詰めた黒色。 上半身を包む衣は黒と金で仕立てられ、炎を封じた石や鮮血を押し固めた玉など様々な宝玉で彩られている。 背に纏う赤いマントには亡者の顔が絶えず蠢き現れ、怨嗟と悲嘆の声を上げていた。
悪徳を良しとし、破壊と殺戮を厭わず、弱者が踏みにじられるのを見て嗤う、魔界の王の名に違わぬ性質を備えていたが、なによりもこの魔王は余興を好んだ。 人と魔とそれ以外のものとを問わず、この魔王の余興に巻き込まれたものは数も知れない。]
(1) 2019/12/06(Fri) 22時半頃
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[そしてもうひとつ。 飼っている人間の希望であれば、何であれ叶えてやるのだという噂がある。 この病院も、そうして建てられたのだと。
噂の真偽はさておき、魔界に建つ入院専門のこの病院には魔王だけが使える専門の病室があり、時折黒髪の人間を伴って訪れては、数日を過ごして帰るというのは事実であった。]
(2) 2019/12/06(Fri) 22時半頃
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肉屋 ニールは、メモを貼った。
2019/12/06(Fri) 22時半頃
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− 魔界/戦場 −
[ ひしめく異形の兵の中に、その時、一筋の亀裂が走った。 そのまま、波紋を生じるにも似て、周囲の陣形が崩れてゆく。 戦場は混乱を極めた。
事態を引き起こしたのは、音のない風とも見える一騎だ。 飛竜を操るのは、墨色の鱗に覆われた蜥蜴人ともおぼしきシルエットである。
手にしているのは柔軟に撓る長槍。 それを縦横に振り回し、敵を薙ぎ払う。 単騎突入でありながら、その働きには焦りも怯みもありはしなかった。]
(3) 2019/12/06(Fri) 23時半頃
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[ 突起の生えた頭部は、よく観察すればフルフェイスの兜であるのがわかる。 薄く精巧な作りのせいでまるで地肌のようだ。 重なり合う細かな鱗もその実、鎧であった。
華美ではなくとも、それだけのものを身につけているからには、相当な地位の魔性と知れる。
彼こそ、この一帯の領有を主張して飽くことない闘争に明け暮れている魔侯爵の庶子にして戦場の舞踏家シコウであった。 その名は単に四番目の男児の意味でしかなく、なんら縛る力を持つものではない。]
(4) 2019/12/06(Fri) 23時半頃
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─ 常夜の城 ─
そう。 彼を除いて欲しい、と。
[月の光注ぐ城に使者を迎え入れ、口上を聞く。 依頼の内容に柳眉を上げた。 魔界の勢力争いになど興味はないけれど。]
受けてもいい。 けれども条件がある。
[いくつか要求し、受け入れさせたのちに依頼を承諾する。 赤い舌がちらりと唇を割った。 さあ。運命を狩りにいこう。]
(5) 2019/12/07(Sat) 11時頃
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─ 魔界/戦場 ─
[魔侯爵の領地の辺縁に、上空より見慣れぬ軍勢が降下してきた。 天界の軍勢を思わせる現れ方だったが、漆黒の軍容がそれを裏切る。 整然と行軍する兵は人に似た形をしていたが、目鼻もわからぬ黒い影であった。身に帯びる武具もまた、本体と同じく影でできている。
光を吸い込む黒の軍勢の中で唯一、将だけが血のように赤い。 深紅の長袍を纏い、黒の長髪を緩く束ねて背に流し、具足のひとつも身に付けぬ軽やかな姿で影の兵どもを指揮している。 彼を乗せて魔界の空を行くのは、有翼の黒狼だった。]
では行こうか。 目標はただひとつ。
[全軍にというよりは乗騎にのみ聞かせる声量で、進軍を号する。 目指す者の名は、唇の内側で転がすように囁いた。*]
(6) 2019/12/07(Sat) 11時頃
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宝飾交易 黍炉は、メモを貼った。
2019/12/07(Sat) 11時頃
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[ 鈍色の瘴気渦巻く空をさらに暗く翳らせて漆黒の軍勢が展開した。 切り崩された異形の群れもそれに気づいて、混乱に一層の拍車がかかる。 彼らの援軍ではなさそうだ。
潮時であった。
三人の異母兄のいずれかかが戦功を欲していれば蹂躙に出てくる好機であったし、 それも見抜けぬかやる気がなくとも、この戦線は瓦解する。]
(7) 2019/12/07(Sat) 11時半頃
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[ 新たな敵へと意識を切り替え、体重の掛け方ひとつで乗騎を操る。 静寂の壁に包まれているかのように物音ひとつたてない飛翔。 正面からの突撃でありながら、まとう気配は暗殺者のそれに似ていた。
一顆の鶏血石のごとき将を見据え、疾る。
闘気に反応して手にした長槍が黒焔をまとった。 挨拶代わりに振るえば、炎弾がいくつか、尾を引き飛んでゆく。]
(8) 2019/12/07(Sat) 11時半頃
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[混沌とした戦場から、解き放たれた矢の速度で黒い竜騎士が飛来する。距離と兵を隔てていながら、射貫くかのごとき意志の先鋒を感じて微笑んだ。 あれこそ目指す者。己が求める唯一の獲物。
溢れ出る黒焔に直撃された兵がまとめて吹き飛ばされる。 影の兵たちは穿たれれば形を崩し、霧へと変じた。 隊列の上に朧な闇の霞が掛かる。
兵たちの上を抜けて、炎弾のひとつが将の側を掠めて過ぎる。 闘気が形を取ったそれに指を差し伸べれば、白い指先が爛れて焼けた。 感じ取った熱さに笑み浮かべ、指先を唇に含む。残り香を味わうがごとく舌を這わせるうち、細い指先は元の白さを取り戻す。]
(9) 2019/12/07(Sat) 12時半頃
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[その指先を掲げれば、号令のひとつもなく隊列が変化した。 飛竜を迎え撃つために上下左右に展開する。 それは一点の紅を中心に呑んだ珠のごとき形。 正面だけが、誘うように僅かに窪む。
兵たちが一斉に影の弓を引き絞り、影の矢を放つ。 輪郭も朧な矢であったが、射貫けば痛手も与えようし、切り払われれば砕け散るだろう。 ただ影の兵を誤射したところで、影は影に吸収されて何事も起こらないのだ。]
(10) 2019/12/07(Sat) 12時半頃
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[ すべてが無音のまま進行した。 影が砕けて影に還り、魔眼のごとき陣形を築く。
その中心にある紅。
飛来した矢に竜は雷のブレスを吐き、空の戦場に真っ直ぐな通路を穿つ。 シコウは落下してくる鏃の雨には視線も向けないまま、槍を頭上で旋舞させて弾いた。 それでも防ぎされない幾足かが竜と騎手との鱗に火花を散らす。 痛みがあったとしても、兜の奥の表情は窺い知れない。]
(11) 2019/12/07(Sat) 13時頃
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[ そのまま、黒の中の黒となるべく影の陣容へと竜を進ませた。
狙うは艶やかな核のみ。
飛竜の背を蹴って跳び、槍を振りかぶる。]
(12) 2019/12/07(Sat) 13時頃
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[真っ直ぐに馳せ来たる黒竜を迎え撃たんと、影の兵らは槍を構える。だがその穂先が煌めく黒鱗に届くより先に、飛竜の騎手は飛び離れていた。 竜の速度に跳躍の力を乗せて飛翔する鎧の騎手を影の兵は止め得ず、魔焔纏う槍が紅の将を指す。
竜騎士が跳んだ瞬間、将は狼の首筋に手指を潜り込ませ、何事か囁いていた。 槍ごと落星の勢いで迫る対手に笑みを向け、下がるのではなく迎えに行くように前へ出る。 引き抜いた剣を翳して槍を受け止めにいくと見せかけ、槍の速度に合わせて狼と共に真下へ落ちる。]
捉えた。
[囁くほどの声音ながら、それは相手の耳にも届くだろう。]
(13) 2019/12/07(Sat) 17時半頃
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[声が届くと同時に影の兵らは中心の者から次々に形を崩し、霧となって黒の騎士に纏わりついていく。 それは力を奪う霧。 僅かずつなれど、触れた者の力を吸い取っていく吸魔の闇。
星が崩壊するように兵たちは連鎖して弾け、闇の霧が雪崩れ落ち凝集する。 その重力の中心こそが、かの竜騎士なのだ。]
(14) 2019/12/07(Sat) 17時半頃
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[ 刃をあわせんとする相手の動きに、黒焔がひときわ高く靡く。 闘気あるいは別種の感情に共鳴するかのよう。
が、金属の触れ合う音はないまま、届いたのは相手の声のみで、両者は同じ速度で落ちてゆく。
視界の先で影の軍勢が朧に溶ける。 それが無害な霧でないことはすぐに気付いた。]
(15) 2019/12/07(Sat) 18時半頃
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[ 相手の力を吸い取るのは生母の得意とする業だ。]
──…、
[ 念を受けた飛竜が首を巡らせる。 牙の並ぶ口を大きく開き、雷のブレスを主に向けて放った。 雪崩落ち纏わりつく邪悪な霧を吹き散らさんと。
むろん、シコウ自身も無傷ではすまない。 鎧に包まれた肢体が強張る。 すでに奪われた魔力が戻るわけでもない。
強いて意識を集中させ、雷撃の力をも加えた槍を、 自分のすぐ下を落ちてゆく紅将に向かって渾身の力で投擲した。]
(16) 2019/12/07(Sat) 18時半頃
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[頭上に靡く黒焔を見上げる。 ああ、なんという色だろう。 胸をざわめかせる熱情がたなびく。
黒い霧に圧し包まれると見えた彼を、雷撃の柱が打ち据える。 苛烈にして決然たる闘志の表れ。 雷を纏わりつかせた彼が槍を投げ放つ。 それを迎え入れるかのように両腕を開いた。 胸の中心を、弾ける熱を伴って槍が貫く。]
(17) 2019/12/07(Sat) 22時頃
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[槍の勢いと速度をもって、紅き将は狼から突き飛ばされる。 身軽になった狼は飛翔を再開し、黒い竜へと向かっていった。
貫かれた将は、そのまま魔界の大地へと墜落する。 並みの魔物ならば絶命していてもおかしくないところ。 だがこの魔は槍で縫い留められたまま、微笑んでみせた。 落ちてくる彼を見上げ、来るか、と誘う。]
(18) 2019/12/07(Sat) 22時頃
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― 魔界/領地争い ―
[魔界において身分というものがどれほど力になるのか甚だ疑問である。 彼らは力こそを是とすることがおおい。
その魔界において土地を魔王様より預かる伯爵とよばれるものがいた。
曰く『彼のものは十の山を隔てた先を見渡す眼孔をもつ者』
曰く『数多の魔術を使いこなす大魔導士《リッチ》』
等々そのような逸話こそあれど、その姿をみたものは少なくかわりのように最も多く呼ばれている呼び名があった。]
お外やだー。働きたくなーい。
[その呼び名は『引きこもり伯爵。』]
(19) 2019/12/07(Sat) 22時半頃
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[そしてそんな戦争の開幕一発目の魔法により、伯爵を中心に、前方右半分は炎に、前方左半分は氷に覆われた大地へと変貌し、そして突入されていく伯爵軍のゴーレムやガーゴイルの群れ。 大地は多くの敵軍を死体を新たな養分として受け入れることとなっている。
そんな光景を作り出した張本人はというと]
まったく、無責任な噂だと思うだろう?
『今日まで隠し通していただけでしょう』
[戦場を前に、被害者のように大仰に振舞いながら執事に真実でしょう。きっぱり突っ込みをいれられていた。
そんなお茶らけた態度でいながら、空洞の眼孔が、遠くを逃げる獲物をしっかりと捉えていた*]
(20) 2019/12/07(Sat) 22時半頃
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[なお、その伯爵は、受肉した姿をとるときもあるという噂があるが、それはほとんど知れ渡っていない*]
(21) 2019/12/07(Sat) 23時頃
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― 魔界/領地争い ―
[数多の逸話はあれど、この地の領主の姿を見た者は居ない。 故に、人払いの為の作り話だと最初に言い出したのは酒場の酔いどれ。 だから最初は与太話の部類であった。 けれど、そんな話も広まれば徐々にそれ自体が力を持って、更に大きな動きを齎すものとなり。 魔界に住む人間たちの、もっと良い地に住みたいという欲を刺激するには充分過ぎた。
ただの噂話を真に受けた訳では無いけれど、希望をもって戦を起こした──それは決して無謀ではないと、思っていたのに]
ひ、ぃ…は、はぁ…っ、
[なんで私は一人で、炎と氷に苛まれる中を必死に走っているんだろう]
(22) 2019/12/07(Sat) 23時頃
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[>>20一瞬の出来事だった。 精鋭を集めたはずの魔道師団が術を唱える間も無く弾き飛ばされて。 武装を固めた兵士たちが、文字通り力に圧殺されていく。
その光景を目に止めた瞬間、私の足は進んできた道を逆戻りに駆け出していた]
うそだ、うそだうそだうそだ、こんなのは嘘だ…!!!
[目の前で為された、今現在後方で起きている惨劇に。 生まれて初めて知った『恐怖』から、必死に逃げる以外出来ない自分自身に。 どれを否定したいのか、どれも否定したいのか。 どちらかもわからぬまま、声を紡ぐ。 自分を捉える空虚な眼光にも気付かないまま*]
(23) 2019/12/07(Sat) 23時頃
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─ 魔界/戦場 ─ >>18
[ 槍は吸い込まれるように相手の鳩尾付近を貫いた。 それでもなお向けられたのは悠々たる笑みだ。 麾下の兵らと同じく、その体は影でできているのかもしれない。
どのみち、あれだけの領域を埋め尽くす影を操る力を持った魔だ。 これしきで斃せるとは思っていない。 首を刎ね飛ばせば、さすがにしばらくは動かなくなるだろうか。
紅の将の容貌は、間近でみれば見るほど玲瓏だった。 そんな顔をさらしてよくも平気でいられると思う。 異母兄らの執拗な嫌がらせに倦んで、めったに面貌を外すことのないシコウには、どこか危うさと苛立ちを喚起させる相手であった。]
(24) 2019/12/07(Sat) 23時半頃
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[ 向けられた視線は雄弁に、まだ決着のついていないことを告げている。 体勢を立て直すにも、飛竜は翼狼と組討ち中で召喚できない。 雷撃を受けとめた鎧はあちこちに軋みを生じている上に、鎧の隙間から入り込んだ霧の残滓がいまだ魔力を奪い続けていた。 長く戦い続けるのは不利だとわかっている。
シコウは空間に断裂を生じさせ、その隙間に我が身を落とした。 短い距離だが、瞬間的に移動できる業だ。
再出現したのは、紅の将が落ちてくる地。 一瞬先に待ち受けて、手刀でその首を跳ね飛ばすべく、腕を振るった。*]
(25) 2019/12/07(Sat) 23時半頃
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― 魔界/領地争い ―
《カラカラカラカラカラカラカラカラ》
[音が鳴るように骨が笑った。見て笑った。 これだけの数多な音が響くにも関わらずに、脳みそに直接落ちてくる恐怖の音だ。]
降参するものは捕虜に。奴隷と言うのは一つの財産ってやつだもんなぁ。
[陽気な声とは裏腹に伯爵もしっかりと悪徳を重んじる魔族の骨というものだ。 それにだ、いくら働きたくないとはいっても、舐められたままではいけない。 時に飴を与えることもいいだろう。ただ付け上がらせてはいけない。 だからお外出たくなくても外にでた引きこもり。]
彼らは運がなかった。
[これは、初めに動いたのが誰か、というだけの差だ。畏れられれば次の争いは極力控えられる。彼らはその生贄。だからこそ盛大に行われた宴]
(26) 2019/12/07(Sat) 23時半頃
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[遠く遠く、火と氷の中を逃げていくものたち。その一人だけを明確に捉えていた伯爵は]
ちゃーーんと、責任者には落とし前をつけてもーーーらーーーわーーーなーーーーーーーーとーーーなーーーー!
[聞かせるように、聞こえるように響かせた骨ボイスは、彼女>>23に遠くから、そして徐々に近づいてくるように響いただろう]
(27) 2019/12/07(Sat) 23時半頃
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[そして――]
どこにお逃げかな、レディ。
[逃げた先に立つ骨がいた*]
(28) 2019/12/07(Sat) 23時半頃
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― 魔界/領地争い ―
ひ……っ!
[>>26カラカラと響く音に耳を押さえるも、ほんの少しも遮られない。 陽気とも言える、けして張り上げている訳でもない語りかけるような声もまた同じ。 運がなかったというその言葉は端的に現状を示している。
そうだ、運がなかった。 だって戦いにすらならないなんて誰も思っていなかった。 私自身、こんなことになるなんて思っていなかった。
皆を率いて出立した時は、それこそ誇らしさすら感じていたのに]
ちが、ちがう…私、こんなつもりじゃ……!
[>>27後方から響く声が徐々に近付く、それから逃げるように目を瞑って顔を振って]
(29) 2019/12/08(Sun) 00時頃
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…………っ…!?
[開いた瞳に映ったのは、後方から聞こえていたはずの声の主。
宿した絶望が声と足を凍りつかせて]
ど、して。
[目の前に居るのか、私だけに声をかけるのか。 答えを聞いたところできっと絶望が濃くなるだけだろうに、勝手に問いが口から出ていた*]
(30) 2019/12/08(Sun) 00時頃
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─ 魔界/戦場 ─ >>24
[彼我の距離が縮んでいく。 心の踊る時間だ。 このままもろともに大地へ抱擁するのもいい。 彼は砕け散るだろうか。己は───
思考を遊ばせていた空想が途切れる。 空間に開いた亀裂は、思考を現実に引き戻した。 狭間に消えた彼の気配を探る。 黒竜のいる場所―――ではない。 背後…!]
(31) 2019/12/08(Sun) 00時頃
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[歓喜にも似た戦慄が背筋を駆け上がった。 避けうるべくもないこの距離、このタイミング。 振り抜かれた手刀が空気を押しつぶす音を聞き、先触れのごとき風圧を首筋に感じる。 黒鱗に包まれた手は過つことなく将の首を捉え、速度と力をもって切断せしめた―――はずだ。 だが落ちたはずの首は身体についたまま。深紅の将は地面にも落ちずに空中でひたりと止まっていた。
不死の徒たる己にとって、闇も光も纏わぬ攻撃など些かの痛手にもならない。炎や雷でさえ、本質的にはこの身を傷つけ得ない。 それでも確かに彼の手が肉を通り抜けた感覚はあって、頭と体の刹那の断絶は酩酊に似た目眩を引き起こしていた。]
(32) 2019/12/08(Sun) 00時頃
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あぁ ……
[官能に近い吐息を漏らし、己を貫く槍に手を掛ける。 一瞬、身体を霧化させて槍を引き抜き、大きく一度回転させた。]
返すよ。
[空中に在るというのに蹴る動作を伴って飛び上がり、高い位置から槍を投げ落とす。 穂先は鎧の胸甲を指していた。]
(33) 2019/12/08(Sun) 00時頃
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それはね、レディ。
《カラリカラリカラリ》
[空洞の眼孔は無遠慮に見据えて骨が鳴る。 恐怖に染まる女。情報で知っているものと一致する姿は、今は恐怖に染まっている]
この領内には素晴らしいものが沢山ある。それを知る前に出ていってしまうなんて、私は悲しい…そう、非常に悲しい。
[大仰な仕草で両手を赤い天にかかげるようにいう]
なぜ!魔王様を称えるように湖に咲かせた赤い蓮を見てくれないのか。
なぜ!改良に改良を重ねたスカルポークの肉をその口に頬張らずに去るのか。
なぜ!白く染まる絶景の峰を目指し、その場でビールを味合わないのか。
[悲劇を謳うように声をはね上げる]
(34) 2019/12/08(Sun) 00時半頃
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失敬。質問に答えていなかったな
どうして。といったね。私は自分の悲しみを癒しに来たんだ。
[質問>>30にどこか穏やかな声で語りかける。]
悲しみを癒す方法。それはたった二つしかないんだ。
それには君のような美しいレディの力がどーうしても必要なんだ
(35) 2019/12/08(Sun) 00時半頃
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さて、その前にだね。レディ。
……こんなはずじゃなかった。なんて言葉で
……すむと思ってるのかな?
[冷酷な領主としての顔を覗かせるように、逃げながら言い訳をしていた言葉>>29を逃さなかった骨耳はレディへと語りかけた*]
(36) 2019/12/08(Sun) 00時半頃
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― 魔界/領地争い ―
[>>34私の問いに答える姿は、まるで舞台の上の役者の様。 けれど本来あるべき肉の器が無い、数多あった噂話に重なるその姿に感じるのは恐怖だけ。
既に力も見せつけられた、あの大仰な噂話が全てとは言わずともほぼ真実だったのだろうとも分かっていて。 今の自分の命が風前の灯火であることも、いやという程思い知らされる。 だから、どうしてと呟いた言葉は返事を期待してのものではなかったのだけれど]
……え…?
[>>35思いの外穏やかな声で返された答えを聞いて、一瞬呆気にとられた]
(37) 2019/12/08(Sun) 00時半頃
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[けれどそれも束の間。 >>36次に耳朶を打ったその声で、すぐに恐怖が呼び戻される。
ただ、戻ってきたのはそれだけではなく]
……済まない事くらいは、分かっている。
貴方に対しても、皆に対しても。
[目の前の相手への理不尽な怒り。 それ以上に感じる自分の情けなさ、不甲斐なさに。 震える身体を少しでも抑えるように、拳を握りながら声を返した*]
(38) 2019/12/08(Sun) 00時半頃
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― 魔界/領地争い ―
《カラカラカラ》
よい威勢だ。おかげで私を癒す二つの方法のうち一つが満たされようとしている。
[震える声に喝をいれるようにして、声を返す>>38レディ。 その態度に満足するように骨は笑った]
では、先の質問にちゃんと答えようか。
一つは、美しき乙女の悲鳴。
もう一つは隊のトップとしての気概を見せるか。というものだよ。
[右手をあげると青白い稲妻がバチバチと音をたてる]
さあ、おもてなしの時間だ。
[その稲妻を握りつぶすと、雷光が周囲に拡散するように広がり、レディの総身を襲うように奔った*]
(39) 2019/12/08(Sun) 01時頃
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─ 魔界/戦場 ─ >>31
[ 手応えはあった──が、それも途中から曖昧になる。 耳に届いたのは、悲鳴とは温度の異なる喘ぎだった。
宙に浮かぶ紅の将がシコウのものであった槍を手に取る。 武装もしていない将の手にあって、それは武具というよりは教導の道具にすら見えた。
どこへ導くものか。
兜の奥で目を細める。 埒も無い。]
(40) 2019/12/08(Sun) 01時頃
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[ 返す、と向けられた反撃の穂先に反射的に手をかざす。 障壁の業は、だが、砕かれた。 魔力が削られていたせいもあろうが、万全でも、抗し切れたかどうか。
刃は掌を深く裂いて、先ほど相手を貫いたのと同じ場所へと突き立った。 重い衝撃が貫く。
刃に残る紅の力が肉体に触れて、熱い。 視界が眩む。
蹈鞴を踏み、かろうじて視線を彼に留める。 退却すべきだ、と理性は主張するが、体は動かない。]
── 名は。
[ 押し殺した声で問うた。 その答えから力を引き出そうとするごとく。*]
(41) 2019/12/08(Sun) 01時頃
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― 魔界/領地争い ―
[>>39表情を模るものは無いのに、楽しげだと分かる顔。 カラカラと響く音すら軽やかで、だというのに私の身体の震えを増していく。
先程、二つとだけ言われた質問の答えが明かされた、私に対しての恐怖の宣告であったのも拍車をかけたのだろうけれど。 トップとしての気概を見せるか、という言葉は先の行動を言外に責められた様にも思え]
……っ!!
[白い骨の手から弾けた稲光、握りつぶされて拡散し私の身目掛けて奔りくるそれからまた逃げだすなんて情けない様を晒すわけにはもう行かず]
──scopulus!
[力ある言葉を紡ぎ、地面をせり上げ雷を遮ろうと試みたが発動は叶ったか*]
(42) 2019/12/08(Sun) 01時半頃
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─ 魔界/戦場 ─ >>40
[槍は持ち主を希求するかのごとく飛翔し、防御を貫いて彼の元へと戻る。 掌から溢れる赤と濃い血の香気が魔の性を疼かせた。 知らず、舌先が薄い唇を舐める。
再び剣を取ろうと動かした手が止まる。 名を問われるのは、戦場においては珍しいこと。 己にとっては、喜ばしいこと。]
黍炉。 今はそう名乗っている。
[いくつも名を持つことを隠そうともせずに答え、懐に手を入れた。]
(43) 2019/12/08(Sun) 01時半頃
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[引き出したのは数枚の符。 短い言葉と共に投げれば、複雑な軌跡を描いて飛び、宙に張り付く。 東西南北、そして天と地。符を中心に見えざる壁が伸び、空間を四角に切り取った。 いかなる魔の技をも通さない不可視の匣に彼と己とを閉じ込める。]
私が求めるものは君だ。
オトサカのシコウ。 大人しく、一緒に来てくれるかい?
[階段を降りるように宙を踏み、地表へ降り立つ。 彼と視線の高さを同じくして、問いかけた。**]
(44) 2019/12/08(Sun) 01時半頃
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― 魔界/領地争い ―
[下手に術で防がずに土に雷を防がせる。そのほうが確実だ。と評価項目を増やす。 せりあがった土を爆散させるように稲妻がはじけ、レディ>>42が発動した術が雷を塞ぐ。]
《カラカラカラ》
やろうと思えばできるし、いーーーじゃーなーーいーーかー。
[骨は笑い、間延びさせた声が響かせて、声が大気を揺らし]
私もできるんですよー!こーいうのーー!
[骨の空洞からできた独特の声のもと、骨の足元がぼこりとせりあがり、土の塔がたつように盛り上がり、形作られたのは土の人形。 骨を肩の上に乗せられるほどの大きさのそれは、腕を振りかぶるようにして、レディ目掛けて土の拳を叩きつけた**]
(45) 2019/12/08(Sun) 02時頃
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― 魔界/領地争い ―
く…っ!!
[術の発動は成り、雷の直撃は避けられた。 けれど>>45稲妻に散らされた土と、弾けた光自体を防ぐことは出来ず目を瞑る。 その隙をつこうと思えばつけただろうに、間延びした声を響かせるのみに留められたのは強者の余裕か。 こちらの体勢が整ってから続けられた言葉に従い作り上げられたのは土のひとがた。 その大きさは先から見ていたゴーレムの比ではなく、握られた拳が直撃すれば命の保証すら危うかろう。 こちら目掛けて振り下ろされるそれは防ごうにも今の土壁には強度が足りない、ならば]
──inspiratione!!!
[攻撃こそ最大の防御とばかり、言霊で生み出した風の塊を拳に真っ向かち合わせた**]
(46) 2019/12/08(Sun) 02時頃
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─ 魔界/戦場 ─ >>43
[ 躊躇いなく返答があった。 紅の将が艶めいた唇から紡いだのは誰の、とも何処の、との枕詞もつかない名。 耳慣れない身近な響きにはあるいは家姓すら伴っていないだろうと推察された。 何者にも拠らず確固たる個でいられる強さと自負を感じる。
その相手が、シコウの名と出自を知っていた。 あまつさえ求めると言われる。 どちらも一方的だ。
いささかの動揺を鎮めるために、深く息を吐く。]
(47) 2019/12/08(Sun) 08時頃
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[ 周囲に巡らされた札術は逃亡を阻害するためのものと思われた。 もとより援軍が来るとも思っていないが、「一緒に来い」とは如何なる動機か。 捕虜にしたところで、オトサカから何か引き出すのは難しかろう。]
無駄だ。
[ 零したのは返答でもあり、自戒でもある。 告げられた名を意識に乗せながら、胸に刺さった槍を引き抜いた。]
(48) 2019/12/08(Sun) 08時頃
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[ 生半な攻撃ではダメージを通せないのは、すでにわかっている。 残された力も多くはない。 差し出せるものが我が身だけであるならば──そうしよう。
溢れる血を魔弾となし、叩きつける。
火山の力を基とする父は、子らの肉体に特定の資源を象徴として授けた。 シコウのそれは、オパールだ。 その硬度では戦場で役に立ちはしないものを、と悔しくは思えど、仕方ない。 炎の揺らめきの如き緋をまとう結晶を撃ち尽くし、前のめりに膝をつく。*]
(49) 2019/12/08(Sun) 08時頃
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オトサカは、>>47訂正 「身近」→「短」
2019/12/08(Sun) 08時半頃
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[彼を名指しした瞬間の動揺は、表情のない兜越しにも伝わった。 彼は今まで、個として望まれたことがないのだろうか。 戦場の舞踏家と呼ばれ敵に恐れられはしても、味方に求められているようには見えない。現に、彼の危機は他の場所からも見えただろうに、誰かが彼を救いに駆けつける気配もない。
ならば私が教えよう。 求められることの喜ばしさを。 彼の初めてを味わう。そう考えるだけで漲る。]
(50) 2019/12/08(Sun) 12時頃
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[同道の誘いを断り、彼は槍を身から引き抜く。 穿たれた鎧から溢れる赤が目を惹いた。 あれを口に含めば、どんな味がするのだろう。 見惚れた一瞬に、血は結晶に姿を変え、弾丸の速度で撃ち出される。
全て弾くには惜しい攻撃だった。 味わってみたい。欲望が身を焦がす。
衝動に逆らわず、前に足を踏み出した。 伸ばした掌を緋色の弾が貫いていく。 灼熱が腕を突き抜け、熱さは己の動かぬ心臓をも一つ拍動させた。]
(51) 2019/12/08(Sun) 12時頃
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おまえが欲しい。
[音に乗せず囁いて、さらに一歩進む。 魔弾のいくつかが体を撃ち抜き、暗色の血華を咲かせた。 残りの弾は見えぬ力に逸らされ、四方へ散っていく。
彼が結晶を打ち尽くして膝をついたのと、己が彼の前に立ったのは同時だった。]
どうあっても連れて帰るよ。 私の宝珠。
[月の光湛える剣を振り上げ、振り下ろす。 彼の肩口から袈裟懸けに断ち割らんと、刃が風を巻いた。]
(52) 2019/12/08(Sun) 12時頃
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― 魔界/領地争い ―
[ブオンと空気を圧する音とともに迫る土の拳を風の魔術で迎撃するレディ>>46 風の塊と土の拳がぶつかり合う。 それをただ、質量の関係上効率が悪そうだなー。なんてのんきに眺める引きこもり伯爵。]
おっと、これはいけない。
[風の塊が押し切り、土の人形がただの土くれに変わる。結果、別になんら加工されてない土が盛大にばらまかれるわけだが]
服が汚れてしまうな。
[肩から落ちるように自由落下する骨は地面とつく途中に、ふわりと浮遊するようにして片腕を一振り、風が舞い上がり土埃一つつくことを許さずに空へと撤去して後方に落としてしまう。]
(53) 2019/12/08(Sun) 13時頃
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[よくがんばって抵抗している。 迂闊で間違えてしまったし運もなかったが、ただ怯えて逃げていたものと覚悟を決めたものの差なのだろう。 ただ、残念なことに、気概だけでどうにかならないこともこの魔界にはよくあることだ。
力尽きるまで
[指を鳴らすと、大地より産まれたように、人一人覆いつくせるほどの火の玉が、そこら中に湧き出る。戦場一帯を炎と氷に覆ったにしては質量と比べれば少なく、一人に向けるにしては多大な量の焔に周囲の気温が一気に上がる]
防ぎきれますかな?
[その言葉を合図に火の玉は、一斉に襲うではなく一つを対処すれば次。と、順番にレディへと迫っていく。嬲るように試すように**]
(54) 2019/12/08(Sun) 13時頃
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─ 魔界/戦場 ─ >>50
[ ほとんど意識は残ってはいなかった。後悔や渇望もまた感じない。 魔界の空よりも仄暗い幽暗にたゆたう中で、黍炉の囁きが触れてくる。
おまえが欲しいと──世辞にも言われたことのない言葉は、睦言のようでありながら、どこか狩猟めいた気配がする。
本能的に隔意を張り巡らせたが、肉体的にはどうすることもできず、振り下ろされた刃に斬り伏せられた。]
(55) 2019/12/08(Sun) 17時半頃
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[ 迸るほどの血は残っていなかった。 鎧が断ち破られ、綴られた鱗片を散らして肌から滑り落ちる。 普段から日に晒されることのない肌は白く、蝋人形めいていた。 数多の戦場を渡り歩いてきたが、ここまで致命的な深手を負うのは初めてだ。]
──…!
[ 不意に、魂を震撼させる衝動が湧き上がる。 断末魔の痙攣ではなかった。
祝福されざる魔物の末期に安らぎのあろうはずもなく、深淵《アビス》に繋がる力が暴走し、人の形を捻じ曲げてゆく。 狂える怪物となり果て、完全なる滅亡を迎えるまで、永劫に闇を這いずり回ることになる定め。]
(56) 2019/12/08(Sun) 17時半頃
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あ、 あ゛あ が…ッ
[ 異形に堕ちるのは耐えがたい。 呻き悶えながら、黍炉へと伸ばした手は、同時にその心臓を抉り出して糧にしようとする動きでもあった。*]
(57) 2019/12/08(Sun) 17時半頃
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[月白の刃は鎧を断ち割り、隠された素肌を露わにする。 陽の侵略を知らぬげな膚は玉髄のよう。 そのすべてを早く剥いてしまいたいと心が逸る。
命に至る傷を得た魔物がどうなるかは幾度も見てきた。 力足りず、そのまま深淵の一滴となって散るもの。 仮初の死を経て、やがて蘇る者。 残りの命を燃やし、強大な力を得て立ち上がるもの。 そして奈落に呑まれ、暴走の果てに異形へと堕すもの。
彼を捉えたのは、明らかに異形化の前兆だった。 美しき髄玉の彼を、深淵になどくれてやるものか。 秀麗な眼差しが鋭さを帯びる。]
(58) 2019/12/08(Sun) 18時半頃
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[刃を返し、己の掌を裂く。 彼の血玉が穿った傷は未だ塞がっておらず、そこからさらに新たな血が溢れた。 剣を捨てた手で伸びてくる彼の手首をつかみ、踊るがごとく彼を引き寄せ抱擁して己の血を彼の傷口に注ぎかける。 血の洗礼の儀式をなぞるがごとく。]
私はおまえを支配するもの。 私の声はおまえを導き縛るもの。 深淵ではなく、私を見なさい。
おまえの命は、私のものだよ。
[自らの血を介して呪を掛ける。 支配の絆を彼に植え付け、堕ち行く魂を繋ぎ止める。 絆を操り暴走を鎮めるのは夢喰みの類が得手とすることだけれども、長く生きれば戯れに他の魔性の業を覚えもするものだ。
もとより生死の境界に踏み込んで彼に自らを植え付けるつもりであった。命の地平で刻まれる絆ほど強いものは無い。]
(59) 2019/12/08(Sun) 18時半頃
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― 魔界/領地争い ―
[>>53風の塊を正面から受けても拳を模る土は崩れない。 そこからも相手と自分の格の違いが示されているようで、絶望と悔しさが胸の内をごちゃ混ぜにかき乱す。 内心に募る感情を力に乗せて風を増していったおかげで土の形を散らすことは叶ったけれど]
っ…
[こっちは正真正銘必死で面しているのに、相手は服が汚れる心配だけなんて余裕を見せるにも程がある。 それだけじゃなく、あれだけ大きかった人形を模るほどの量の土をいとも簡単に。 土煙すら上げさせずに撤去するだけの風をたやすく操ってみせられた力量に、歯噛みしたいのか恐怖の現れか分からぬ歯の震えを必死に堪えて]
(60) 2019/12/08(Sun) 19時頃
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── creaturae scutum.
[>>54カチリと鳴らされた音を合図に湧き出てきた幾つもの大きな火の玉に、既に嫌という程思い知っている絶望が更に色を深くする。 けれど私は逃げるではなく、力ある言葉を紡ぎ火の玉を防ぐ盾を創りあげ立ち向かうを選ぶ。 だってもう、一度逃げてしまった。 本当なら私が真っ先に立ち向かわなければいけなかったのに、そうしたらあの一瞬で散った命の何割かは守れたかもしれなかったのに]
……防げなかったら、私も皆と同じになるだけだ。
[目の前の光景に、自分が耐え切れるなど思うことすらできない。 いずれ力尽きると分かった上で、二度も逃げるより火に焼かれて先に逝った彼らを追いたい。 でも、その前にせめて、一矢報いることは不可能でも、せめて──と。 次から次へと襲い来る火の玉に盾を壊されてはまた造り上げてを繰り返し、ゆっくりと一歩づつ、火の玉を操る主へと近付いていった**]
(61) 2019/12/08(Sun) 19時頃
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─ 魔界/戦場 ─ >>58
[ 啖おうとした魔物から、逆に血を与えられる。 大きく裂けた傷口がそれを受け止めた。
強い魔力と術式を含む血潮に、肉体は脈打つ。 あたかも時間を巻き戻すように傷が綴じ合わされ、癒されてゆくかに見えた。
が、
血を触媒にかけられた呪に、異形の肉芽は抵抗する。 奈落に堕ちる魂をこの世に呼び戻す絆など結ばれてはならなかった。 傷口は赤い条痕を滲ませ、瞬時に蒸発した血は真紅の霧となって立ち籠める。]
(62) 2019/12/08(Sun) 21時頃
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[ シコウが成り変わろうとしているモノは抱き寄せられてゼロになった距離で顔を上げた。 兜が顔と化したように開いて牙を剥く。 黍炉の喉を抉り取らんと狙った。
同じ口の中で、舌が翻り、絶え絶えの喘ぎが漏れる。]
奪… え
[ 懇願であり、混乱であり、渾身の力で、逃すまいと抱擁する。 無意識のうちに、自分を永劫の狂気から救えるのは彼だけだと察していた。*]
(63) 2019/12/08(Sun) 21時頃
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― 魔界/領地争い ―
《カラカラカラカラカラカラ》
存外、よい気概のレディだ。
[必死にこらえる姿>>60も、絶望的なものを目の前に、あきらめることなく一つ一つ防ぎ、こちらへとじわじわと距離を詰めてくる姿>>61も、初めの姿とはえらい違いだ。 その中でも火の玉は命令に従う様に順次、作られた盾を破壊し、次の火の玉が新たに作られた盾を壊す。その都度、焔が大地に散り、空気を焦がす。 そうして時を稼いでいる間、一歩一歩、骨のもとに近づいてくるレディ]
もう助からないと理解してるはずなのにな。
[火の玉の動きは変わらない止まらない、だが攻撃を追加で何かするわけではなく、骨を傾げてレディを見据える]
それで、何がお望みかな?レディ。
[無駄ともいえば、余裕ともいう。そのような態度を崩さずに骨を傾げた*]
(64) 2019/12/08(Sun) 21時半頃
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[呪の満ちる血を呑んだ身体が再生を始める。 柔らかな眼差しでそれを見守っていたが、生じた異変に眉をひそめた。
身に溢れる奈落の力を見せつけるかのように血が噴き出し、世界を赤く煙らせる。 兜が割れて異形の顔を作り出し、牙を剥く。 贄を捕えんとする深淵の、なんと貪欲なことか。]
渡しはしないよ。
[奈落に向けて宣言する。]
(65) 2019/12/08(Sun) 22時頃
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[噛みつこうとする顔の後ろ首を掴んで強引に捻り、向きを変えさせる。 牙鳴らす口の端に接吻け、素早く舌を伸ばして彼の舌と触れ合わせた。翻り喘ぐそこはまだ、彼の意志の残る場所だ。]
ああ。 そうするとしよう。
[奪え、という懇願のままに、白い肌に牙を立てる。 肌の奥に脈を探り当て、血と精気を啜り上げた。]
(66) 2019/12/08(Sun) 22時頃
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[全て奪ってしまおう。 おまえの命も、力も、おまえを捕えている奈落の鉤爪も、全て奪い尽くし喰らい啜ってしまおう。
そうして虚ろになったおまえに私の力を注いで呼ぼう。 おまえが、私に満たされて再び生まれ出るようにと。]
(67) 2019/12/08(Sun) 22時頃
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肉屋 ニールがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(肉屋 ニールは村を出ました)
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― 魔界/領地争い ―
[>>64カラカラと笑う声が響く。 そんな中を、ゆっくりと前へと進む私を守る盾は徐々に壊れる速度を増していく。
それも当然のことだ、私は無尽蔵に魔法を使える訳じゃない。 造れば造っただけ力は枯渇していって、壊された分損なわれていって。 盾の大きさも徐々に小さくなって、火が身体を掠める範囲も増していく]
(私が、馬鹿だった。
噂話だと思わず、もっとちゃんと、考えるべきだった。
魔道を知る私が、最も気付ける位置にあったのに)
[目の前の魔導士は、そもそもの格が違い過ぎた。 ただ一言、けれど途方に暮れるしかない事実が現状を招いてしまった]
(68) 2019/12/08(Sun) 23時頃
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[いうなれば、目の前の相手にとって私達は放っておいてもいい存在なのだ。 とるに足らない、けれど纏わりつかれれば不快というような──羽虫程度の。 だから、彼にとってみればこれはただの、害虫掃除のようなもの]
(貴方にとって私達は侵略者だ。
だから、私達を排除するのは間違ってない。
私達が文句を言える筋合いなんてないことも、分かってるけれど)
[もう声すら紡げなくて、身を守る盾は生み出せない。 それでも一歩、一歩。火に焼かれて服も、肌も焦げていくのを感じながら手を伸ばし。
身動ぎすらしない相手の胸元を、渾身の力で──縋りつくように握って]
(69) 2019/12/08(Sun) 23時頃
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(焼き尽して、凍り尽して、蹂躙し尽して。
私の相手をするなんて退屈しのぎまでしてるんだから、
貴方の気は済んでるんでしょう?
だったら、ねぇ、だったら)
[なんとか開けたマントから覗く胸元へと齧りついた歯が、かり、と弱い音を立てる。 魔法が使えるだけで鍛えてもいないただの女だ、元より万全であったとてその骨に噛み痕すら残せないことも判り切ってはいたのだけれど]
(70) 2019/12/08(Sun) 23時頃
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(──…虫に噛まれる不快感くらい、
味わってくれても良いでしょう…───?)
[全ての力を使い果たして、声に乗せることすらできなかった憎まれ口を最後に。 私の意識は闇へと落ちた*]
(71) 2019/12/08(Sun) 23時頃
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─ 魔界/戦場 ─ >>65
[ 縛ろうとする赤い絆と、呑み込もうとする衝動が鬩ぎ合って魂を翻弄する。 癒えては破られ、爛れては剥がれ落ちる肉体の苦痛にもはや苦鳴も出ない。
猫の子にでもするように後ろ首を掴まれ、新たに加わった力に顔の向きをねじ曲げられる。 眩みゆく視界に、今や唯一の支えである黍炉が見えた。
揺るぎない意志をたたえる双眸が近づく。 言葉より早く、盗み取るように舌先が触れ合った。 ほんのわずかな交感。そして約束。 それはシコウの魂に未知の酩酊をもたらす。
次の瞬間、首筋を襲う衝撃を和らげるために必要な麻酔であったか。]
(72) 2019/12/08(Sun) 23時頃
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[ 脈打つ場所に差し込まれた牙が命を啜り上げてゆく。 それは吸血鬼の基幹をなす行為だ。
彼は、そういう者だったのか。
苦痛も深淵の衝動も諸共に抜き去られてゆくのを感じ、シコウは安堵の息を吐く。 己が理解できているのは、ほんのわずかなものなのだろう。 戦いの中で滅びるのが理想だったけれど、少なくとも自分のままで終われると感じた。
わずかに指先を彼に触れさせて感謝の念を伝え、深い眠りにつく。*]
(73) 2019/12/08(Sun) 23時頃
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― 魔界/領地争い ―
[徐々に、魔力の消耗を示すように、盾の大きさが縮み、発動時間も減って、徐々にその身を焦がす炎に襲われていくレディ>>68。 それでも歩みを止めないのだ。ならばその場で自分も待っていよう。 引きこもっていたくてお家帰りたくても、外にでてやらなきゃならないことがある。それが伯爵。]
いわぬか、言えぬか。さて……
[重く過酷な一歩一歩は魔導士としての力を如実にあらわすような距離。 それが物理的に縮まっていく。]
(74) 2019/12/08(Sun) 23時半頃
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[服を焼き、肌を焦がしそれでもこちらまでたどり着く。
骨は生命力に敏感だ。気力体力ともにギリギリまで粘ったといえるだろう。意識もあるかどうか、腕を払うような動作で、火の玉の動きが止まり、その動きが、レディ>>69を抱き止められる動きへと繋がる
とさりと倒れこむような音とともにレディ>>70 肉がある身にしては軽く。筋肉質ではないようだ。魔術を使えること戦う術がないようだ。あったとしてもこの生命力でどうにかできたとは思わないのもあるがそれはまた別。]
(75) 2019/12/08(Sun) 23時半頃
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《カラカラカラカラ》
それが最後の力か。
[カチリとたった音は、周囲の喧噪に紛れて、骨伝導をした自分かこのレディ>>71にぐらいしか響かないだろう。 ただ少しだけカルシウム不足を見せるように凹むように痕が残る鎖骨部分だけを残し意識が消えたレディを抱きしめるように腕の中に閉じ込めて]
運がいいのか、悪いのか。
私、骨があるものは嫌いじゃない。
[骨だけに]
その気概に免じて、望みを叶えてさしあげましょう。
[生を求め無様に逃げるならば、生皮を剥いで、死なぬように術式を施し、声帯だけは正常にしたまま、ナイフを突き立てて奏でる肉体のオルゴールにでもしてやろうとおもっていたが、死を厭わず報いようというならば、それはまた別の選択というもの]
(76) 2019/12/08(Sun) 23時半頃
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[最も、全て思い通りなんてことはないだろう。 彼らは侵略者であり、敗北者だ。]
死んだほうがいいと思うかもしれんがな
[レディを抱き止めたまま、視界がぐるりと回る。 近くにはスライムの執事。開幕当初の場所まで戻ったのだ]
(77) 2019/12/08(Sun) 23時半頃
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戦利品だ。……そういえば名前を確認していなかった。
[ちゃんと確認して捕虜の分類、名簿を作り整理しなければ!骨は慌てた]
『その前に、このかたを病院に連れていくべきでは?』
そうだった。
[――こうして、レディは病院へと搬送され、戦後処理という暗黒の中に身を投じることになる引きこもり伯爵であった*]
(78) 2019/12/08(Sun) 23時半頃
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─ 魔界/戦場 ─ >>72
[吸い上げ奪うほどに血のいろが変わる。 刺すような苦痛のいろも重く粘つく深淵のいろも次第に薄れ、やがてはほの温かく柔らかな甘味が舌を楽しませる。 これが彼本来の血のいろだろう。 この血をより熱く甘く蕩かしてみたい。 逸る気を押さえて、最後まで味わい尽くす。
彼の指先が触れて、電流にも似た感覚が走った。 指先を握り込み、全てを肯定する。 私に任せるといい。思いを握る力に込めた。]
(79) 2019/12/09(Mon) 00時頃
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[彼の動きが止まれば、牙を抜いて唇を離す。 一筋伝った血を舌先に舐め取った。 流れ出すほどのものは、もう無い。
力無くした彼の姿を改めて眺める。 変異の痕は消え、兜は元の形に戻っていた。 癒えることも爛れることも止めた身体はいっそう白さを増し、触れれば砕け散るかと思えるほど。
生きているか、と言えば微妙なところだろう。 少なくとも、異形と化してはおらず、滅んでもいない。 直ぐにも目覚めさせて抱きしめたいところだが、ここは騒がしすぎる。]
(80) 2019/12/09(Mon) 00時頃
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[城に連れ帰っても良かったが、それよりは面白げなことを思いついた。 近くに病院があったはずだ。 魔界の王が作らせたという病院で、評判は耳にしている。 城より設備が整っているし、楽しいこともできるだろう。
あらゆるものを吸い尽くした後の彼が、目覚めてすぐに動けるかは難しいところだ。 暫く療養させながら、改めて絆を結べばいい。 そうと決めると、彼の体を抱えて舞い上がった。]
(81) 2019/12/09(Mon) 00時頃
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─ 病院/病室 ─
[そうして依頼の標的を病院へ連れ込んだ後は、甲斐甲斐しく彼の世話をした。 鎧を一つ一つ剥ぎ取り、兜を外して血の気のない唇を啄み、素裸にしてシーツの隙間に埋め、自らの血を口移しに飲ませて命を分け与える。
急ぐつもりはなく、目覚めるのを待つ。 強引に進めれば、再び奈落の顎が彼を捕えるだろう。 幾度も重ねて血を与え、そのたびごとに囁きかけた。]
目覚めて、私に接吻けをしておくれ。
[冥漠に魂がさまよう間にも、絆の糸を幾重にも掛けていく。*]
(82) 2019/12/09(Mon) 00時頃
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― 魔界/領地争い ―
[勝てる訳がない。 でも、諦めて抵抗もしないまま殺されるなんて、出来なかったから。
せめての意地は示してみせよう。 弱い力で噛みつく位しか出来なくても、相手の望みを叶える為に。
せめての意地は示してみせよう。 どれ程炎に苛まれても悲鳴を噛み殺し、相手の望みを叶えぬ為に。
一歩、一歩。 >>74私を待ち受ける魔導士への距離を縮めていって]
(83) 2019/12/09(Mon) 00時頃
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[何時の間にか身を焼く火が消えていた。 その代わり、>>75自分の身を冷たく硬い腕が包み込む。
最後の、ほんの些細な嫌がらせが叶ったのはその腕に支えられたのも少なからずあっただろう。 皮肉な現実を理解する間も>>76私へと紡がれたその言葉を理解する間も無く。
意識を落とした私には、>>77付け加えられたその一言も届かない。
>>78戦利品として連れていかれる事になるとも知らぬまま。 意識を取り戻すのは、搬送されたその先でどれ程眠った後だろうか*]
(84) 2019/12/09(Mon) 00時頃
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― 戦後の話 ―
[伯爵。大変なのです。 戦後処理。捕虜となったものたちの扱い。種族やらにわけた名簿作りからどこに収容するか。治療の度合い、そしてどの仕事を割り振り、住む場所の手配。兵隊はガーゴイルとゴーレムという自家製であるために徴兵をしたことによる苦労こそないものの、隣接領主との駆け引き(おどし)もそれなりにある
こうして、引きこもり伯爵が出来上がっていくのであった。 さて、その中で師団長の位置にあった、レディだが、どうやら貴き血筋のレディであった。 といっても軍での立場や、肌の色、体付き、手の汚れ具合等々予想ができたことだ。 よって返還を頼まれても、届かない位置へと送られることとなる。
なにせあれは戦利品である。一度歯向かったものを許せばつけあがるものが出てくる。めんどうくさい。やるなら徹底的に、それが伯爵やってた経験というものであった。]
(85) 2019/12/09(Mon) 00時半頃
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― 魔性の病院 ―
[一度入れば容易に出ることもできぬ深い森 石ブロックを積み上げアーチ状に作られた門を潜れば、その先は魔王様がお造りになられた病院。入院が目的とあるが、色々と趣味がよいことを楽しめる病院でもあるのだ。との噂。そんな病院の一室に、戦利品のレディはいた。]
《カラカラカラ》
まだ眠っていますね。
[一命をとりとめたが、体中あちこちに包帯が巻かれていた。 元の美しい姿は無残な火傷痕に苛まれていただろう。 死なないように治療をされていたが、骨で触れてみた手には今も熱がこもっている。 なお、元々レディの身に着けていたものは修復され、近くに置かれていた]
お寝坊さんはーーーいーーーつーーーめーーざーーーめーーーまーーーすかーーーねーー。
[間延びした骨声をあげながら、くるくると骨の指で首筋をなぞったりしていた*]
(86) 2019/12/09(Mon) 00時半頃
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― 魔性の病院 ―
[>>86運び込まれた先は人の領域の外。
魔王が作った病院がある、程度の話は流れてきてもそれがどんなものかの知識は無くて。 そも、未だ目を覚まさない女が自分の所在についての認知が出来る筈もない。
だから、身体のあちこちに巻かれている包帯も、頬にも残る火傷痕も知る由は無く。 ただ感覚だけはちゃんと機能していて、火で炙られて火照った肌に触れた冷たい感触にほんの少し心地良さげな息が零れて。 限界まで消耗した身体は、まだ目覚める準備すら整ってはいなかったけれど]
…………、ん…っ
[首筋をなぞるその刺激に零れた声は、無意識な甘やかさを宿らせたもの**]
(87) 2019/12/09(Mon) 01時頃
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─ 病院/病室 ─ >>82
[ どれほどの刻を過ごしたのか。
ゆっくりと手繰り寄せられるように、意識の渚に打ち上げられる。
夢は見なかったか、見たとしても覚えていなかった。 あるいは、現実と区別がつかなかった。 昏睡から目覚めて、最初に目にした光景もまた記憶にはない場所であったのだ。]
(88) 2019/12/09(Mon) 01時頃
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[ 寝室であろう。 少なくとも寝台があり、自分はそこに横たわっていた。
けれども、寝具や壁の白さはどこかよそよそしく、客間という印象ではない。
…何かしなければならないことがあったはずだ。
不意に焦燥に駆られて起き上がろうとする。 だが、身体はひどく重かった。]
(89) 2019/12/09(Mon) 01時頃
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[ どうすべきか。
違和感の原因はいくつもあって、落ち着かない。 むしろ、何一つ把握できていないのだと思う。
素肌に触れる布が薄ら寒かった。]
…黍炉
[ 口にした音に自分で戸惑った。 何がどうなってそうなるのだろう。 **]
(90) 2019/12/09(Mon) 01時頃
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[これまでそうしてきたように、ノックも無く病室の扉を開き、中へ滑り込む。 音のひとつも立てない所作は、実態が無いかと思わせるほど。
白に染め上げられた室内にあって、闇の城主のいでたちは異質だ。 身に纏う深紅の袍は、戦場で身に着けていたものよりなおゆったりとした作りで、帯ひとつですべてが留まっている。 豊かな黒髪を背に流し、手には小さなナイフを携えて、彼が横たわる寝台に近づいた。]
さあ。食餌の時間だよ。 早くおまえに目覚めて───
[いつものように寝台の傍らに立ったところで、いつもと違うものを感じて声を途切れさせた。**]
(91) 2019/12/09(Mon) 07時半頃
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─ 病院 ─
[病院の一角に存在する魔王専用の区画は、病室と、いくつかの設備からなっている。 奥を見た者は少ないが、入浴施設や手術室も完備されているという話だ。 今も魔王は、黒髪の青年を伴って病院内に滞在していた。]
新しい患者が来たか。
[食事を運ぶ職員から話を聞いた魔王は、重々しく頷く。]
(92) 2019/12/09(Mon) 17時半頃
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ならば、歓迎せねばなるまいな。 余と同じ時に来たのだから。
[敷物に獣身を投げ出して寛ぐ魔王は、匙を止めて宣告する。 理由などなんでも良いのだ。 波紋を起こし、干渉するのは魔王の余興のうちだった。
甘えた声に催促され、腕に抱えた青年の口元に匙を差し出してやる。 魔王に手づから給餌されて、黒髪の青年は幸せな笑みを浮かべた。 今は手足を欠いた姿だが、明日には戻っているだろう。 或いは、首だけになるかもしれないが。]
(93) 2019/12/09(Mon) 17時半頃
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─ 病院/病室 ─ >>91
[ 何か欠け落ちたような色の乏しい部屋に、変化が訪れた。 まっすぐ寝台へと近づいてきたのは罪深いまでに深い紅と黒。
記憶が正しければ、戦場においてこの身を真っ二つに切り裂いた魔性であった。
今、その手には小振りながらナイフが携えられている。 戦場においても防具の類は帯びていなかった相手だ、臨戦体勢とみなしてよかろう。
警戒しなければ── ]
(94) 2019/12/09(Mon) 19時頃
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──…、
[ むろん、強弁だとわかっている。 殺すつもりなら、彼にはいくらでも機会はあったはずだ。
目覚めてほしいと、彼はそう言いかけたのか? 確証はない。それが歓迎すべきことなのかも。 己が戸惑っていることは事実だった。]
(95) 2019/12/09(Mon) 19時頃
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[ 彼の姿を認めて最初に感じたのは、どこか切ないような安堵だったのだ。 ただ一度、それも戦場で渡り合った相手であるものを。
彼が声を途切れさせたのを見て、体裁を繕うように目を伏せる。]
…何を、する気だった。
[ おまえのことが、心に引っかかって離れない。*]
(96) 2019/12/09(Mon) 19時頃
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― 魔性の病院 病室 ―
[生命の脈動以外にも命を発する囀り>>87。 このレディからは噛み殺したような声の次は甘い響きであった。 それを気にせず、手に触れていたひんやりとした骨の手は額にそっと乗せてみたりしつつ、首筋を渦を描くようになぞっていた指の動きは止めず、じっくりと浸透させるように呪を刻んでいく]
レディのお名前をお聞きするまでは、いつ頃になりまーすかーーねーー。
[間延びしたように声を響かせながら、目覚めるまで待つことなく骨は手を引いた。]
目覚めて、喜ぶか後悔するかは貴女次第でしょうーけどね。
《カラカラカラ》
[間延びした声のせいか、呑気に笑うように骨を響かせながら、運ばせた机の前の椅子に腰かける。 眼前には、羽根ペンとガラス瓶に入ったインク。そして羊皮紙の束。 その一枚を手に取っておくと、引きこもり伯爵はカリカリと音をたてはじめる。 時折立ち上がりレディの首筋に刻むように触れたり、ひんやりした骨手で触れてみたりしてはまた机に戻りつつ過ごしていただろう**]
(97) 2019/12/09(Mon) 19時頃
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─ 病室 ─ >>94
[彼の目が開いてこちらを見ている。 ようやく、と喜びが吐息に零れた。 目が伏せられるまでの短い時間に、戸惑いと逡巡を読み取って、けれどもそんなことは一切斟酌せずに彼の上へ屈みこみ、黒髪で小さな密室を作った。]
言っただろう? おまえが欲しいと。
[答えのようなはぐらかしのような言葉を返し、逸らされた目を覗きこむ。]
(98) 2019/12/09(Mon) 21時頃
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さあ。 目覚めたのなら接吻けしておくれ。
[繰り返してきた言葉そのままに、甘く求めた。*]
(99) 2019/12/09(Mon) 21時頃
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─ 病院/病室 ─ >>98
[ 視線は合わせない。 それでも、覗き込まれているのは感じた。 鎧に守られることなく素顔を晒しているのを今更、思い出して動揺する。
見る角度によって輝きを変え、信用ならない裏切り者の象徴のようだと揶揄された黒オパールの目。
見せようと思ってもいないものを。]
(100) 2019/12/09(Mon) 21時半頃
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[ 仄暗い黒髪の帳の裡で告げられた甘い言葉に、息を呑む。
目覚めたら、接吻けを… そこになんの脈絡が?
うろたえる一方で、そうしなければならないという切実な圧を感じているのもまた事実だった。
彼の言葉には、それだけの力がある。
必然性であるとか、関係性であるとか、どこか腑に落ちない違和感を抱きながらも、黍炉の示す喜びに絆されるように乾いた唇をわななかせ、薄く開く。
それ以上は、強張る身体を起こせなかった。*]
(101) 2019/12/09(Mon) 22時頃
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― 魔性の病院 病室 ―
[>>97白く硬い骨の手が、肌を冷やしたり首筋をなぞったりする所作に。 邪魔をする意識が無いから、身体は素直な反応を示す。
首筋に施されるものが何かも、未だ目覚めぬ私には分からぬまま刻み込まれていって。 浸透していくのと比例するように、私の意識は目覚めの時に近付いていった]
……、…、ふ…ぁ……?
[それは何度目だったか。 首筋をひんやりとした何かで触れられ、擽ったいようなもどかしいような感覚に、漏れ出た声に、ゆっくりと意識が浮上していく。 何に触れられているのか確認しようにも瞼がどうにも重たくて、確認よりもまずはそれから逃れようと身動ぎ──]
──っ…!!
[ほんの少し動こうとしただけで、身体中に奔った痛みに引き攣った声を洩らした*]
(102) 2019/12/09(Mon) 22時頃
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─ 病室 ─ >>100
[覗きこんだ彼の目は、単純ではない色をしていた。 兜に阻まれていた輝きを、開かれることを待ち望んだそれを見つめる。 虹を宿す黒は、吸い込まれそうな深さだ。
求める言葉に彼が身じろぐ。 薄く開いた唇は節制に滲む官能を思わせた。 それ以上は、まだ動けないのだろう。
夜のように彼の上へ降り、唇を合わせて舌を差し込む。 あの時を再現するように舌同士を触れ合わせてから、己の舌を噛み裂いた。 溢れる血を、そのまま彼の口に注ぐ。]
(103) 2019/12/09(Mon) 22時半頃
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[十分と思えるまで彼の唇と舌を堪能してから身体を起こした。]
まだ動ける状態ではなさそうだね? おまえが力を取り戻すまでここに滞在するとしよう。 して欲しいことがあれば言いなさい。
[当然のことをしたといとう顔をして、今後を口にした。]
(104) 2019/12/09(Mon) 22時半頃
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― 魔性の病院 病室 ― [持ち込みの執務机と患者の前とを幾度往復したか。 首筋をなぞる骨の呪がただ反応をするのを楽しむだけになった頃、いつもよりも大きい反応>>102を示す]
お目覚めですか。レディ。
[首を振れていた手をゆっくりと引っ込め、動こうとして声を漏らすレディに語りかける骨]
現状、なぜこのようになっているか不思議なことでしょう。そのままでいいので聞け。
レディは敗北して、戦利品として私に持ち帰られた。 ここはとある病院。レディの身は治療され生きながらえることになった。 さしあたってはこの辺り。
他にお聞きしたいことがあれば、答えられるものなら答えましょう。
私はビジリア地方を統治する伯爵。安直にビジリア伯爵と呼ばれております。 もし話せるならばレディのお名前をお聞きしてもよろしいですかな?
[立場、名前。確認はしているが、当人確認の欄に印をつけれないため、その書類は今だ見送りになっているのだ。*]
(105) 2019/12/09(Mon) 22時半頃
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― 魔性の病院 病室 ―
っ、…ぅ……──?
[>>105身動ぎで奔った痛みに息を飲んで。 強張った身体、首筋から触れていた何かが離れた。 ゆっくりと、穏やかな声が語りかけるのに意識を向けて──
その声の主が誰なのか、理解に及んだ途端身体が違う意味で強張った。 柔らかな口調が一転、高圧的に聞けという言葉から続けられた説明に声を挟まず最後まで聞いて]
(106) 2019/12/09(Mon) 23時頃
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……はく、しゃく。
わたし、の、ほか、に
いきて、いる、ひと、は。
[強張る喉が、声帯を震わせることすら拒むから。 ゆっくりと紡ぐのは、己の名では無く、自分以外の安否。 こうして自分が生かされている理由が分からない不安より、そちらの方が余程重く胸を占めて*]
(107) 2019/12/09(Mon) 23時頃
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