212 冷たい校舎村(突)
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— 自宅 —
ん……。
[意識がぼやっとしている。
体が動く。動かしてみる。
肌がチクチクする。寒い。]
……ふぇ……ふぇ……、っくしゅ!
[くしゃみで意識が覚醒した。
なんか、やたらと寒い。
エアコン。タイマーで電源が切れてる。
服。上着がずり落ちて、肩と腕が投げ出されてた。
……どうやら暖房でうとうとして、そのまま眠ってしまったらしい。]
[急ぎ、部屋を暖め直し、
冷えきった四肢をむにむにと揉んで血流を巡らせた。
変な夢を見ていた。
文化祭の時のみんなと校舎に閉じ込められる夢。
……夢、だよね?
足の指をむにむにしながら、あまりにリアルな感覚を思い返していた。
すると、スマホの着信ランプが点灯していることに気付く。
ふぶきかな。それとも——]
[画面を開き、目に飛び込んできたのは、
つばさ氏からの着信記録と、留守番電話の録音と、メールが1通。
夜も遅い、こんな時間に?
不思議に思いながら、留守番電話サービスに残っていた録音を聞けば、
明らかに焦燥したつばさ氏の声が、大音量で耳に突き刺さった。]
「橘が! 大変なの! 落ちたって!
すぐ返事して!」
[落ちた?
……何の試験に?
なんて、ぼんやりした頭は、最初そう考える。]
[次に、メールを開いた。
これを送った時には幾分か落ち着いたのか、
落ち着いた文面で、病院の場所を示す地図と、用件が手短に書かれていた。]
「橘が学校の屋上から身を投げて、危篤状態」
え、
……まさか、……うそ?
[少しして、あの夢の中の校舎のことが、頭によぎって。
そして、弾けるように全てが繋がった。]
お母さん!
ちょっと病院に行ってくる。
……ちがう、わたしはなんともない!
クラスメートが、病院に運ばれたって!
あ、いいから。大丈夫、場所は分かるよ。
歩いて行ける距離だから!
[どたばたと、凍えた体のことも忘れて、外に出る準備。
夜遅くの外出になるから、てんやわんや。
なんとか身支度を整え、重苦しいダッフルコートを着る。
玄関に向かう時に、ふぶきの姿が見えた。]
[気をつけて歩けよ、姉ちゃん。
ふぶきがそう言ってくれる。本当に可愛い奴め。]
うん、行ってきます。
それと……
[ごめんね、と。
小さく呟いた声は、聞かせない。
わがままな姉でごめんね。
これからは、気をつけるから。ふぶき。
心の中で誓いを立てて。夜の街へと歩みを繰り出す。**]
― monolog ―
[もしもわたしが死んでみたくなってしまったことがある、
なんてこぼしていたら、
ちよちゃんやクラスのみんなはどうしただろう。
しかもその理由が姉との喧嘩だ。
さんざん口撃をぶつけあった後は双方疲れていて、
あお姉の手は震えていた。
あお姉の手にいつの間にか握られていたカッターも震えていた。
隙あらば刺すつもりだったんだろうか]
[そのあと自分の部屋に戻って、
ベッドに横たわってぼんやり天井を眺めながら、
わたしなど刺されて死んじゃった方がよかったのか、
刺される前に自分から死んじゃったほうがよかったのか、
そんなことをぼんやり考えてしまった。
自分から死んじゃう方がだいぶ、ましかなあ、と。
―――そこまで考えてむしょうに寂しくなった]
― 現実世界のわたしの部屋 ―
[目を開ければ見慣れた天井。
ぼんやりと眺めているうちに四肢に力が戻ってくる、感じがする]
―――― さむい……。
[わたしの口から声が出る。
“さっき”、あお姉の持ってたカッターが喉に刺さったはずだったのに。ぐさっと]
………、!?
[飛び起きる。
申し訳程度にかけていた部屋用のストールがずり落ちるのにも構わず]
[やはり、どこからどう見てもわたしの部屋。
わたし達が閉じ込められた、いつもと違う校舎ではない]
帰ってきた、ってことなのかな……。
[それとも実は全部ただの夢?
ぴっ、と暖房の電源を入れながら考える。
やっぱり夢にしてはやけにリアルだった、と。
耳をさす色んな声も、メロンパンの味も、
ちよちゃんと手を繋いでいた感覚も、
カッターで刺された時の刃が肉を破る変な感じも、
マネキンが流していた血の臭いも―――]
[だから。
あの校舎(せかい)に置いてきてしまった者のことが気がかりでしかたなくなる。
どこにも行ったりなんてしない、って言ったのに。
わたしは嘘つきになってしまった。
ごめんね。そして、どうか。お願い。
誰かがわたしの代わりに、
ちよちゃんに傘を差し出してくれますように**]
|
[私は、
私は、安心、してしまいました。
那由多の言葉>>11に 堆の言葉>>56に 私は、安堵してしまったのです]
( 私だと思われなくて、よかった。 )
[素直な感想、1つ。 自己嫌悪がまた、1つ。
それから]
(93) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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( 悩み、少なそうな見えるのかな。 )
[なんて、誰にも言えない胸の内に捨てた、言葉]
(94) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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まっすく捻くれるって何。 でも……こうやって、見れることもあると思う。
もし、またさ。 チャイムが鳴った時におかしなことになってて、何か分かったら話そ。
[那由多の心>>13が読めないようにきっと私の心の中だって彼らには、読めないから、言葉を紡いで埋めていくのです。
何かのカウントダウンが既に始まっていたなんてことは、知らずに。 じくりと手当をした筈の傷が疼いて、ただ、逃避しようとする私の思考を繋ぎとめていました]*
(95) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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─おやすみ前のこと─
[裸足で歩き回るのもさすがに疲れてしまいましたね。 水を捨てたバケツは元あった場所に。 再度利用不可なタオルはゴミ箱に、 再生可能なタオルはきちんと赤を落とした後に、教室の物干し竿にでも干しておきましょう。
その間にささらちゃんが暗幕を作ってくれていたようです。 ささらちゃんはああ言っていたけれど>>2:518、向いてないこともないじゃないかって、コッソリ]
……でも本当に保健室使っちゃってよかったの? もしも寝づらいとかあるなら言ってね。コレのお返しに代わったげるから。
[制服>>39を渡してくれた通にはこっそりと伝えておきましたね]
(96) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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[おやすみ前には、シャワーに入る子もいたみたいです。 莉緒が報告をしてくれたお陰ですね。
私といえば……一人になりたい、と理由をつけて、みんなが入っていない時を見計らってシャワールームに入りました。
ぴちゃん、と跳ね返る水溜り。 一人の空間は、あんなことがあったにもかかわらず、安堵さえ覚えてしまいました。
服を脱いで、裸の自分を曝け出す。 シャワーノズルを回せば落ちてくる雨粒を受けながら、笑うのです]
そうだね。ささらちゃん、 私、悪女だよ。
[いつかの会合を思い出しながら一言、二言。ぽつり。ぽつり。
ずるい事ばかり考えて、打算的に生きるためなら、不器用であったって多少の媚を売る事だって辞さない姿はきっと]
(97) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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[「進学してから見えることもあるよ。 環境が変われば新しい自分が見えてくるかもしれないし。」
本当にそうでしょうか。 そうであればいいと願いを込めて、私は言いましたけれど、あの言葉に嘘偽りはないのです。
秘密の会合>>2:520をしている時の入間 悠は、全てが全てありのままではなかったのですけども、無理して強がらなくてもいられるこの関係性>>2:521を続けてくれる、天ヶ瀬 ささらのことが、好きでしたから。
今、一人で突っ走っているあなたが心配でありながらも追いかけられなかったのです。 踏み込めなくて、ごめんなさい]
(98) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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[キュッ──…
シャワーノズルを捻る。 鏡に映された裸の姿は、斑点だらけ。
みにくい、痕だらけの体]
(99) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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大したことじゃないよね、これくらい。
[いつかの授業。 20人に1人を抱える人よりはずっと]
(100) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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─回想:とある授業中で─
……誰が誰を好きでもいいと思うんだけど、ねー。 私もまぁ…ピンク色は好きだけど、サッカーとか野球も好きだし。
パンケーキもいいけどカツ丼食べたい時もあるし。好物は軟骨の唐揚げだし。
[こっそりと、呟くように私は身なりのいい中年女性のお話を聞いていました。 中には欠伸をしたり腕時計を見たり居眠りする生徒もいたのですが、私はどうも他人事に思えず、耳を傾けていたことを覚えています]
(101) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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女子がみんな甘いもの好きとは限らないし、男子がみんなお人形よりオモチャの武器が好きとは限らない、みたいに。
そんなお約束はドラマの中だけで十分なのにね。
[そんなことを言いながら私は20人に1人の方ではありませんから。 本当の意味では理解できていなかったのかもしれません。 ただ、囃し立てたようにはしゃぐ生徒達の姿を見て吐かずにはいられなかった、ささやき声]*
(102) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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[もし、もしもですけども。 私たちを引き入れたこの世界の主人が20人に1人の人ならば、私は真にその人を理解してあげることが出来るのでしょうか。
自分の想像を絶する物事に関して人は恐怖を示すとも言います。 覗き込んだ先の暗闇が、緑色をした化け物であったりしても、向き合うことが出来るのでしょうか。
考えながらも思考は定まらず、保健室に戻った時は4人分あるベット>>5のうちの1つを借りて眠りにつくことにしました。 その頃は蝶美も帽子を取っていて、その事情>>6をやんわりとではあっても知ってはいましたから]
明日ね、材料があれば昴が朝ごはんにパンケーキ作ってくれるって言ってたよ。 楽しみだね。
[関係のない話をして、せめて眠りにつく頃は得体の知れない何かを忘れられるよう、添えました。 穏やかな眠りが訪れるその時まで]*
(103) 2017/03/14(Tue) 18時頃
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─翌日:保健室─ [習慣は恐ろしいものなのです。 朝練をしていたから、私も朝に耐性はある方。 それでも今日、遅れてしまったのはきっと、慣れないことだらけで疲れていたせいでしょう。
私が目を覚ました時には蝶美の身支度はすっかり整えられていて>>88]
おはよ……蝶美、早いねぇ…。
[欠伸を噛み殺しながら通からもらった制服に着替えていた私が、莉緒とささらちゃんがいなくなった事に気付くのは、その後でした]
(104) 2017/03/14(Tue) 18時半頃
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[過剰反応だと、何も知らない人が見たらそう笑うかもしれませんが]
探しに、行こう。早く、探しに行かなきゃ、
[過るのは突然走り出して姿を消したつばさちゃん。 結局眠るから見つからない姿を連想させて、早足で向かっていました]
(105) 2017/03/14(Tue) 18時半頃
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[その間に響き渡るチャイムの音>>#0 今まで確認しなかった携帯を思わず取り出したのは、あることを確かめるため]
8時…50分?
[私たちがHRに集まった時間とそっくりそのままの時間。 浮かぶ疑問に首をかしげる間際、ずっとすすり泣いていた声が、姿を変えて、まるで何かを噂立てるような声>>14に変わりました]
なに……気味、わるい……。
[笑い声も啜り泣きもささやき声も、いやなものを滲ませるものですから、文句を言うように眉をひそめて視線を床に落としました]
(106) 2017/03/14(Tue) 18時半頃
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[蝶美と探し回っても2人の姿はありません。 そう、まるでつばさちゃんの時と同じような、繰り返し]
蝶美、もしかしたら…。 ささらちゃん、三階の美術準備室にいるかも、しれいない。
[ヒソヒソ声。 思い出させたのは女生徒達が話題に出していた噂話。 矢継ぎ早に私は蝶美に伝えて三階を目指そうとしたでしょう。
ですけれど、そうしようとしていた時だったでしょうか。 止まる足取り>>90 つられるように私は彼女の視線>>91を追いかけて]
(107) 2017/03/14(Tue) 18時半頃
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…………………、うそ。
[立ち竦む蝶美>>92の腕に手を伸ばしつつ]
蝶美、…蝶美、みんなを、呼んでこよう。 ね、あんまり、見ちゃダメだよ。
[“ソレ”を莉緒だと呼びたくなくて。 お願いだからと振り絞るような声で彼女の名前を呼んだでしょう]**
(108) 2017/03/14(Tue) 18時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/03/14(Tue) 18時半頃
PPP イルマは、メモを貼った。
2017/03/14(Tue) 22時半頃
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─廊下─
[色々なことが重なると気まずい気持ちよりも、現状をどう解決するかに、私は重きが置くようで。 日付が変わっていないこと>>124だって気になりましたが、今は姿の見えない2人の行方を追う方を選びました]
……うん。必ず見つけないと。
[蝶美にささらちゃんが美術準備室に行っている話を伝えたってよかったのですが、それは本人が伝えたい時に伝えるべきだと私は思い、伝えることなかったのです。
まだ、この時ばかりはきっと、見つかると思っていたから。 現実は、無情でしたけど]
(178) 2017/03/14(Tue) 22時半頃
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[同じ目線で向かい合えば自然と交差する視線>>127 先程微笑みを浮かべた後に下がる眉>>123を知っていましたから。 だから私は蝶美の言葉>>128>>129を遮ることなく、耳にしたでしょう。
今、強がっているかもしれない人に、無理しなくていいよと伝えることこそが、無理をさせそうに思えたからです]
……そっか。マネキンで臨死体験を経れば帰れる…のかもしれない。 その証拠に、マネキンが代わりに置いていかれるなら、色々、理由、つくね。
[私もこのマネキン自身が本人だと思ってしまうよりは、代わりだと思ってしまう方がよっぽど受け入れ易かったのです。 都合のいい解釈、と言えましょうか]
(179) 2017/03/14(Tue) 22時半頃
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きっと、つばさちゃんも、莉緒も先に帰ってるんだよ。 だから今はそれ以上は、やめておこう、ね?
[そう告げれば私は何処か、弱々しい蝶美に視線を向けましょう。 歩き出そうとするなら彼女に歩調を合わせて教室の方角へと向かうでしょう]
蝶美、大丈夫だよ。私がいるから。
[気休めに過ぎない言葉をかけながら。 3年3組を目指す途中、誰かと会う事はあったでしょうか。 会ったなら莉緒にとてもよく似たマネキンのことを伝えるでしょう]*
(180) 2017/03/14(Tue) 22時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/03/14(Tue) 22時半頃
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─教室に行く道すがら─
……あのね、落ち着いて聞いてほしい。
[逆方向からやってきたクラスメイト>>192に開口一言目、切り出したのはそんな前置きでした]
一階の…部室棟があるでしょ。 そこの、陸上部屋台前で、莉緒ちゃんのマネキンがあったの。
つばさちゃんの時と、同じ。 あおいマフラーとチョコバナナを握りしめてたから、…間違いないと思う。
(193) 2017/03/14(Tue) 23時頃
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今は、そのままにした、ままなの。運んだり、探したりするなら、人が多い方がいいと思って。 だから手が空いてたら、手伝ってくれないかな。
私はささらちゃんを探しに3階美術準備室に行こうと、思うから。
[ささやき声が響く中、ぽつり、ぽつりと。 蝶美の様子が気になって仕方がなかったのですが、一先ず、下りてきた人にはそう伝えたでしょう]*
(194) 2017/03/14(Tue) 23時半頃
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─廊下─
[私はそこにいる人たちみんなの反応を待つように伝えるべきことを終えれば口を閉ざしていたでしょう。 沈黙を許してくれやしないように、囁き声は止む事はありませんでしたが]
……うん。ありがとう。 昨日ほど、じゃないけど。 血が苦手な人は、無理しないで。 ささらちゃん……一階、保健室前とかトイレとか見たんだけど、見かけてない。 心辺りあるなら探してみるつもりだよ。
[那由多の口ぶり>>202から、二人の他に姿の見えない人は、いないのかもしれません。 安堵すると同時に早く見つけないといけない気持ちだけが、先走る今。
立ち去ろうとする背にかかる、質問]
(205) 2017/03/14(Tue) 23時半頃
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…………帰れたって、信じてる…、よ? だって、つばさちゃん、ファッション系の学校行くって言ってたし、莉緒だって、やりたいこと、あるはずだよ。
それなのに、死んじゃう、わけ、ないじゃん。
…ね、蝶美。
[最後まで、震えないように言葉を発せたでしょうか。 ただ、つばさちゃんの時とは違い、振り向いたその瞳は泣きそうに揺れていたでしょうけど、息を深く吸い込めば蝶美にも「行ける?」と声をかけて、大丈夫そうなら上階を目指しましょうか]*
(206) 2017/03/14(Tue) 23時半頃
|
[ねえ、あの校舎(せかい)にいたあお姉。
わたしを刺してみた気分はどうだった? せいせいした?
顔が見えなかったせいで思いを推し量れなかったのは残念でならない。
本当はせいせいさせるより……なんて言ったらいいんだろう、
困らせたかった、っていう方が近かった。
死んじゃった方がましかなって思ったのもそれが理由。
わたしを殺してしまった後の後始末をさせたくなかった、っていう、
なけなしの妹心もあったんだけどね。一応。
だけど現実(こっち)のあお姉にまだわたしは何もできていない。
盛大に喧嘩して以来、ずっと。
でも、逃げたり避けたりばっかりしている時間はもう終わり。
そろそろ、向き合う時が来ているんじゃないだろうか]
[今度は、あんなバッドエンドじゃなくて、
ちゃんと終わらせることができればいいけれど。
できるだろうか]
|
─回想:待合室─
[揚げ足を取るような台詞>>56はいつも通り。 そのくせして相槌の代わりに私に向けられたのは、曖昧な笑みでした。
秘密、なんて。
あの二人の間に、秘密、なんて、 必要、なのでしょうか。
確かに昴は心配性だとは思いますけれど、立ち去る間際、私が残した言葉は]
昴のこと、もっと信じてあげなよ。 何も知らないのと、前から知ってるのって、違うんだからね。
もし、誰かを泣かせたら…約束破るから。
[お節介な言葉でした]*
(236) 2017/03/15(Wed) 01時頃
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─現在:廊下─
[かつて堆にそう言いながらも、実際その立場に立つとなると、誰かに伝える事はむつかしいことで。 それでいて、また少し怖いことでもあると感じました。
そう思える、そう、あくまで。 可能性に過ぎないのです。 自分に言い聞かせるような蝶美の姿>>209が私には、虚勢を張っているようにも見えてきて、私が昨日頼った人は、同じ“女の子”だったのだと。
至極当たり前のことを思い出させたのです]
(237) 2017/03/15(Wed) 01時頃
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[言葉の強さ>>210と裏腹な、笑み>>212 私が何かを言う前に降りて保健室に向かおうとする姿>>214も、私にはもう、普通の女の子、にしか映りません。
耳元を擽る囁き声が、決め手でした。
私は咄嗟には反応できなかったけれど、立ち去る彼女に、果たして、届いたのでしょうか]
(238) 2017/03/15(Wed) 01時頃
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那由多。 ………蝶美のこと、お願い。 蝶美、私の前じゃきっと、強がっちゃう。
私は、ささらちゃん、探しに行くから。 大丈夫。私、ほら、ムキムキだし。へいき。
[少しの間を置いて、所在無さげな那由多>>221にはそう1つ頼みごとを置いて。
私は蝶美とは逆の方角へ。 二階を飛ばして三階の方へと足を、進めたでしょう]*
(239) 2017/03/15(Wed) 01時頃
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─三階へ─
……ささらちゃーん! どこにいるのー!
[そうして階段を上りきった後、私は廊下で探し人の名前を呼んでいました。
一歩、一歩、美術準備室に近づくたび、莉緒と同じようにささらちゃんも、マネキンになっているんじゃあないかって。
もしも、本当に元の世界に戻れているのなら、喜ぶべきなのでしょう。 ですが、確証などはありません。 もし、もしも。 帰れることなく、潰えてしまっていたら、そう考えると一刻も早く、友達の顔を確かめたかったのです]**
(240) 2017/03/15(Wed) 01時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/03/15(Wed) 01時頃
[どのくらい、ベッドの上で起き上がったままぼんやりしていただろうか。
ともかく、勉強する気にはなれないまでも、
机に近付いた時、充電しているスマートフォンを見て首を傾げた。
着信を示すランプが点滅していたから。
こんな時間に誰だろうか、と思いながら見てみる。
つばさちゃんからで、留守録も残されていた。
図らずも彼女の無事を確認することになったと思いつつ。
留守録を再生状態にしたスマートフォンを耳に当てる]
…………。
[つばさちゃんの慌てた声は否が応にも嫌な予感をかきたてる。
りーくんが落ちたって、何に? それとも――]
[次にメールが来ていることにも気付いて確認する。
差し出し人はこれまたつばさちゃん。時間はわたしに電話をかけてきた後。
流石に落ち着いたんだろうか、連絡事項的な文面で、
りーくんが学校の屋上から自分で落ちたことを伝えていた]
………、嘘、じゃあ、あれは……。
[あの校舎にわたし達を招き入れた、
“ホスト”たる条件を満たしていたのはりーくんだったってことになる。
そっかあ、って小さい呟きを零して、それから]
……もうっ!
[ってあたり散らすみたいに言ってから、部屋を出る。
廊下から、この時間はリビングにいるだろう母に呼びかける]
お母さん大変! クラスの子が病院に運ばれたって!
ちょっと様子見てくる!
[返事は訊かないで部屋に引き返すと、
寝間着は脱いで目についた私服を身に着けて、
スマートフォンと財布だけコートのポケットに突っ込んで、
最後にお気に入りのマフラーをぐるっと巻き付けて準備完了]
[さすがに気になったのか母はリビングから出てきていた。
気をつけてね、と言われた]
大丈夫。
学校よりは遠いけど走っていけばすぐだよ。
無事……だって分かったらちゃんと戻ってくるから。
[わたしはちゃんと気付いている。
あお姉と喧嘩をしてから、わたしを見る母の眼差しに、
申し訳ないと思う色合いも含まれているって。
安心させるためなら家にいた方がいいんだろう。
だけどやっぱりじっとしていられない]
……いってきます。
[そうして、飛び出す。冷たい風が吹く冬の夜の中に**]
|
─美術準備室前─
[那由多の言葉>>243には、片手を上げて親指を突き立てました。 任せとけ、とでも言うように。
そうして向かったのは美術準備室。 もしかしたら先客>>225>>235がいたかもしれません。
もしも誰かがいたのなら、那由多にも伝えたこと>>193を伝えて、みんなにも伝えて欲しいとお願いしたでしょう]**
(277) 2017/03/15(Wed) 21時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/03/15(Wed) 21時半頃
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[囁く声が依然として止まる気配はなく。 いつかの授業や、噂好きの女生徒の声を思い出しました。 それは美術準備室の前に置いてある上履き>>5:566のせいかもしれません]
………“は”じゃなくて、“も”なんだね。
[意図せずとも、揚げ足を取るような言葉になってしまいました。 だって現状を何も知らない訳じゃあなさそうなのに、あまりにも普段通りに見えたのです>>287
それでも今は何か言葉を挟むことはなく、きっちりと締められた扉を開けました]
(317) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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[ぶわり、と頬を撫でる熱風。 一歩、二歩と、踏み入れれば、少し蒸し暑さを覚えるほどの温度調整のされた室内が私を迎え入れます。
ささらちゃんから聞いていた補習の話。 だけれど実際に私がこの部屋を訪れるのは初めて、で。 恐る恐る向けた視線の先、私の唇から溢れたのは]
…………ささら、ちゃん。
[後頭部がひび割れたマネキンにではなくて、 未完成で鉛筆以外の彩りはないけれど、笑みを浮かべようとしている、姿>>2:567へと、近づきました]
(318) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
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……全然、知らなかったや。 私、ささらちゃんがそんな風に笑うの、…さ。
うん。今のささらちゃんの笑顔、私、とっても好きだ。
きっと……、帰れたんだね。
[スマートフォンに残されている一枚>>0:396や、誤魔化すみたいな笑顔>>1:429よりも魅力的でしたから。
彼女の瞳がさいごに映したものは悪いものじゃあなかったのかもしれない。 一度だけ、そのキャンパスに腕を伸ばして、撫でてみました]
(319) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
|
|
………また後で。今度会えた時は、一緒に笑えたらいいな。
[気遣いな誰かのようにカーディガンを残すなんてことは出来ませんでしたが>>200 美術準備室から出る頃は来た時と同じようにきちんと扉を閉めました。
つばさちゃんの隣に運ぼうとも思ったのですが、腰掛けているマネキンをどうも動かす気には、なれなかったのでした]*
(321) 2017/03/15(Wed) 22時半頃
|
|
─美術準備室前─
……この世界から帰ることって、悪いことだけじゃ、ないんだね。
すごく怖いことだと思ってたから、心配してたけどささらちゃんみたら、良かったのかなって、思えたよ。
[曖昧な笑みを浮かべている私はもしかしたら、少しおかしな感覚をしていたかもしれません。
昨日までならささらちゃんに似た後頭部がひび割れ、血のようなものが残るマネキンに怯えていたでしょうが、今は少し、清々しいような気分さえあるのですから。
裸になって、彼女が映る世界に変化はあったのでしょうか。 どれだけ胸の内で問いかけたってその答えは今、返ってきませんが。
ふと、文化祭の休憩時間のことを思い出しました]*
(323) 2017/03/15(Wed) 23時頃
|
― 回想/諍いの話 ―
………あお姉、ただいま。
[文化祭の片付けも無事に終わって間もない日のこと。
いつも通りに閉じられた扉ごしに声をかけた。
返事はなくって、ただ微かにすすり泣く声が聞こえるだけ。
また泣いている。
今思えばそっとしておけばよかったのかもしれないけど、
あの時のわたしはやたらと気が立っていた。
文化祭が楽しくて、名残惜しかった気分を、
一気に台無しにされたような気分になっていた。
だからノックをした後あお姉の部屋に足を踏み入れた。
前に置いていった文化祭のパンフレットが、
打ち捨てられたみたいに転がっているのがやたらと目についた]
……文化祭、来てくれなかったね。
[すすり泣く声は止まない。
わたしは言葉に詰まってしまう。
わたしの記憶の中のあお姉は、
わたしが泣いたりわがままを言ったりしていても、
辛抱強く励ましの言葉をかけてくれたり――
あるいはわたしの願いを叶えてくれたりもしたけれど、
変わってしまったあお姉を前に、わたしは何もできないでいる]
[それ以上は何も言わずに部屋から出ようとした時、]
「……楽しかった?」
[不意に問われ、目を丸くしたのも束の間、
「楽しかったかって聞いてんのよ」と、
駄目押しみたいに言われたから、素直に答えた]
楽しかったよ。
[「何か文句あるの?」って後に続きそうな、
そんな口調になってしまった。
そうしたら急にあお姉が顔を上げてこっちを見てきた。
カーテンも閉め切った薄暗い部屋の中で、
あお姉の二つの目が鋭く光っている。
これ以上ここにいちゃいけない気がして、
わたしは逃げるように立ち去った。
その間、背中にはずっとあお姉の視線が突き刺さっている気がして。
自分の部屋の中でわたしはただ、
間違えたって思いと理不尽さがないまぜになった気持ちを抱えるしかなかった。
――盛大に喧嘩するちょうど前の日の話*]
|
─回想:文化祭の空き間─
[古辺 通は少し謎の多い男の子です。 浮かべられた笑み>>29よりも私は彼の言葉が気になりました。
「理一は、いつものこと…な気がする。 でも、たまに怒られてるらしいけど。」
こうして一つ一つ取っ掛かりを私は見失ってしまったのかもしれません。 パズルのピースは何処にでも転がり落ちていたのに、それを知るのはその頃ではありませんでした]
(327) 2017/03/15(Wed) 23時頃
|
|
[通が話してくれたこと>>30は、きっと以前耳にした「けど」>>1:371の続きのように感じました。 だって、あまりにも不恰好な冗談でしたから>>33]
通、笑ってばっかりだね。 でも、あんまり似合ってないよ。 理一の真似して笑わなくても、いいんじゃない? 私、お客様じゃないから。
[先程の様子>>2:472を忘れた訳では、ありませんでした]
通は、誰のものでもないよ。 愛してるからって、ぜんぶ取っちゃうそれはただの独占欲…執着…だと思うんだけどな。
(328) 2017/03/15(Wed) 23時頃
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私は、通が見たい、と思う時に、見て、出たい時に出たらいいと思う。
その人は通にとって大切な人かもしれないけど、かみさまじゃないんだから。
[それは半ば私の気持ちを押し付けるような言葉だったかもしれません。 だから、その手を取られなくても止めることはせず、ただ、心配で立ち去るまで見送っていました]*
(329) 2017/03/15(Wed) 23時頃
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— 病院へ —
[冷える路上。
時々、空を見上げながら歩く。
夢の中のあの世界、雪に埋もれる通学路を思い出していた。]
そういえば、
結局作れないね、かまくら。
[あの豪雪が現実のものではない今、それは叶わないわけで。
ちょっぴりがっかりしてしまう。]
[……クラスメートの危機に、思うのはそんなことばかり。
薄情なのかな。
ごめんね、わたしはこんな経験ないから。
“あなた”にまつわる記憶は、あの校舎の中での出来事と、
そしてやっぱり、あの文化祭のことばかり。
あんなに笑顔が絶えなかった彼が、どうして命を絶とうとしたのか。
それを知っても、いいのだろうか。
知れるのだろうか。
誰かと話せば、何か分かることがあるのかな。
……今まで踏み込もうとしなかった線を、踏み越えれば?
文化祭の記憶を穿り出して、
クリームとチョコソースにまみれたパンケーキの味を思い出しながら、
足取りをやや早める。*]
― 現在/病院までの道のり ―
[さて、慌てて飛び出してきちゃったのはいいけど、
これはつばさちゃんにも連絡を入れておいた方がいいだろうか。
もう病院に来てるとしたら電源を切ってしまっているかもしれないけれど。
そもそもつばさちゃん、いつ帰ってきたんだろう。
わたしの感覚では、最後につばさちゃんの姿を見てから、
もう、半日以上も経ってしまってるんだけど]
『今病院に向かってる』
[道の端に寄って、そんな、簡素に過ぎるメールを一応送る]
[夜の風は冷たいけれど、雪は積もってない。
だからいつものローファーを履いてたって、
滑って転ぶこともない。
一夜明けても外は雪だったあの校舎とは大違いで。
ちよちゃんとのやりとりを思い出す。
誰がホストかわかったところで、わたしにできることなんて、
こうやって走って病院に駆けつけるくらいしかないよ。
あの校舎にいるりーくんになら、声は届くんだろうか]
[しばらく走ってると、
前方に、見覚えのある人影が見えた気がした。
スピードダウン。早歩きくらいの速度でその人影に近付いて、
横顔を視界に入れることができれば声をかけた]
ささらちゃん――― えっと、
よく寝られた?
[夜中の挨拶としては不自然に思えるけど仕方がない。
ささらちゃん、わたしより早起きだったんだし*]
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[不幸中の幸いだったのでしょうか。 空き部屋の黒板にびっしりと埋め尽くすように目の絵が描かれていること>>15ことに気付かなかったことは。
美術準備室に入る前は剣呑な色さえ見せて理一を見ていた私も、すっかり毒気が抜かれてしまったような穏やかな表情をしていたことでしょう]
うん。そうだね。 ささらちゃん、ちゃんと笑っててよかった。 無理したりとか、そういう風な笑顔には見えなかったから。
帰るのが正解……か。 じゃあ、帰れない私たちは何なんだろうね。
[ぽそりと呟きながらも校舎にふんわりと漂う甘い匂い、それにも私はようやっと意識が傾いて。
那由多と蝶美に任せてしまったことが気にはなりましたが、私が今出向いてもやれることはきっとないと思います。
だから、話の続きはそこでいいかな、と思った私は頷いて二人揃って家庭科室に向かったでしょう]*
(345) 2017/03/15(Wed) 23時半頃
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─家庭科室─
えっ、これ誰が作ったの……?
[そうして理一と家庭科室に向かったでしょうか。 たどり着いた時、広がっていたのは、ふかふかのパンケーキ…ではなく、クリームで飾り付けられたパンケーキ>>278でした。 私は思わず目を見開いて瞬きを数度繰り返しました]
…………かわいい。 いいな。こういうことできるの。 ふわふわ、きらきら、かわいい。魔法使いみたいだね。
[感嘆の声をあげました。 つばさちゃんや莉緒のことやささらちゃんのこともありましたから、あまり大きく騒げはしませんでしたが、パンケーキ製作者の方々を誰かしれば、お礼は言いました。
そういえばまだ何も食べていなかった、なんて今更なことを思い出しながら]*
(348) 2017/03/15(Wed) 23時半頃
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