149 Hogwarts School ~ 2nd season ~
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── 4F ──
[ 目的地まですぐというところで、前方に生徒がいるのが見えた。丁度通り道にいるため、彼をどうにかするか、居なくなるのを待つしかない。 …が、長くはもたないこの魔法。悠長に待っている間にも、効果が薄れていってしまう。
( 抜かすか… )
通路はそんなに狭い訳じゃない。 念のため、離れたこの位置で、足音を消す魔法を掛けてから彼に近づく。
慎重に、タイミングを見極め 駆け抜ける際に 横目で彼を見、いつぞや 大広間で言葉を交わした相手だと気づいた。 ──それが、いけなかった。]
(29) 2015/02/08(Sun) 16時半頃
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[ 彼に気を取られてしまい、追い越した瞬間、足元の瓦礫に気づかず 蹴ってしまった。 ( やば ── …ッ! )
2 1 バランスを失った体は地面へと… 2 なんとか転ぶことは避けられた。
至近距離での異変に、彼は怪訝な顔をしただろう。*]
(30) 2015/02/08(Sun) 16時半頃
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…あれ。彼女、たしか…。
[昨日、怪我を直してあげた…。
何をしているのだろうか。全く怖がったりする様子もなく悠然と歩く姿。一瞬、ムパムピスの細切れになったローブを見た気がした。]
……。
[彼女は、何方側の人間なのだろうか。
ゾクリと背中に悪寒が走る。]
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[ 距離が 開いた。 まだ、逃げるチャンスはある。
ぐっと 踏みとどまることの出来た右足に力を入れ、その場から駆け出そうと試みる。 見つかったら、どうして目くらましなんてしているかに 話が及ぶだろう。 …というかそもそも、躓いたなんて恰好悪い事に気づかれたくないという本音もある。
投げかけられた質問には無言の返答を返し、すぐに走り出そうと ── ]
(35) 2015/02/08(Sun) 17時半頃
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[ 呪文が唱えられた瞬間、さすがにここまでかと覚悟を決めて、くるり 男の方へ身を翻す。]
…やあ、また会ったね
[ 出来る事なら、今 この時に会いたくはなかったのだけど。
降ろされた杖をチラリと見、 今のところ攻撃してくる気は無さそうな様子に、多少の安堵を感じた。]
僕、今暇じゃないんだ 折角会えて嬉しいけど、先を急ぎたいな
[ そうはいかないであろう この先の展開を予想しつつ、ダメ元で。 口端を持ち上げ 笑みを形作るのは、まだ余裕があると自身を鼓舞するため。*]
(39) 2015/02/08(Sun) 19時頃
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キミこそ。 口だけじゃなかったんだね。
[ 遠まわしに『強さ』について半信半疑だったことを示し、]
カルヴィン・ホーキンズ
[ 名前を聞かれれば、投げやりに言葉を返す。
ここはトニーの部屋じゃない。 つまり、どれだけ周りに被害が及ぼうとも、知ったことではない。 殺す気は無いが、こいつ相手には力ずくで退かすのが手っ取り早そうだと、強く 杖を握る。
校長室と同様、少女の気配には気づきもせずに。*]
(51) 2015/02/08(Sun) 20時半頃
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[名前に反応し、なにか合点がいったような態度を見せるのは、噂が耳に届いているからだろう。 しかし、声を上げて笑われる意味が分からない。
自然と眉間に寄る皺をそのままに、『首謀者か?』という問いに答えようとすれば、その腕が動くのが見え ]
Protego!!《 護れ!! 》
[ 咄嗟に叫ぶ。
飛んできた武装解除の呪文を、ぎりぎりでなんとか弾き飛ばす。]
キミ、自分の自己紹介はしないわけ? 見た目通り、野蛮な奴。
[ ハッ と煽るように嘲笑を。 相手がそう来るなら、こちらも遠慮などしない。]
Expulso!《 爆破せよ! 》
[ 彼の手元、…その杖に向けて。]
(59) 2015/02/08(Sun) 22時半頃
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[ 僕が『悪』 その言葉に、言いようのない苛立ちと 悲しみが渦巻く。 分かっているんだ そんなこと。
想像していた大きな爆発音や熱風は、思い浮かべた効果を発揮せずに 収束させられた。]
キミが英雄に…? つまり、僕に勝てると そう言ってるんだね?
[甘く見られたものだと、嗤う。]
Drensoripeo!《 弾け! 》
[ 魔法を魔法で打ち消すように。 互いに相殺するように、イメージを込めて。
バチリ、空中で電気のようなものが、弾け 散り。 その衝撃で 僅かに体が後ろに下がる。]
(82) 2015/02/09(Mon) 01時半頃
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[ そして、身体を焦がす 灼熱。]
あ゛、っ……!
[ 読んで字の如く、 身を焼かれる痛みに苦痛の声が漏れる。
だが、視界にはいった相手の様子を見て、自分の痛みを何とかするより先に ヘクターの方に杖を向ければ、]
Descendo!!《 落ちろ!! 》
[ 狙いは彼の足元、その床に向けて。**]
(83) 2015/02/09(Mon) 01時半頃
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[目論見通り、ガラガラと音を立てて崩れ去る床に、飲み込まれるように落ちてゆくヘクターの体。 それを見届ければ、自分も床にへたり込む。]
…っ、う……、ぁ Aguamenti《 水よ 》
[ 鎮火と、冷却を。 制服のズボンと皮膚がくっついていそう… なんて嫌な予想を立てれば、痛みに顔を歪める。
下から聞こえた浮遊の呪文。 …恐らく、奴は死んではいないだろう。]
(95) 2015/02/09(Mon) 09時頃
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い...ったい なぁ......
[ その場に座り込んだまま 呻き、 ギラリとした 野心に満ちた瞳を思い出せば、 クツリ 喉を鳴らして 不格好に嗤った。]
甘く見てたのは 僕の方、か
[ ( 畜生、腹立たしいや… )
ここまでされても、 純粋な『強さ』を求める彼のことを 本心から憎めない そのことが。]
(96) 2015/02/09(Mon) 09時頃
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ー大広間にてー
チェルシ!
[大広間の瓦礫に止まる黒く小さな影を見つける。
僕の呼びかけに、キョロっと首を回す]
…よかった、チェルシ
爆発に巻き込まれずに逃げられたんだね
[怪我はないだろうか?
とはいえ、今の僕は癒す杖も魔力もありゃしない
突然、チェルシはパタパタと飛び立つ
その先には、デメテルがいた]
あぁ!デメテル…
チェルシを探しに来てくれたの?
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[ だらりと伸ばした両脚。 その左の方に杖を向けて、回復の呪文を唱える。
完璧には治せなかったが、なんとか歩ける程にはなった。 教室はすぐそこ、目と鼻の先。 トニーを待たせてるかもしれないし、行ってからちゃんと治せば良いことだ。
壁に手をついて、時折躓きながら 進む。 顔はただ、前だけを向いて。]
(110) 2015/02/09(Mon) 12時半頃
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── 呪文学の教室 ──
── とにー…、?
[扉を開けて中を覗くも、真っ暗で 確かめるようにその名を呼ぶが、返事は無かった。
( まだ、来てないのか… )
端の方へと行って、小さな明かりを点す。
( ……何もなければ 良いんだけど )
膝を抱えるようにして地べたに座り 腕の中に隠すようにして、顔を伏せた。]
はやく、顔がみたいな…
[無事な姿をこの目で確かめなくちゃ、いつまで経っても この不安は消えやしないから… **]
(111) 2015/02/09(Mon) 12時半頃
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[この教室に来てから、どのくらい経っただろうか。 いくらなんでも 遅すぎる。]
トニー……
[( どこに いるの...? )
僕が遅かったから、探しに行ってしまったのだろうか。 …それなら まだ良い。
嫌な想像ばかりが浮かんで、その度に そんなわけがないと打ち消していく。
( 探しに、行ってみようか )
俯けていた顔を 緩慢な動きで持ち上げ、 立ち上がるために 右手をつけば ふらり、教室を後にした。]
(123) 2015/02/09(Mon) 15時頃
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[ ── … いない
厨房も、教室にも、空き部屋にも。
…… ここにも、いない
図書館にも、研究室にも。
……… どうして、
階段に、廊下に、校長室にだって。
どこに、いるんだよ...っ
どこにも、彼の姿が見つからない。]
(131) 2015/02/09(Mon) 17時半頃
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[どくり どくり 喚き立てる心臓を抑えて、駆ける。 それでも… どこにも、トニーは見つからない。
『 ── あのガキ、死んだらしいぜ。 』
角を曲がろうと向かっている時に聞こえた声に、足が止まる。 今の僕は、“ 死 ” という単語に過敏な反応を示し。すぐにこの場を離れるべきなのに、頭では分かっているのに、足は石になったかのように その場から動かない。
耳は、僕の意思とは関係なく、 その音を 拾い ── ]
(132) 2015/02/09(Mon) 17時半頃
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──… うそ 、だ 。
(133) 2015/02/09(Mon) 17時半頃
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[口から洩れ出た声は、掠れて 消える。*]
(134) 2015/02/09(Mon) 17時半頃
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―大広間―
リレイン…?
[オスカーがムパムピスの監督生バッジを拾い上げる。それだけなら、いい。だが、まだあの少女はココにいる…。
まだ息の合った生徒を引き裂いた、彼女はおそらく…。
思考を引き裂いたのは心配していたリレインだった。
彼女の、闇の魔法使いの怪我を治し始めていて。自分もやった行為。そんなところも、どこか似ていて。]
…っ…。
[言葉が出ない。出たとしても、絶対に届きはしない。それが、もどかしくて堪らない。
そして、告げられた彼女の愚行。オスカーに、彼女をどうにかできるのか。信じたい。だが、彼は1年生だ。
習った魔法だって、教えた魔法だって付け焼刃なままかもしれない。]
たのむ…こっちに、来ないでくれ…
[悲痛な嘆きは、きっとオスカーには届かないだろう。*]
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[ふらり、その場を立ち去り 人の気配の無い教室に身を滑り込ませる。
足元が抜け落ちるような感覚と、頭をガンガンと揺らされるような痛みに、くしゃり 髪を掴む。
ぽたり ぽたり 頬を伝い 地面へと落ちていく涙を、 ぼやけて溶ける視界を、ただ 無感動に眺め。 壊れたみたいに、透明な液体を流し続ける。
“ トニーが死んだ ”
信じたくは無いけれど、これが事実で 覆らない事だと、脳は理解している。 なのに 僕は 泣き叫ぶことも、当たり散らすこともせずに、ただただ 喪失感に泣くだけで...
( 僕はどこか、おかしいのかもしれないな )]
(150) 2015/02/09(Mon) 20時頃
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[頭では理解していても、 心が分かりたくないって喚くんだ。 まだ、信じたくないんだって…
目を瞑れば、今も鮮やかに思い浮かべられる。 交わした言葉を 二人で結んだ約束を 繋いだ手のぬくもりを ── 彼の、お日様みたいな笑顔を。
なのに、もう二度と 彼に会うことはできない なんて。]
信じ、たく なんて... ないよ…っ
[ただトニーといられれば… 子供らしく遊んで、笑って、過ごしてたいって たったそれだけの願いすら、もう、叶わない。*]
(151) 2015/02/09(Mon) 20時半頃
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[ 涙は 枯れ果て、底をつくことなど無いように 頬を濡らし続けた。
悲しみ、恨み、自分を責め… 何よりも彼から与えられた庇護の大きさを他から知らされ、嘆いた。愛しさや大切さを再認識しても、今更 遅い。
そして、ひとり 想いを馳せる中で決めた 一つの覚悟。
( ごめん、トニー… )
ポケットの中にしまわれた手紙を、服の上から握る。
( 守れそうにないや… )
なにひとつ、 そう 自嘲の笑みを浮かべ、部屋を後にする。]
(165) 2015/02/10(Tue) 00時半頃
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[トニーは、僕を庇い、守ったことで、どちら側からも狙われることになった。 一歳年上の彼は 友達だったけれど、時に大人ぶってかっこつけたりなんかして… 今になって思えば、兄みたいな存在でもあったのだと思う。 『守る』なんて大口を叩いておいて、結局、彼を危険な立場に追い込んだだけだった。
こんな僕を見たら 怒るだろうことが簡単に想像できてしまう 。 彼は、きっと最期の瞬間まで、僕に関わったことを後悔したりはしなかっただろう。 …そんな彼に報いるのなら、生き延びることを第一に考えるべきなのだろう。 そうできない自分に募る 罪悪感。
彼は、まだそこに居るだろうか。 無音の足音と周囲に溶け込む身体は、盗み聞きの際に知った天文台へと ──… ]
(184) 2015/02/10(Tue) 07時頃
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── 天文台 ──
[床に倒れる彼を見つけ、一瞬、目を見開く。 最後にちゃんと、彼に会わなければと思う一心で来たが、実際に目にすれば 心が抉られるかのようで。
他にだれも居ないことを確認すれば、部屋に人除けの魔法を掛けて、目くらましの術は解く。
ゆっくりと、一歩、また一歩 彼の元へと近づき、側に蹲む。 大きな目は開いているが、生気はすでに失われていて、僕を見ては くれない。]
……最後まで、キミは 屈しなかったんだね。
[死という恐怖にすら。]
(190) 2015/02/10(Tue) 08時頃
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[そっと右手を彼の目元に伸ばし、その目蓋を下ろす。 同時に、額の傷へと指先を滑らせて ]
僕ね、考えたんだ。 キミが居なくなったと知ってからの時間 凄く凄く短い時間だったけど、 一生懸命 考えたんだ。
[キミのこと、僕自身のこと、 ……キミを殺した人のこと。]
仇討ちなんて、君は望んでいないかもしれない。 …けどね、やっぱり憎いって思ったんだ。
[もう、“彼自身”には聞こえないのを分かっていて、話しかける。] そんなことは僕の勝手で やるせない感情の捌け口を求めての行為だってことも分かってる。
(191) 2015/02/10(Tue) 08時頃
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でも、想像してみて 気づいてしまった。 ……僕は、テオドール様を殺せない。
[それは、揺るぎようのない ひとつの事実。]
力の差もあるけど、そうじゃなくて。 万が一とどめを刺せる状況でも、 命を奪うことまでは 出来ないんだ…。
[忠誠を誓ったきっかけこそ、自分の意思ではなかったけれど。テオドール様からはたくさんのものをもらった。]
どんなに憎くても、恨んでても、 ──…それでも、きっと 殺せないんだ... [ごめんね、 こんなに自分が弱くて、情けない奴だったなんて 知らなかった。 ごめんね、 こんな奴の為に その命まで賭けてくれたのに。
いくら謝っても、足りないくらい。]
(192) 2015/02/10(Tue) 08時頃
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キミの願い通り、この先生き延びても もう僕は 二度と…キミに会えない。
生きていれば もしかしたらまた 大切に思える相手ができたり、 心から笑い合える人と 巡り会えるのかもしれない
けど…、
[ 声が、辺りに溶け込んでいくかのように 広がる。]
…そんなの、嫌だ。
( 僕だけ、ひとり この世界で なんて。)
[杖を抜き、 その先端は 自分の心臓へと… ]
(193) 2015/02/10(Tue) 08時頃
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[唇は この世に残す最後の言葉を形作り、 ふわりとした笑みと共に、トニーへ向け…
そして、小さく息を吸い 生涯一度も 他人へは使わなかった呪文を ── ]
(194) 2015/02/10(Tue) 08時半頃
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[最期に視界を覆うは、 禍々しいほどの鮮やかな緑色── * ]
(195) 2015/02/10(Tue) 08時半頃
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