18 Orpheé aux Enfers
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/08(Wed) 01時半頃
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― 大練習室 ―
[バーナバスにはアリバイがある。 そう言ったジェレマイアには、えぇ、まあとはぐらかすような返事をしていた。
バーナバスに聴いていたのは主にスコアが亡くなった(と気づいた)時のこと。 酒盛りはともかく、酔っていたかとか、席を立ったのは誰かとか・・・ それから、どこにどう座っていたのか、とか。
まっすぐにバーナバスを見て、メモを取る様子は、 もしジェレマイアやサイラスがその場に一緒にいたなら 彼らに聞いたときとずいぶんと差があると見えたかもしれない]
え?ああ、はい。ありがとうございました。
[もういいか?と言うバーナバスを一度じっと見た後、 へらっと笑ってぺこりと頭を下げた。 最後まで、彼の帽子の下の表情は窺う事はできなかったのだろう]
(3) Cadenza 2010/09/08(Wed) 17時頃
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[練習室を出ていくバーナバスの背を黙って見ていた。 その視線はまっすぐで、表情には僅かに険しさが浮かぶ]
(・・・あの人・・・・・・?)
[はっきりと感じていた違和感。 それが彼の受け答えのどこに起因しているかは朧ではあるけれど。
例えて言うなら、真上から見ればクロスしている2本の棒、 しかし真横から見れば高さが違っていて実はクロスはしていない。 そんな、ひねくれた感じ。
バーナバスが練習室を出て行った後、 ポツポツとどこかへメールうを打ってからへらりと表情を崩して肩をすくめ]
副部長さん、掴みどころのない人ですねぇ。 ・・・いつも、あんな人なんですか?
[ジェレマイアとサイラスの方を見た。 その目は―笑ってはいなかった事に彼等は気づいただろうか]
(4) Cadenza 2010/09/08(Wed) 17時半頃
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それじゃあ、俺も一旦楽器片付けます。 出しっぱなしだし・・・ちょっと気分じゃないし。
[二人に軽く頭を下げて、練習中のままだった自分の楽器の方へと。 少しの間、携帯をいじっていたが、やがてそれをしまってから 簡単に楽器を片付け、メタリックシルバーのケースにしまって立ち上がる]
お先に、部屋戻ります。
[そんなふうに言って大練習室を後にした]
(5) Cadenza 2010/09/08(Wed) 17時半頃
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ヤニクは、もちろん―部屋に戻るつもりなんて、あるはずがなかった**
Cadenza 2010/09/08(Wed) 17時半頃
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― 練習室B ―
[片付ける間に返ってきたメールの返事に短く打ち返し、大練習室を出た足で練習室Bへ。 入ってから、扉をしっかり閉めてラルフの傍に立った]
すいません。遅い時間に。
[ラルフへ小さく頭を下げ、片付けの邪魔にならないように傍の椅子に座る]
相談っていうのは―どうも気になる人がいて。 先輩は、どう思うかなって。
俺は、何か知っているって感じてるんですけど。
[ケースを背負ったまま、椅子の背もたれを前にして寄り掛かかりながら、 口にするのはさっきバーナバスに感じた違和感の事。 些か声のトーンは落ち気味のまま、記したメモを見ながら話をする]
(10) Cadenza 2010/09/08(Wed) 19時半頃
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・・・と、そういう感じで。 返答としてはちゃんともらっているんですけど、 敢えて肝心なことを言わない気がして仕方ない。
ジェレマイアさんは、普段からああいう人だって言ってましたけど・・・
[どうもしっくり来ません。 と、表情で語りながらラルフを見た]
(11) Cadenza 2010/09/08(Wed) 20時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/08(Wed) 20時頃
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[バーナバスが疑わしい人物であるのは確かだ。 しかし昼の合奏練習の様子を思い浮かべれば疑いきれぬ部分もある。 そんな釈然としないものを抱えながらラルフが考えこんでいる横顔を見ていた]
え? 誰のために、嘘をつく・・・か?ですか?
[背もたれを抱くようにしながら、顎を乗せる。 ううん、と声を漏らし、数秒後にラルフを見た]
誰って・・・そりゃぁ、やっぱり好きな人とか、護りたい人、とか・・・。 じゃないですかね?
[そういう話じゃなくて?と首をかしげる。 固有名詞を言えというなら言うけども、と]
(14) Cadenza 2010/09/08(Wed) 20時半頃
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まあ、俺というか、普通はそうなんじゃないですかね?
[らしいといわれて鼻の下を擦った。 この合宿の中の誰か…は言わなくていいと聞けば、言ってもいいんですよ? なんて少しだけ意地悪な目でラルフを見たけれど、それ以上はふざけることはなく。
ただ、ラルフの言うことはもっともだと思った。 所詮は半日だけの付き合いであって、相手のこともよくわからぬ状態だ。 いきなり何がわかるというものでもないのは明白。
だから、つい神通力なんて突拍子もないことを口にしてしまったわけで。 せめてばーちゃんが占い師で…とか、じーちゃんが魔術師でとか。 そんなのだったら俺にも隔世遺伝で多少の恩恵はあったんじゃないかとか そんなことまで考えてしまっていたりしたんだけど。
―生憎、そんな状況にはまったくないわけで。
くだらないことを考えていると、何かを考えていたラルフが口を開いた。 さっきまでよりも慎重に小さな声で言うものだから、 ぐい、と身を乗り出して耳を向けた]
(16) Cadenza 2010/09/08(Wed) 21時半頃
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[一度抱いた疑心はなかなか消えず、燻っている。 それは強い好奇心の裏返し、なのだろうけど。 合奏がしたい。と強く思っているからでもあった]
俺が違和感を感じたことは先輩にしか話してませんし、 明日、大学生の…特にあの二人のことを注意してみることにします。 変に疑いかけてギスギスさせてしまうのは嫌ですから。
[そんなことをしたらせっかくのステージをつぶしてしまいかねないし、 ぞっとするほどに楽しい時間を、失ってしまうから、と。 眉を下げた表情のまま、ラルフを見た]
(17) Cadenza 2010/09/08(Wed) 21時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/08(Wed) 21時半頃
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[心配の塊のような言葉に苦笑して]
大丈夫ですよ。俺だってそんなにガキじゃないんです。 何でもかんでも顔に出すような真似はしません。
[ははと笑って手を振った。 しかし、事実は―既にこの段階で邪魔者として認識されていたのだろう]
ええ、やりましょう。 やるんです、みんなで。
[事態の解決を信じて疑わない、意志のはっきりした声。 それがまた、ラルフの心配を招いてしまうのかもしれないけれど、 それでも何とかなると思っていた]
(20) Cadenza 2010/09/08(Wed) 22時半頃
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ヤニクは、そういえば、カルヴィンが違う練習室にいると言っていたけれど、まだいるのだろうか?と
Cadenza 2010/09/08(Wed) 22時半頃
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[やっぱりまた心配させてしまったようだ。
曖昧な笑みに少し眉を下げたが、 彼の裡を少しだけ独り占めできたようで嬉しくもあり。 そんな、ひっそりした笑みは続く言葉で消えた]
最後だなんて! そんなこと、言わないでください―っ まだ、一緒に出来る機会なんてたくさんっ
[楽器を持って部屋の扉へと向かうラルフの背中がすごく遠くに行ってしまう気がした。 そこにずっと在ると心のどこかで思っていた。 楽器を続けている限り、終わりなんてない、と。 けれど、なんでもないように告げられた言葉に やがて終わりが来ることを突きつけられた気がして―。
練習室の扉が閉まる音と、抑えていた何かが弾ける音が、 シンクロした]
(28) Cadenza 2010/09/08(Wed) 23時半頃
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――………やっぱり。
[壊してしまえば、どこにも行かないでいてくれるだろうか。 軽く叩かれた自分の頭へ手を添わせ、髪を指先にくるりと巻きつけた]
ずるいよ、先輩。
いつだって涼しい顔で俺の前にいて。
追いかけても、追いかけても どんなに手を伸ばしたって届かなかった―。
それで、1人で幕を引くなんて―俺は。
[ラルフが出て行った扉をじっと見たまま、低い呟きが漏れる]
(29) Cadenza 2010/09/08(Wed) 23時半頃
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ヤニクは、そうして、しばらくして頬をぱんぱん、と叩いてから自分も練習室Bを出た。
Cadenza 2010/09/08(Wed) 23時半頃
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― 練習室E ―
[部屋に戻る前に、カルヴィンがいると言っていた練習室Eを覗きこむ。 果たして彼は―いた]
―……お。
[なんだか、部屋に戻ったら先に帰っているどころかシャワーも浴びて、 先輩遅い、とか怒られるパターンだろうと思っていたので、少々驚いた]
おーい、カルヴィン。 まだ練習してたのか。
[精が出るな。先輩は満足ですよ。 そんなにまり笑いを浮かべながら声をかけた]
(32) Cadenza 2010/09/08(Wed) 23時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/08(Wed) 23時半頃
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[落ち着かないという後輩の言葉は、大練習室の件だろうと思った。 それも無理はないなと小さく肩をすくめながら近寄って]
そーいう時に音出しても、落ち着かない音しか出ないものだよ。 あまり無理しないで、ゆっくり休むことをお勧めするけど
[くあ、と欠伸をしながら壁に寄りかかった]
え…?厳しいな、おまえ。 まあ練習はしてなかったけど… あー。単細胞は単細胞だ。 灰色どころかマーブル模様だよ。 みんな好き勝手言うからぐっちゃぐちゃさ。
[はは、と乾いた笑いを零す、が]
単細胞ってどういう意味だ?!
[すごい遅れてツッコミひとつ]
(43) Cadenza 2010/09/09(Thu) 00時頃
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そりゃ正論だ。 俺らプレーヤーは、何時いかなる時もコンダクターがタクトを上げたら すぐに臨める体勢にあらねばならない。 練習してるお前が正しいよ。
―でもな。
[壁によりかかったまま腕を組んで、少し表情を堅くする]
おまえ、楽器が無くなっちまったら音出せないじゃないか。 一時だけの聴衆には確かに関係ないだろうけど、 俺らには大問題だろうが。 プレーヤーが楽しまない音楽を聞いて、客は楽しいと思うか?
[片付け始めるのを見ながら、少し呆れたように。 とろくさいなんて思われてるとは露も知らず]
(48) Cadenza 2010/09/09(Thu) 00時半頃
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……ふう。
[妙に突っかかるな。 そんな違和感を覚えつつ、溜息を零す]
まあな。上手いヤツは何弾いたって上手いさ。 けど俺は下手くそだから。 自分の癖と手垢が染み込んだこいつじゃないとだめなの。 楽器を命よりも大事にするやつだっているんだ。
[片肩にずらしてかけていたケースをとんとんと叩く。 ヴァイオリンは体が大きくなると共にサイズを変える。 だからずっと連れ添った楽器…と言うわけではないが、 最良の相棒だ。
[ふと見る、大人びた表情に眉を寄せ、首を傾げる。 独り善がりだとか押しつけと言われれば緩く首を振って]
(53) Cadenza 2010/09/09(Thu) 01時頃
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なあ、カルヴィン。 お前にとって、音って…なんだ?
[扉へ向かうカルヴィンの背に、問いかけた]
(54) Cadenza 2010/09/09(Thu) 01時頃
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――……残酷な、青、か。
初めて見たよ。そんなこと言うヤツは。
[部屋を出ていった後輩に苦笑しながら呟く]
なあ。お前、は俺にとって音がなんだか―知ってるよな?
[ケースをとんとんと叩いて話かける。 結局その答えを口にすること無く、静かに笑んだだけ]
明日はみっちり練習するか。 ―いや、それだと探れないな。
[ラルフの忠告も、心配も忘れたわけではない。 けど―]
何考えてんだか、知りたいんだよ。この単細胞はさ。
[口の端に上ったのは思いっきり自嘲を含んだ笑みと声音]
(58) Cadenza 2010/09/09(Thu) 01時頃
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――……。
[先に行ったカルヴィンを追いかけようとしたけれど、やめた。 あまり長く顔をつき合わせていると、空気が悪くなりそうだと思ったから]
今日は、そんなことばかりだな。 こんなんじゃ、スコアが出てきたってまともな演奏が出来るはずが無い。
[奏者が100人いれば100つの音があり、音楽がある。 それをまとめるのが指揮者の役目。 言ってしまえばプレイヤー同士がどんなに仲違いしたところで関係ないのだ。 その楽器が、奏者本人の物か否かなんて観客には関係ないのと同じように。 だから、この状態だってやろうと思えばできるはずだけど]
そんなのを勉強しに来たんじゃないんだけどな、俺は。
[しかしそれも、多くの人間が集まる組織の側面か。 小さく息をついて、部屋へと戻った]
(59) Cadenza 2010/09/09(Thu) 01時半頃
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― 部屋A ―
[先に戻ったカルヴィンとは必要以上の話をしようとはせず、 制服からジャージに着替えたりシャワーを浴びたり。 世も更けていれば眠気だって普通にやってくる]
おやすみ。
[一言カルヴィンに声をかけ、目を閉じる。 頭の中では昼の合奏での曲が流れ続けていた。
楽器のケースはベッドの下、足元の脇に荷物と一緒に**]
(60) Cadenza 2010/09/09(Thu) 02時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/09(Thu) 02時頃
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― 部屋A ―
[朝。 朝食だと呼ぶ声に大きな欠伸をひとつして起き上がる]
ふぁい。今行きます!
[扉の向こうへ返事をして、 髪をくしゃくしゃとしながら着替えをしようと荷物の方へ目を向けた]
―――……………????
[瞬間、ものすごい違和感]
あれ?
[首を傾げ、もう一度荷物―いや、その手前の空間を見て]
ない?!
(65) Cadenza 2010/09/09(Thu) 12時半頃
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[ばっと床に這いつくばってベッドの下を見る。 ――ない。 ふと、カルヴィンの使っているベッドを見る。 ―――見当たらない]
え?あれ?俺、持って…来たよな?
[部屋にカルヴィンはいただろうか? いたとしても彼に気を向ける余裕はない。 Tシャツにジャージ、髪もとかさぬままバタンと部屋を飛び出して 練習室の方へと駆け下りる。
A―ない。 B―ない。 C―ない。 D―ない。 E―ない。 ないない。 ―――――――ないっ!!!!
(66) Cadenza 2010/09/09(Thu) 12時半頃
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― 練習室→食堂 ―
[ピアノの裏も見た。 重なった椅子の下も、向こう側も見た。 カーテンの後ろとか、どこも、かしこも、全部。
けれど、相棒はどこにもいなかった]
―やっべ…。まだ、残ってるのに。 あと3年はあいつしかいないのに…!
[全身から冷や汗が噴き出る。 食堂へ駆け込んで、開口一番]
俺の楽器、知りませんか!
[荒い息のまま、叫ぶように。 きっと形相は必死で、この世の終わりを見たようなものだっただろう]
(68) Cadenza 2010/09/09(Thu) 12時半頃
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― 廊下→練習室A ―
[誰も楽器の行方を知らないと見ると、朝食には見向きもせずに駆け出した。 ばたばたとドアを開閉する音が廊下に響く。
開けられるところは開けた。見えるところは見た。 それでも、楽器は見つからない。 たどり着いた屋上で大の字に倒れこむ。
「盗まれた」
考えたくはなかったが、もうそれしか―]
何で油断したんだよ…。
[普段、一人で泊まる時は楽器は必ず枕元に置いていた。 嫌な予感がした時は、ストラップを手首に巻いていたりもする。 けれど、今回は同室者もいるしそこまで用心をしていなかったのだ。 くそっ。拳を思い切りコンクリへ叩き下ろす。 ―――半端なく痛いだけだった**]
(69) Cadenza 2010/09/09(Thu) 12時半頃
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ヤニクは、そのまま屋上でしばし放心状態**
Cadenza 2010/09/09(Thu) 12時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/09(Thu) 12時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/09(Thu) 12時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/09(Thu) 15時頃
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― 屋上 ―
[「連続で盗むようなやつだから、スコアも楽器も―」 食堂を出たときのバーナバスの声がさっきから頭を回る。
正直、スコア自体に何の価値があるかというと、多分ない。 それが例えば指揮者であるあの部長の熱烈ファンで、 彼の指紋と直筆の文字があるなんてなんてお宝!という話なら別だけど。 破損してしまったとしたら、部長の心理状態のほうがよほど心配だ。
単純に練習をさせないとか、オケの妨害が目的ならばそれで十分だろう。 それでもいずれは新しいスコアで練習は始まる―のだろうけど。
しかし楽器となると話は違う。 楽器の盗難は、転売や破損に直結するうえに、持ち主へのダメージも相当だ。 大体が、盗られた楽器が五体満足で帰ってきましたなんてことがあるか? 聞いたことがない。 あるのは大抵は、実は置き忘れでした、勘違いでしたというものだ]
(106) Cadenza 2010/09/09(Thu) 17時半頃
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もう、どっか行っちゃったかな…。 それとも、木っ端微塵かな…。 あいつ売ったらいくらで売れるんだろう…。
[空を見つめてぽつり呟く。
あの楽器を買ったのは高校に入る少し前。 入学を機に大人サイズの楽器に買い換えたのだが―。
多くは言うまい。 ただ一つ言うなら、「何日も、何週間もだだをこねた」、ということだ。 その代わりとして両親から提示されたは条件とても厳しかった。 しかしそれを飲んでもいいとすら思ったのだ。
だから、自分の楽器にはとても執着をしていた。片時も手放さなかった。 どうしてそんなにそれに拘るのかを聞かれたこともあるが、 音がいい、とか手にしっくり来るのだとか言って、その裏にある本当のことは言わなかった。
―言えなかった。あまりに馬鹿馬鹿しくて。 けれど、自分にはあの楽器意外何もないのは事実]
(108) Cadenza 2010/09/09(Thu) 17時半頃
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一年半しか一緒にいれなかったな……。
[カルヴィンがゆうべ言ったように、奏者がどんな楽器を使おうと観客には関係ない。 でも、奏者は楽器を持たねば仕事ができないわけで。 代わりの楽器なんていくらでもあるだろうし、 その時だけというなら自分もそれで構わないのだけど、 この苦悩にさらに苦悩を増してなお音楽を続ける― そこまで根性が座っているかといえば微妙だ]
俺も、辞めようかな。音楽なんて。
[はは、と軽く笑う。 ちなみに新しい楽器を買うという選択肢は自分に限っては存在しない。 つまり、もうプレーヤーとして仕事はできないということだ。 これから先、数年の間無償で借りられるというのなら話は別だが―負った苦悩は残る]
(109) Cadenza 2010/09/09(Thu) 17時半頃
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あーあ。ばっかばかし。 もうどうでもいいや。やめたやめた!!
[ゆうべの熱はどこへやら。 あまりの心痛に笑うしかなかった。 からからと、ココロの無い音が空へのぼっていく。
涙はとうに枯れ果ててしまった。 ごろんと横になれば、今は雫が伝った跡が頬に残るだけ**]
(112) Cadenza 2010/09/09(Thu) 18時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/09(Thu) 18時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/09(Thu) 18時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/09(Thu) 19時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/09(Thu) 19時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/09(Thu) 22時頃
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― 屋上 ―
[意識?ってなんでしょう。もうずいぶんと何も考えていなかったから、 あるのかどうかも忘れていたくらい。 じりじりと熱を増すコンクリートに寝そべったまま、このまま溶けてしまえばいいと思った。 もうここに居たって、何の―。
意味もない]
最後、一緒にできなくなっちゃったな…。 まさか俺の方が先にThe ENDになるとはなあ。
[はは、は――。 口を開くと喉が渇く。 だから目も口も閉じて黙り込んだ。
やがて、屋上の扉が開く音。 それからゆっくりと誰かが近づいてくる。 知ったことか。そのまま寝た振りをしようとした―が]
(165) Cadenza 2010/09/10(Fri) 00時頃
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[聞こえた声に思わず目を開く。 視界に入った光が思ったより強くてすぐに目を細め、 逆光の中に人影を見る。 それが誰かなんて、見ずともわかったけど―]
―大丈夫ですよ。 人間、案外頑丈らしいです。
[へへと笑って、ラルフを見上げる。 体はまだ、起こそうとはしなかった]
いえ、別に。 もうだいぶ、吹っ切れましたから。
[小さく笑んで、そこで漸く半身を起こした]
(166) Cadenza 2010/09/10(Fri) 00時頃
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[接地面積が狭くなると、体感温度は高くなるものなのだと気づいた。 というよりも体を起こした分、風を受けたからだと思うけれど]
いっそ溶けちゃえばいいのにって、思ってました。
[そう言ってくすくすと笑う。 表情に浮かぶのはどうしようもない諦めの色]
え?いや、先輩のせいじゃないですから。 俺が、油断してたのがいけないんです。 カルヴィンが居るから大丈夫だとか思ってたんですけどね。 ―あいつ、番犬にもならなかった。
[あははと笑って空を見る。 ラルフの顔は、さっきから見ようとはしなかった。
―もう一緒の音楽は出来ないとわかっているから、見れなかった]
(174) Cadenza 2010/09/10(Fri) 00時半頃
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[からからと笑っていた口が、ふ、と閉じる。 顔は空を見上げたまま、表情がす、っと抜け落ちる]
だって、ないものはないんですから。 吹っ切るしかないでしょう? 足掻いたって、代わりのものは出てこないし、それに―
[ふっと小さく笑って、そこで漸くラルフの方を見た。 泣きはらして真っ赤だった瞳は、今はおさまっているだろうか―?]
先輩、俺がどうしてあの楽器に固執してたか、知ってます? 聞いたら、くっだらなくて笑っちゃいますよ?
[ふふ、ふと笑みを含んだ]
(175) Cadenza 2010/09/10(Fri) 00時半頃
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だからっ! 関係ないって…言ってるじゃないですか。
[自分のせいだと言うラルフの言葉に、自分の未熟さを痛感した。 結局最後の最後まで心配かけて、困らせて― 伏せた瞳を見て八つ当たりで語気が荒くなるが]
―あ、すいません。でも本当に、先輩のせいじゃない。
[今度は自分が目を伏せ、詫びた]
もう、いいんです。 見つかろうがなかろうが、変わらないものは変わらないから。
[見つかると信じている。そんなラルフの言葉が胸に刺さる。 捨てたはずの希望を揺り動かす。 もう、いい。首を振ってラルフを見る。 泣きそうな表情に一瞬はっとしてその頬に手を伸ばした]
(183) Cadenza 2010/09/10(Fri) 01時半頃
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どうして先輩がそんな顔してるんですか。
[まるで、俺みたいに―
もし、頬に指先が触れたならそのまま掌で覆うように撫でる]
理由?呆れないでくださいよ? 本当にくっだらないんですから。
[くす、と笑って耳元へ口を寄せる]
(184) Cadenza 2010/09/10(Fri) 01時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 01時半頃
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え?
[まだ、先輩として関わっていたい。 その言葉に瞬いて、俯いた。
何かを言いたそうにしたが、それも僅かのこと。 その後で、泣き顔のようにも見えるラルフの頬に触れ、 秘密にしていた理由を告げ―]
確かに、思い出の品―ではありますけど。 プロは楽器に執着しないって、カルヴィンにも言われちゃったし。 何のために音楽しているんだろうって思ったら、よくわからなくて。
それに、先輩は―。
[ふ、と少し前の言葉を思い出し、俯いた。]
先輩、ずるいんだもん。
[口調は軽いが、その表情は見せない]
(193) Cadenza 2010/09/10(Fri) 02時頃
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俺、ずっと追っかけてたのに― 届いたと思ったらするって抜けて手の届かないところに行っちゃうし。
そうかと思ったら、もう最後だなんて言って、 俺が追いかけられないところに行こうとするし―。
で、今度は関わっていたい、だなんて。 俺、どこまで追いかければよかったんですかね?
[俯いたまま、顔は上げない。 ただ、想いを口にした勢いで呼吸はやや荒くなっていた]
だから、楽器無くなったのもいい機会だなって。 たまには、俺のほうから逃げたって、いいでしょう?
[楽器が見つかったとしても、追い続けるのは同じ影なのだから]
(194) Cadenza 2010/09/10(Fri) 02時頃
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―いいん、ですか?俺、逃げちゃっても。
[好きにして、いい。その言葉をそう捉えて、問い返す。 俯いたままの口元が、はは、と乾いた笑みを浮かべた]
先輩にとって、俺なんてそんなもんだったんですか。 追いかけているのを知ってて、逃げて。
立ち止まったら手を伸ばすような、真似して―
[もう一度、乾いた笑み]
もう、先輩の背中は、見飽きたんです。 そろそろ、顔を見せてください。 ちゃんと、俺の方をみてくださいよ―
[俯きっぱなしだった顔を、ゆるりと上げる。 面にはいつものような薄い笑みが貼り付いていた。
(202) Cadenza 2010/09/10(Fri) 03時頃
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好きにして―いいんですよね?
[多分、ラルフはそういう意味で言ったのではないだろう。 わかっていたがわざと歪曲して言葉を捉え、にこりと笑む。
一度ラルフの頬に触れ、今は離れていた手を再び頬に添えて、 ぐいとこちらを向けさせようとした]
ずっと、俺だけを見てください。 今まで見えなかった先輩の顔、ちゃんと見せてください。
[そう言って、ゆっくりと唇を寄せていく]
(203) Cadenza 2010/09/10(Fri) 03時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 03時頃
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――……。
[寄せた唇は、拒まれることなく重なった。 片手をラルフの顎に添え、片手を彼の肩に伸ばして引き寄せる。
始めは重ねているだけだった唇。 しかしやがてはその中心をこじ開け、さらに奥へと]
先輩……っ。
[呼ぶ声を染める熱は、降り注ぐ日差しよりもずっと熱い。 このまま溶け合ってしまえばいいのに。 そんな言葉も重ねたままの唇からでは音にはならない。
何も、考えなくていい。 ただ俺だけを見ていれば、それでいい。
瞳に浮かぶのは、今まで抑えこんでいた欲望の色。 このままいっそ― 干乾びそうだった体が、満ちてゆく]
(212) Cadenza 2010/09/10(Fri) 03時半頃
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[息をすることさえ許さぬような、貪欲な口付け。 それはどのくらい続いただろう。 唇を離した瞬間に、息を大きく吸い込んで荒い呼吸を繰り返す]
先輩。俺―ずっと、好きだった、先輩のこと。 だから―もっと一緒に、音を紡ぎたいんだ。
[ラルフの瞳をまっすぐ見る。 ジャージにぼさぼさの髪のままでは告白もへったくれもないけれど―]
もっと一緒に、居たいんだ。
[肩を抱き寄せたままの至近距離で落とす声は囁きとなって零れた]
(215) Cadenza 2010/09/10(Fri) 04時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 04時頃
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[揺れるラルフの瞳を見るたびに、鼓動が早くなる。 押し寄せるような鼓動の波に、気付けば恍惚とした笑みを浮かべていた。
縋るように服の裾を掴まれたのを契機に一度離していた唇を再び重ね、 コンクリの床へ押し倒す。 そこはちょうど貯水タンクの影。照りつける日差しが途切れ、空気の温度が僅かに下がる]
先輩がそんな顔するなんて―知らなかった。
[いやらしい人。まるで俺を煽ってるみたい。 耳元で低い囁きを落とし、目尻に溜まった涙を舌で掬う。 どろりとした欲が、身体を伝って降りて溜まってゆく]
こんなことしたら…嫌われちゃう、かな。
[そっと片手で抱きとめ、片手を下肢へ伸ばす]
こっち、向いて。俺だけ見てないと、だめ。
[伸ばした指先であやすようにしながら、啄ばむように口付けた]
(232) Cadenza 2010/09/10(Fri) 05時頃
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先輩、好き―…。
[理性はとうに消え去っていた。 そうでなければ、物陰とはいえこんな行為に及べる筈がない。
繋がった部分を揺らせば、ラルフの口から甘い声が漏れるか。 それをうっとりとした表情で聞き、耳朶を噛む]
は、あ、うっ…せんぱ、い……す、き…… もっと、お、れに……らる、ふ……
[感情と本能に操られるままに腰を叩きつける。 二人の息と肌が絡み、コンクリにぽたぽたと雫が落ちた―。 若い交わりは、興奮した欲望が収まるまで続くかと思われたが、 不意に訪れた空腹によって理性を呼び戻されてやがてフェードアウトした]
(233) Cadenza 2010/09/10(Fri) 05時頃
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……先輩。 俺、もいっかい楽器探してみるよ。 やっぱり、ここで終わりになんかしたくない。
[貯水タンクの裏に寄りかかって座りながら、言った。 重ねた肌。感じた吐息に―ひねくれていた何かが削げ落ちて。 ただもう一度共に音を紡ぎたい、音楽を創りたい、と素直になっていた]
そういえば、カルヴィンは気付いてないんだろうか。 俺は爆睡しちゃってたみたいで何も気付かなかったんだけど、 もしかしたら何か見ているかもしれない。
[落ち着いたら中へ戻って楽器探しと、犯人を見ていないかカルヴィンに聞こう。 けれど今は―。もう少し、寄り添った温度を、感じさせて**]
(234) Cadenza 2010/09/10(Fri) 05時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 05時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 13時頃
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― 屋上 ―
[見上げる太陽はもう朝ではないことを告げている。 熱にうなされたような時間は、あっという間だと思っていたが―。
やらかしてしまったことに今更ながら困惑して、 ぼさぼさのままの髪に手をやった。 そこを、撫でられた時の感覚が蘇って、鼓動が一つはねた]
―ん。ありがとう。 見つかれば、いいんだけど。
[音が好きと言われて嬉しそうに微笑んだ。 しかし、サイラスの一件を聞けば表情は強張った]
あの人は、確かに昨日―ぽかりと空いた時間はあったけど そういうことをする人じゃない気がする―。
[だって、犯人なら自分に空白の時間があるなんて言わないだろうし]
(266) Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時頃
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カルヴィンが?怪しい? いや、そりゃ…一番持って行きやすいのはあいつだろうけど―
[何のメリットが? 楽器への執着を否定しているように感じた彼が、 他人の楽器を持ち出してどうするというのだろう。 髪をくしゃくしゃとしながらわかんねーと呟く。
ラルフから携帯を見せてもらってカルヴィンの居場所を知れば]
考えるよりも、聞いたほうが早いですね。 あぁ、俺制服に着替えてきますよ。 流石にこの時間でこのカッコはまずいでしょう。
先輩、先に行っててください。 俺も後から行きますから。
[そうして、緩く手を振って先にラルフを送り出した]
(267) Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時頃
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― 屋上 ―
[後で追いますから。 言っておいてまだそこにいた。
さっきまで明るかった表情はそこになく、 かわりに不安げな面持ちがあった]
あぁ、俺、ばっかじゃねえ、の……。 また困らせてるじゃないか…。
[その最中、自分の口からは想いを告げる言葉が 熱にうなされるように、何度も出ただろう。 ―けれど]
勝手に押し付けて―返ってくるわけ、ないよな。 おめでたい奴だな、俺ってば。
[はは、と気落ちした息が漏れた]
(271) Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時半頃
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― 部屋A ―
[誰もいない部屋で堂々とジャージを脱いだ。 タオルで汗を簡単に拭いて、Tシャツを着て― 制服のズボンを穿き、白のワイシャツを羽織った]
――やっぱ、ないよな。
[寝る前に楽器のケースを置いた場所を見る。 一瞬メタリックシルバーが見えた気がしたのは、気のせいだった]
―――………。
[深い、深い溜息。 見つかる、そう期待をすればするほど、叶わなかった時の反動は大きい]
誰だってなんだっていいから、楽器返してくれってんだよ…
[返さないなら、金をくれ。 それが今の正直な素直なキモチ]
(275) Cadenza 2010/09/10(Fri) 23時半頃
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― →練習室E ―
[足早に練習室の方へと向かう。 途中食堂の方をかえりみて、腹減ったなあとぽつり。 けど、身体の欲求と心はシンクロしてなくて。 そのまま練習室の並ぶ廊下へ]
――!
[ラルフとカルヴィンの姿が見えた練習室Eへ入ろうとして、 締まりの悪い扉の隙間から聞こえてきたカルヴィンの声>>277に はっとして手を止めた。
そのまま、少し開いた扉の横―に立って、 壁に背を預けたまま聞こえてくる声に耳を向けた]
(283) Cadenza 2010/09/11(Sat) 00時頃
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ヤニクは、思いっきり眉間に皺を寄せる。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 00時頃
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― 練習室Eの前 ―
――……。
[溜息をついて首を振る。 警戒していなかったのは事実だ。 しかし、そこまで愚かだとは思っていなかったのだ。
昨夜の会話を思い出せば、楽器そのものに何の感情もないのだろう事はわかる。 しかしそれが彼の素性なのだろうか?
じゃあ何で、お前はそこで楽器弾いてるんだ…
[パルプフィクションのことを嬉々として告げた声は芝居だったのか? あの時2人で合わせた音も―]
わっかんねえなあ。
[意味がわからない。眉間の皺は深くなるばかり。 一度諦めた楽器、今更ないと聞いたところで虚しさが増すだけ]
(291) Cadenza 2010/09/11(Sat) 00時半頃
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ヤニクは、扉の前からは動かない。多分、顔を見たら黙って殴るから。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 01時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時頃
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― 練習室Eの前 ―
物置?
[届いたメールに首を傾げる。 副部長がそんな場所に一体何の用だろう?]
ってか、場所知らないんだけど。 物置ってどこだよ…
[知っていたらそこだって探したはずだ。 参ったなと顔を顰め、それでも今は中で話している2人のことが気掛かりで。 自分が出て行くと無駄に詰問してしまいそうだから―せめて話の中身だけはと。
部屋を出てきたラルフに立ち聞きしていたことを詫びるような視線を向けてから]
…あいつの他にも誰かいるってことですよね。 ずいぶんご大層なことで。
(303) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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[瞬いたラルフに向かって、軽い口調で言って肩をすくめる。 怒っていないはずはない。けれど、最大限にそれを抑えようとしていた―]
俺、なんだか知らないけど副部長に呼ばれてるんで、行って来ます。
[携帯をひらひらとさせ、連絡があったことを示す]
なんかあったら、連絡しますから。 心配は無用ですよ。
[―って言っても心配性の先輩は心配してしまうのだろうけど― それだけ言って、適当に歩きだした]
(304) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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― 物置付近 ―
俺の気が変わる前に。 って、どういう意味だ?
俺なんかやらかしたっかなあ…
[わけがわからない。 けれど、メールの最初の言葉にとても引っかかっていた。 おまけに食堂でかけられた言葉もある。
その上、ゆうべから一番疑念を抱いている人物でもある]
で、物置って、どこなんだよ…。
[立ち止まって辺りを見回した]
(305) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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―ん?
[かすかに聞こえるのは―]
フルート?
[なんで?と首を傾げて数秒後。 ようやく副部長とフルートが繋がった]
感情、が―。
[音色に首を傾げ、それから音の方向へと歩き出す]
――……。
[開いたままの物置の扉から中を覗く]
バーナバスさん。
[物置の戸口のところに立ったまま、声をかけた]
(308) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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― 少し前、練習室Eの前 ―
あいつが俺の楽器を持ってった…って辺りからですかね。 結構、聞いてたみたい。
[はは、とバツが悪そうな表情を向け]
いいんですよ。 もう。
あとは、あいつの問題でしょ? 俺や先輩がとやかく言ったところで…聞いてくれそうにないし。
[ちら、と練習室の方へ視線を向けた。 副部長に呼び出されたことに考え込む様子を見て、再度大丈夫だから、と。 もっとも、怒りを抑えている状態で大丈夫も何もあったものではないが―。
ともあれ、ラルフが引き止めようとする前に、 それじゃ、と言葉を残して歩き出していた]
(310) Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 02時半頃
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― 物置 ―
[声をかけても止まらない音。 それはどことなく何かを拒絶しているように聞こえ、眉を寄せた。
こちらを見る竜胆に、何の用?と首を傾げたが、 ふと逸らした視線の先に見覚えのある、メタリックシルバー]
………………どういうことですか。
[戸口に立ったまま、棘のある声を向ける。 探していて見つけたというなら、こんな態度になるだろうか? 気が変わる前にとか、言うだろうか?
抱いた疑念は消えない。 向ける視線は、射抜くように鋭い]
(314) Cadenza 2010/09/11(Sat) 03時頃
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[途切れた音の余韻が残すのは、拒絶し果てる鳥の声。 昨晩とのあまりの差に、寄せた眉の間に皺が刻まれる]
―は?
[唐突に告げられた、事態の顛末に眉間の皺は一層深くなる。 楽器を持ち出したのは―カルヴィンのはずだ]
そいつ持ち出したの、うちの後輩だと思ってましたけど。 あんたがそそのかしたのか?
[射抜くような視線は一瞬圧を高くする。 すたすたとケースの傍へ寄って、ケースを持ち上げた]
すまなかったって言われてもねえ。 あんた、食堂で煽るようなこと言ってたよな。 ―からかってたのか?
[相手が年上である事に対する敬意を怒りが超えた。 努めて冷静に言葉を放とうとすれば、トーンが低くなる]
(319) Cadenza 2010/09/11(Sat) 03時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 03時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 03時半頃
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そんなもん?!
[カルヴィンをそそのかしたのか、否か。 はっきりしない答えにちらと竜胆を見る]
そりゃ焦るだろうよ。お蔭様で。
俺をそんな目に合わせて、あんたは何がしたかったんだ? スコア盗んだ犯人探しはじめた腹いせか? まさかあんたも演奏会ぶっ壊すつもりだったとかいわねえよな?
[さっきカルヴィンが口にしていた、盗んだ理由。 2人が結託しているようには思えないが―]
スコアは?
[片手を出す。 別に、ちゃんと自分の手で返すというならそれでいいけれど]
(323) Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時頃
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――てめえ。
[表面上冷静を取り繕っているだけ。 裡は怒りでいっぱいの状況では掛けられた嘘には気付かない。 ぎりりと睨む視線は続く理由に呆れ、軽蔑の色を濃くする]
はあぁ?? あんた、昨日の合奏の時は根性入ってたじゃねえか。 俺のことだって走りすぎってどやしたよな? それがステージもオケもめちゃくちゃに…って意味わかんねえよ。
奪う方はどうだか知りたくもないけど、奪われた方は最悪だったよ。 200万もする楽器盗られたんだからな。
[吐き捨てるように言い、楽器のケースを背負った]
(327) Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時半頃
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俺に取って音ってのは命と同意だ。 あんた、俺が楽器なくして悲観して死んだら、責任とれんの? それくらいの覚悟でやったんだろうな?
[カルヴィンに、お前に取って音とは何だと聞いた。 自分の答えは、命だ。 心臓が脈という拍(リズム)を刻む限り、 身体に流れる音は消えることはないから。
じろりとバーナバスを見て、溜息をついた。 溜まり溜まった怒りは何を言っても消えることはない。 それに、相手も一応は詫びているわけで]
ま、楽器が返ってきたなら、もういいや。 ぐちぐち言ってすまんでした。
[ケースを背負ったまま、ぺこりと小さく頭を下げ―]
カルヴィンにもちゃんと謝ってよね。 本当にあんたがそそのかしてやらせたなら。
(328) Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時半頃
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ヤニクは、いい?と言うように首を傾げて小さく肩をすくめた
Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 04時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 05時頃
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[彼が本当のところ何を想ってどうしたかったのか。 関わりが薄ければ察しようとする気持ちも薄い。 語られることが全て過去形であることが意味するものなんて、 わかるわけもない]
やっすい楽器で、やっすい命で それでも必死で音楽やってんだよ。 あんたみたいナご立派な音大生にとっては カスみたいなもんかもしれねえけど。
[逸らされた竜胆。 そして寂しい、と聞こえふ、と口を一瞬つぐんだ]
……だったら、くだらねえことやってんじゃねえよ。
[皆に謝ると聞けば何も言葉を返さず]
じゃあ。
[何もかもスッキリしない心持を抱えたまま、物置を後にしようとした]
(334) Cadenza 2010/09/11(Sat) 05時頃
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ヤニクは、大袈裟に肩をすくめながら物置を出て行った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 05時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 05時頃
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― 廊下 ―
[なにこの気持ち。 どういうことなの?責めた俺が悪いの? あいつなんなのいい奴なの悪い奴なの?
返ってきた楽器ケースを背負いながら廊下を歩く。 思いっきり憮然とした表情で。 それはもう、全く釈然としてませんと言葉なくとも判るくらい]
―あ。知らせておかなきゃ。
[ポケットから携帯を取り出してメールを打つ]
(342) Cadenza 2010/09/11(Sat) 06時頃
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― 練習室A ―
[メールを送った後、その足で練習室Aへ。 ピアノの椅子の上にケースを置いて、ダイヤル式のロックを開ける。
音大生が持ってるようなヤツから比べたらやっすいけどさ…
[自分にはこれしかない。 再び楽器を手にした時、わけもわからぬまま手が震えて、 弓を落としそうになってしまった。
手を離れてからたかだか半日だ。 たったそれだけでこの精神の擦り切れ様はある意味笑える。
楽器を構え、弓を下ろす動作を契機に流れるものは パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番の3楽章、ロンド。 昨日ここへ来た時にも楽譜を広げてこの曲を弾いていた。
例の如くちゃんとしまっていない練習室の扉から音漏れ出せば、 楽器が戻ってきたことを知らせることができるだろうか**]
(344) Cadenza 2010/09/11(Sat) 06時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 14時頃
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― 練習室A ―
[半日ぶりに手元に戻った楽器。 ぴんと張った弦を震わせて奏でる音はさぞかし想いの篭った― ―バーナバス曰く暑っ苦しい音だそうだが―ではなく。 完全に心ここにあらずのかすかすの音。
手が震えて弓にうまく力が伝えられないのもあったけれど]
…で、なんて言えばいいんだよ。俺は、あいつに。 どんな顔したらいい―……?
[楽器は見つかった。 しかし、その楽器を持ち出したのは同室の後輩で、 彼がそそのかされたにせよなんにせよどんな顔して接したらいいのか そればかりをずっと考えていたのだ。
だから、鳴り響く鐘の音―ラ・カンパネラは何を告げるでもなくただそぞろ]
(371) Cadenza 2010/09/11(Sat) 15時頃
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あ、せんぱ、い?
[やってきたラルフに弓を止め、肩に楽器を挟んだまま瞬いた。 彼が練習中にしかもノックもせずに駆け込んでくるのは、 何かあったとしか思えない。 見せられた楽譜。その端に記された文字に目を見開く]
え?楽器置いたまんまで荷物がない?って…あいつ!
[楽器と弓ををアップライトピアノの上に置く。 それから、ラルフを見て―]
まだ、この辺にいるかもしれない。 俺、探してきます!
[練習室から駆け出した]
(372) Cadenza 2010/09/11(Sat) 15時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 15時頃
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あとはお願いします!
[駆け出しながらラルフに後のことを頼んで廊下をかける。 自分の足音の他には、キインとした感じのフルートの音。 誰が吹いているのだろうなんてことは―考える程余裕はなかった。
カルヴィンが出て行ってから自分がそれを知るまでのタイムラグはどのくらいだろうか。 もうこの建物の中にはいないかもしれないけど― そう思いながら駆ける先、エントランスに人影]
おい、どこ行くんだ。
[荷物を肩から下げている後輩へ向かって声をかけ、 歩いて近づいて、進行方向を塞ぐ形で立ち止まった]
まさか帰るつもりじゃないだろうな。 楽器置いたままで。
[自分の身長とそう変わらない後輩。 僅かだけ下にあるチョコレート色をじっと見た]
(375) Cadenza 2010/09/11(Sat) 16時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 16時半頃
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忘れもんがあるだろう。
[くいっと建物の中の方をあごで示す]
あれどうするんだよ。
それに―副部長から聞いた。 お前そそのかしたって。
まあもう楽器が返ってくれば誰がどうだとかはともかく、 それでおまえが楽器手放す理由はないだろう?
―それに、先輩達もお前のことを心配してる。
[そこまで一息で言って、ふと視線を落とす。 カルヴィンが本当に音楽なんてやりたくないって言うのなら 何を言っても届かないくらい、音楽が苦痛だというのなら―でも]
(377) Cadenza 2010/09/11(Sat) 17時頃
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俺は、お前とはもっと一緒に演りたいし、 今度の4人だったら絶対に音大生には負けない。 それくらいのものが出来ると思ってるし、信じてる。
そりゃ、お前が盗ったって聞いたときはぶん殴ろうかと思ったけど。 でもやっぱりお前の音―いや、お前自身が、必要なんだよ。
[下げた視線を再び上げる]
だから―頼むから、戻ってくれ。
[それは命令でも懇願でもなく―願い。 まだ音楽に対して少しでも未練があるのなら、と]
(378) Cadenza 2010/09/11(Sat) 17時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/11(Sat) 18時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/12(Sun) 00時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/12(Sun) 00時半頃
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― 回想・合宿中のエントランスにて ―
[置いて行く。その言葉に眉を寄せる。 どうして楽器を手から離そうするまでに至ってしまったのかと それを想ったが―答えはわからない]
その、お前の目と、耳をふさいでしまったのは何かはわからないけど―。
[ふ、と目を伏せて、空を見上げ、そこに広がる青を見る けれどこんな物ではないはずだ。 音ならばはもっとたくさんの色を紡ぎ出せる―]
そんな音だって、今の北校のチェロはお前だ。 お前と全く同じ音が出せるやつなんているもんか。 俺達には他の誰でもない、お前が必要なんだよ。
[首を傾げたチョコレート色を見る]
(419) Cadenza 2010/09/12(Sun) 00時半頃
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だから、お前の視界が晴れるまで、俺等が― 俺が、手をひいてやる。
今までたっぷりお前の音に引っ張ってもらったからな。 だから今度は、俺の番だ。
[先輩じゃ役不足ですよ。 なんて言われかねないな、とはおもったものの…]
だから、戻って来い。
[チョコレート色を見る視線は、揺るがない。 それは間違いなく本心であり、覚悟を決めている現れ]
(420) Cadenza 2010/09/12(Sun) 00時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/12(Sun) 00時半頃
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― 文化祭当日 ―
[かくして、この日がやってきたわけで。 声楽科の練習室で姉の練習のにギリギリまでつき合わされていたせいで、 集合はギリギリ。 控え室でも気になる部分の確認を入念にしていた]
よし。
[そして、ステージ。 緞帳が開けば右半身がライトの光で熱くなる。
指揮台を挟んで向こう側。 チェロの席にふと目を向け、それからヴィオラを、 2番ヴァイオリンを順に見た]
(425) Cadenza 2010/09/12(Sun) 01時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/12(Sun) 01時頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
Cadenza 2010/09/12(Sun) 01時頃
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[緊張が指先に残っていた。 手を握ったり開いたりして解きほぐそうとしてみる。
タクトが上がる。 振り下ろされると同時に、左の方― 管楽器軍から音の波が押し寄せた。
弦はといえばぴったりと合ったボウイング。 一糸乱れぬ動きが、視覚的な波を産む。
思えば、あの合宿ではいろいろあった。 あの時のカルヴィンの返事はどうだったか。
それに、あれからラルフの音を枷に感じなくなった。 ぴったりと同じ形で後を追わずとも、 ちゃんと待っていてくれるとわかったから。
だから、今はあの時よりも自由に歌うことが出来ていた]
(429) Cadenza 2010/09/12(Sun) 01時半頃
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