35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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─ 神楽邸・縁側 ─
……え?
[朝顔の問いかけに、手を止める。思わず上がった声は、呆けたもの。>>87]
今まで、この曲を聴かせた事、ありましたっけ?
[誰かがいた時に奏でた事は、今まではなかったはず。 風に乗った調べを聴いたのか、とも思うのだけれど。 それなら、何故、曲名を聞いてくるのかという疑問も生じる]
……曲名は、忘れてしまったのだけれど。 私が、『以前にいた場所』で。 一時期、流行っていたものですよ。
[とはいえ、今の疑問が思い違いであったなら、不用意な答えはできぬから。 慎重に、言葉を選びながら、こう返した]
(92) 2011/08/17(Wed) 00時頃
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[朝顔の返答は、ごく自然なもの。>>94 考えすぎか、とも思うのだが]
そう、ここに来る以前に、ね。
[もう一度、繰り返す。 関わりなき者であれば、それは『都』での事、と受け止めて流すだろうと。 そう、思っていたのだけれど]
…………。
[耳元に落ちた、小声の問い。>>95 浮かんだのは、困ったような笑みだった]
ここで……そうですよ、と言ったら。 ……あさは、どうしますか?
[一呼吸分、間をあけて。小声で向けるのは、問い返し]
(97) 2011/08/17(Wed) 00時半頃
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……安心、できますか。
[返された言葉に、小さく息を吐く。>>100 疑問はどうやら、正解であったか、と。 吐息に乗るのは、そんな想い]
確かに、皆さん興味を持たれていて。 ……私も、これはよくないのでは、と思っていたのですよ。 何事もなく、穏やかに『その時』は廻るべき、と。 ずっと、そう思っていますしね。
[やはり、仁右衛門の頼み事は『彼ら』を困らせていたのか、と。 そんな事を考えて]
……まあ、確かに相談などし難い事ではありますよねぇ……。
(101) 2011/08/17(Wed) 01時頃
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……ああ、うん。わかります。 ……私も、かつてはそうでしたから。
[かつて、と過去を語る際には、少しだけ、声に苦いものが混ざる]
ありのままに、在るというのは、。 とても、大切な事ですしね……。
[それはここでの暮らしで思い知った事。 以前は、得られなかったもので、だから]
……そう思うなら、もう、とっくに帰っていますよ。 帰りたくないからこそ、何年もここにいるのですから。
[昨日、伊綱と話した時と同じく、それを告げるに躊躇いはない。 そしてこの言葉から、自身が『時が来たなら帰る』というルールに逆らい、長くここにいる事は伝わるか]
(104) 2011/08/17(Wed) 01時半頃
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……ん……どれだけ力になれるかは、わかりませんが。 私に力になれるなら、出来る限りはしますよ。
少しばかり……いえ。 かなり、頼りないとは思いますけれど。
[冗談めかした口調で言って、微かに笑む。 いつもなら、ぴぃ、と鳴いて同意しそうな小鳥はその時、抜け穴の方を見て小首を傾げていたから。 合いの手は、入らなかった。**]
(105) 2011/08/17(Wed) 01時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 01時半頃
[話し合いの合間に、多少の荷造り等も行っていく。
一言で言えば雑用なのだが、気分転換には丁度良かった。その最中問われるのは案外普段の生活もあったことだろう。]
んーどうでしょう。
私も余り祭りには疎い方でして―。
人並みであれ、この通り意外と体が強くありません。畑に暮らしてみて、それをよく理解しました。
話術の掛け合いという提案は悪く無かったですね。
しかしながら、あの高揚に対応でき、かつ二人が上手に話をするというのは難度が高そうな感じがします。
[ひょひょーいという彼のテンションの高さを催しに上手に使えないかという案である。]
やってみるのは反対しませんが…
私は遠慮しておきます。
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─ 神楽邸・縁側 ─
……わかりました。 多分、時間の余裕はありますから、いつでもいらっしゃい。
[帰りたくない、という朝顔。>>106 その理由は、自分と同じではなかろう、とは思うものの、その場ではそれだけ言って]
……ありがとう。 でも、私は今でも十分、助けられていますから、ね?
[ちゃんとするから、という言葉に、また、笑って。 頭を下げるのに、こちらこそ、と返して夕顔の所に行くのを見送った]
(123) 2011/08/17(Wed) 08時半頃
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[その後はしばし、双子の仕事を見守って。 可哀相な紫蘇の量産で叱られている時には、ついつい口を挟んで自分が諌められる事にもなったけれど。
ともあれ、それらが一段落して、周囲に人の気配が絶えた頃、下駄を突っ掛けて抜け道の近くまでふらりと歩いた]
……そろそろかな、と思っていたら、案の定ですね。
[小さく呟いて組み紐で括られた包みを手に取り、それらは一先ず懐に入れる。 あまり出歩かない自分と、外を繋ぐ鮮やかな組み紐。
こんなやり取りは、以前にいた場所では考えもしなかった。 そも手紙を書く、という習慣自体が寂れて久しく、また、親しく文を交わすような相手もいなかったから]
今日はこれで、潰れてしまうかな?
[これじゃあ出られないかな、と思いながら、空を仰ぐ。 高く澄んだ、空。 以前は小さく切り取られたものしか見れなかったその色に、目を細めた後。 私室へ戻るべく、ゆっくりと踵を返した。**]
(124) 2011/08/17(Wed) 08時半頃
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しかしながら、人手が足りないみたいですね…
[案を考えるより今は雑務をと手を動かしているが、なかなか片付かない状況に思わずため息を吐いた。
他の連中も頷きつつも、諦め気味な表情である。]
[また誰か…という誰かの一言に自分は内心同意した。
無言のまま時折水を口にしながら。静寂がが仁右衛門が黙っているからだという理由に中々結び付かなかった。]**
明之進は、私室で書簡を開いている。浮かんでいるのは、どこか、困ったような笑み。
2011/08/17(Wed) 22時頃
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─ 神楽邸・私室 ─
[小鳥は止まり木に残したまま、私室へと戻り、開いた書簡。 綴られた文字を追ううち、自分でも気づかぬ内に浮かんだのは、どことなく苦いものを帯びた、困ったような笑み。 けれど、それは不愉快さを感じているようなものではなく。 純粋に、どうしたものか、と考えてしまっているような、そんな表情だった]
……星にかける願い……ですか。 今はこれ以上、何も望めぬというのに。
[零れ落ちるのは、こんな呟き]
星に望めば……もし赦されるなら、治るかも知れませんけれど、ね。
[小さく息を吐いて、僅かに目を伏せる。 部屋を覗き込む気配には、気づいていない。>>142 縁側の止まり木の小鳥は、『なにしてるの?』と言わんばかりに首を傾げているのだが]
(144) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 22時半頃
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─ 神楽邸・私室 ─
[さて、返事をどうしようか、と。 そんな事を考えながら文机に向かおうとして。 気づかぬ相手からの呼びかけは余りにも唐突で。>>145]
……え?
[知らず、上がったのは、惚けきった声。 振り返った先にいたのは]
……ゆう? どうしたんですか、いきなり……。
[唐突な内容が頭に浸透するまで、少し時間がかかるが。 朝顔が、夕顔に事情を話していた事には、理解が追いついた]
……なるほど。 ゆうがいるのに、あんな話ができたのは、それでですか。
[小さく息を吐いて、連ねられる言葉を聞く]
(156) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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……何人来ているのかは、私にもわかりませんね。 元々、私は九年前に『帰る』のを拒絶してから……向こうとの関わりは、断っていましたから。 ですから、今、ここにいる他の『彼ら』がどうしたいのかは、全くわかりません。
[探そうとも思わなかったし、余計な詮索をされたくもないから、記憶操作も甘んじて受け入れていた。 もしかしたら、向こうは違和感を覚えていたかも知れないが]
ん……あさがそれを望むなら、この村の皆は、そのまま受け入れてくれるでしょうね。 私の時と、同じように。
……問題は、どのように、『その時』をやり過ごすか……ですか。 確かに、『役』につくか、それとも『戻る事』自体を叶わぬものにするか、の二択ですが……。 他の『彼ら』が、戻りたいと願っている場合、後者は難しいでしょうね……。
(159) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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……ええ。
[自分の時も、帰るのを是とする者と色々と揉めて。 結局、最後は『こちらで死んだ事にしろ』と叩きつけた。 その方が都合のいい者が多かった事を知っていたから。
そんな事を考えていた所に、零された疑問。>>160 緩く首を傾いで、一つ瞬いた]
ん……確かに、そうですね。 何も言わずに、そのままでい続ける、という事もできたはずです。
でも……ね、ゆう。
本当は帰りたい、というなら、それこそ何も言わなければいい。 そうは、思いませんか? 何も言わず、記憶を書き換えて、消えてしまえばいい……わざわざ、禁を犯す必要はない……と、私は思いますけれど。
(162) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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本当の妹……ですか。
[小さく、呟いて。 続いた言葉には、ええ、と頷く]
時を隔てている以外は、何も変わりませんよ。 ……人である事に、変わりない。 ですから、向こうに待つ人がいるのは自然な事です。
[いない者もたまにいる、と続けるのは自重して。 続く話に、少しだけ、苦く笑んだ]
確かに、その理由は……寂しいかも知れません、ね。
実際の所どうなのかは、あさ自身に問わねばわかりませんが……でも。 もしそうだとしたら、ゆうは。 あさは、どうするべきなのだと思いますか?
(170) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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[待ってる人が、という言葉に向けたのは、どこか曖昧な笑み。>>177 実際の所はどうなのか、それは知れぬ事だが]
(……私のような者の方が、稀なはずですしね)
[過った想いは、今は置いた]
……言ってみたい事……ですか? 何か……言い難い事でも?
(181) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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うっ、ひょ、ひょぅい…。
[やる気あるのか、と即座に仁右衛門からダメ出しを食らった。]
仁右衛門殿、そこまで言わなくとも……そもそもなぜこのようなことをしているのか。
[少々前のことだ。
役員の一人が、作業の終わらぬ陰鬱な空気が払拭されるようなことを考えようと言ってみたのだ。]
[そんな折りに仁右衛門が「自分を解き放つのさ!」とたからかに力説した。]
もうこれはいいだろう…?
[自分が言うや否や、やってられっかと騒ぎ、仁右衛門もそれに応じた。
もみくちゃになる一団は本来の目的を果たしたのかもしれない。]
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…………妹、に、ですか?
[告げられた言葉にどう返したものか、と。 そう、考えたら、声が出るまで間が開いた。>>182]
ふむ……確かに、それは難しいですね。
[求められているものが、『姉』という存在なのか、それを越えたものであるのか。 それによって、返る答えが変わる、という事もあるのだろうか。 そんな風に考えてしまうと、確かに難しいな、とも思うが]
……二人一緒にいたい、という気持ちが、何よりも強いなら。 どちらが姉で、どちらが妹、と決めきってしまわなくともよいのではないかな……なんて。 私は、思うのですけれどね。
……私には、兄弟はいませんから……どう、言えばいいのか、わからないのですけれど。
(191) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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―回想・私塾に面した空き地―
は……?
未来人の子孫?
[先生にしては不可解なことを言う。
未来人の子孫が過去にいることなんて不可能だ。]
…………、って、わあわあわ!!!
[突然、引っ張られたと思ったら。
肩に何かを貼り付けられた。]
……?!?!?!
[状況を理解できないまま、そのまま連れられていく。]
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ええ、そうですよ。 多分、大事なのは、『一緒にいる』という事でしょうから。
[微笑む夕顔に、笑みを返すが。>>193 続いた言葉に、ほんの少し、眉尻が下がった]
……その願いならば、とうに叶っていますよ。 あさもゆうも、私にとっては妹のようなものですしね。
こんな事をいうとまた、お小言をいただく事になるかも知れませんけれど。
[だから、秘密にね、と冗談めかして笑う]
それに……私はここで、たくさんのものを得ていますから。 ……これ以上を望んだら、それこそ罰が当たってしまいますよ。
(199) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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[そして、連れて来られた場所は寄合場。]
…………………。
あー……、そういうこと。
……え、なんで……?
何も手伝わないですけど、わたし……。
[首を傾げて、呟く。
そのまま寄合場に入っていく長老たちの背を見て。]
……お祭りまで帰れないとか…。
無理…だし…。
あー……無理…。
[額を押さえて溜め息をついた。]
―回想終了―
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[遠く、聞こえて来た声にすぐさま反応する様子に、楽しげに笑んでその背を見送り。 入れ代わるように飛んできた小鳥を手に止まらせて、小さな頭を撫でた]
……このまま、何事もなく……とは、難しいでしょうけれど。 穏やかなまま、二人がいられればいいね、紫苑。
[小さな呟きに、小鳥は首を傾げた後、ぴぃ、と鳴く。 別に、言葉を交わしているわけではないけれど、意思は通じている。 そんな気がしていた]
(202) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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―寄合場の窓際―
あっつぅー……。
[不機嫌そうに頬杖をつきながら外を眺める。]
だーかーらー、わたしは手伝わないって言ってるじゃないですかー。
なんか眩暈してきた…。
[座って休憩しているだけだというのに。
文句だけは一丁前に並べていく。]
ちょっと、お祭り、古いんですよねー…。
なんかもっとさー……こう…。
ふあー…ねむぅ…。
[欠伸をして、また外を眺めた。]
手伝わないです。
何もできないし。仁さんをなんのために連れてきたんですか…?
[不機嫌さは増すばかりで、長老と目も合わせない。]
……じじ様、嫌い。
[そうして、口も閉ざすのだった。]
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─ 神楽邸・私室 ─
[小鳥は左の肩に乗せて、文机に向かうものの。 日常の挨拶を記した辺りで手が止まる。 目が向くのは、露草の押し花]
……露草……月草、でしたっけ。
……『彼ら』の記憶は。 月草の染め色の如く……とけて消えるべき……なのでしょうけれど、ね。
[そんな呟きをもらして、小さく息を吐く。 わかっていても。 残りたい、残したい、と思う気持ちもまた、理解できるから、それ以上は言わず。 押し花を軽く指でなぞって、目を伏せた。**]
(218) 2011/08/18(Thu) 01時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/18(Thu) 01時頃
……………。
[頬杖をついたまま、また溜め息をつく。
周りがざわざわと作業している中、自分だけはただぼんやりと座っている。
だが、手伝ってしまうと自分が根負けしてしまったような気がして。
自分の頬を人差し指で叩きながら外にまた視線を向けた。]
…………。
[星降る浜辺を見たかったのは。
仁右衛門の主張を信じたというよりかは。
その先を知りたかったのだと思う。]
…………。
[あの傘を拾ったのは。
昨年の祭りが終わった後。
暦では七日ぐらいが過ぎていた頃。
浜辺を歩いていて偶然拾ったものだった。
使い古された傘。
けれど、どこか新しさが同居した傘。
最初に抱いた感想は"けったい"というもの。
傘と気付くまでにも時間を要した。
それを持ち帰ったのは興味が半分。
残りの半分は―――。]
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