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あらあら、黒田さんこっち来ちゃいましたか。
[不思議と悲しくはなかった。それよりも再び黒田と会話を交わせる喜びの方が勝った。黒田個人宛にさっそくアプリを起動させる。]
ーー電脳世界β 個人会話ーー
はーろろん、黒田さん。
私です、福原です。
[…………何かが、何処かで鳴っている。
それは、あの島でいつの間にか持っていた端末の着信音に似ていて。
そんな訳はない、俺は死んだはずなのだから。
それとも、死者の世界にも電脳と言うものが発達しているのだろうか。
沈んでいた筈の意識が浮上する。
まだ半分は沈んだまま、音の発信源を引き寄せた。
これは夢か何かなんだろうな、と回らない頭で考えながら。]
[寝転がったまま画面を眺める。
表れたメッセージと名前に固まるのは仕方がないだろう。
顔向けができない相手の一人…………福原の名が書いてあったのだから。
随分と都合のいい夢なんだなと悩みに悩んだ末、ゆっくりと画面に指を滑らせる。]
ーー電脳世界β 個人会話ーー
福原さんも俺も死んだはずだよな?
メモを貼った。
──電脳世界β 個人会話──
あっはは、まあそのようですね。
いかがです御気分は?
死んでいい気分とはいかないでしょうが。
私は黒田さんとまたこうして会話できることになって嬉しいんですけどね。
[少ししてから届いたのは二つのメッセージ。
一つは先程の返事で。
問題はもう一つの方。]
直接本人に謝れ、って言われてもなぁ……
普通殺された人間って自分の事を殺した人間の顔って、見たくねぇだろ……
[真寺さんのメッセージにツッコミを入れつつ、さてどう返したものか。
とりあえず、彼女のメッセージは後にして。]
−−電脳世界β 個人会話−−
……俺は複雑ですよ。
惨めな姿を晒しても生きていたかった。
まさか自分がこうも未練がましいとは思いもしませんでしたが。
……所で本当に福原さんですか?
これ、俺の夢だと思ってたんですけど……
−電脳世界β 個別会話(>>*0)−
あーちゃんって、多分白藤さんの事ですよね?
というより、何で俺は生きている筈の真寺さんと喋れるんですか?
──電脳世界β 個人会話──
はい、私ですよ。福原です。
夢…と言ったらこのゲーム自体が夢みたいなもんじゃないですかね。
ふふ、まあ後のことは生き残った人に託しましょう。上手く悪魔を祓ってくれるといいですねえ。
[まあ自分としては黒田さんと天の国に行けるならそれでも良い気がしているのだけど。]
−電脳世界β 個別会話(>>*1)−
彼女に会えたら謝るなりすることにします。
死者と会話できるアプリって……
便利と言っていいのか……
夜斗ですか?
確かに様子が変でしたけど……
保健室で再会してから、俺が死ぬまで。
どうしても叶えたい願い事があるみたいですよ。
死ぬ直前、『願いの礎になってもらわないと』って言われましたし。
−電脳世界β 個別会話(
まぁ、確かにそうですね……。
生き残り……騎士が最後まで残る気がしてなりませんよ、俺
……本当に福原さんなら、謝らなきゃいけないことはあるんですけどね。
あぁ、なんなら殴りに来ます?
[そんな文章を打ち込みながら、
自虐的な笑みを浮かべていたことは誰も知らないだろう。]
──電脳世界β 個人会話──
騎士、ねえ。
あれはあれで元は何か願いを持った人間だったんでしょうかね。
謝らなきゃいけないこと?
おや、なんでしょうか。教えて下さいな。
大丈夫、こう見えても腕っ節に自信はあるので、黒田さんが殴られたいならしっかりと殴って差し上げることができますよ。
[刑事時代には空手も柔道も剣道も一通り経験していた。福原自身は黒田が何をしたんだとしても怒る気がなかったが。にこにこ。]
−電脳世界β 個別会話(
多分そうなんでしょうね。
誰かを守るための能力だったんですかね?
[そういえば、この人元刑事だったと言っていたっけか。
力一杯殴られたりしたなら、軽々と吹っ飛ばされるんだろうな。
……それを恐れている訳ではないのだが。]
あー……約束、守れずに死んだじゃないですか、俺。
[全力で生き返らせるという約束。
それが守れなかった今、顔を合わせることにでもなったらどんな顔をしていいか分からない。]
──電脳世界β 個人会話──
あっははは。そんなの気にすることはないのに。
最終的に生き返れたら黒田さんに生き返らせてもらったのと同じですよ。そしたら美味しい肉料理食べさせてください、ね?
……こえーわこの娘……
もしも俺が生き返るようなことがあっても、また殺されるんじゃねーの……
[思わず顔をひきつらせながら。
自分の知り合いを殺した相手なのだから、当然と言えば当然だが。]
−電脳世界β 個別会話(
どんな願いことだったんですか?
夜斗、自分の事を悪魔だって言ってたの、気になってたんですよね……
……そんな事がないように願ってますよ。
それまで、夜斗の事よろしく頼みます。
[もう一つのメッセージには、どう返せばいいか指が止まる。
このまま、死んだままなら、どうなるのだろうか?
この人は、俺を怨むのだろうか。
考えれば考えるほど悪いようにしか思考は転がらない。
あぁ、やっぱり姿を見た瞬間さっさと逃げるべきだったと、そうすれば俺はこんな訳の分からない場所でじっとしている事は無かったのに。
一度端末を手放し目元を手で覆う。
ぐるぐる、グルグルと纏まらない考えが頭の中を泳ぎ回る。
今は、言葉に出来そうもなかった。]
−電脳世界β 個別会話(
気にはしますけど、わかりました。
俺が気にしすぎてるだけなのかもしれませんけど。
ところで、福原さん今どこにいるんですか?
屋上ですか?
― E地区 ―
[海沿いに歩いていくと、工場を見かける。
鉄塔に、湖――。と、色々あるらしい。
散歩気分――というより、普通に散歩をしているのだけれど。
色々なことを考えながら、歩いてみるのは悪くなかった。]
ふむ。しかし、誰とも会わんな。
[端末に地図があることには、未だ気が付いていなかったりする。……とはいっても、櫻子はあったにしても見る気はなかったけれど。]
[レイジは無事に復活できたかな、と思いつつ。
端末には復活を知らせるメールも来てないので、櫻子はまだレイジが復活したことを知らなかった。]
まぁ何もなければ、また灯台の頂上に戻るか。
僕の勘だと、今日、明日辺りは戦いの肝だと思うのだけどな。
――誰が死ぬだろう。
[気になるのは、夜斗が2pt得たというメールだ。
あれは、流の友達だったか。
流があれを見れば、恐らく――。願いを叶える為に、そろそろ動き出すのではないかと僕は予想していた。
星開とマドカを護りながらの戦闘は、むしろ不利になりかねない。どうなるか、それも心配の種の一つで。
レイジのことも、気になることの一つだった。
白い騎士をどこかで見かけたなら、場所を送ろうと思いつつ。適当にその辺を散策していた。
協力できることがあるのであれば、僕だってただ待っているだけというのは――。]
[――と、色々考えつつ。
端末を開いて、溜め息をついた。
僕はメッセージ一つ送るのに躊躇していた。]
「ちゃんと生き返れたかい。」
[とだけ書かれたメールを、未送信のままにしている。
しかし、レイジが戦いの最中であれば、邪魔をしたくはないし。暇と思われるのも何となくイヤで、僕はただそれだけのメールを送ることさえ躊躇っていた。
特に何かを話したい内容がある――というわけではないのだ。中身のないメッセージは送られても困るだろう――と。僕はといえば、灯台の頂上で待つのを一旦やめて散策することにした――という程度しか話せることがない。
何かが綺麗だとか、今はそんな場合じゃないだろう。
つまらない悩みなのだろうけれど。だからこそ、レイジを何か助けられることがないだろうか――。
なんて思っている自分が、ちょっと情けなかった。]
−電脳世界β 個別会話(
はーい、屋上で〜す♡
…ところで黒田さん。
黒田さんは私のことを恨んじゃいませんか?
黒田さんのことを一人にして追い詰めてしまったのは私ですから。
私が死を選んでなければ黒田さんは死んでなかったのかもしれないと思うと、ね。
――電脳世界β・全体会話――
羽ね。
あれ、七つ集めれてなんか十字架のとこに持ってけば悪魔が現れるそうですよ。その悪魔を祓えば全員生き返れるとかなんとか。
それ以上のことは知りません。
ふくはら
……はっ?
[ようやく起き上がれば、近くに誰かいたことに気がつくだろうか。
視線があってしまえば、気まずそうに目をそらしただろう。
しかし。]
(俺が福原さんを恨む?どうして?)
[どのみち彼女をてにかけた時点で殺されるのは覚悟していた。
俺があのとき、彼女を疑わずにともに行動していれば死ぬことは無かったのだろうけど。
福原さんが死んでなかったら、か。]
−電脳世界β 個別会話(
恨んでなんか、ないですよ。
俺が死んだのは俺の行動のせいですから。
[まさか従兄弟に殺されるとは思ってもみなかったけれど。]
[そしてようやく全体会話の存在を知る。
ははー便利なもんもあるんだな。]
――電脳世界β・全体会話――
詳しいことは俺も知りません。
羽を集めている人達がいることくらいしか。
−電脳世界β 個別会話(
そうですか。
黒田さん、逢いにいってもいいでしょうか?
[愛衣子と夜斗が彼を手に掛けるのを、見ていることしかできなくて。
端末に何か送信しようかとも思ったけれど。友人の顔を見てしまったら、なにを言えばいいのか、なにを言いたいのか、わからなくなってしまった。]
あ…クロダ、さん
[ずっと端末を弄っていた彼が、不意にこちらに目を向けた。
視線を正面から受け止めてから、おろおろと青い瞳を泳がせ]
…死なないって、言ったじゃないですか
[最終的にはうつむいて、そう呟くのが精いっぱい。
隣で聞こえる溜息は無視し、しゃくりあげるのを堪えて肩を震わせた。]
[少し前。]
……ごめん。
[言い訳にしかならないであろう言葉は全部飲み込んで。
残った言葉を小さく音にした。
彼女を殺してしまった事に関しては謝るつもりはない、なんて言ったなら真寺さんに怒られそうだから、言わなかったけれども。
むしろそれよりも、「死なないで」と言ってくれた彼女に対して、死んでしまった事の方が申し訳なくて。
結局、何一つ約束を守れず。]
ごめんな。
[泣いているように見える彼女に、どうすれば良いのか分からず同じ言葉を口にし、背中をさすろうとしただろうか。
−電脳世界β 個別会話(
えっ、動けるんですか?
[生きている時の自分ならば、素直にyesの返事を出しただろう。
メッセージでは上手く会話ができているが、それは相手の顔を見ていないからで。
実際、顔を突き合わせたなら、上手く言葉が喋れないような気がした。
だから、迷い。]
……遭いに来てくれるなら。
[曖昧な返事を出してしまった。]
[謝罪の言葉には、黙って首を横に振る。
ぽたりと落ちる滴がコンクリートにシミを作るのを見て、死んでからも涙は出るんだな、なんて抜けたことを考えたりして。]
あんなの…あたし、の、わがままだから
クロダさんが謝ることなんか、ないです
[彼を想うのも、生きて欲しいと願ったのも、全ては自分の一方的な感情。そこに義理を立てる理由なんて、彼にはない。だから怒ったりはしていないと、伝えたくて。
遠慮がちに背に伸びた手は、抱き寄せてくれた時と変わらず温かいような気がした。その温もりに甘えて、ひとしきり感情を流し続けて]
…よし
すみませんでした。めそめそして
[にこりとしてあげた顔は、少し目が赤くなっていたかもしれない。けれど、ちゃんと心から笑えたはず。
いつまでも、ここでぐずぐず泣いてはいられない。もし動けるのなら、そばで見守りたい人達がいるから。]
…じゃあ、あたし、行きますね
[ゆっくり立ち上がれば、視界の端にいた『彼女』がこちらに歩いてくる。あくまでも同行を続けるつもりらしい。
端末を手に、黒田のネクタイを首に巻いて。たぶんもう会うことはないであろう彼に、最後の挨拶を。]
さよなら、クロダさん
[後ろは振り返らずに、扉へと足を向ける。
幽霊なのに空は飛べないんだなぁ…などと独り言を言うと、隣の彼女が小さく吹き出すのが聞こえた。**]
−電脳世界β 個別会話(
じゃあ逢いに行きます。
といっても、私黒田さんがどこにいるか知らないんですけどね。灯台ですか?まあ上原さんに捕捉されたのだから、灯台でしょう。
[そう端末に入力すると、どっこいしょと腰をあげて屋上を去る。]
……うん、それでも、ごめんな。
[冷静ではなかったとはいえ、怖い思いをさせてしまったこと、痛い思いをさせてしまったこと。
一緒に行動するという選択肢を取れなかったこと。
様々な意味を込めもう一度謝るなり。
これすら自己満足でしかないが。]
我が儘ではないよ、生きてって言ってくれて嬉しかった。
[店では決して見せないような穏やかな表情を浮かべながら、
彼女が落ち着くまで背中を擦ったり、軽くぽんぽんと叩いたり。]
いや、俺の顔が見たくないって言われるよりかは良かったよ。
慰めるのが俺でごめんな。
[つられるように、力を抜いて口許に弧を描く。
嫌がられなければ、そのまま軽く頭を撫でただろう。]
気をつけて、な。
[幽霊のような存在になってまで、何に気を付ければと笑われてしまったかもしれない。
それでも自然と言葉が口から出てきた。
なんとなく、二度と会えないような予感に寂しさを感じながらも止める事はない。]
……さようなら、白藤さん。
[願わくば、これからの彼女に幸せが沢山訪れるようにと、思ったところで思考を止めた。
殺した本人が殺した相手の幸せを、しかも死者の幸せを願うだなんて。
可笑しいことかもしれない、それでも。]
……泣き顔より笑った顔の方が可愛いんだから、あんまり泣くなよ。
[ぽつりと落としたそれは、彼女には聞こえただろうか。
ただ彼女の背中を、扉の向こうへと消えるまで見送った。]
[灯台の屋上にて、ぽつんと立つ男が一人。
何だか清々しい表情だったような気がするあの子を見送り、少ししてから端末を覗きこめば、握った手に力が入ってしまうのは仕方がない事だろう。
行動力があるというか、なんというか。
……ちゃんと、相手を見て喋れるのかと不安になる。
しかしながらも、会いたくないと言ったならそれは嘘になってしまうわけで。]
−電脳世界β 個別会話(
灯台です。灯台の屋上。
景色いいですよ、海がキラキラ光ってて綺麗です。
[なんて打って送信した。
既に移動しはじめていることは知らずに。]
[全体会話には、気になっていたことを落としてみた。]
――電脳世界β・全体会話――
間違ってたら申し訳ないんですけれど、
ミナカタさんってカフェによく来てた南方さんですか?
[だとしたら、もしかしてあの人も居るのかもしれないと、人違いならいいと願いながら。]
[薄々そうじゃないかとは思っていたが。
いざ予想通りの答えが返ってくると頭が少し痛くなった気がした。]
――電脳世界β・全体会話――
やはりあの南方さんで間違え無いんですね……
もしも、剣吉さんも居るなら、そして会ったなら。
夜斗……上原には気をつけてと伝えて下さい。
勿論南方さんも、気をつけてくださいね。
黒田
[何で従兄弟のお前がそれをと言われるか、それとも死亡通知を見たなら納得してくれるかもしれない。
なんて考えながら指を滑らせた。]
― 工場にて ―
う、うわああああああああああああああ!
なんということだろう・・・。
右を見ても、左を見ても、機械ばかりじゃないか!
何か役に立つアイテムがあるかと思って入ったが・・・!僕の馬鹿。
・・・何がアイテムなのか、分からないじゃないか!
[と、何やらテンション高く叫びながら走り回っている幽霊がいた。]
[そうして迷うこと、数時間。
僕はいい加減、あきらめの境地にいた。
端末をぽちぽちと押して全体発言を見つつ、特に発言することはない。レイジの発言を見て、僕はひそかに応援していた。
僕も何か役に立てることは……と考えて、アイテム捜しを始めたは良いけれど。
まさか迷子になってしまったなどとは言えないのだ。]
うぅ、暗い・・・こわい・・・。
これじゃあ、まるで・・・。
・・・幽霊でも出そうじゃないか。
[などと、一人でボケて遊びつつ。
歩いていれば、人の気配を感じた。
1.流の方
2.入口の方
2
あの三人組は――。
そうか、灯台から僕と同じルートで歩いてきたのか。
ここに何かあるのかな。
[と、僕は後からついていくことにした。
幽霊と言うのは便利だなと思う。
カメレオンのように溶け込んで遊んでいる男――上原夜斗だったろうか。を見て、僕も同じことができるぞーなんて言いながら壁から顔を出してみたりする。]
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