268 オリュース・ロマンスは顔が良い
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――前日――
[帰宅後は、夏の暑さに負けたのもあっていの一番にシャワーを浴びた。 汗を流し、傷を洗い。時々水とソープが沁みるのに眉をひそめつつ、身体を清めて作業場に戻る、と。]
……あ。
[そこでようやく、開けっ放しの窓に気付いた。 何ならBGMに利用していた気に入りのジャズナンバーも、最終トラックを再生し終えて久しいまま、次のディスクを待っている状態だ。]
(58) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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[念の為作業場の様子を確認したが、特に荒らされたような様子はない。 カーテンの端に、可愛らしい足跡のスタンプが残っていたくらいのもの。 それはまあ、軽く洗えば落とせそうだ。]
やー……けど、これは、何というか……
[鍵は閉めたとすっかり自慢気にしたことを思い出して、耳が赤くなる。 アリー本人には知られていませんように、と内心祈りながら、マーケットの準備を再開した。]
(59) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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[準備するものはマーケットに並べる品ももちろんだけれど、何より灯りが欠かせない。 日暮れから立つ市は夜通し続く。 例年早めに店じまいをして逆に買い物に行ってしまうが、それでも少しは灯りがなければ、品物を見てもらうこともできない暗さだ。
花や小鳥を透かし彫りにした板の裏に乳白色の樹脂を組み合わせたキャンドルホルダーをいくつも吊るすのが、毎年の恒例になっている。 その灯りを売ってくれと何度か頼まれたこともあるのだが、元が木な上中の樹脂もそれほど強いものを使っていない。 つまり安全の保証ができないということで、今まで人に譲ったことはなかった。 これに火を入れるのは、唯一星の流れる市だけと決めている。]
(60) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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――ペルセウス・マーケット――
[手彫りの『So』の看板を掲げるのは普段の工房前ではなく、賑わう港の方だ。 市電で数駅、海風がずっと濃くなる港の広場に、簡素なテーブルを置いて商品と名刺を並べるのが常のこと。 木彫の人形、小さなチャーム。壁掛けのレリーフやチャイム、素朴な音の笛やらが所狭しとひしめき合う。
金属のポールに布を張っただけの屋根からキャンドルホルダーを吊るし、マッチを擦っては蝋燭に火を入れる。 微かにエスニックな香りのするキャンドルは、潮の匂いに混じって仄かな存在感を主張していた。]
(61) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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……―― ふぁ。
[そうして、一通りの準備を終えたあと。 己が作り上げた小さな城の、どこか幻想的な雰囲気とは真逆に、情けなくも頬に絆創膏貼った露店の主人は欠伸を噛み殺していた。 昨晩結局ほぼ日が昇りかけるまで、追加の作品を彫っていた報いだ**]
(62) 2019/07/28(Sun) 05時頃
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――ペルセウスマーケット――
[夜がメインのマーケットでは、昼のうちは客足は疎ら。 その分、既に店を開いているところもまだ少ない。 それでも観光客にとっては昼下がりからお祭りのようなものなのか、気の早い木彫工房の露店で足を止める人もちらほら見えはじめた。]
――ああ、それは香木を彫ったもので。 小さいですけど、木の香りを楽しんでいただけるチャームです。
そのままお使いいただけますが、裏にアロマを染み込ませる方もいらっしゃいますね。
[女性客が羽根をモチーフにしたチャームを手に、何度も裏表しげしげと眺めている。 そこに添えるセールストークは未だに慣れなくて、主に過去の購入者から用途を聞いたりして少しずつ覚えたものを展開しているくらい。]
(120) 2019/07/28(Sun) 18時頃
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[カードケースなんかのシンプルな小物類以外は、作っているものの性質上子供や女性客の相手が多い。 可愛い、とか欲しい、なんてきゃあきゃあ言っている声が聞けるだけでも、眠気が飛んでいく心地がする。 ありがとうございます、と笑うと、少しだけ絆創膏が突っ張った。]
はい。 お買い上げありがとうございます。
[羽根のチャームは里親が決まった。 紙袋に包んで、代金と引き換えに我が子は城を離れていく。]
(121) 2019/07/28(Sun) 18時頃
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――……ふぅ。
[ひとつの波が去って、息をつく。 次のお客さんが来るまでは、午後の気だるさと睡眠不足に任せてぼんやり椅子に凭れて、半ば微睡みかげん。
夢でも見るような心地で視線を遠くに向ければ、それこそ夢みたいに、通行客があの子に見える。 少し小柄で、緑がかった金髪なんてそっくりだ>>115。 今ごろは舞台の方で夜の公演の準備中だろうから、ここにいるはずはないんだけど。 こんな見間違いをするなんて、昨日「いいひと」の話なんかしたからだろうか。 いよいよ病気だなぁ、なんて自嘲して、ふふ、と小さく笑った。]
(122) 2019/07/28(Sun) 18時半頃
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[はじめに意識しはじめたのは、いつだったろう。 人形を納品しに行った時に、ちょうど新作の公開の時期だからと団長から誘いをもらってそれを見に行った。 関係者扱いは苦手だからと断って、一般客と同じくチケットの代金を支払って、劇場に足を運んだ。
その時に、鳥が飛ぶのを見たんだ。]
(123) 2019/07/28(Sun) 19時半頃
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[大きな鸚鵡の人形だった。 一目見てわかった。随分と前、自分が納めた鸚鵡だ。 けれど、それはあの時の鸚鵡であって、あの時の鸚鵡じゃなかった。 まだ技術的にも少し拙かった頃の鸚鵡は、見た目は鮮やかでもどこかぎこちなかったはずなのに、目の前にいる鸚鵡は、活き活きとまるで生きているように羽ばたいている。 団員が手直ししたというのもあるだろうし、動かす技術も伴ってのことだろう。
とにかく僕はその瞬間に、ほとんど使われなくなっていた鸚鵡が息を吹き返すのを見た。 同時に、鸚鵡の使い手がその時のどんな団員より、輝いて見えたのを、覚えている。]
(124) 2019/07/28(Sun) 19時半頃
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[それからだ。 手が空いた時は誘いがなくても劇団に足を運んでみたり、メンテナンスと称して時々様子伺いに行ったりもした。
目的が人形の様子見からひとりの団員になるまで、それほど時間はかからなかった。 少しでも話したいし、もっと自分のことを知ってほしい。 こちらを見てくれたら嬉しいし、彼のことを知りたい。 歳の割にあまりに青臭すぎるこの感情を表に出す予定はないけれど、せめて自分ひとり目で追うくらいは許してほしい。 それが募って道行く観光客まで見間違えていたら、世話ないのだけど**]
(125) 2019/07/28(Sun) 19時半頃
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[まとまらない思考で見つめていた他人の空似さんは、気がつけばこちらに向かってきているように見えた。 そういえば人違いだっていうのにずっと見つめたら失礼じゃなかろうか。しかも露店の主人が。 頭が回っていなかったとはいえ、文句を言われても仕方ないと、慌てて姿勢を正した。 ああこっち向かってくる、やっぱり気分を害されたとか、と身構えていれば、どこか上擦ったような声がサガラさん、と呼ぶ>>170。]
あっ!?
[その出だしの大きさに、思ってたより驚いてしまって、同じくらい大きな声が出た。]
(178) 2019/07/28(Sun) 23時半頃
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ああ、えっと、はい! すみませ、じゃなくて、
存じ、上げて、ます。
[会話の一歩目から盛大に転んだせいで、半分寝起きみたいな頭は完全に混乱していた。 サガラさん、にはいと返事して、クレームだと思い込んでたせいで口をついて出てきた謝罪を訂正して。 ゼロイチのノエル、というのにI knowを返したけれど、めちゃくちゃなやり取りだ。 ゼロイチのノエルを忘れるはずなんてないけれど、これじゃ人形の不調を知ってたみたいじゃないか。
というか、ゼロイチのノエル? 本物、はそりゃそうか、どうして? は、そうか、人形の修理で――]
(179) 2019/07/28(Sun) 23時半頃
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えーっ……と……
[落ち着け、とりあえず落ち着け現実だけ受け止めよう。 どうして彼が、はいいとして、人形の修理。人形の修理だ。 深呼吸を一度、二度。]
すみません、お見苦しいところをお見せしました。 人形の修理でしたら、見せていただいても?
[失態の照れ隠し込みで、かり、と頬を掻こうとしたが、絆創膏に止められた。 うまく話せているかの自信も持てないまま、つるつると滑る口に任せて人形を受け取ろうと手を伸ばす。 心臓がうるさいのは、跳ね起きたせいということで頭を納得させよう*]
(180) 2019/07/28(Sun) 23時半頃
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ああいえ、休憩とかではなくて、その。 ちょっと、眠……ぼーっとしてて。
[>>191マーケット中に露店を開いて店主がいて、休憩も何もない。 繕いも何もなく眠いと口にしかけたが、流石にぎりぎり理性が留めてくれた。……たいして変わらない気もするけれども。]
すみません、ほんと。 じゃあ、見ますね。
[仕事でよかった、と思う。 これが例えば、例えばだ。彼が劇団の休憩中に普通に買い物をしに来たとかなら、もう何を言っていいかわからない。]
(202) 2019/07/29(Mon) 00時半頃
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アンドロメダ……ああ、この子ですか。
[抱きしめられていたケースから、顔が少し覗いていた。 人形を見れば、むしろ落ち着ける気がする。 大丈夫、そんなに大事に抱きしめられて羨ましいだなんて思っちゃいないとも。……ほんの少ししか。]
肩の動き。 ちょっと確認し―― !
っ、だ、大丈夫です、か。
[ケースを受け取ろうとした時に、一瞬手が触れ合った。 いやそれは普通のことだ、手に持ったものの受け渡しならそんなこともある。 そう自分に言い聞かせても思わず息を呑んだが、それよりも彼のほうが声を上げたから、心臓が大きく跳ねた。]
(204) 2019/07/29(Mon) 00時半頃
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[プリンセスだけは落とさずに抱き留めたので自分を褒めたい。 箱を開け、眠り姫の様子を確認する。
肩まわり、それと支障ないほどだが首のあたりも微かに緩い。]
この子、急ぎます? 例えば今日明日使うとか。 それなら一旦応急処置でお返しして、また後日お預かりしますけど。
[アンドロメダといえば夏から秋の夜の空に見える星。 毎年の星見は今年もやるのだろうと思えば、もしかしたら今夜にも使いたいかもしれないと、状況を伺う*]
(213) 2019/07/29(Mon) 00時半頃
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――プリンセスを診ながら――
そうか、主役が具合が悪いままじゃ舞台には立たせられないな。 団にも人形にも、無理はさせたくないですからね。
[>>218動きを誤魔化すといっても、つまりは普段通りにやれないということだ。 一期一会の星見会、なるべくならベストコンディションでやってほしいという、作り手のちょっとしたお節介。 手先を見られているとは気づかないまま、関節をひとつひとつ動かしては、離す。 一度木に触りだすと集中する性格が、こんなところで幸いするとは。]
(248) 2019/07/29(Mon) 02時半頃
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うん、確かに肩の関節がすり減って、動きが軽くなってる。 関節に入れてあるフェルトを増やして、隙間を埋めておけばしばらくは普段通りに使えると思います。
[木材やノミ、彫刻刀やらは工房に置いてきたが、人形の調整に使うやすりやフェルトは持ってきている。 子供が扱うから動きを緩めてほしい反対にきつくしてほしい、緩んだから直してほしいという要望は、マーケットではよくあることだった。]
(249) 2019/07/29(Mon) 02時半頃
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あと、首の支えがほんの少し歪んでますね。 使われるうち、湿気の違いで木が変形したかもしれない。 ここは動きには問題がなさそうなので今は直さないけど、お預かりするときに調整します。
[後日、担当の人形師から>>223。 そうか、次に預かるときは彼ではないのだなと、症状を伝えながら内心がっかりしていた。 顔や声に出ていなければいいけれど、こういう機微が隠せない方なのは自覚している。 せめて疲労に見えていればいいなと思ったが、目の前で疲れ見せるのも好ましくない気がして、曖昧に笑うくらいしかできなかった。]
(250) 2019/07/29(Mon) 02時半頃
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それで、どうします? すぐ戻られますか? フェルトを切って貼り付けるだけなので、調整込みでも30分かからないくらいですし。 軽くマーケットとか回られるようなら、そのうちにやっておきますよ。
[彼が戻るようなら、プリンセス・アンドロメダは届けに行こう。 彼が再びここを訪ねてくれるようなら、その時こそ心の準備をしておこう。 それぞれのパターンの対応を心の中でシミュレートしながら、選択肢を並べ。]
(251) 2019/07/29(Mon) 02時半頃
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それか、その。 ……お座りに、なります?
[最後に、欲がひょいと頭を出した。 自分の座っていた椅子を、彼に。 つまりこの場で待っていくかと提案する。 普通に考えたら断られそうな気しかしないが、言ってみるだけならタダだ。
あわよくば彼の視線>>223を数分でも独占したい、とか**]
(252) 2019/07/29(Mon) 02時半頃
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――お色直し――
[慎重に、マリオネットを制御する糸とワイヤーを外して、姫人形の腕を外す。 両腕ともに外して、左右を見比べながら減り方を確かめる。 偏って減っていた分の反対側をやすりで削り、半球状の関節を整えていく。 形が揃えばフェルトを当てながら足す大きさを決め、白いペンシルでおおよその型を取る。 はさみで切ったら、裏に少なめの接着剤を塗って、元のフェルトの上に重ねる。]
(300) 2019/07/29(Mon) 22時頃
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[一連の仕事は慣れたもの。 だというのに、依頼主が依頼主なせいで、集中しているはずなのになぜか落ち着かないような心地がしていた。 手元が狂うことはないけれど、ひとつふたつ手を動かすごとに、深めに呼吸を重ねないと次に進めない。]
……はぁ。
[ため息じみてしまう吐息は、疲れや寝不足からではないとわかっている。 わかっているからこそ、青臭い自分がどうにも気恥ずかしくて、振り払うようにかぶりを振った*]
(301) 2019/07/29(Mon) 22時頃
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――作業に入る少し前>>304――
うん? 何かありました?
[>>304遠慮がちに窺うような声がして、聞き返す。 ああ、やっぱり顔に出たかもしれない。こんな事で気を使われるのは申し訳がなさすぎて何でもないふりをしてみたが、不安にさせてしまったろうか。]
(327) 2019/07/29(Mon) 23時半頃
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[けれど、誤魔化せたかどうか、なんてことは、彼がまさかのここに残る選択肢を選んだところで、吹き飛んだ>>309>>310。]
え
あ、はい。邪魔ではないです、僕が言い出しましたし。 作業中店番任せちゃう感じになります、けど。 それほど人も来ないので、誰か来たら呼んでくれれば。
[ああ、でもそうしたら、視線を独り占めはできないな、なんてくだらないことを頭の中思って、何考えてんだと思い直す。]
(330) 2019/07/29(Mon) 23時半頃
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あー……いや、覚えなくてもいいですよ。 でも、見てもらえたら嬉し――いや、その、ほら、動かす人に、もっと細かいところまで知ってもらえたら、やりやすくもなるんじゃないかと、思いまして。
それに、終わり次第すぐ渡せますから。
[覚える。手を煩わせない。 ただ近くにいたいだけの我儘がそんな方向に捉えられるとは思わずに、否定の言葉を探した。 いくらでも煩わせてほしいくらいなのに、これきり真逆に働いてしまうなんて考えたくない。 本当は用意していた言い訳は後に続いたほうなのに、後づけみたいだ。]
(333) 2019/07/29(Mon) 23時半頃
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[作業をするうち、時々視線が向いているのにそわそわする。 見てほしいと言ったのはもちろんこちらなのに、それで浮ついていたら本末転倒じゃないか。 情けないところは見せられないな、と自戒の念を込めた吐息は、ため息に変わる。]
……あ、いえ。それほどは。 ただ、こんな風に見られていることはなかなかないので、なんだか緊張してしまって。
僕から言い出したくせに、変ですよね。
[見られていたら誰しも緊張するものだ、おかしいことは言ってないはず、と、己を客観視できているか危ういまま素のままを返す。]
(337) 2019/07/29(Mon) 23時半頃
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あ、ノエルさんは気に病むことなんてないですよ。 僕だって仕事人なんで、本当はもっとさらっとやらなくちゃいけないんです。
[話していると、少しだけ紛れる気がする。 だけど今度は、ちゃんと話せているか心配になる。 今度は手元に逃避して、を繰り返すと、いつの間にかお姫様には再び糸とワイヤーが通っていた。 軽く肩を動かしてみる。接着剤が漏れ出して、べたつくような感触はない。]
(340) 2019/07/29(Mon) 23時半頃
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とりあえずもう少しフェルトの固定が落ち着いたら、動作チェックしておしまい、です。
間に合って、よかった。
[暗くなりだした空を仰ぎながら、星が流れやしないかと少し期待する*]
(342) 2019/07/29(Mon) 23時半頃
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