151 宇宙船は旅浪者の夢を見るか?
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─ 食堂 ─
うう、腹減った。 さーっき稼いだポイントと残りを足してぇ…
[フィリップは、腹を押さえながら廊下を歩いていた。 ひたすらに計算しているのは、あと2日で入るはずのバイト代だ。 父から必要な学費と最低限の生活費は貰っている。 そう、最低限の。
けれどこちとら、食べ盛りだ。 こんなもんで食費が足りるかと思う。 足りない分は自分の才覚で稼げ、それが商売人の基本である。 そんな言葉で、その”不足分”はフィリップ自身で稼ぐよう、常に父には申し渡されていた。 かくして、こうやって腹の虫と小遣いとの計算をする羽目になるのだ]
(28) 2015/03/01(Sun) 04時頃
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[人の気を察したのか、肩にとめた鳥がばささと翼を広げた。 慣れた調子で、カラフルな羽根を撫でてやる]
なに、お前も腹が減ったの?
[残念ながら肩の鳥は、答えない]
(29) 2015/03/01(Sun) 04時頃
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[この鳥とフィリップの出会いは、もう数年前に遡る。 元々フィリップが連れてきた鳥ではない。 入学後暫くして、この「ヘスヒデニス」で出会った迷子鳥だ。
最初はうっかり、同室のサイノのトリかと思ったのだ。 もっとも似ているのは見た目ばかりだから、違うということはすぐに判明した。 けれど鳥の出所はすぐには分からなくて、フィリップは暫くこの鳥の世話をする羽目になった。
鳥が、何故か飛べなかったのも一因だ。 羽根を切られて飛べない鳥は、暫く私室に保護されていた。 他者の目に触れる機会は少なくて、だから事態はより長引いた]
(30) 2015/03/01(Sun) 04時頃
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[この鳥が生命工学科の実験体であったと判明したのは、それから暫くしてからのことだ。 もう、充分に情の移ったあとだった。 幾つかの遣り取りと手続きの後、鳥は正式にフィリップのペットとなった。
この鳥の名前は鳥である。トリの真似ではない。 単に名前が分からないまま鳥と呼び続けていた結果、それが名前のようになってしまっただけだ。 一応、鳥とトリは呼び分けているつもりである…そこは宇宙言語学科らしく、微妙で繊細な発音の差で]
(31) 2015/03/01(Sun) 04時頃
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よぉし、カレーだ。カレーならいける。 ビーフ…いや、チーズでいいかな。 鳥、お前にもライスをちょっと分けてやるからさ。
………よしっ。
[これなら明日も、ささやかな食卓は守られる。 小さく拳を握り締め、フィリップは食堂へと踏み入った。 堂々とカレー(チーズトッピング)を注文する。 しっかりと自分で稼いだポイント払いだ]
(32) 2015/03/01(Sun) 04時頃
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んお…。
[食堂は今日も賑わっているようだった。 そこここに学生たちでテーブルは賑わっている。 場所を探すようにあちこち見渡していた視線が、一点に止まった。 視線の先に、トレイルの使うスプーンがある]
あれもしかして…?
[運良く空いてた近くに陣取ってみる。 きらきらと面白そうに目を輝かせると、肩の鳥が何を思ったのだかクエエと*鳴いた*]
(33) 2015/03/01(Sun) 04時頃
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─ 食堂 ─
[鳥がクエエと鳴くのに、ひどく派手な反応>>36があった。 こちとら鳥の鳴き声には慣れっこだから、その反応に思わず目が丸くなる。例のスプーンの持ち主だ]
Oh…、これは失礼。 いやすっかり君のスプーンが気になって。 ああ、この鳥かい?
佐井野? あぁ、君は彼のフレンドか。 いや、この鳥は鳥であってトリではなくだね……
[相手の疑問に早速答えた。 が、果たして繊細にして微妙なニュアンスは伝わったやら]
(88) 2015/03/01(Sun) 22時頃
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…ということで、こいつは鳥さ。トリじゃぁない。 だから人語を解することはなくてね。 まぁ、猫だって喋るんだからいずれ鳥の言語も解明される可能性はなくはないと僕は思うんだけど。
[猫ではないと言い張る同じ宇宙言語学科の猫を引き合いに出して説明をする。 いや、確かにアーサーは猫ではないのだろう。少なくともただの猫では。 とりあえず彼が猫らしく鳥を襲うことはない]
ところで君のそのスプーン、面白いよね? もうちょっと詳しく見せて貰っても構わないかな。 …ひょっとしたら君が製作者フォスターかな…?
(89) 2015/03/01(Sun) 22時頃
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Excellent! 素晴らしい発明品じゃないか! 一度君に会って話を聞いてみたかったんだ。 あの転ばない靴の話は傑作で、…ああ!これは失礼!
僕はフィリップ・ローガン、宇宙言語学科3年。 ついでにこっちは相棒の鳥。 そうそう。サイノは僕のルームメイトさ。 ところで少しお邪魔しても構わないかな? 僕は今、腹ペコなんだよ。
[自己紹介から一気に諸々の説明と紹介までくっつけて、トレイルと彼の周辺へと向けて首を傾け挨拶をした*]
(90) 2015/03/01(Sun) 22時頃
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─ 食堂・少し前 ─
[反対しない。そう言ってくれた彼>>94にはどうもと笑みを返し。 にこやかな目を細めて、軽く頷く]
ほんとうに面白い発明だよね。
[同意を求める口調で促すのはトレイルの発明へと向け]
(141) 2015/03/02(Mon) 15時半頃
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アーサーは猫であって猫ではないから、あまりねこねこ言うと機嫌を損ねるかもしれないけど、まあ、仲良くしたいなら煮干辺りを持参することをお勧めするね!!
[猫扱いだ]
Han,サイノのフレンド? ということは、ここのみんなも?
[ぐるりと見渡して、トレイルの説明>>99に聞き入った。 時折ふんふんと頷きながら熱心に聞き入る。 カレーを口に運ぶのと大体同じくらいの熱心さで]
(142) 2015/03/02(Mon) 15時半頃
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ああ。じゃあ、あれも原価が… いやでもあの靴ときたら、周囲への損害の方が甚大だったものなあ!
それに引き換え、随分と日常的な道具じゃないか。 ん…、ん。 スプーンの是非は兎も角として、その技術別のものに応用すれば随分と良さそうだけどね。たとえば宇宙船のメンテナンス道具だとか。 結構、あれだってスプーンみたいなものだろう。
[そして元より高く、大きく、重い。 小型船ならば中々重要な事項だと、口の端に添え]
(143) 2015/03/02(Mon) 15時半頃
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計器自体を安くつくること。 ついでに、ちょっと高くても需要のあるものがいいかもね。 よし、ごちそうさん!!
[喋りながらカレーを平らげて、ぱん!と両手を合わせた。 何やら異国の風習らしいが、気に入っている習慣だ]
フォスター、また何か思いついたら教えてくれよ。 僕は君のファンだったんだ。
……殴り時計は勘弁だけど。
[くっくと笑う。 更になんで知っているのかという顔をされれば、あっさりとバイトの話もするのだろうが]
(144) 2015/03/02(Mon) 15時半頃
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お邪魔したね。感謝するよ。 一人っきりのご飯は味気なくていけないからな。
[実際には一人だろうが、元気にモリモリ食べるのだけども]
……おっと、僕もなんだ…Humm? 行かなければならないようだ。じゃあ、また。
[端末のランプが何やら点滅している。 それに視線を落として挨拶をし席を立つと、肩の鳥が不満げにクエッと鳴いた。 しまったという顔で、残りの飯を摘ませる。 適当にそんなことをして、食堂をあとにした]
(145) 2015/03/02(Mon) 15時半頃
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[フィリップのバイト先は工学部だ。 自らの所属する宇宙言語学科ではないというのは、まあ、教員と学生お互いにとっての節度というものだろう。
廊下を歩きながら端末をいじる。 その内容にはてと首をかしげながら、足は自らの学部へと向けられて*いた*]
(146) 2015/03/02(Mon) 15時半頃
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