219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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─ 九想屋近辺 ─
[うずらぼんやりと意識が戻ってくる。
その時、たぶん豊原は近くに居たのだと思う。
ただ、生きて居ないで、自分から見える範囲に
転がって居たのかもしれない。
ぼんやりと瞼をあげて、むくりと体を起こした。
一度、指先の感覚も戻っている気がする。
パツパツと腫れて痛痒い感覚は遠のいてた]
………間に合った………?
[すり、と片手で喉もとをさする。
しかしあの時、確かに自分は意識を失った。
頭蓋を貫かれる感覚とともに。
そして、何があったかを思い出す]
………っ、豊原!!!
[そして豊原がどこかに倒れて居たのなら、
駆け寄りその身体を抱き起こそうと。
立って呆然として居たなら、
目の前まで駆け寄るのだろう。
あたりには他に、誰かいたか]**
|
[───「希望」など。 この”せかい”に不似合いな花詞を持つ紫華を 血濡れた掌に掲げて、───……。]
( きみを帰す事を、最善と信じて止まない。 けれども、臆、怖くもあるのだ。 戻った先の”せかい”はそれこそ、 災厄の女の持つ匣のようじゃあないのかと。 )
[ 花弁を捥いだ。 ]
(3) 2017/06/21(Wed) 07時半頃
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─ ─
(きみの遺したことばこそが、 孤独華が自ら折れることを許さない鎖枷でした。
独りで無くなる機会があったのだとしても それを不意にし続けた僕は、気づけなかったのです。 ──独りと呼ぶには満たされていた日々を、 戻らない虚構で振り返り続けちまったもんですから。 その枷を嫉ましく、妬ましく思い続けて───…。)
[ ───光ある処に、影が濃くなるように。 きみは、きみたちは、眩し過ぎたんだ。 ]*
(4) 2017/06/21(Wed) 07時半頃
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─ 6th Day / スクランブル交差点 ─
[──着信音に意識を揺り起こされるのも、 これで六度目。]
( …詰まる処は、後一日。 )
……停止した円、ってこたァ。 何か乗り物かなにか、なのかねえ。 0時ってのは ─── ……。
(浮かぶのは時計盤。連なるのは円。 円形の乗り物、──と、ひとつ浮かぶもんはあるが。 何処かで見た気はするが、何処でやら──と首を捻る。 脇腹はもう痛まない事に、ほんとうに便利な軀だ、と。 風刺するように笑っちまったのだった。)
(5) 2017/06/21(Wed) 07時半頃
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[───ふ、と浮かべた眼差しが東を見る。 西や南には碌に近づいてないものだから、 確かにあちらだった気がする、と、交差点を超えて。
から、と下駄を鳴らす。 すれ違うひとびとの瞳鴉が>>#3──、 青い光に満たされていたように思えて ふい、と振り返る。]
(「幸福への導き手となりて、 すばらしきせかいへ誘い賜え」 「数え切れないこの世の歪みを正すために、 蒼き光の救済を」)
……? 何だ、今の。
(6) 2017/06/21(Wed) 07時半頃
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[はた、と。 握られた手に青いものが見えた気がした。 その虹彩のいろといい、手のそれと言い。 此処一週間近くで大分見慣れたバッジを思い出す、が。]
( ……まッさか、なァ? )
[杞憂だろう、と、鴉羽色の髪を撫でた。 その裏で、唱えられる呪いことばのようなそれの 気味悪さに、一抹の毒を零した。]
……何がなんだかわからねえが。 幸福なんてものは誰も、 導いちゃくれねえんじゃねえかね。
(神も、”死神”も。──そもそも歪みのない、 正しい世界なんてのは何ぞや、と思う訳で──。)
(7) 2017/06/21(Wed) 07時半頃
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[ 何うせ、誰の耳にも止まらないような呟きだ。 ───直きに、雑踏に紛れてゆくだけの。 ]*
(8) 2017/06/21(Wed) 07時半頃
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[周りに誰もいなかったなら、
暫く豊原と話し込んだ後に立ち上がる。
そして改めて表通りへと出たのなら、
行き交う人々、その一部の異様さに気付いて
眉を顰める事となる]
なん………だ?
やっぱこのバッジ変なんじゃねぇの?
死神たちは何考えてやがる?
[そんな風に、蒼の目をする、
奇妙なことを口走るRGの人々を見て。
彼らが持つバッジを見て、ポケットから
青を5つ取り出しては、巾着袋に纏めてポケットへ]
……行くか、相棒。
[差し出した拳は、こつり、
相手と合わせることは出来たろうか。
何時迄も路地裏に居るわけにも行かないだろうと
一先ずは九想屋の前へと、ふらり]**
ー 回想・5日目/終わりの話 ー
[勢いを乗せた渾身の拳を死神は避けようともせず
オレの拳に合わせるように手の平を向けて
受け止められず勢いそのままで後ろに受け流された。
渾身の拳が当たろうが当たらなかろうが関係なく、着地の事なんて考えてなかったし
考えてたとしても膝が砕けた足でまともに着地なんか出来る訳もなく。
死神の笑い声が耳に入ったすぐ後
全身を打ちつけながら、派手に地面を転がった。]
い''ッ、あ''……ゴホッ……
[全身痛むせいでろくに目も開けられなくて、こちらに飛ばされていた蝶にも気付けなかったけど
死神が最後に言い残していった言葉は
この耳に、ハッキリと聞こえた。]
(またがあったら
今度こそぶっ殺してやる……!)
[死に損ないが何を言ってるんだって思う。
でも、大事な相棒を、友達を殺した奴を許せない。
だからもし、”また”があったら……
しかし、オレは知ってる。
もし”また”があっても
1人じゃ、奴には勝てない。
1人じゃ……何も出来ないんだ、って。
相棒1人守れず、仇にまともな一撃すら与えられない。
そんな無力感を感じたまま
オレは一言も言わず、一切動かなくなった。*]
ー ??? ー
『お前ばかり目立ちやがって』
『ちょっと上手いからって調子乗るな』
『膝ぶっ壊してろくにバスケ出来なくなったって?』
『好き勝手やってたバチが当たったんだ』
『無理するなよ豊原!』
『豊原の指示出し動きやすいよ、ありがとな!』
『また試合でよろしくな豊原!』
『仲間出来たって、お前は結局1人なんだよ』
[今まで色々言われてきて
最後に言われた事もその通りだった。
否定出来なくて悔しくて
カッとなって食ってかかってたら……こっちにいた。
仲間はあくまで、バスケをやってる時につるむだけ。
バスケがなかったら1人だ。
でも、そんなオレを相棒と呼んでくれる奴がいる。
バカやってくれる奴がいたんだよ。]
──── 『豊原!!!』
[ほら、噂をすれば。
何度も聞いてきた、あいつの声だ。
戻ってやらないと。
オレは、あいつの相棒だから。*]
ー 九想屋近辺 ー
[意識も視界も、その時はまだぼんやりしていた。
寝起きの感覚と同じだけど
なぜか腹も膝も、全身どこも痛まなくて。
何か感じるとしたら、なんとなく温かいような
誰かに抱えられているような。]
………んー…?
[目の前に誰かいる気がして、ジーッとガン見。
徐々に視界がハッキリしてきて、そこに見えたのは]
なっ……桐生!!?
[間違いない、目の前にいるのは確かに桐生だ。
でも、オレが最後に見た桐生は……]
お前……怪我はどうした!?
なんともないのか?!
[明らかに手遅れな姿を見てしまっていたから
間に合ったのかもとか、まさかの例外でまたここにいるになんて考えが浮かばなかったもんで。
抱きかかえられたまま桐生の服を握りしめて、なんかもう必死に詰め寄ってた。
とりあえず、オレは一旦落ち着こうな?って。**]
─ 九想屋近辺・目覚めた時 ─
[相手を横抱きの姿勢で抱き起こして呼びかければ
そのうちに瞳が開いてホッと胸をなで下ろす。
自分がこうして生きて居るのだから、ある意味
予想できたことではあるけれども。
けれど、やはり間に合ったのではないと
相手の姿を見ていて気付いた。
相手の存在も、自分の存在も。
確かにそこに存在しては居るが、他と比べて
色彩が淡いと言うか、燻んでいるというか。
ハッキリとこの場にW居るWのかどうか
不安定なような。
が。しかし。
ジーッとこちらを見られたかと思うと
急に相手に詰め寄られて目を白黒させる]
えっ?!あー。うん?
いや。怪我は今は何ともないけどな。
いや落ち着けよ豊原。
俺、頭ズドンされてブラックアウトしたから
その後の事情わかってねえんだけど?
[握った服は元が黒とは言え
握り締めればその手にべたりと赤がついたか。
若しかしたら口元も吐いた血でまだ
赤かったかもしれない。
どちらにしろ抱き起こそうとした時点で
それに気づかなかったから相手のシャツが
悲惨なことになっていたらごめんなさい]
……顔、近いって。
まあ、俺たち多分、脱落組だと思う。
けど、えーとあの、チンドン屋……
じゃなくて蝶々夫人………
じゃなくて、華月斎さん?が。
いってたんだよな、例外があるって。
『二度目の死を迎えても尚
生き返る権利を手にできてしまうような
死神にとっての理不尽』
そんな例外があるんだってさ。今回。
で、多分俺たちも、その例外っつー訳。
[しかしこの先どうしたら良いのかまではわからない。
例外なのだろう、とは思うけども。
ただ、へにゃりと笑えば相手の頭をわしゃりと撫で]
……今度は、一緒に目覚められたから。
一緒に、戦おうぜ?
[お互い離れ離れで居るよりも、
きっと。生き残れるからと。
相手から一度離れ、差し出した手は
相手とつなぐことができたのか]*
|
─ → 東エリア ─
[中央から東へ。 その境界を踏み越えようとして、 からら、と音を立てた時であった。
>>#4────熊の唸りめいたものが聞こえた。 ふ、ッと混凝土に差す、影のようなものを見上げる。 何時かに追いかけて黒い熊に似ていたが、 佇まいは寧ろ、──…。] ( ……昨日のカエルのような。 ) …… ッと、 …こりゃあ。
[「拙いかねえ」と苦笑いをして、 地面に叩きつけられる腕の隙間を間一髪で抜ける。 その儘、向き直り拍子に閉じた扇を縦に振れば、 五の太刀が四肢と頭を射ぬかん、としたが──。]
(9) 2017/06/21(Wed) 19時頃
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[叶ったのは、その巨躯の手を地に繋ぐだけ。 さして深手を追ったふうでも無さそうな熊に、 袂を翻して、駆けるのは目的地の方角。]
(『グルル…』と凶暴に睨み据える瞳硝子も、 虚ろを増したこころってやつには 不思議と響かなくて、───……。
……臆、緊張感の欠けようと、 それでも手放せない命の矛盾に 何方が”ほんとう”なのか分からなくなる。 何方も”ほんとう”か、何方も”にせもの”か。 ……それすらも、分かんねえが。)
─── まともに取り合わねえほうがいいな。
[それでも、ちょいとでも足止めは出来たもんだから。 から、と返した足は殊更、東へと急ぐように歩を重ねた。]
(10) 2017/06/21(Wed) 19時頃
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[ よくよくと街を見渡せば、 闊歩する黒獣のすがたが昨日よりも 増えているような気がした。
───すがたも、種類も。 ]
(>>316 然ういや、バーサーカーみてえなの、と。 あの子が言ってたが、…死神も攻撃するってのは…。)
[「…何う言う事かね」と、口郭に手を添え、考える。 ふッ、と浮かぶのは、死を齎す立場である死神も亦。 参加者と同じように消える事もあるのだろうか、 なんて軌道に外れた事だったのだが───…。]
( 何うであれ、制御の外れたものは。 過ぎたる力でしかないだろう。ひとだろうと、 ──神のたぐいだろうと、なんだろうと。 )
(11) 2017/06/21(Wed) 19時半頃
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……態態、そんな危険を犯して ふつうそんなもん呼ぶのかね…?
( ……や、そもそも此奴らが。 何処から来てんのかは分からんが──。 何度かけしかけられもすれば、 死神が呼んでいるものだとも思うもんで。 )
[ 嗚呼、でも。 「ふつうじゃなさそうだよなァ…、」と。 かし、と髪を乱して─── ……。 ]
……まァ、でも、さ。 あと1日凌れりゃあ、……。
(12) 2017/06/21(Wed) 19時半頃
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(然うと青の深まる雑踏に零して、思う。 生き残ったとして、万が一、生き返れたとして。 ”僕”は─── …と。)
……、 絶対に、生き返らねえといけねえのかな。
[未来は黒箱に包まれた儘。 開ける迄は分からない災厄の匣に、 何処かで、とても触れたくないと思って仕舞うのだ。]
[視界の端で亦、雑音が跳ねた。 近くに見えるショッピング・モールの観覧車の影から 遠回るように、別の路地に下駄の音を転がして、──。
───……気がつけば、 (男が其処まで来たのは初めてであったが、) ”外”との境界線近く。]
(15) 2017/06/21(Wed) 20時頃
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(何方かと言えば、 落ち着いている印象のある東でも 取り分け静謐を携えている路地の奥。
雑音になるだけ出会わないように、 なんて意図はあったとは言え、裏でぼんやりと。 考え事をしちまっていた所為で、 こんなところ迄来ちまったのだろうか──と。
───思った、のだが。)
[道場や稽古場のある路地が近くにあるからこそ、 見慣れていた風景が、今日はやけにと騒がしい気がした。 けれども、それはひとの所為では無く、 けものたち、──黒いけものたちの所為。
微かな光が過ぎったかと思うと、 見回したせかいに一匹、黒が増えて───…。>>#4]
(16) 2017/06/21(Wed) 20時頃
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( ……増えた、ァ? )
………や、まさか、なァ。
[錯覚かと思いやしたが、 紛う事も無く駆けて行った黒い狼が一匹。
見つからんように、 側の家の壁に背を張り付かせたのは一寸。 狼のすがたが見えなくなってから、から、と、 急ぐように下駄の音を転がしたの為ら、 >>#4なにかを隠すように引ッ被せられた布地がある。
一瞬の逡巡のあと、 それを剥がせば、何処か─── 魔法陣めいたシンボルがあった。]
(18) 2017/06/21(Wed) 20時半頃
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……今。 確かにこの辺から出て来たよなあ…?
[ゲームだとかそんなものには疎い男でも、 悪魔や魔物、果てはあやかしや化生が召喚される 六芒星や五芒星、媒介なんてものは、知っていた。
だから、 剥がすのに逡巡したのと同じ時間だけ。 顎元を撫ぜるように手を当てて、屈むようにして──。
(それでも勝手に如何にかするのはどうなんだ? ……ってのは、あったんだが──。)
亦、ばち、と光を発しかけたものだから、 見開いた目で慌てて、手にした儘の扇子で 咄嗟に──陣の描かれた板に とん、と叩いた。]
(19) 2017/06/21(Wed) 20時半頃
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( 甲高い音を立てて、劔の華が咲く。 破られた金属板は発光を止めて、
───深、と。 )
…お、 おお……?
[ 是で良いのかは分からなかったが、 先刻の狼が出て来たのもまたひかりからだった ───ような気がするからこそ。
「……良かった、って事にしておこうかね。」
ぼやき一つを落として、 壊した精製陣を置き去りにして ───路を、来た道のほうへと戻ろうとした。 ]*
(20) 2017/06/21(Wed) 20時半頃
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[…まさか、あのオオカミだけじゃ…ない?
不自然に散りばめられた斑模様たちが何のノイズかまで判別はできなかったが、その光景が異様である事だけは感じ取れた。
今目視で確認できるだけでざっと45(0..100)x1…いや、46(0..100)x1匹か?
未確認のものもいると考えれば、遭遇したそばから吸い尽くしていくにも限界はあるだろう。
それこそ囲まれてしまえば一巻のおわり…というのも充分にありえる話で]
(……今度こそ、死ぬ訳にはいかないんだ)
[頭をよぎったのは、二度目の死を迎える間際の記憶。*]
|
── ──
「 ひとりであれば、自由が利きますから。 」
[>>25 其れを問われたのは、何時の事だったか。 自分よりふた回り以上も年下であるのに、 節度を弁えているのだろう。
滅多に踏み込まれない、 内側の部分を問われた数少ない時であった。 不思議そうに瞠った瞳は次の瞬間には弛んで、 ───はぐらかしていた。]
(35) 2017/06/21(Wed) 22時頃
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(寂しかった。 淋しかったけれど、 誰にも言えやしないだろう? ”もう、誰も居ない”んだから。)
[知らず知らずと伸ばされた鎖枷を、 別の絆糸なのだ、と気づいて掴む事も出来ない僕は、 妄執に曇り続けるのは 愚かだ、 と言う事に 気づけすらせずに、抱え落ちた。]*
(36) 2017/06/21(Wed) 22時頃
|
あーらホント。
イイ男だわ〜イケメンだわ〜。
地獄に仏、じゃなくて地獄にイケメンね。
うんうん、奢って貰いなさい。
でも一口くらい分けてあげましょう。
泣いて喜ぶかもしれないわ。
[ 別の意味で ]
[ にっこりと笑うリョウは、
普段の鉄仮面とのギャップもあって、
とても女の子らしくて可愛かった。
―――― 眩しすぎて、灼け爛れそうなくらい。
そんな笑顔を引っ提げて、
デートのお誘いをしたようだけど。
残念。愛しの彼には避けられちゃったみたい ]
[
空を舞う黒い翼を睨め付ける。
飴を口に放る動作の後、何をするのかと思えば、
向けられた問いに眉根を寄せた ]
…… それ、三ヶ峯くんにも聞かれたわ。
[ 何故、リョウを庇ったのかと。
そんなにパートナーを庇う事は珍しいのかと、
過った思考は、けれど、違う事を知る。
そう言えば、死神も元は参加者、だっけ ]
[ 今一度、考える。
どうしてリョウを庇ったのか。
そこに別の影を見てなかったかって。
―――― だけど。
考えてもやっぱり、答えは変わらなかった ]
リョウが傷つくところなんて、
見たくなかったから。
[ 空飛ぶ死神を、真っ直ぐに見据える。
最初は確かに真衣に似てると思ったけど、
本当に最初だけだった。
リョウは無口で無愛想で無鉄砲で
見ていて冷や冷やしてしょうがない。
けど、度胸があって、勝負強くて、
それでいて可愛らしい女の子。
アタシが護りたかったのは、間違いなくその子だ ]
…… アナタにもねえ、
何かあったのかもしれないけど。
―――――― でもね、
[ にーっこり。
浮かべる笑みは、満面。
だが、その目は、笑ってはいない。
( スッと、片足を地から離す ) ]
女の子に暴力を働く男は、
世界で一番許せないのよねえッ!
[ ―――――― ダンッ!
足を地に力強く振り下ろした、瞬間。
死神の“ 真下 ”から水柱が吹き出す。
それはさながら、間欠泉のように。
そして、その水は空へと昇りながら
鮫の形へと成り、死神を呑み込まんと、空を泳ぐ ]*
そっちの方が口説き文句って言う。
[ 目の前にいる死神の顔は、良い方なのだろう。
そんな、俗にいうイケメンに
可愛いと言われた人は、
…ときめかざるを得なかったりして。
なお 全部想像。
私にとっては
完全に鉄パイプのオニーサンだったので、
ふーんで終わったわけだ。
── 愛とか恋とか無縁です。
生まれ落ちるその前から。 ]
[ ローファーが地面を擦り、
真っ赤な蛇の頭が死神の喉元へ牙を剥く、
── はず だったけれど。
ぎり と、
何か似たような力か、見えない壁か。
赤色を阻んだ。
あからさまに顔を顰める、が。
攻撃を喰らっていないだけマシなのかもしれない。
強引にぶち抜こうと勢いをつけ、
保たせたのはきっかり数秒だった。 ]
[ きっかり数秒でも、離れる余裕はあるわけで。
壁を取り去った向こう、空へ上がった死神を睨んだ。
翼を広げる死神へ両手を翳せば、
鎖の音が じゃら、と 響く。
── 暢気に質問している間に
その腹立たしい翼をもいでやると思うも。
それが直ぐできなかったのは、きっと、
目の前の死神の表情が、問いかける様子が、
"まるで何かが抜け落ちた"みたいに、
見えたから だ。 ]
[ …その、間。
答えるシーシャの、声は拾っていた。
── 当社比、驚いていた そりゃあ。
多分 見ている私の瞳はまぁるくなっていた。
ああ、でも、── ]
[ ── だからこそ、
きっとこの先、幸か不幸か生きのびたとして。
私の、きっと人生で初めて選ぶことのできる結末は、
止めないで欲しい。
"傷つくところを見たくない"、なら
"だからこそ" だ。
こういう時、なにも盗られていなければ、
心が痛むのでしょうか、わかりません。 ]
[ よぅく 知っているのは
私を一番傷つけるのはあの世界だってこと。 ]
── ……!
[ …多分 ぼんやりしていた所為だ。
一瞬のうち、気がつけば目の前には水の柱が、
── 違う、鮫が、いて。
伸ばしていた手は咄嗟に引っ込められた。
…あれに巻き込まれたくはない、から。 ]
……… オニーサン どうするの、
[ 様子を窺う。
だらり、蛇を垂らして、
あの死神に 何時でも噛付けるように* ]
─ ─
[人はみんな寂しがりだ。
だから、みんな他の誰かと寄り添おうとする。
寄り添っているうちに、変に期待したり、
怒ったり泣いたり、傷つけたり。
期待に応えようとして頑張りすぎて
心が折れてしまったりする。
人は、一人ぼっちでは生きていけない。
時にはそんな事を忘れて一人で歩いている気になって
気付いたら取り残されて慌てることもあるだろう。
でも、それでも。
心に信頼できる誰かがいれば。
その人は一人ではなくて、その心の誰かと
いつまでも共に生きて行けるのだと思う。
たとえ距離が二人を隔てても、
生と死が二人を分かつた後も]
「……………っ?!桐生!!」
[ああ、俺は馬鹿だったなあ。
助けを呼ばなくたって、あんな必死な声出して
自分を呼んでくれる人がいたのに。
こんな空っぽな自分でも、一緒にバカやって
協力しあって笑いあえる奴がいたのに。
心配してくれる奴がいたのに]
『ニキ、』
[あの時本当に嬉しかった。
迎えに来てくれたことが、泣きそうなくらいに。
きっとあのまま死ななかったら、
大粒の涙をこぼして嬉し泣きしていただろう]
『ニキ、ありがとう、きてくれて』
[その言葉は風にかき消えてしまったけれど]*
―回想―
「だったら、強くなるの」
[辺りを赤く染める落日。
河川敷通りに揺れる影法師。
おぶられた状態だったのでその言葉を告げる彼女の顔を見る事はできなかったが、その声は厳しく、だけどどこか優しいものだった。
…ぼくが男だから?と聞けば彼女は「ちがうよ」と答え]
「男の子とか女の子とか、関係ないの。人間にはいつか…いつか、大切な人を守らないといけない時がくるから」
[そう続けたのだ。]
|
─ 東エリア / 呉商堂書店付近 ─
[───其れでも。 路の片隅から時折顕れる黒い雑音達が見えるたび、 違う径を辿るように歩いていたものだから。
本来の目的地であったドゥームプラザからは 自然、外れて───…。]
『”0時の位置”を如何見るか、 ってのは、未だ分からねえが…。 僕のほうも天の輪は此処じゃねえか、と 思うところはあるな。
───今は、 』
(53) 2017/06/21(Wed) 22時半頃
|
|
[かれの声が聞こえた意識下。>>43]
(昨日の疚しさが打って変わって、 明瞭に居場所を吐き出そうと視線を巡らせりゃあ 見えるのは 『呉商堂書店』 の文字。)
『東、だな。呉商堂書店が見える処だが、 ……きみが来てくれるってんなら、 そこで落ち合おうか。』
[遠回しのところを悟ると、 人目も無いのに頷くのは例に因って癖のようなもの。 からら、と返事を待たずに下駄を転がした先で >>@16見覚えのある金色が居たものだから、 はた、───と足を止めた。]
(55) 2017/06/21(Wed) 22時半頃
|
|
『──臆。 それと、東のほうにあったんだが…。 変な魔法陣みてえなやつから、 あの黒いけものは出てる……のかもしれんな。 壊しはしたが、他にもあるか迄は分からんが。』
[>>@16 緩い笑みのむこうがわに”あったもの”を知らぬ儘、 彼に話しかけようとする前に、かれに然う、と。 見た儘を付け加えてから、
「 やあ、 」
藤色の袂を振るって、数日振りの死神に手を振った。]
(59) 2017/06/21(Wed) 23時頃
|
|
─── 三ヶ峯君。 此処に立ってるってこたァ、 今日もサブミッションか何かかい?
(臆、斯くも死神に襲われた経験が少ないのは 以前の通りから変わらず。 だから、気さくな笑みを貼り付けて、 然う問いかけ調子で───ゆる、と首を傾げた。)*
(62) 2017/06/21(Wed) 23時頃
|
……挑発が下手。
[ 睨んで。
鮫が食らいつこうと登るのを見て、だけど。
── こいつ なんなの、って 思うほど、
怯む様子が見られない。
私はぎょっとする様子を隠しもせず、
鉄パイプ、── が振われた先、
見えない何かが鮫を阻むのを
把握した瞬間、 ]
[ ── 片方の蛇の頭を、地面に叩き付けた。
鎖はたわませず、棒のように真っ直ぐ伸ばす。
あの背中に向け、真っ直ぐ に。
叩き付けた勢いと、
無限の鎖 伸縮自在故の荒技だ。
私に翼はないけれど、
みっともなく跳ねることはきっと出来る から、 ]
[ 水しぶきの中、
蛇の頭を軸に、私自身を射出して。 ]
[ ── きっと、
あっという間に男の背にたどり着いた。
……上手くいっても行かずとも、
私自身も重力に逆らえなくなるその一瞬で、
死神は 振り向いただろうか。
…目は 合っただろうか。
合ったなら きっと。
お嬢様のように 少女の様に、
たおやかに笑む私が、いたよ。 ]
[ 言った瞬間。
空中で死神の胴へ両の蛇を絡ませ、
その勢いのまま、地面へ振り下ろそうと** ]
それはどうも!
[
サイキックを発動させながら、
宙を舞う死神を睨み付け続ける。
上昇する水の鮫は、黒の影を呑もうとするも、
振り下ろされる鉄パイプの先から、動けない ]
( あまり、長期戦にはしたくないわね ……! )
[ 生み出す水の量が多い程、
操る水の量が多い程、疲弊する。
だけど、省エネなんてしてられない ]
させないわ!
[ 鮫の頭が、見えない力でひしゃげる。
しかし、更にサイキックを使い、
下から上に押し上げる水の力を上げる。
―――― おそらく、長くは持たないけど、
それで問題ない。
あの死神の注意を逸らすことが出来れば、
あとは、]
|
── ──
『……ほら。 僕ひとりの用事に誰かを付き合わせるってのも、 迷惑でしょうから。』
[>>64 複雑を浮かべたかれの気持ちも知れない儘、 言葉を選んで、当たり障りの無い答を華として。 水面に そう、と載せる心地で、手放した。 ]
( ……臆。 何故、そんな事を聞くのだろう。 ” きみには、関係のないことだろうに。 ” 湧いた不思議は、其処からであった。 )
(72) 2017/06/22(Thu) 00時頃
|
|
(思うに、 怖かったのだ。 日の輝く時のみぞ咲ける華は、 日が隠れてしまう事を、日に厭われる事を。 その日こそが、 その日と云うものこそが、 益々と華の影を濃くしてゆくと言うのに。)
(74) 2017/06/22(Thu) 00時頃
|
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[何時か、庭先に埋えられていた椿があった。 日本の薔薇とも称される事の或るその花が、 ぽと、と目の前で首を落とした。
の首が落ちたようで、 ───なんとも言えずに目を逸らしたものだった。 翌年、稽古場の椿は咲かなかった。 全て刈り取らせたからだった。]
(あれも亦、女花でもあり、 けれども、古来から武士にも親しまれた花でもある。 何故なのだろう。陥ちる首、そのもののようだろう。 ……椿は好かない。)
(75) 2017/06/22(Thu) 00時頃
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(”かれ”の名も亦、 花のあしらいがあると気付いたのは きみが亡くなってから。 その由来のほどは終ぞ、聴けなかった。)
[ ───密やかに。 迷惑を掛けず、散ってゆこうとする孤独花為れば >>66ふたつめの由為らず、ひとつめの由さえも、 伸ばされた枷に気づくには、蕾を硬く閉ざしていた。]
(…… 縛られている、と思い込んだのは 疲れて仕舞ったのは、 ─── 己の。 )*
(76) 2017/06/22(Thu) 00時頃
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(現在より、少し前の事。 >>73熊殺し──なんて、殺せちゃあ居ないんだが。
その異名を識った為ら、 随分と微妙な顔をしたろうが 知らぬが花、とも謂う話。)
……臆、奈直生君。 作戦会議とは、また改まったもんだが──…。 ……何処でやる気だい?
[ゆる、と首を傾げる序で。 その時は片割れを連れてなかったろう彼にそうと 話掛けてから、───、ひとつ。]
(77) 2017/06/22(Thu) 00時頃
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( 投じたのは、暗澹たる。 )
……僕は良いが。 あんまり協力ってのをしていいのかい? きみらは。
確かに今日は好いかも知れんが、 ──明日には如何なるかわからんだろう。 皆な、敵に回るかも知れない。
(”そもそも、今日を生き延びねば如何にもならない。”)
[無意識にも、言い聞かせるようにも 何度と口にした言葉と相反する問いをしたのは、 此処に来て漸く、 ”終わり” の見えて来て 仕舞った事の証明であった。]
(79) 2017/06/22(Thu) 00時半頃
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(詰るでも、忠するでも無く。 そういう事を問いかけ。
>>78合間か、 然の返事のひとつも聴けたのであれば 「最もだな」 と、苦く笑ったものであったが。)
作戦会議ってのは、 場所さえ教えてくれたら行くよ。 榴斗にも行って置こう。
───臆、 それと、
[>>59 応じ返す手の振るいを下げたのちに、 彼にも、謎の陣めいたそれの話をした事だろう。 ───それを、思い出すように。]
(80) 2017/06/22(Thu) 00時半頃
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『……だなァ。 東になけりゃァ、北の子の刻── 公園あたりの位置、ってところかねェ。
臆、然うだ。 或の、今の…今時なんだろう格好をした、 奈直生君、って居たのは知ってたっけな。 彼が作戦会議をしようって言ってたんだが、 ───如何する?』
[「一応行くとは言ったが、きみの意見に従うよ」と。 >>67被せ掛けた沈黙の合間に流れる静寂に、 ぽん、と念じるところの言葉石を放り投げ──…。]
(斯うも明瞭に言い切っちまったら、 昨日のが浮き彫りになる事も、僕も、かれも、 気づきもしない儘。)
(82) 2017/06/22(Thu) 00時半頃
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[ 信じては いた。
確かに、それは間違いなく。
だけど“ ソレ ”は予想していない ]
ウソでしょ!?
[ リョウが、空を飛んだ。
正確に言えば、
鎖を使って身体を持ち上げた、だけど。
死神のがら空きの背中目掛けて接近し、
その両袖から覗くのは、二匹の蛇 ]
[ 鮫と、死神と、女の子が 空舞う光景を
地上からただ見上げるしか術がない ]
リョウ …… !
[ リョウへ攻撃が行かないよう、
水の鮫の上昇は止めぬまま。
( 彼女が齎す一手次第では、
水鮫の形を変える心積もりで )]**
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『……そりゃあ、難しいなァ。 妙の匙加減はひとに因って違うもんだから。』
( 嗚呼、そうやって。 語る側から死神に寄るのが”妙な事”とは、 欠片も思っちゃあいねえから! )
[>>69から、と下駄を転がす傍。 きみの見解を聞いて、ほう、と納得したもんだ。 ”あれら”を生み出すのがひとつだとすれば、 数に較べて如何せん、多過ぎるように見受けられる 黒獣達に馳せて───。
『……成る程、四方四神。 為ら、”あれ”があったのと同じように。 四方の境界近くにあるかもしんねえなァ、』
───同意を示し乍ら、 ”妙な事に乗るのだ”。]
(88) 2017/06/22(Thu) 00時半頃
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……嗚呼、きみも。 何だ、近頃の黒いノイズってのは。 死神も襲うのだそうだろう。 ──あれも、きみらの仕掛けなのかい?
[>>@36少々遠く、 壁に凭れた儘の黄金を追いかけるように歩を踏む。 彼が動けない事も、その理由も知らない男は、 (…袋の中の青がきっと、良く顔を合わせる 彼らよりも少ない事を察してはいても──。) >>@34消え去ったものどもとは違って、 焦りなんてものを見せず、呑気にも、悠長にも、 そちらへゆこうとして。]
(90) 2017/06/22(Thu) 00時半頃
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…… ” 死神さんが転んだ ” ? ははっ、達磨さんが転んだみてえだ。
[傾げた首の度を深めれば、 >>@15説明のひとつくらい貰えたろうか。 少しばかりの安堵を持つかれのこころうちを知らぬ儘。
>>@38日の光に輝く青いバッジを眩しそうに見た後、 咄嗟に出た考えは、───。]
(”上手い話には、罠がある。”) (……厭厭、知っちゃあ、いたが。)
……四つも貰っていいのかい?
(94) 2017/06/22(Thu) 01時頃
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[ぱち、と瞬く黒玻璃は。 もの欲しさと謂うよりは 無意識に抱いていた信頼めいたものと、 (…死神なんて信じられたもので無い事を知らない、 初日の狐も、昨日のあの、双子の末路も知らない。) 何より少し、面白そうだ、と思って仕舞ったから。]
……じゃァ、やってみようかね。
( そう頷いて、──扇も持たずに、 片割れの忠告も空の外、道を渡ろうとしながら。 )
(95) 2017/06/22(Thu) 01時頃
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そう言えば。 明日、生き返れなかった生存者ってのは、 ───如何なるんだい。
………それも、皆な、消えちまうんだろうか。
[ >>@16佇むノイズに未だ気づかない今、 死神なら知っているだろうか と、 そんな事を戯れに、 ─────問いかけた。 ]*
(98) 2017/06/22(Thu) 01時頃
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─ そして、亦、時は遡り、 ─
…ドゥームプラザ、な。
(丁度、目的地だ。 「良いだろう」と笑う片隅で、 あの場所で出会った参加者のひとりを 思い出して、──そう言や、昨日も、一昨日も。 あの広場に居なかったな、と、……馳せた。)
[>>5:334 かれが、その散り際の果てを見ていたなど。 黙さぬすがたを見ていた、など知らぬからこそ。 睫帳を揺蕩わせたのち、>>81その”笑み”に見えた 表情になにかを謂うでも無く、微笑み返した。 ]
(103) 2017/06/22(Thu) 01時頃
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[ 赤眼の蛇が死神の胴を捕える。
それはいい。それはいいのだけれど ]
ッ 、リョウ!
[ 死神の腕がリョウを掴んだ。
そのまま彼女を抱きかかえて、諸共、落下する。
マズい、と、水の鮫の形を崩し、
別の手を打とうとした、けれど、
背中から地に落ちたのは ―― 死神の方だった。
嫌な音が、響き、呻き声が、上がる ]
リョウ、大丈夫!?
[ 落下地点へと駆け寄り、様子を見遣る。
リョウに大事が無さそうな事には安堵して、
それから、死神の方へと視線を移した。
( 不可解だと、
そう言わんばかりの目を向けて )]**
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[───貼り付けた儘の笑みは、 一陣の曇りも見せはしなかったが。 その応じの眩しさに、一抹の憂愁を加えた。]
(糸に縛られねえような彼に、 糸に縛られるのちの生を知らないからこそ、 ”こう謂うふうに、生きれてんのかなあ” ──なんざ、”諦めの悪い僕”は、 叶わぬ夢を思う。)
……そも、メリットって謂や。 生き返るべき価値がある人間を選別する為の ゲーム、とは言っていたが──。
───それに。 自分たちを傷つけて迄のこの振るい落し加減に、 向こうさんの利点がどんくらいあるのか、 とも思うがねェ…。
(105) 2017/06/22(Thu) 01時頃
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(逆に。 振るい落とされる人間が少ないほうが いいんでねえか、とも思うのは黙したが。 臆、よく考えたら、──…。)
……メリットがあるとしたら。 ゲームのホスト側ってよりゃあ、 また、別のところにもある気はするが。 まァ、……僕らには介せぬ話だし、
───きみの言う通りだわな。
[死ぬ時ゃ、何を言っても死ぬ。 あれそれ考えても散れば、不幸になるだけ。 顔色ばかりは変わらずとも、ほんの少しばかり 余裕を貰ったように伸びた色艶で、──頷いた。]
(106) 2017/06/22(Thu) 01時頃
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ああ。 …… ”有難うな。”
そんじゃあ、亦、────後で。
(”また”を疑わない儘、>>89器用に跳ぶ彼に 便利そうだなァ、と袂ごと腕を振るうような。 呑気なまんまで見送って、
──その時は、場を後にした。)*
(109) 2017/06/22(Thu) 01時半頃
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[>>@56 唇を尖らせた彼のようすに、 「あ、こりゃあ違うなァ」とにがわらいひとつ。 悪い事を聞いちまったかな、と罪悪感も一摘み。]
……禁断ノイズ。 聞くからに禁じられてそうな名前だなァ…。 (零した相槌は少々頭が悪そうだったかも知れんが、 其処はどうぞ、見逃して頂きたい。 「きみは下っ端なのかい」と、死神社会にも 上司だとかがあるもんなんだなァ、……と。
このところ崩れて来ぱなしの おどろおどろしい”死神像”ってやつは、 人間社会の俗世を覗いた気分で後も残らなさそうだ。)
(110) 2017/06/22(Thu) 02時頃
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(けれど ふ、と。 数を減らす事になる”利点”なんてもんを 直前に交わしていたから、こそだ。 死神の全体の意思でも無さそうなそれってのを 一体、何処の誰がやってんだろう、と。
───馳せるのは束の間。)
……何処の世にも。 道を外れるやつ、ってのは居るもんなんだね。
[偉いさんがそうであれば、 中間管理職だとか。それこそ下のもんは 大変そうだ、とぼんやりと老けた思考を思いもし乍ら。 かれの大打撃、ってやつは知らぬが儘に、 >>@57その説明をへェ、と聞いて、───。]
(111) 2017/06/22(Thu) 02時頃
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そう、だなァ。 目を瞑らねえ「達磨さんが転んだ」なんて それはそれで、新鮮に違いない。
(く、と、喉の奥を鳴らしたんなら。 一通り聴き終えたのちに、>>@58 茶化すように笑うきみに真直ぐと頷いた。)
[そうして、”それどころじゃない”のところに 概ねを察すれば、同情と言うよりは共感の笑みを送る。 大仰な動作に綯い交ぜられた”嘘”迄を見透せない儘、 挑戦への第一歩を踏み出そうとしながら──……。]
(112) 2017/06/22(Thu) 02時頃
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……。 参加者が? 死神に?
( 初耳、だった。 )
[今迄の”死神像”が瓦解してゆくのを、 今は目の前だと、足蹴にするように 浮いた儘の一歩を踏み出し。
>>@59 「……その例外、ってのも気になるが。 臆、寧ろ教えてくれるだけ嬉しいよ。」
有難う、なんて律儀な礼を浮かべたあとで。 この間は無かったような、挑戦を再確認する、 (…最後通達のような、或いは最終確認のような。) 違和感が流れていったような気がしたが ───重く、受け止めなかった。]
(113) 2017/06/22(Thu) 02時頃
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( 自らを、信用しなかった。 ) ( ”かれ”の言葉を見向きもせず、 )
ああ。 やるって言ったら、やるよ。
[>>@61 一度丸まった黒曜の瞳は。 次の瞬間には微笑むかたちにしなり、 死神の笑みを映した。
(唯。 薄らと湧いた”なにか”が、 一度懐にでも戻した扇子を拾わせて、──)
開始が告げられた次の瞬間。 でん、と立ち塞がる三体の熊。]
(114) 2017/06/22(Thu) 02時頃
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(…熊殺しの異名を貰っても、 実のところ一匹も未だ、殺せていない訳で。 ──ああ、”ふつうのいろ”ってんだから、 未だ良いのかもしれんが。)
……邪魔が入るってのは聞いたが。 だーいぶ、難易度高くねえか?
[金色の彼がしてくれた筈の──。 ”ひとりで居ないほうがいい”なんて忠告も すっかり今や、忘れた儘、───ぱ と、扇子を開く。]
(115) 2017/06/22(Thu) 02時頃
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(───本命は死神の彼。 倒しはせんでもいいんだろう?)
”熊羆 我に対して蹲まり 虎豹 路を夾んで啼く”
……… ってね。
[瞬く間に突進してこようとする猛獣どもに、 カンッ、と甲高い音を鳴らした下駄は後ろに跳ねて 元居た場所には次の瞬間、十の大太刀が 熊共を串刺そうと藤花を伴い、─宙空から出迎える。]
(何度目かの虚脱感を堪えながら、 抜け掛ける力を接地する足に ぐ、と 込め。)
(116) 2017/06/22(Thu) 02時頃
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(避ける直前、 ───伸ばされる熊の爪が 腕を引っ掻いたが 昨日の痛みに比べりゃ、…とね。)
[空をもうひとつ撫でれば、 下るは舞い降る太刀と較べて、細身の日本刀。 扇を持たぬ手で、空に現れた刃の柄を此の手に握り、 ───先ずは、と 熊どもの具合を見る。]
(少しでも足止めが出来たんであれば、 その合間を掻い潜るように前に跳んで、──、 先んじようとして。)*
(117) 2017/06/22(Thu) 02時頃
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ー 九想屋近辺/行動開始時のお話 ー
[目覚めたばかりの時は軽いパニック状態で冷静じゃなかったオレも
目覚めてから暫く時間が経っていた今は流石に落ち着いていた。
で、桐生と表通りまで出たんだけど
そこで前に聞いた以上に気味の悪い……いや
もはや気持ち悪いの領域に入るような事を口にする人達に気付いた。]
ここまで来ると変わった趣味……じゃ済まないもんな
危ない宗教団体にでも入ってのか、って感じだし
[眉間に皺を寄せてる桐生の横で
オレは珍しく難しい顔をしてそんな事言っていた。
実際、何かが流行するとどんどんそれが広まっていくものだけど
これは流石にそういう次元じゃないというか。
オレ?オレは流行とか関係なく、好きなものは好きってタイプだから。
なんて事を考えてたら、拳が差し出されててな。
『行くか、相棒』とか言ってくれちゃうから]
……そうだな、相棒!
[こつり、というにはちょっと強めだったけど
ニカッと笑って、桐生の拳にオレの拳を合わる。
大した事じゃないのに、すげぇ気分が良くなってた。]
ー 九想屋前 ー
[と、いう訳で
一先ず路地裏から出てここまで来たのはいいのだが。]
…………なぁ、桐生
あそこの死神、こっち見てるよな?
[いつもより小声で、桐生にだけ聞こえるように。
まだ少し距離はあるが、前方にいる死神がオレ達の姿を見付けるなりジッとこちらを見ている事に気付いたから
オレの気のせいかどうかの確認も兼ねて桐生に報告。
だって、オレ達を見るその死神の目。
獲物を見定める肉食動物みたいな目をしていたから
無視出来なかったというか。]
………どうする?
[オレ達が今どういう状況にいるのかは一応聞いてたし
死ぬ前に殴り損ねたあの死神みたいに、また殺しに来る奴だって他にもいるかもしれない。
だから、もし仕掛けて来たら
ササッと逃げるか、応戦して撃退するか
……殺られる前に、殺るか
話し合い?あの目からして応じて気がしない。
とにかく、何があってもいいように
桐生の左腕を掴んですぐ回避出来るよう構えて。
死神から目を離さず、あちらの出方を伺う事に。**]
─ 九想屋前 ─
『……そうだな、見てんな。
話の通りなら、俺たちは例外。
死神にとって不本意な、目障りだろうな』
[今この状態では、自分たちが賞金首になっているとは
まだ想像もしていないこと。
前方の死神を視認すればテレパシーで答える。
テレパシーを使ったのは、その情報を
自分たちが得ているのかどうか
他の死神は把握していないだろう為。
どうする?との問いかけに応えようとしたが]
W聞けぇ!!このヨクトグラムども!!!W
[にぃ、と三日月を浮かべた、黒のタトゥーめいた
翼を持つ死神が放った言葉に
「よ、よくと………????」
と目が点になって固まった。
そんな自分を前に、カラカラと笑う死神は
だいぶ若い。恐らくは自分と同じくらいか。
厨二病を拗らせたのだろうか……と思いながらも
気を取り直して前方の相手に注視する]
Wお前ら二度も死んだ癖に生き返るなんざ
逆行列!気に入らねえ!!
しかもコンポーザーから生きる権利を掴むチャンスを
もらったなんてクラッシュ!糞食らえだ!!
コンポーザーも気にいらねぇがお前らを虚数にして
インフィニティ!!
俺様の糧にしてやるぜ!!W
…つまりは俺たちみたいな例外がいるの
気にいらねえから殺しに来て
それが死神かコイツの得になる…?
[ひく、と眉が跳ねたのは仕方がない。
彼独自の言語になりつつ相手の言葉に
理解が追いついていない現状。
こう言う作戦なのか、素なのか。
男はケラケラ笑っては、両腕を広げて掲げた、が]
W……………ッ?!W
[いつの間に現れていたのだろう。
ザパン、とコンクリートから現れた黒いサメが
足元から死神に飛びかかり、飲み込んでいく。
叫びもなく飲み込まれた名も知らぬ死神に
派手に肩を跳ねさせてしまったが]
………えっあの黒いノイズ
死神も襲うのか?!
えええええ、あっちのがヤバイ!!!
[哀れ、飲み込まれた死神は忘れられた。
そして此方に向かうサメに氷槍を放ち
牽制して動きを鈍らせながら]
公園に行くぞ、豊原!
彼処なら見晴らし良いし
いきなり飲み込まれる率も低くなるだろ!
[建物か並ぶこの場所よりも、遊具などで
多彩な足場を選べる方が有利と判断。
一先ずの逃走を申し出るが、
果たしてそれは吉と出るか凶と出るか]*
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( 嗚呼、死神も所詮。 ひとと然して変わらない存在なんて 本質迄見抜けやしないもんだから。 生有るうつつよりも、そちら側、ってんのが。 つい、と惹かれちまったのは罪だろうか──。 )
[>>@67 変わらず緩く微笑むばかりの彼に、 そのうちにある企みも知りもしないで 表面ばかりをなぞっている。
深く、問いたいこころを一旦打ち止めるように 掌にしかと浮かんだ扇子の感触の裏で、 それでも何処か、『後で聞きゃあいいだろう』。
───そう、思っていたのさ。]
(138) 2017/06/22(Thu) 16時半頃
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(優しさ、なのかはわからない。 この灰色のせかいで何が優しさなのかは、 ……わからねえんだ。
あの双子の少女を何処かじゃあ、 手を汚して迄生き延びようとする子らなんて ”現実”に戻ったあとどうなるか分からねえんだから その首を落としちまったほうが幸せに なれるんじゃあねえのか、だとか。 ふい、と 人道に外れた事を言い訳に思うくらいには、 出来た人間、と言うわけではねえもので。 嗚呼、刃を向けなかったのは考えつかなかったのと、 その死神の青年が嫌いじゃあ無かったからもある。)
(139) 2017/06/22(Thu) 16時半頃
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[>>@69 刃の雨をしとど振らせて、 劈く苦悶の合間を潜り抜けようとした下駄の音は それら が未だ絶命していない事は知ってはいたが、 怨みがましい抵抗が三匹分、計ったような タイミングでやってくるものだから、 ──一度後ろへ退く為の足が間に合わなかった。]
……ッ、 と
[さらら、と雨名残の十の太刀が花と化け、散る最中。 片足の浮いた不安定な足場の儘、 一匹の腕を斬ッ、と半ば迄切り込みながら、 その心の臓の辺りを突き、──引き斬る。
流れるようにもう一匹の爪とかち合わせて弾いた後に、 両の手の構えを外して持ち替えた逆手で背を曲げた 熊に逆手で持ち替えた刃柄で熊の顎を打ち、 また両の手で抱えては袈裟掛けるよう 薙ぐ。]
(140) 2017/06/22(Thu) 16時半頃
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[───うまく捌き切れたのは、其処迄。]
(真剣の重さには 稽古事の模擬刀の重量で慣れていたからこそ、 ついてゆけたのだとしても。 家を継ぐ迄は習っていた剣道も、 竹刀とは間合いが違うものだから。 ───その隙間差をかれのようには、 上手くを埋め切れない。)
[熊を追い越そうとしたからこそ、 うしろに周り込まれて作られた影に振り向き様 大振りに薙いだ刀は、背を引っ掛かれるのと引換え。 断末魔に隠すように浅い息を重ねて、 >>70矢張り、何処迄も呑気な死神に笑い直した。]
(141) 2017/06/22(Thu) 16時半頃
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[一度、刀を下げる。]
……そ。 曹操の太行山脈越えの時の漢詩──。 ………よく識ってんなァ、三ヶ峯君。
[家柄が家柄だからこそ、 自然と漢詩に触れる機会も多かったが為に覚えた唄も 教科書に乗るたぐいの有名な詩歌でもなければ 余り周知には無いと思うからこそ。
ぽん、と燈った驚きから、 怪我をものともしていないように(装って、) 愉しげにも見える興を宿して、
───>>@70 呟きを拾う。]
(142) 2017/06/22(Thu) 16時半頃
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[ぱち、と瞬いて、 困ったふうに嗤う。
血染みのある訳でもない刀を、 まるで露の滴るように払い乍ら───。]
……そう、かい? 実際、”先生”だったみてえが、 僕は記憶にねえんだよなァ……。
───物を教える立場なんて、 柄でもねえ気がするんだが。
[髪をかし、と掻くのも、少し惑ったときの手癖。 それも手放してから、困惑の色合いを笑みから消し、 (その”過去形”の意味を知らない。)]
然しきみも、本が好きなのかい? いいねェ、……僕も好きでな、 そのうちでもさ。
(143) 2017/06/22(Thu) 17時頃
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「話す機会なんてのが作れりゃあいいなあ。」
(きみと語るのも亦、面白そうだ、ってね。 屈託無く嗤った。)
[剣閃と踊らす手前に懐に差し直した扇子を閉じた儘、 >>@72次勢の気に、握り直すのは刀の柄。 過ぎる銀灰の毛並みが駆け出したころには、 しなやかな獣の体は、もう男に追いついていた。
瞠る間も無く、 打ち上げるように叩き切ろうとした刀は その毛並みを幾許か空に舞い上げるばかり、 上身に喰らい付かんとする牙が宙空に燦くのに 眇めた玻璃は、───咄嗟に左腕を ”差し出した”。]
(144) 2017/06/22(Thu) 17時頃
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( 腕を咬木の如く深く咬ませて、 引き千切られる前に、─── …。 )
[ がりッ、と、 音を立てたのは腕か、 地表に突き立てた刃か。
その出所を深く考える間も無く、 熱を持ち始めたように自己主張する痛みに 心頭滅却と心を殺して、 ”剣を咲かせた”。 ]
[だらりと落ちる緋の雫を肥、 地面の凹凸に突き立つ白刃を種子とするかのよに 起点と舞い上がる血色の桜は無数の剣山と生って、 囮餌に喰らい付くけものを千々に硬い皮毎貫き──、]
(145) 2017/06/22(Thu) 17時半頃
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(肘をく、と外向きに倒す。 骨に迄達しかけたけものの鋭牙も、 靄と化してゆく最中に綻び、 つめたいいろをした紅濡れの地面に びたん、と身を投げ出す。)
[腕から滴った赤溜まりを藤衣の裾に跳ねさせ、 ぴ、と紅蓮の飛沫文様を作るのすら厭う事無く。 から、と、音ばかりは涼しい下駄の音を奏で。]
─── 次はなんだい?
(ずぐずぐと疼く痛みを遠くに追いやって、 次の遊びでも待つように、懐かしさを辿り 死神に伺いを立て乍、また一歩、一歩と歩を詰める。)
(146) 2017/06/22(Thu) 17時半頃
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[合間、思うのは。 泣き言や後悔だとか、懺悔だとか。 そんなものでは無かった。]
(そもそも、狼を屠った剣山が 扱い切れずに己が身を貫く可能性すら ”どうでも好かった”もんで。)
[一重に、 「この怪我は流石に隠せねえよなぁ」 なんざ、>>126きみの忠言を思い出して、 怪我をする可能性があるとは知らなかったもんだから ───見逃してもらえねえかな、なんて事くらい。]
(小さな青の数だけ、賭けた命にしては。 負った疵のぶんしか重くない足取りを、からからと。)*
(147) 2017/06/22(Thu) 17時半頃
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── ──
[隣人のみならず、 他人への親切や気遣いと言うものを、 美徳とされてきたせかいに生きてきた。
けれども、 まことのやさしさと謂うのは 其処には無い、と言うのも知っていた。]
(だから、僕の此れは。 僕が傷つかないようにするが為の、いつわり。 いつわりの化粧であり、偽善でしかないのだ。)
[悠々と咲き誇る花を乾かせたものですら無く、 造花めいた華を張り付かせて、醜悪をひた隠す。 手に入らないものを諦めることで、興味を殺す事で 怪我をしないように、優美に、と 望まれたように在り続けて──。]
(149) 2017/06/22(Thu) 18時頃
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(影の底から見えるものは、 なんでもひかりのように見えたのだ。 >>119水底からでは、沈んでくるものですら 同じ底に沈まねば、───
明るいも、暗いも。 その星が何等星の赫きなのだろうと、
…… みな、等しく。)
(150) 2017/06/22(Thu) 18時頃
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[───「海柘榴」の名を知ったのは、 その首ともどもを狩り落としてからだった。 かれの名は周囲の影が言い囃すように、 冥界の果実の名だと思っていたからこそ きみも大層な名をつけるものだ、 と想っていたのだ。]
(その実に秘められた 愚かしさ なんざ、 きみはその意味を知っているのかは 分からなかったが子に贈るものとしては 似合いもしないものだろうに。)
[それでも他所様の子だ、と口を噤んでから、 随分と経って漸く思い至った名を切り落とす真似に 縁起の悪いことをしたのではないだろうか と 気づいても、捥いだ花首が戻る筈も無いのだ。]
(151) 2017/06/22(Thu) 18時頃
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(嗚呼、それでも。 植え直す、なんて選択肢もあったのにな。 花を生さない垣根に、再び同じ花を 並べさせることは、なかった。)*
(152) 2017/06/22(Thu) 18時頃
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― コキュートスJ/屋上展望台 ―
[道中7体の死神に襲われはしたが、調子を取り戻した自分と、後ろで支えてくれるパートナーの存在の前には敗北はなくて。
展望台に辿りつけば、サイガワラの光景に思わず絶句した。
これがゲームの後半戦、という意味合いなのか、はたまた何か別の意味合いがあるのか]
[ふと、丈司の方を見ると、何かを決意したような、そんな表情で]
………生き残る、か。
このノイズたちって、大本がいたりしないのかしら。
[初日に倒した蝙蝠とその配下のように、根元を断つことができないのだろうかと。
それは"死者"の自分たちにできるのだろうかと、そう考えた]**
大元…確かに…
[確かにこれだけのノイズが発生しているのなら
いつかの蝙蝠のように、どこかに主…もしくは巣にあたる場所があってもおかしくはない。
だったらノイズの動きをよく辿ってみれば手がかりを掴めないだろうか?
よぉく観察しようとした時]
[―バサッ!バササッ!]
うわ…!?
[唐突に耳に入った音を不審に思い空を見上げれば
まっくろな鳥の群れが上空からこちらを狙い近づいてきている。
黒といってもカラスじゃない、それよりもっと危険なもの]
…パティさん、守りはお願い!
[相手が空から、複数となれば彼女の能力では分が悪い。
黒いノイズ相手にどこまでやれるかわからないが、それでも少年は構えた*]
[この場から逃げるにもまずは数を減らすか、もしくは向こうから退散するように持っていかなくてはならない。
彼女のサポートを受けながら広範囲に狙いを定め、一気に黒い鳥達の生命を花にかえていく。]
…ぐっ…こ、この……!
[しかし
次第に数を減らし、やがて赤い花が頭上だけでなく周囲にまでその範囲を拡げはじめたというのに、黒い鳥ノイズ達はひるむ様子を見せなかった。
こちらの命を奪うまで退く気はないというのか?]
『……で…』
『…に…いで…』
[さらに5羽のノイズが力尽きた頃だったか
脳内に直接響くような声が耳に入ったのは。
またかと思いちらりと周囲を確認するも、輪郭だけのナニカの姿は見えないようだ。
不思議に思い、もしやパティさんからのテレパシー?
と注意深く耳をすませてみれば]
『やっと…やっとこっちに気づいてくれたね』
[見えない手に心臓を掴まれたような錯覚と、とても嬉しそうな女の声。
瞬間視界は暗転し、意識は深い深い海に引き摺りこまれていく*]
|
[>>@73 少々とくぐもった拍手の音に、 演者は気恥ずかしさ混じりに頸に手を遣ってから 嫣然と微笑みなんかしたものだ。]
……お粗末様でした。 及第点以下だけどな。
[そうと零す口のように点、と続く緋色がその由だった。]
(彼が壁に背を凭れた儘に 理由など無いと思うからこそ、呑気に笑う。 小さな微笑みの視線先にはふいと気付いたところで、 己の練度不足以上の恥以上は思いもせず、──。)
(161) 2017/06/22(Thu) 20時半頃
|
|
[>>@74 なだらかに動く首の動きを見届け、 成る程、と同意を示される傍らで狼が唸るさまを どう、とも思わなかったかと言えば、 どう、とも思うこころは削れていた、に尽きたのだ。]
(蓋に仕舞っていた未来(いま)への翳りを、 笑顔の裏の閉ざして、──なんにせよ 教導の道を取ることなど、過去(いま)の僕には 欠片も、───考えやしなかったもんだから。)
───そうさなぁ。 じゃあ、な。 このサブミッションが終わりでもしたら、 時間があるんなら、幾つか見繕うのもいいかもなァ…。
[笑んだ儘伏せた睫帳は、肚のうちも、その見分も。 自らの幕帳から遠ざけるようにして、第二幕。 剣の華を咲かせ、───……。]
(162) 2017/06/22(Thu) 20時半頃
|
|
[次の演目を問うように捻った首は、 差し出されるが如く、開かれたよっつを見る。 あとはもう、阻むもののない石畳を渡るだけ。 ぱち、と瞬いて、「そうか」と口月を上げた。>>@75]
(子どもの遊びであれば、鬼が交代するだけ。 ──死神の遊びは、ほんとうの”鬼”は。 どう云うものか、男は考えなかった。 諦めると謂う事を知らないから、棄てた。)
[そうして、二度、木の音を響かせた。 その幕間いのインターバルである。 (やもすれば、死神の手を取るように、) その青いバッジへと手を伸ばそうとして───。
─── >>159>>160声がした。]
(163) 2017/06/22(Thu) 20時半頃
|
|
[一瞥をした玻璃へと振るわれる手に、 返す手は動かなかった。]
( 突き立てたつるぎを引き抜いたから、 塞がっている、或るいは、 ……うまく ”動かない” のだ。 )
嗚呼、林口さんと、……。 三留さん──だったか。 (榴斗がそう呼んでたのを聞いたもんだから。)
[だらだらと血を流す赤い手を さ、と隠し乍ら。 別段、男は何を悟ったわけでもなく、 それは単なる、思いつきのようなものである。
一度つるぎを地面の疵跡に差し込めば、 袂の巾着袋の紐を右の手でずる、と引っ張り出し その柄に糸を掛けて、再びその手に握り、──]
(164) 2017/06/22(Thu) 21時頃
|
|
[そのつるぎを、 胸元まで持ち上げると ぱ と離せば、それは浮揚した。
───けものたちを貫くためのそれではないから、 掴み取れるほどの緩慢な動作で見知った影らの手前迄 つるぎは宙を泳いだあと、その前で動きを停める。]
…… 餞別。
(巾着袋には、小さな青のバッジが5つばかり。 中身を確認されてもされずとも、微笑んでみせた。 臆、でも、そっちのほうは上げた訳じゃあねえんだ。)
(165) 2017/06/22(Thu) 21時頃
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奈直生くんに後でドゥームプラザで 作戦会議しよう、と言われてたんだが──…。 ちょいと遅れそうだって、言伝を頼めねえかな。
それと、その巾着袋は、 僕らが行く迄預かっといてくんねえかな? ……臆、丁度サブミッションの途中なんだが。 ミッションとサブミッションの達成祈願、ってな。
[「忠言ありがとな。 お嬢さんと林口さんも気を付けておくれ。」
───何処迄も元気なその子に、 ひかりを見たような眩しさを隠すよう 瞳硝子を眇めて、瞬きと共に見送った。] ( 右手が空けば漸く手が振れる。 お返しとばかりにひとふるい、揺蕩わせ。 )
(166) 2017/06/22(Thu) 21時頃
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[その、後だったか。 入れ違うようにか、聞こえた特徴的な履物の音。 >>@75>>@76死神の視界端に過ぎった そのすがたに気づくのは、二、三拍遅れて。]
……榴斗。 嗚呼、暇だったからなァ…。 サブミッション。やってたんだよ。
(赤い手は、かれの刃を見れば見透されるもの。 かれより余程、「愚かしさ」なんて言葉の 似合いそうな男は、それを知らないからこそ、 疵を全て、振り向いた背のうしろに隠して、 悪気なく微笑む顔を、一時も崩しやしなかった。)
──── だったら、いいんだがねェ。
[>>@76金色のかれの言の葉にぽつ、と 相槌を挟んだとき、だった。現れた雑音たちに ぱちぱちと瞬いたが、]
(167) 2017/06/22(Thu) 21時頃
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(……なんでだろうなァ。 まっすぐに駆け寄るのを、 先にすりゃあ好かったのに。
この儘かれと一緒に 鬼から逃げ切ってしまえば好い、と 聡明と呼ぶには浅はかさが過ぎったのか、)
[……否、由なんてのは、 別のところにあって──。]
………… そうだなァ。 あんだけ相手するより、
(「逃げちまおうか。」)
[悪戯気分で、伽藍、と、木の音をひときわと立て。 その掌の青を掬った、────その刹那だった。]
(168) 2017/06/22(Thu) 21時頃
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……ッ、
[ 笑みが驚嘆に崩れて、竦む。 ]
(……嗚呼、昨日の脇腹の痛みも、 比じゃあねえくらい、切り刻まれる傷みに
何が起きたか気づく迄が三秒、 彼の能力を思い出す迄が五秒、 何をされたか気づく迄が十秒。
は、 と、かんばせをあげれば、 膝をついた軀を見据える瞳が、下りている。)
(169) 2017/06/22(Thu) 21時頃
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[揚揚と逃げ去ろうにも、 元来立つにも辛いような傷みを抱えていた男を 見上げて、零したのは。]
(恨み言でも、助けでも、 後悔でも、懺悔でも、友と良く似たかれへの なにかを求めるそれでも、気遣いでもなく、──。)
──……ははッ、 こないだも、……然うだったが。 きみも、痛みは、……感じねえのか? ( 駅前に居た、あの少女のように。 )
[───問うべきものを間違えた、 頓狂な問いと、にがわらい。]*
(170) 2017/06/22(Thu) 21時頃
|
─ 抹茶ミルクの飴 ─
[そう言えば、ずっと持ち歩いたまま
使えてないものがある。
カタミ薬局で買った抹茶ミルクの飴。
怪我を治してくれた縁のお礼にと。
何せ抹茶のドリンクを飲んでいた記憶があったから
そんな気遣いもこの数日、出会うこともなく
なまじ飴の外袋も血まみれになっていたから
それに気づけば飴の袋を開いて
中身を巾着袋がパツパツになるまで詰めて
残った分、自分の口に放り込む。
相棒にも一包み。
そして、外袋は適当なゴミ箱に投げ捨てた。
そんな、様々なものに狙われながらも
のんびりとしたワンシーン]*
[水面へ降り注ぐ光も届かない
深い深い
水の中
頭を撫でるつめたい手
ねぇ、ぼくの隣にいるきみはだぁれ]
[ 考え無しだったのは認めよう。
例えばこの先、
どうやって私は無事に着地するか、と聞かれても
正直そこまで考えは及んでいなかった。
死神の笑みが見えても、
── いや、たとえ笑みじゃあ、なくても
私は怯まず、その胴を叩き付けようと
して、 ]
─── !?
[ 引っ張られた、のは意外だった。
更に言うなら死神の懐に収まったのも、
全くもって、考えていなかった。
驚愕の表情を浮かべたのが
自分自身でも分かる。
殺すつもりで向かっていた私は完全に、
向こうも殺すつもりで来ると思っていたから、
鎖を握る手で 胸元を叩きはしたけれど
それが効くはずも、無い。 ]
[ …"まだ""ここで"死ぬわけにはいかないのに! ]
[ 後悔しても遅かった。
歯を食いしばる感覚を覚えながらも
死神と落下していく私は、
衝撃とともに、
── 男の、声を、聞いた。 ]
[ ………あれ?
この人は 何で、そんな 呻いているんだ? ]
[ ………下敷きになった死神を、
きっと私は無感情な瞳で見ていた。
…いや、言うなれば、
それこそ "抜け落ちた" ような、
( やっぱりこれも、口にはしないけれど )
腕の力が強くなったのもお構いなしに、
私は視界の先、折れただろう翼を見たままで…、
── ××そうだな、って 思った。 ]
[ Q.彼が今抱いている感覚の名前は何でしょうか。 ]
[ A. ─── ]
[ …ぼんやり、していた。
きっとそれがあって、私はそれはされるがままに
駆け寄ってきたらしいシーシャの方へ押し出される。
シーシャもシーシャで
この死神の言動が不可解だったらしい。
死神はその顔を見て、一言、二言。
満身創痍で立ち上がりながら告げた。
……私は明らかにしかめっ面を、した。
湧き上がるのは、怒りだ。 ]
……一度殺しておいて、何言ってるの。
[ 私自身は、知らずとも。
まさに彼が今、思っていたことを突きつける。
…そこにきっと、
相手の××を汲む気持ちは、無くて。
( ── 段々私が人で無くなっていく感覚。 )
死神は、どういう反応をしたのだろう。
もう、立ち上がって、
去ろうとしていたのかもしれないけれど。
どちらにしても…そう それから もうひとつ、
私が投げる声は、さっきの"挑発"に対して、
思うこと。 ]
── あのね、オニーサン。
私が一番"愛して"欲しいと願っていた人は、
何年、何百年生きようとも、
生きていても死んだとしても、
二度と、金輪際、話せなくなっても、
永遠に愛なんてくれないんだよ。
[ 何時もの鉄仮面で、告げた* ]
[
近づいた、途端。
抱きかかえていたリョウを
力強く押し付けられ、慌てて抱き留める。
それから、告げられる言葉たちに目を瞬いて、
ふ、と微かに笑いを零した ]
バカは、どっちかしら。
[ 難儀なヒト、と、も一つ付け足して、肩を竦める。
人を殺したり、助けたり、その心の内は読めないけど、
そう思うのは、先ほど掛けられた問いのせい
( 自分と同じ境遇だった死神は、何を思うのか )]
[ 「死ぬ気で守れよ」と、
一度殺した死神が言う。
フラフラになりながら、
それでも鉄パイプを杖に、立ち上がって。
どこに行くのかなんて知らないけど、
その背に答えを返そうと、した時に。
―― 油断なく、突き付けるような声を聞く。
そして、珍しく長く話されたそれに、
微かに瞼を持ち上げるも、問いかける事もせずに、
ただ沈黙を返す ]*
|
[───青を掬う瞬間。
>>@85言の葉は 触れる硬質の金属円たちと違って、 実体なく、──耳元を通り抜けて行った。]
……、 ──── 、
(開き変えた口が反芻をしようとして、 かたちの無い音に質量をつけるように なぞりかける刹那、──”足が鉛になった”。)
(190) 2017/06/23(Fri) 00時頃
|
「 愛してくれる、って言っていたの。
私ね、それを信じてしまったの…馬鹿ね。
…こんな風にさせて、ごめんね 遼 」
|
(痛い、のだろうと謂う事は分かる。 けれども、腿を刺し貫かれているのか、 灼かれているのか 裂かれているのか。 ──”下肢が何うなっているのか分からない”。)
[だから、だからこそ、──良く分からないくらい。 ……頭だけは厭なくらいにさ、冷静でいて、なァ。}
(191) 2017/06/23(Fri) 00時頃
|
|
[地に手をつこうとしても、 歩き方を忘れたかのようにぴくりとも上がらない。 出来る事と言えば、陸に打ち上げられたさかなだとか 足を失くした蛇のように這いずる事ばかり。
神経を壊される傷みに声を上げなかったのは、 一重に、息すら忘れるほどの一瞬の傷みに なにもかもを押し潰されて、───
──── 其れを塗り替えるように、 足元のざらりとした地表に繋がっているだけの 腕を押付け、”痛み”を塗り替え、呑み込んだからだ。]
(192) 2017/06/23(Fri) 00時頃
|
[ 覚えている限り、一度だけ 私の泣いた日。
真っ白で、軽くて 細くなったお母さんの手を
私はただただ 取るのが恐ろしかった。
小さな町から出たことのなかったお母さん。
そこに都会からふらりと来てしまった父に、
一時の気の迷いと逃げで誑かされて
やがて子供が"できちゃった"、って
言葉を選ばないなら、少し馬鹿だったけれど
祖父母にバレて 男なら許すって 言われて、
もう名前すら勝手に決められた中で、
( ── 女でも、ほんとは"りょう"だったんだって。
本当にどうでもよかったのね、あのひとたち。 )
はるか、とつけてくれたのは、あの人だった。 ]
……こどもが 一番に、
親に愛されたいと願って何が悪いの?
[ いよいよ怒気を隠しもしない。 ]
…父さんのほかに、
愛してくれる人がいたとして、
それは確かに素敵なことかもしれない。
ただ、その人の願いを尊重しても、
その人は私のすべてを解決してくれるの?
お母さんを蘇らせてくれるの?
あの家に認められる場所を作ってくれるの?
私の意思を見てはくれないの?
[ 勝手なこと言っているのは、
"普通"に考えたら私の方だったのかもしれない。
だけど、今の私に 蔑ろ、と 言われたって。
── それを×く思う心はもう無い。 ]
…… 私はまだ死なない。
シーシャには生きる権利を渡す。
エントリー料、きっと大事なものだろうし
知り合いもいた。きっと死んで嘆く人だっている。
だから、
"私"が"パートナー"にできるのは、それ。
[ ── そういう、気持ちの汲み方。
これを無情だと、やっぱり普通は言うのでしょうね。
だけど 生憎 性根が曲がり切ってしまったようで。
シーシャから離れれば 落ちていた鞄を拾い上げ、
中から二枚目のタオルをひっつかみ
とうとう名前を聞くこともなかった死神へ放る。 ]
|
[ばら、と 地に散らばった青い命の種を今や見向きもせずに、 仰いで吐いた、呑気過ぎる妄言にも似た問いに 困惑したような顔を浮かべるのも、 この六日間でいっとう明瞭に映し出すものだから。 (……臆、なんか可笑しい事言っちまったかね?) なんざ、静か過ぎる頭の中で思うのだ。>>@87]
……。 はは、そりゃァ、それで。 これ……、ってのに耐えられんなァ。 死神になったら平気になるだとか、 ───そういうたぐいでもないんだろう。 ( 「今の言いようじゃあ。」 >>@88 )
(199) 2017/06/23(Fri) 00時頃
|
………胸糞な家だから、聞こえてたらごめん
[ そのまま、死神とは反対方向。
何処へ行くわけでもない足取りで、
"こういうときは謝るんだろうな"って、
とうとう境目も分からなくなったこころで、
シーシャに呟いた* ]
|
[手を支柱にしようとして崩れるのが三度目。 見下ろすいろのない笑みにゃあ、 臆、───好いんだ。]
(……人好きのする笑みより、 其方のほうが好きかもしれない。 それよりも、)
まァ、だろう、ねえ。 追い払ったところで鬼退治が出来ないんじゃあ、 ───負ける事なんて確定しているだろう。
[「唯、同情するのだけはよしてくれ。 ……きみのやった事なら、尚更。」
なんてね。 >>@88惑いのいろを憐れみに燈し変えた瞳硝子に 勘違いかもしれねえが、そんな彩を感じたもんだから。 それだけは、ぽつ、と零したのさ。]
(202) 2017/06/23(Fri) 00時頃
|
|
(鬼と呼ぶには、 屍肉を貪るハイエナのような唸り声を聞いても 捕食者に成り得るけものに視線ひとつ併せずに、 >>172それ毎を切り裂く剣閃の音を聴いた。)
でも ───未だ、 諦めちゃあ、いねえんだよな。
[ ───臆、そんな口振りの割りに。 白銀のかれは一目も、照らしもしなかった。]
………なぁ、三ヶ峯くん。
(206) 2017/06/23(Fri) 00時半頃
|
|
( 「 …… パートナーを殺せば、 きみみたいに死神になれるのかい。」 )
[ 四つの青すら拾いもせず。 唯、かれが駆け寄る寸前、>>183 起こせぬ足の代わりに上体だけで、 天よりも近いブロンドを出来るかぎり仰いで、 死神にだけ聞こえるように 張りつけた笑みで真直ぐに問いかけた。 ]
(これも死神にも分からない範疇だと 返されるかね、──と思っちゃあいたが。)
(209) 2017/06/23(Fri) 00時半頃
|
|
……榴斗。
──悪いな。
( 含んだ意は、未だ秘した儘。 )
[ >>186>>187 駆け寄るすがたに曖昧な笑みを浮した儘。 「……立つのは無理じゃあねえかな」なんて、 何処迄も呑気を揺蕩わせりゃあ、───。
抱える動きに瞳を伏して、何かを謂う前に >>@90踊ったナイフの切っ先が緋を散らし、 がらんどうの音を立てて ”かれへ伸びた。” ]
(213) 2017/06/23(Fri) 00時半頃
|
|
(作戦会議だとかなんて、 穿たれた怪我とともに抜け落ちた。 ───考えることは、唯ひとつだけ。
責任感の強い彼の、 袴着に花文様が浮かんだように散る赤に 普段なら口走るような静止の何某かは溢さずに、 ……その疵を負ってくれりゃあ。
伸ばす腕を引っ込めてくれるかと思ったから、 知っていて尚、気づいて尚、黙っていた。)
[なのに、さァ。 ──かれと来たら退くように奔ろうとするから。 嗚呼、そんなみっともない真似ってのは勘弁だと、 ただ動く唯一の肢──右手で抗うよう、
──── 突き飛ばそうとした。]*
(215) 2017/06/23(Fri) 01時頃
|
[ 死神が語る言葉を、ただ黙って聞いていた。
“愛されたい”と願った人に
愛されなかった死神と少女。
その苦痛がどれ程のものか、
失いはしたが、愛を受けていた自分には、
到底理解は及ばないのだろう。
そうして、“愛”を諦められなければ、
世界に失望するのではないか、と ]
[ 死神もリョウも、同じものを抱えてて、
けれど、死神は諦念を覚えたのかもしれない。
受け入れ難いものを、
受け入れたのかもしれない。
もしくは、別の何かを手に入れたのかもしれない。
そうでなければ、
パートナーの気持ちを考えろなんて、
言えないと思ったから ]
[ リョウが死神に言い募る。
怒気を孕ませて投げつける言葉は、
本心の裏返しなのだろう。
言い切って、放られたタオルは別れの合図のよう。
それを見て、
死神でいて、人の心を持つそのヒトに、問う ]
―――― アナタ、名前は?
[ その場を去る痛々しい背に、一言だけ投げかけて、
返事があっても無くても、
覚束ない足取りのリョウの方を向く。
「気にしてないわ」と首を振って、
それから、息を吐いた ]
|
……、 ───そろそろ、そんな気はしてたがね。 怪我を負うなら、死なねえ筈が無い。
(>>@112 行いこそは死神のそれだろうとも。 臆、今まさに浮かぶ感傷なんてもんは、 ひと、そのもののじゃあないか。 そう考えたら、──すとん、と腑に落ちるのさ。)
[元はひとであったのなら当然のことと、 思えるほどに、頭に回る血の量は多くない。 幾ら女々しかろうと、皿の数を数える女のように 恨み言を謂えるような性質でもなけりゃあ、 そもそも化けて出てると言うなら今が其れだ。]
( ─────割り切りは、”上手い筈だった。” )
(233) 2017/06/23(Fri) 02時半頃
|
|
( この世で恨みを抱くのであれば、 向けるのは、死神のかれにでは無く── )
(234) 2017/06/23(Fri) 02時半頃
|
|
(ともに。 違う形で会えりゃあなあ、と 問いとは裏腹に惜しむ未練は心の奥底。 為そうと思うことを考えりゃあ、 ”如何せ、叶いやしない。”)
[何処迄も薙いだいろの黒曜石を手向けてから、 >>@113見開いた目を以って頷きを齎したかれの 寂しげないろをせせらと笑い上げるように──。] ……そうか。 それなら、”安心した”。
(然うして、漸く白銀の彩をしか、と見据えて、 流れた一連のフィルムの如く流れた早回しを経て >>228”白のきみ”を倒す手は確かに害意、 ────と言うやつなのだろう。)
(235) 2017/06/23(Fri) 02時半頃
|
|
(───きみを傷つけるのだから。)
[>>@113 死神の径へと辿るのに 手を引いたものの存在など知らない男は、 その言の葉を何処までも愚かしく鵜呑みにして 増え往く有象無象の雑音の気配を見回して、 何処迄も自分勝手なおこないに手を染めるのだ。]
(事態を手招いたのも、我儘に付き合わせたのも、 夢幻に付き合わせたのも、須らく僕の罪業。 為らば、”最期迄”付き合って貰ったって 今更増える罰も、──たかが知れているだろう?)
(236) 2017/06/23(Fri) 02時半頃
|
|
所詮、口約束だろ。 それに、この怪我で行けると思ってんのか。 きみも、僕も。足手まといになるだけだろう。 他人様に迷惑を掛けるだけ、…じゃあねえのか?
(足の熱は、 薪のように勢いを増す事は無かった。 だらだらと赤を垂れ流す左腕と、 惨めな引っ掻き疵の残る背から命が薄れるごと、 次第に死んでゆくように冷めてゆく。)
[───きみに最初から最期迄迷惑を掛け続けて、 愈愈こうなりゃあ、何方が駄駄だか分からない言葉を 譲る気もさらさらと無いままに、最もらしく諭す。]
(見誤ったのはだれか、を差し置いて。 嗚呼、でも、ある意味じゃあ都合の好かったのだ。)
(237) 2017/06/23(Fri) 02時半頃
|
|
( きみが輝久であれ、 そうでなかれど、きみを生かす。 諦念の悪さはその一貫ばかりを貫き通す。
元どおりに帰すことまではちょいと 無理かもしれんが、其処にいのちがあるんなら ──── 容赦してくれ。 )
[ それを告げるのは”どちらのきみ”か。 知るための記憶は、閉ざされたまんまだ。 ……恐らくは、未来永劫。 ]
(238) 2017/06/23(Fri) 03時頃
|
|
……それになァ、 約したのはきみじゃあないだろう。 全部、僕になすりつけちまえばいいんだよ。
────その為に、”きみひとりで行ってくれ”。
(239) 2017/06/23(Fri) 03時頃
|
|
(赤に塗り潰されたてのひらでは、 もう、如何なってんのか分かりもしねえが。 律儀に皆な、待っていなくとも叶うものばかりだろう。)
[ずるずると、 自ら離れた癖に這い蹲るように伸ばした手は >>228踏鞴を踏む足の均衡が崩れたのを好い事に、 袂を掴んでは、石畳に赤い線を引きながら、
────ろくに動かない左腕に 最期の力を籠めて、その袂を掴み、 腰を下ろせば引き摺るように襟元を一緒くたにして 掴み、それから、”木刀”であったそれと きみの手とを縫い付けるように右手で重ね、握り、]
(240) 2017/06/23(Fri) 03時頃
|
|
( その刃を、この首に添えた。 )
…… ” 僕を殺せば、きみは走っていける ”。 明日の終わりを待つこともなく、生きられる。 (かもしれない、と謂う仮定は斬り捨てた。)
[───ひとに、触れるのが怖いほどに。 一度絡めば死後に於いても纏わりつくような、 「決して離れない」なんて藤花の言葉毎断って欲しい。]
(241) 2017/06/23(Fri) 03時頃
|
|
(……臆、二度くらい死に直さなきゃあ、 ”きみ”をちゃんと見れはしないのだろう。 三度目の正直など、流石にありはしねえだろうけど。
─────だが、 ”次が存れば、その時は。” ) [きみが渋るようであれば、その手ごと引っ張って。 空白の時に狩らせた椿の恨みに憑かれたかのでもよう、 ───その首を捧げようとした。]
(242) 2017/06/23(Fri) 03時頃
|
|
……じゃァ、 あとは宜しく。
[>>@114 周囲の雑音共の躙り寄る様に、 嗚呼、何時かに四面楚歌の曲目なんて思い出しはして。 儘、呆けたあとの彼に振り向き様、微笑んで。]
(死神の為らせ方なんてのは知らねえが、 かれに任せりゃあいいだろう、と亦ぞろ浅はかに) (臆、でも。気力の力ってのは、 碌に強いもんでもねえから、 剥がそうと思ったのなら───、 ──分からねえけれども、なァ。)*
(243) 2017/06/23(Fri) 03時頃
|
|
[足りないものなど、 足した覚えなど何処にも無かった。 今になっては奪ってばかり、 過去に至っては─── ……。]
(……この視界に、 言葉以外できみ”だけ”を見れたことは ほとんどと、無かったのに。)*
(244) 2017/06/23(Fri) 03時半頃
|
|
(確かに、 此の身が持つんであれば >>257然うとするのが好いんだろう。 ────唯、なァ。 自分の潮時の加減が分からねえほどは 愚かであっても莫迦じゃあ無い心算で。)
………。
[真にきみを知れていたら、 ”信じたかった可能性”のことなど一文字とすら 告げることも無かったろう。]
(”先生”であれば、まるで幼子のように>>258 きみが然う言うのは分かっていた。 もっと、好い”殺させ方のひとつも浮かんだろう。)
(262) 2017/06/23(Fri) 05時頃
|
|
(それでも、 器用事を識るのは後世。 唯今、唇がかたちづくるのは、 僕の知らぬ、想像の産物に過ぎない、 ”先生” の似像。)
……最期の願い、と言えば。 聞いて貰えませんかね。
─── 榴斗君。
[──瞬、 はら、と差し込んだ刃に紛れて、 髪留めの紐が千切れて 緋と染まる。]
(263) 2017/06/23(Fri) 05時頃
|
|
[引き戻されたからこそ、 半端に意識がある生殺しの意識の中。 散華しようにも椿でもあらぬ華だからこその報いか、 二度目の(──覚えの無い一度目を馳せ、) その腕に鴉羽色を乱れさせながら 崩れるばかりの軀。
( ……臆、最期迄、 憎たらしい程に意識だけはあるこの身は、 >>260 誰ぞを呼ぶ声を、片隅で訊く。 )*
(264) 2017/06/23(Fri) 05時頃
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