266 冷たい校舎村7
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ふぅん。 あ、宇井野くんなら来てるよ。病院に。
[奢り返すかどうかは人それぞれだ。>>5:+75 宇井野が奢り返されるかどうかを望んでいるか、 そこまではイロハには分からないから、 宮古に伝えたのはそれだけだ。
ふたつの缶の温かさを手に抱きながら、 イロハは賭けるならばどちらか――にほど近い話をする]
(0) Akatsuki-sm 2019/06/18(Tue) 00時頃
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だい、じょうぶ? ……だと、いいけど。 ……うん、だいじょうぶ、になるといいよね……、
[そうして、希望的観測を少し、だけ口にした。 あいにくと「あたしもそう思う」って無邪気に言えるほど、 イロハは養のことを知っているわけではなかった。 今だって、あしたがこなくてもいいと思えるくらいに、 彼が何に、苦しんでいたのかだって、知りようがない。
せいぜい、苦しい時には苦しいと言えるといい、と、 思いを馳せるくらいだ。 それがきっとふつうで、……そして素晴らしいやり方だろう]
(1) Akatsuki-sm 2019/06/18(Tue) 00時頃
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[どうやらイロハはこの自販機最後のホットココアをゲットしてしまったようだ。>>5:+79 いいことある、と言われてやっぱり苦笑する。>>5:+80
ならばそうだね。 買った缶がさめないうちにみんな返ってくるかな、なんて、 思ってもいいのかもしれない。
別の品を買った大きな音を耳にしながら、 とりあえず待合室に戻ろうかと、 ちいさな足音を立てるのだった**]
(2) Akatsuki-sm 2019/06/18(Tue) 00時頃
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[祈ったところできょうよりいいあしたはこない。 そんなことはわかっていた。 ならば、ホントにいいことがあるのなら、 自分だけの幸せは願わない。 笑顔をなくしそうな誰かがまた笑ってくれれば、それでいい]
(93) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 00時頃
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―― →病院・待合室 ――
[あ、って、小さく声をあげて、>>47 イロハは立ち止まった。そのまま歩いていたらちょうど通りがかった人とぶつかるところだったかも。 衝突を回避した相手はこれまたクラスメイトだ。 冬の日に普通に溶け込む姿をしていたから、 校舎に入る前のように彼を笑ったりはしない]
……蛭野くん。 ええと……、
[イロハは知っている。 ふてぶてしくも笑っていることのよくある蛭野だが、 今みたいに、さもわかりやすく困ったことがある時のような顔をして、イロハを呼ぶ時がある。 なんでだろう、って考えたことはあんまりなかった気がする。 だいたいそういう時、イロハには蛭野に見えてない何かが見えていたから。 だけど、今はイロハに見えてるものは限りなく少ない。]
(94) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 00時頃
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あたしが飲み物買いに行く前は、 まだ、……そういう話はなかった……、
ま、まあ行けばわかるよ。きっと。 何か、変わってるかも。
[首を横に振って頼りなさげに笑う。 それがいい変化とは限らないが、そうは思いたくないイロハがいる。 ……が、程なくしてちょっとだけいつもの調子を取り戻して]
道中さぞ寒かったでしょ。鼻とかほっぺとか真っ赤だよー。 というワケでこれ。……あたしの奢りね。
[はい、これ、と、 何でもないような顔で、 着っぱなしのコートのポケットからココアの缶を取り出して渡した]
(95) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 00時頃
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……ところであたしが向こうからいなくなった後、 なんだろ、……色々あった?
[それから、待合室までのそう長くはない距離を埋めて歩いてる間に、 状況を訊ねようとする。 訊きたいことは色々あったから、こんな形の問いに集約されて*]
(96) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 00時頃
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[そりゃまあぶつからなかったんだしほっとするよね、なんて、 いささか事実とはずれたことをイロハは考えていた。>97
それからあとは、視点の違いについて考えている気分でもなかったので、 先に己のしたいことをした。 つまりはココアの缶を渡したのだ]
どういたしまして。 ……うん。朝起きたら雪が降ってたところから、ぜんぶ。
[だから「借りを返す」と言ったことも覚えていた。>>98 これを不服とするならいずれまた奢り返せばいいだけ――とは、言わなかった。 イロハとしてはすでに借りを返した気分になっていたので]
(109) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 02時半頃
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[缶を握りしめたまま、 蛭野は見慣れた微笑みをその顔に取り戻す。 そうして――]
帰る!? ほ、ホント!?
[期待を込めて訊き返したので、>>99 びっくりさせてしまったかもしれない。 だけどなんとかすぐに落ち着いた]
(110) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 02時半頃
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……あぁ、やっぱりマネキンになってたんだ、あたし。
で、他のみんな、宇井野くんや柊くんにルリちゃんとかもマネキンになって、 でも、……蛭野くんはマネキンにならないで帰れた?
[わからない、と言うことはそういうことなんだろう。 なるほど、マネキンにならないで帰ることはできたんだ。 ひょっとして養の意思がはたらいたせい、だろうか]
他のみんながどうなったかはわからない、けど……。 あたしは自分の意思で階段から落ちた。
だから、……えぇと、そう。 養くんのせい、とかじゃないよ。
(111) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 02時半頃
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[いやいいのか。こんな言い方で。 いつものノリであけすけな言い方はしてしまったが、 自分の意思で飛び降りた、なんて言われたらふつうはびっくりものだ。 でも養に殺されたというあらぬ疑惑を抱かせるのはもっと駄目だ。
……黙って、コートのポケットの中の温かい缶を握りしめて、歩く。 待合室に着いたなら、そこに集まっていた面々に手を振った]
(112) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 02時半頃
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[あるいは、もう帰ろうとしている姿も見ることはあったか。>>45 いっとき首を傾げたが、その場にいた大人――つまりクラス担任は、 気にした様子を見せてなかったし、 改めて担任の口から養が目を覚ましたと聞けばなんとなく納得もした。 いくら目を覚ましたって、こんな時間だし、色々あった直後だし、 というか普通に考えて面会謝絶?
とまあイロハが小難しいことを考えている間に、 蛭野は、確かに進んでいた。待合室のさらに奥へ。>>101]
蛭野くん……!?
[なにごと、という表情のまま、 小さくなって行く背を見送る。イロハにできたのはそれだけだった**]
(120) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 03時頃
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―― 待合室へ ――
[蛭野が語った、イロハのマネキンの状況は、>>127 覚えている限りの、イロハが飛び降りる前の状況と一致した。 やっぱりわかりやすいなあ、と思いはしたんだけど、 なんだか変な気分でもあった。 ちゃんと死ねたという事実を誰かの口から聞かされるのは。
――そういえば天井を向いてたよね、さいご。
微笑みながら消えていった「目」を思い出す]
わ、ヨーコちゃんも……だったんだ、 それで、えぇと、……重くなかった?
[心配するところが七月とは微妙にずれている、きっと]
(245) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 23時頃
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……。
[あの、時が凍ったみたいな校舎の廊下とは、>>128 違う意味で寒々しい病院の廊下で、 イロハはざっくりと話を聞いた。自分がいなくなった後のこと。
世界の仕組みはやっぱりすべてはわからないし、 蛭野が、あの場所に何か置いていけたのかどうかもわからない。 置いていくのといかないのと、どちらがよりいいのかも。
まあ、終わりよければすべてよし、でいいんじゃないかな。こういうの。 みんなで帰ってきた。 現実のイロハは足も折れていないし、ただ運ばれるだけのマネキンでもない。 ひそかに隠したたんこぶはたんこぶのままだけど]
(246) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 23時頃
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[缶が開けられる音が小さく響く。>>129 イロハは追従しない。ただ缶をぎゅっと握りしめていた。
それから、……そう、訊かれたのだ。 帰りたかったのか、と。 どうして自分で死ぬことにしたのか、と。>>130
蛭野をまじまじと見たイロハの顔は自他ともに認めるであろう驚いた時のもの。 待合室までもうちょっとなのになあ。 それからぱっと視線を逸らして、ぼそりと呟いていた]
(247) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 23時頃
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……帰りたかったわけじゃない。 だって、あたし、戻りたかった、ずっと。 あの文化祭の頃に。
あの時は見たくなんかないものも、 聞きたくなんかないものもなかった。 あの場所でずっと、ずーーーっと、 目も耳も塞がないでいれてたらどれほどよかったか……。
(248) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 23時頃
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[困ったね? なんか。 文化祭の準備中に、 「戻せるの?」なんて訊いたのだってあたしだったのに]
(249) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 23時頃
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でも、 なんか、気付いちゃったから……、 ここに閉じこもってたままだと何も、 ……叶わない、って。
[憧れに近付くことも。 呪いを捨てることも。……とまでは言わなかった。
いつから気付いてたんだろう。 ひょっとしたら帰る前の夜にはもう? ただ、イロハがはっきりとそれを自覚したのは、やっぱり、 「目」と対話した時なんだろう。
堰を切ったように喋った反動でイロハはミルクティーの缶をポケットから取り出し、 色合い同様にすっきりと甘い液体を喉に流し込む。 ……ごめんね? 今だけは見逃してほしい]
(250) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 23時頃
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[結局、どんなに呪いがはびこっていたって、 世界を呪いたくなったって、 イロハたちが居るのはこの世界だ。だから、]
蛭野くん、だって、思ってるんでしょ。 養くんが、この世界に帰ってきてくれて嬉しいって。
[だからさっき二人で笑いあったんじゃあないか。 帰るって報せに。そうだよね。>>126
遺憾ながら彼が頷いてくれなかったとしたら自分の立つ瀬がないみたいになるなぁ、って、 ちっぽけで自分勝手なイロハは考えていた*]
(251) Akatsuki-sm 2019/06/19(Wed) 23時頃
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――刻まれたものは決して消えない。 覆い隠してなかったことにしようとしたって、 何かのはずみで出てきちゃったり。
そんなことは分かっていたんだけどねぇ。
(326) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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―― 帰還の夜/待合室へ ――
高本くんひとりだと大変かぁ。 ホントに人間みたいなマネキンだったのかもね。 宇井野くんならひとりでも背負えたかもだけど。
[その宇井野は、おそらく、>>267 相原の次くらいに帰ってしまったのだから、 残った面々はいろいろ大変だったろう。まあ今は大変さを想像するだけだ。
重くなかったですか。うん、よかった。 まぁ、マネキンの重さ=イロハの重さとは限らないけれど]
(327) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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[そっぽを向いて話していたし、 終わったら終わったでミルクティーを飲み始めたものだから、 その間じゅうずっと蛭野の顔は見ていない。>>268>>271 わからなかった。蛭野の顔がどうなってるか、じゃなくて、 イロハがどういう顔していいのか。
君にとってのコレは未知ですか。 さながら遠くの星の誰かさんが垂れ流している戯言のようなものですか。 戯言と取られてもよかった。 だってあたし達はあまりに違くて遠いのだと、 思い慣れた言葉さえただの言い訳になりえた]
(328) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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……うん。
[ただ、彼が話を投げ出すことはしなかったから、>>272 今度はイロハが聞き手に回る番になった。
かなしい、の4文字をこころの中で繰り返す。 いまだイロハの中じゃ、養が死んじゃうことについては、 悲しみより憤りが多いけど、黙ってうなずいた]
……うん。
[悲しい。だから、帰ってきてくれて嬉しい。>>273 この言葉にも素直にうなずいた]
うん、……え?
[もう一度頷きかけて目をみはる。 「本当にそれでよかったのか」で終わってしまっても、 イロハには答えられない、どうにもならない。 しばらく思考すら――「話がズレてない?」って指摘することも止めてたんだけど]
(329) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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…… えぇと、
[ふわり、と、手を差し伸べられたような気持ちだ。>>274 差し出された言葉は確かにそういう意味合いだ。
しばらくいきなりのことに戸惑ったような眼差しを―― ようやく、蛭野へと向けたのだけど、 猫といっしょに駆けこんできた時の話を引き合いに出されればやがて小さく笑った。 わかりやすい。それはそうだよね>>275]
(330) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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[あしたを迎えた頃にいなくなった猫は、>>276 ふたりで探しても結局見つからなかった。 おとこのこ、だからかな。 蛭野は近くの公園のことにイロハよりずっと詳しくて。 猫がいそうなスポットを彼の引率で色々見たんだけど、だめだった]
あの猫にもきっとかえるところがあったんだよ。 …………たぶん。
[そうやって自分で自分をなぐさめて、それから、 「ありがとう、きょうすけくん」ってお礼を言った]
(331) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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あの時は確かにあたしが君を巻き込んだよ。 でも、今は――――
(332) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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…… あれ、なんで、 そのままほっとかないの、 わかりにくいのは、うん、ごめん。 でも放っておいたっていいじゃんよくある感じで。 あたし別に何も、助けてなんて言ってない……。
[いつもみたいな笑みで大真面目に、 それとなく頼もしげなことを言うものだから、>>278 何故だか余計戸惑ってしまう。 なんでそんな話の流れになるの、ということを考えようとしたけれど、 戸惑いすぎてエラーを吐き出した。 話の前置きから順序良くたどればわかりやすかったろうに]
(333) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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…………。
[足音がひとり分減る。 待合室まであと少し、というところで、俯いたまま立ち止まって。 束の間、考えた。結局のところ嫌なのか嫌じゃないのか]
( 嫌ってわけじゃない )
[何故かって? 根掘り葉掘り聞くことなく、ただ、力になる、と言ってくれた。 それだけだ。それだけでじゅうぶんだった]
(334) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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……もし、これから猫の時みたいに、 あたしが駆けこんでくるようなことがあったら、
何も訊かないで、 あの時みたいに逃げ場を寄越してくれる?
(335) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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[今思いつくのはそれだけで、 それだけ伝えれば黙ってまた歩き出す。 猫の時>>276は物置の隙間に潜んでいたけど今のイロハには大きいだとか、 そもそもちゃんと話し合いできるのかとか、 考えるのは後回しだ。何せちゃんと養の無事も確認してない]
ちゃんと、決めたんだから、 あたしにしかやれないことはちゃんとやる、から。
だから、
(336) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 03時半頃
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[それから、待合室に辿り着いて、 目を覚ましたばっかりの養の病室に駆ける蛭野を見送った、後。
ひとまず今日のところは引き返すことにしたイロハは、 駐輪場への路をゆっくり歩きながらスマートフォンの電源を入れた。 母からのメッセージにちゃんと返信して、 家にいなかった理由も説明して、 (やっぱりちょっと過剰に心配されてしまったが) これから帰る、とさいごに締めくくった]
(337) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 04時頃
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[帰らないことはとりあえずやめた。 だからきょうはもはやただ過ぎ去るだけだ。 母も今頃ベッドに潜っている頃だろう。 ならばイロハも帰ってそうする準備を整えるだけ。
あしたからは――― なんて思っていると、 通りがかりにゴミ箱を見つけたものだから、 空にしたミルクティーの缶を、思い出したように放り投げた。 それは綺麗にゴミ箱の中に吸い込まれた**]
(338) Akatsuki-sm 2019/06/20(Thu) 04時頃
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―― 後日談/灰谷彩華のある日 ――
[非日常は終わった。 非日常が終わった後の日常は、少しだけ騒がしいものとなった。
なんでこんなことになったんだろう、って思いながら、 3年7組教室の中、不自然に欠けたふたつの席のうちふたつを見つめていたり。
3年の女子バレー部だった子ら(派手めの方が)これ見よがしに噂とかしてたものだから、 思わず「いいかげんにしなさいよ」ってじりじり詰め寄ったり。
正門側から帰ったら面倒なことになるかもなぁ、と思った日には、 わざわざ裏口側から帰路に着いたり、していた]
(604) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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[ただでさえ家では、 改めて「家を出て遠くの大学へ行く」って言ってからというもの、 微妙に雲行きが怪しいままだというのに。
見捨てられる、って思ってるのかなぁ、やっぱり。 と、時折見せる表情を横目で見ながら思う。
見捨てるうんぬんはさておき、 イロハにとってのあこがれを手にするにはやっぱりあっちの方がよくって、 それを筋道立てて伝えられればいいんだけれど、 どうかかけた鎖を手繰り寄せないでほしいという気持ちが、 余計なことばを生みそうになる。 結果なんにも言えなくなる]
(605) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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[そんな折、イロハのもとに思いがけぬ来訪者があった。
その人は放課後に高校の裏口側でイロハを待っていた。 「表で待ってたら記者か何かと間違えられた」と言ってのけるその人に、 イロハは心当たりがなかった。 自分までヘンな噂の火種になるのはどうかと思ったし、 最初は警戒したのだが。母の名前を出されればさすがに話を聞く気にはなった。
その人は母の仕事の同僚で、 なおかつ高校の同級生だった、と身分を明かし、 ココもなんだし、と場所替えを提案した。 ちょっと離れたところに彼の車が停めてあった。それに乗って移動した]
(606) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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[おしゃれな喫茶店で、あんまり明るくない話をした。 お言葉に甘えて奢ってもらうことにした紅茶が、 湯気を立てるのを眺めながら]
それで、……お母さんの様子がおかしいワケを、 あたしに訊こうって来たんですか。わざわざ。
[紅茶のカップに口をつけながら考える。 いくら相手が母のことを少なからず知っている人であろうと、 ひみつを洗いざらい話すわけにはいかない。 進路で揉めてる、くらいなら言っていいかなぁ?]
「それにしても、君は本当に似ているな。その……」
“ママ”にですか。 やっぱそうなんですねー……。
(608) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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[さすがにその辺はわかっていたか。 母じゃない、第三者の視点からでもそうなのか。 だとしたら。 結局逃げられなかったのかなぁ、ということを思いつつ]
好きだったんですか? ママのこと。
[軽い気持ちで聞いた問いには思いもかけぬ問いが返ってきた。 彼が好きだったのは紛れもなく、イロハの母の方だったこと。 だが、高校最後の文化祭の後、 彼女がイロハのママと、恋人じみて寄り添う姿を目にして、 現状をおぼろげながら悟り、結局身を引いたこと。
大学を卒業した後、職種は違えど同じ職場で再会できて、 それから長いこと、遠くから見守っていたこと]
(609) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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[さすがにその辺はわかっていたか。 母じゃない、第三者の視点からでもそうなのか。 だとしたら。 結局逃げられなかったのかなぁ、ということを思いつつ]
好きだったんですか? “ママ”のこと。
[軽い気持ちで聞いた問いには思いもかけぬ問いが返ってきた。 彼が好きだったのは紛れもなく、イロハの母の方だったこと。 だが、高校最後の文化祭の後、 彼女がイロハのママと、恋人じみて寄り添う姿を目にして、 現状をおぼろげながら悟り、結局身を引いたこと。
大学を卒業した後、職種は違えど同じ職場で再会できて、 それから長いこと、遠くから見守っていたこと]
(610) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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――なぁんだ。 お母さん、別に、あたしがいなくなったって、 世界にひとりっきりってわけじゃないじゃん。
(611) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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[二人の女のひとの、ひみつの関係。 それを知っているなら話は早かろう。 それでもイロハは結局、すべてを伝えることはしなかった。
進路で揉めている。 母はどうもイロハに近くにいてほしいようだがイロハはそうじゃない。 できるなら貴方からも、好きにさせたほうがイロハのためになると、 それとなく伝えてほしい。 それから、 できることなら母のことをまもってほしい。
そういうことを途切れ途切れに伝えた]
(612) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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その、 貴方のことを逃げ場にはしない、とまで考えている、と言いますか。 ……あ、あたしにも友達がいるからだいじょうぶ、って言いますか。
[あの冷たい校舎から帰ってきた後のやり取りを思い出して、 小さく笑ってイロハは応えた]
(613) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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だから、そう、 貴方にお母さんの友達になってほしい。 かわいそうだから、という中途半端な理由じゃなくて、 あなたに悲しいことがあれば悲しいからと、>>353 そう言いきれて。
遠くじゃなくて少し遠くの場所から、>>-600 お母さんにもよりよいあしたが来るように、 願ってくれる、そんなひとに。
(614) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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[なんてことは直接伝えてはいない。 あくまでただの願いだ。ちっぽけなイロハからの。
ただ、伝えた分の願いはしっかり受け付けてくれたから、 イロハは心からほっとした顔を見せた。
やがて紅茶だけでなくケーキも奢ってもらって。 別れる間際、ふと訊いてみた。 高校最後の文化祭の演劇で、何の役をやっていたのかと。 そうしたら、「魔法つかいの役だよ」と返ってきて、 なんだか色んなことが腑に落ちてしまった。気がした。
魔法つかいなら、この、 今にもしがみついてきそうな呪いまで解いてくれるのでしょうか。
――なんてね?*]
(615) Akatsuki-sm 2019/06/21(Fri) 23時半頃
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―― 後日談/イロハ、お見舞いに行く ――
[その日は雪が降っていた。
記録的な大雪ってほどじゃなかったが、 風にもあんまり流されない、 重たそうな雪を払いのけながら歩くのはめんどくさいので、 イロハは傘をさして登校した。 あの校舎に行くときにも使った、母が買ってきてくれた傘だ]
(626) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 00時半頃
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[授業が終わり、放課後。 最近のルーチンワークのように居残って勉強しないで、 かといってまっすぐ家にも帰らず、歩いて病院を目指す。 相変わらず雪は重苦しく降っていたから、 傘はどうしたって開いたままになる。
途中で寄った喫茶店は、 いつか母のお知り合いの方と行ったところとは違う。 イートインスペースは小さめで、この天気か人はいない]
( ヨーコちゃん用にはケーキで……うーん、 )
[養のお腹のなかをなんとなーく心配した結果、 ケーキではなくサンドイッチになった。 うっすらとした焦げ目が食欲をそそる、 ハムとチーズとポテトサラダにレタスが挟まったホットサンドだ]
(627) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 00時半頃
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[かくして、病室である]
やっほー養くん? 元気? あ、これお見舞いの品ね!
[両手に持っていたボックスの片方を掲げてから、 適当に手渡すか、空いているサイドテーブルのどこかにでも置く。
よくよく見渡せば、 寄せ書きだとか、千羽鶴だとか、>>133 学校に保管してあったはずのゆるキャラじみた猫のぬいぐるみが、 真っ赤なハートを抱えたやつだとか、>>183>>184 先に来た者達の置いた品で、病室は別に白一色ってほどでもなかった]
(628) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 00時半頃
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「 早く元気になってね 彩華より 」
[寄せ書きが回ってきた時、 そんなありきたりな文面を書いて、丸で囲んで、 丸にフリルじみた飾りをつけた。
いろいろ考えたんだけど、結局無難なことを書いてしまった。おさまりも悪くないし。 それにまあ、言いたいことは直接伝えるに限る。 だからイロハはお見舞いにきたのだ。
窓の外、ちらちらと大粒の雪が舞う景色に目を向けた後、 イロハは口を開いた]
(629) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 00時半頃
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あのさ、ちょっとだけいいかな……、
養くんの、世界の、校舎に入る前、 お母さんのこと、……センスのいいお母さんだって、 言ってくれたの、嬉しかった。ありがとう。
……それだけ。
(630) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 00時半頃
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[本当にお母さん? 事実も、ひみつも自ら語らない。 だけど、いくらイロハが望んだ愛の形とは違ってたって、 あの傘は、間違いなく、 曇天の空の下でも華やかにいられるよう贈ってくれた、 イロハのためだけの彩だ。
そのことはちゃんと、 受け入れてあげられるかなって思えたから、 今はこうして、素直な気持ちで、 お礼を言うことができていた**]
(631) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 01時頃
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―― お見舞いの風景・養との場合>>642 ――
元気元気ぃー。 雪のせいでつまさきちょっと冷たいけどね! いえいえどういたしましてですよー。 早く退院して肉系も問題なく食べれるといいねぇ。
[傘を傘立てに置いて、自動ドアをくぐれば、 空調の効いた病院はイロハにとってある種の楽園めいて感じられもした。 病室ごもりにとってはちょっと寒かろうと、>>641 そいつは知ったこっちゃないという話だ。
立ち寄った喫茶店にはカツサンドなるものもあった。 カツの衣を彩るソースがパンにも浸みこんでいて美味しそうだった。(あとカロリー高そう) そっちはまだ早いかな、と思ったので、 今はこのヘルシーそうなホットサンドをゆっくり味わってほしいものだ]
(708) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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[あとは……そう、 言いたいことを訊いてほしいという思いもありまして。 イロハとしては好き勝手言ったに過ぎなかったから、 ありがとな、という言葉がなんだかこそばゆく感じられもした>>643]
………、うん。 ていうかこっから見えたりすんの?
[なんて言いつつ、>>644 イロハは窓辺に近寄りもせず、定位置を守ったままだった。 そのまま養が笑うのを見ていた。>>645 あの時勝手に抱いた羨望が、 そっくりそのまま返ってきてるのを感じてもいた]
(709) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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[そんな風に感じるのは、 目の前の彼の家庭の事情というやつを、風の噂という形で知ってしまったせいなんだろう。 彼の家という狭い世界に家族はふたりきりだった。 そうして、今はひとり。……らしい。
ただ、彼のかつての世界には、 イロハとは違ってふたり親がいたんだとか。
まあ、親の数というものは、 イロハにとっては少しばかりどうでもいいものだ。 だってちゃんとお母さんは―――と、物思いにふけりすぎるのもいけない]
(710) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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うん。……ありがとうね。
養くんも、その、 ……思い出は大事にした方がいいよー。 家族に限らず。ほら、友達だっているでしょ?
[家族という枠でくくられた小さな世界。 壊れてしまっても、思い出だけは残るよね。>>645 それは捨てなくてもいいんじゃないかな。どうなんだろうね。
でも、イロハはというと、 過去を捨てきれないくせに、今のお母さんを捨ててもいいという薄情者で。 だから、家族との思い出以外にも、 大事にするものがあってもいい、と思うのだ*]
(711) Akatsuki-sm 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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―― お見舞いの光景/養と ――
[男子高校生のバイタリティは、高い。>>732 イロハはつくづくそう感じていた。
それに、なんかねぇ。 こうして普通にどうってことない話をしていると、 教室での日常が戻ってきたような気がしなくもない。 とはいえここは白一色じゃない病室だ。
養の見ていた窓からの景色。>>733 追体験はしてみなかったけれど、 外から手でも振ってみればよかったかなぁ、とは思った。後の祭りである]
(824) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 02時頃
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[壊れていないものがあるとすれば、>>734 それは間違いなく、ふたりでいられるということだ。 ハナから純粋な血のつながりのある親子じゃない、 歳の離れた友達に見えなくもない、 恋人どうしのまねごとからは卒業したい。
そんなふたり、でも羨望の対象となるというのなら、 イロハからしてみれば実のところ、ほんのちょっぴり複雑だけど、 でも、嫌ってわけじゃない]
(825) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 02時頃
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[追い詰められた結果、彼がみんなの時間を止めたいとまで思ってしまったこととか、 イロハは知らないし、 だから、「だめだよなあ」なんて言葉が聞こえれば小さく首を傾げて。>>736
それから、「ありがとな」って言葉が聞こえれば、 にっこりと笑ってみせた]
どーいたしまして。
たぶんじゃなくて絶対はやいってば。 ここにおいしいものもあるし、退院したらあれだ、 打ち上げとかやるんじゃない? 文化祭の後みたいに。 ホントさいごまで楽しかったよねぇー。
[湿っぽいのはイロハも苦手だ。>>737 だから、あはは、って返すのは高校生のおんなのこらしい、 なんだか星だか花とかが飛びそうな笑い声。
なお打ち上げの企画うんぬんは高本に脳内で丸投げした。 お願いします委員長]
(826) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 02時頃
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[それでもお見舞いのさいご、>>738 七月の話題が出れば顔つきは苦笑いに切り替わる]
うん。……びっくりしちゃってさほんとにもー。 これから行くから、ちゃんと伝えておくよ、その言葉。
[頷いて、それから瞬きするだけの間をおいて、 養をまじまじと見る。 「もし君がいなくなってたらやっぱりつらかっただろう。生きていてくれてよかった」 なんて臆面もなく言えるほどイロハは器はデカくないし、 言うことは決まっていた。約束にはきっと満たない、ただの挨拶だ]
(827) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 02時頃
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じゃ、養くん。 また学校でね!**
(828) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 02時頃
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―― お見舞いの光景/七月の場合 ――
ヨーコちゃんっっ そこにいるのは分かっているんですよ!
[受付のお姉さんに教えてもらったので、 手あたりしだいに扉を開けることなくまっすぐそこに辿り着いた次第。 もちろん入る前にノックもした]
傷は大丈夫? もう痛くない? あ、あとケーキ持ってきたからゆっくり食べるといいよ。
[そう言って手に持っていた箱を手渡そうとする。 中身は養へのお見舞いの品を買ったのと同じ場所で売られている、 チョコレートのショートケーキだ]
(851) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 10時頃
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…………。
[話の切り出し方に、少しの間迷う。 天井で瞬いていた光を思い出す。 つくりものの星空、だ]
そういえばさ、 刺されて入院したって話を聞いてから、考えてたワケ。 あの校舎でヨーコちゃん、あたしに話したいことがあったんじゃないかって。
[そうでなかったのら、 何のためにイロハの名前を呼んだというのか。 そんな、うぬぼれに近い思考がよぎりもするのだ*]
(852) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 10時頃
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―― 七月の病室にて ――
[白一色……に近しい病室にて、>>876 七月はベッドの上に横たわっていた。 そこにマネキンのありさまをだぶらせて想起することはなかった。 彼女のそんな姿を見ていないせいだった。
だけど七月にとってはやっぱり、 あのマネキンがさいごだったんだ…… と、ほんのり思わずにはいられなかった。 とりあえず、ホンモノだってことを示すように、 ケーキの箱を持っていない方の手をひらひら振っておいた。 にっこり笑いながら]
(901) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 20時頃
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あ、……うん、わかった。
[病室の片隅にはこれまた白一色の冷蔵庫がある。>>877 そこからペットボトルを取り出している間に、 ふたりぶんの紙コップが七月にと手は手近な場所に並ぶ。 その時の彼女は起き上がってコップを並べていたわけだから、 心底、ほっとした。 だってずーーーっと、白一色の天井をみているなんて、 つまんなそうじゃあないか。星だってない。
……だから、余計、プラネタリウムの星空を思い浮かべたんだろう。 ささやかな光景もまた、イロハにとっての唯一だった。 願わくば七月にとってもそうであればいいのだけれど]
(902) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 20時頃
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えー。
[忘れちゃったのならたいしたことなかったのかなぁ、って。 煮え切らない思いも苦笑にかえて、 ペットボトルを持ってベッドのそばに戻ってきた]
(903) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 20時頃
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…………。
[変なことかなあ、って。>>879>>880 内心思って小さく首を傾げながら紙コップにペットボトルの中身を注いだ。
いくらか中身の減ったペットボトルを抱えながら七月の語る声を聞いた。>>881 ああ、そうか、と思ってたとはいえ、 聞いてるこっちもちょっとくらいは恥ずかしかった。 だから、チョコレートケーキを口にする傍らで、 イロハはまず紙コップを手に取って、中身でもって喉を潤した。 渇いたまんまだと言えないこともあったからね]
(904) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 20時頃
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…………「こんな私」とか言わないでよ。
(905) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 20時頃
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中学の頃とか、高校入ったばかりの頃は、 ……ヨーコちゃんの方にこそ、「彩華なんか」って思われてないか気にしてた。 だってさ、勉強の方じゃとりえなんてないし、 難なく、あたしの憧れの高校にいけるくらい頭よかったヨーコちゃんのこと、 うらやましかったよ。やっぱり。
でも、ヨーコちゃん、陰口叩くのがシュミみたいなやつらとは、 なんだろ、ずーっと、ちがってたから……、 あたしなんかの面倒見てていいのかな、って思ってたけど、 でも、結局、あたしなんかとでもいっしょにいてほしいって思ったから、 勉強も頑張ったし……、 コイバナもできた時は何だか嬉しかったし……それに……、
(906) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 20時頃
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[―――あたしは何を言ってるんだろう? 簡単なことだ。「なんで私と居てくれるの?」っていう、 問いに答えたいだけのことだ。
そんなの、特別な友達だからに決まってるじゃん、って。
彼女がひみつでやってたことについていろんな噂が飛び交っていたけれど、 真偽がどうあれ色々思ったことは大事じゃなくて、 どうやら色々手遅れだったことを理解した、 その時味わった何もできなさの方がずっと、イロハに大きなショックを与えていた。 ヒーローみたいな性質してないはずなのにね! だから]
(907) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 20時頃
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さっき、養くんのお見舞いに行ってきたよ。 お大事に、って言ってたし、 ちゃんと、前向いて生きてくって言ってた。
…………だから、 えぇと、 次はヨーコちゃんの番、 かもしれないし、
あたしからもお願いするよ。
これからも、 ともだちでいてほしいし、 道は別れちゃうけど、 ………お互い前を向いて歩こう。
[ずいぶんと消え入りそうな声で告げて――――……]
(908) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 20時頃
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あ、そのチョコのプレートみたいなのと一番ふわっふわなクリームのとこ、 どっちか好きなのもらっていいよ。
[こっぱずかしいのがダメになった、というか、 返事をもらうのがこわくなった、といいますか。 とにかく慌てて話題を切り替えてから、 ケーキの箱の中に入ってたフォークを包むビニール袋を開ける。 あらかじめフォークが二つ入っていたから、 こうやって分け合うこともできるのだ*]
(909) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 20時頃
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[よく晴れた、春の日のことだった。 イロハは荷造りに没頭していて、 ついでに部屋のなかも片付けていて、 そんな最中、小学校の頃に書いた作文を見つけた。
タイトルは「しょうらいのゆめ」 母みたいな強くてかっこいい女のひとになりたいと言った内容が、 こどもらしい文字で記されていた。
それを読んでいればいつの間に母が後ろにいたものだから、 びっくりして原稿用紙を投げつけてしまった。
申し訳なさそうに頭を下げて、それから]
(981) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 23時頃
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あのね、……やっぱりあたし、そこに書いてあることは叶えたいよ。
[お母さんをやめてしまったお母さんのようには、なりたくない。 それでも]
お母さんみたいなすごい流行の前線に立ってる人に、いつかなって、 でもお母さんとはちょっと違うってところを見せて、 それで、いつか素敵な人と出会って、結婚して、 お母さんにはできなかったことをやってやったざまあみろって言ってやって、 盛大に結婚式して、お世話になった人できるだけみんな呼んで、 で、貴女といっしょにバージンロードを歩く。
[途中からは作文の内容からまったく外れてるけれど。 まあ、これが今のイロハの夢だ]
(982) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 23時頃
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……って、いつまで部屋の中にいるの? こっちはだいじょうぶだから。
[七月のお見舞いに行った時もそうだったけど、 イロハは照れ隠しを躊躇わない傾向があるので、 薄く笑みを浮かべる母をそうやって追い出した]
(983) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 23時頃
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―― そしてまた季節は巡る ――
[いろいろと芸術系の学科学部を抱えるその大学にも文化祭がある。 文化祭という名のある種の発表会、といった方が近いか。 もっとも各サークルは屋台とかあれこれ好き勝手やっているが。
イロハの学科では当然のように服を作り、マネキンに着せる。 1年2年の時はある程度無難なものを作っていたが、 それも3回目、となった時、とうとう弾けてしまった。
「Weather Forecast」(天気予報)と題されたのは、 前面に晴天とひとすじの虹。背面に雨の落ちる曇り空の描かれたTシャツと。 前面に大雪の様子、背面に雷鳴すら轟く大雨の様子が描かれた長袖のブラウスのセットだった]
(984) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 23時頃
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[……せんせいウケは結構真っ二つだったらしい。 ままならないね、ホント。 ただ、撮影自由ってことになったそれが、 SNSでちょっとした話題をさらっているのを見た時は、 なんとなく、作ってよかったなぁ、って思ったものだ]
(985) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 23時頃
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[そんな、イロハなりのやり方で、見かけた世界を閉じ込めたシロモノを、 旅行鞄の片隅に畳んでおいて、 イロハは列車に揺られていた。 きっかけは、高校時代のクラスメイトから久しぶりに届いたメールだった。>>931 わあ、って感嘆じみた声をあげたものだ。 約束ですらない「またね」を連日交わすことはなくなっても、 どうにか、生きている。それはわかった。
君はあの時と変わらない笑顔を見せてくれるだろうか? くれる、よね?]
(986) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 23時頃
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[イロハの、ふたつだけの目がカメラのレンズを捉えている。 胸に、卒業生であることをあらわす紅白のバッジをつけて、 片手に卒業証書の入った筒を持って。 イロハは笑っている。
卒業式の後、>>926 そんな構図の写真を撮ってくれたのはやっぱり養だった。 文化祭の時みたいに、 掛け声は「はーい、チーズ!」だったかな。>>2:428 七月のこと引っ張り込んで、ツーショットをせがんだ一幕もあったかな。
ただ、文化祭の時と違うのは、 養のことも引っつかまえて一枚写真を撮ったことだ。 「はい、チーズ!」の掛け声とともに、いい笑顔をねだって]
(987) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 23時頃
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[いろいろと懐かしむような笑みを浮かべながら、思う。
とりあえず、久しぶりの顔出しも兼ねて、 実家に立ち寄ってから会場に向かうつもりだけど。 どうかお母さんとの話が長引きすぎて、 遅れることのありませんように!
イロハの思いがどうなったかは、 久しぶりに会った、*君たちならば知っている*]
(988) Akatsuki-sm 2019/06/23(Sun) 23時頃
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