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―回想・炎を纏う「ヤチグサ車」の中で―
[己の肉体を炎が食らう。視界はとうに消えている
ちりちりと奪われていく存在の欠片に、声なき声が伝導する]
「「ベネット」ガ助かるなら「俺」ガ死んダときダヨ」>>3:*21
[そうかもしれない。その端末にさえも打ち勝てなった己のように。
そうだとしても、男の信頼は揺るがない。
たった、ほんの一瞬でもいい。
「元凶」に閉ざされた「あなた」の存在が、支配を打ち破り己が意思で一つの選択を取り得たならば……。
それが、「ベネット・バーレー」という一人の勇者が、生き、勝ち抜いた証なのだから。
……例えその結末が、どのようなものであったとしても、最後まで諦めず]
俺達の街を、守ってください――――
[――――強烈な爆風が男を襲い、その命の炎を、吹き消した]
―回想・炎を纏う「ヤチグサ車」の中で・了―
―――――――――――――――――――――――
こうして、男は息絶えた。
2つの死を、ほぼ同時に受けて。
―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――
…………そうだ。確かに息絶えたのだ。
ならばなぜ、まだこの世界を感じることができるのだろう。
―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――
物語はなお、終わりの時を迎えてはいない……。
―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――
……………………
―――――――――――――――――――――――
―???―
[瞼の外から光を感じる。
ちらちらと移ろい、煩わしい。
あぁ……あの明りは赤い。ならば、あれはきっと炎だ。
そうか。まだ終焉は来ないのか。肉体はとうに、焼け朽ちてしまったはずなのに……]
焼け……た?
[違和感が、心をよぎる。己はとうに視力を失ったはずではなかったのか。
いや、それ以前の問題だ。
まぶたなど薄い肉は、すでに焼かれて焦げ落ちたはず。
では、なぜ光が透ける? なぜ、己の喉から声が出る?
脳裏に浮かぶ怪訝な疑問に耐え切れず、男はその双眸を見開いた]
ああ……あぁぁ!!
―なおも燃え続ける「ヤチグサ車」の中で―
[夜闇に揺らぐ炎の奥で、生ける死者達が彷徨っている。
その数は、男が死にゆく以前と、それほど変わってはいない。
……けれど、人影はそれだけではない。
血肉を食らう亡者の他に、傷の一つも負ってはいない、「無事」な人間たちの姿が]
た、助けに……っ!!
[ガラスが吹き飛んだ壊れたドアに、とっさに両手を向けていた。
溶けたドアロックにすがりつき、力づくで解錠を図る。
けれどロックは、ぴくりともしない。力を加える。意味がない。
まるで、拒絶をされているかのように、力の作用した陰りすら感じずに。
必死に押し続けているうちに……ふと、指先がロックの中へと「沈み込ん」だ]
な……っ!!
[とっさに指を、引き離す。無機物にのまれた指先には、微塵の変化も見られない。
ただ、あってはならない出来事に触れた違和感が、心地悪く残るだけ。
さらば、ガラスの砕けたフロントから這い出して。
そう考え、車いすを取ろうと振り返り――――男は、ようやく気がついた]
俺は……やっぱり、死んだんですね。
[運転席の背後には、消炭となった男がいた。
さすがのウイルスも爆熱により、耐えきることができなかったのだろう。
人としての体をようやく保った痩せこけた黒炭が、ただの「物体」として、男を見返していた。
そうか。そうゆうことだったのか。
だからロックにしがみついた瞬間、己は「踏ん張る」ことができたのか。
男は一抹の寂しさを感じながら、車のフロントへと這い出していく。
そしてそのまま滑るように、アスファルトの上へと「二本の足」で、降り立った]
[二本の足で、地面に立つ。180半ばの長身ならば、これまでよりも遥かに視界が高い。
どうゆう原理なのかは、分からない。
けれど、車いす生活によりやせ細り、変形した二本の足は、かつての筋力を宿している。
もっとも、筋力という表現が、正しいものかどうかは分からないが]
なるほど。今は「21グラム」の体、というわけですか。
そうですよね。この体になっても車いす、じゃ、かないませんから。
俺の体は物体を動かす力はないようですし……「不具合」のないよう、適応しているのかもしれません。
[ドアロックに感じた無力感。
死しているからこそ、生なる世界に作用することはできないのだろう。
ポルターガイストなんて迷信か。もっとも、そうであった方がいいような気もするけれど]
適応しているからこそ、傷も火傷もありはしない。
……つまり、あの方々も、そうゆうこと、だったんですね。
[生ける死者のはびこる街を、男はぐるりと見渡した。
死人の闊歩する脇で、しゃがんで抱き合うカップルがいる。
強く唇を噛みながら、夜空を睨むスーツ姿の男がいる。
両手で顔を覆い隠し嗚咽する老婆の肩を、二十歳そこそこの茶髪の若者が悔しそうに撫でている。
そのほとんどは悲痛な面持ちで、身に降りかかったであろう悲劇を嘆いてはいるけれど……涙を流している顔までは、男は見つけることができなかった。
もっとも、一部にはいかにも時代錯誤な服装をした者も見られたから、全員が全員、今日の混乱の中、命を落としたというわけではないのだろう。
彼らが生者でないことは、不思議な感覚で判別がつく]
妙な感じです。生物的には死亡したはずの感染者の方々と、俺達みたいな肉体をもたない本当の死者が入り混じっているなんて。
動くも死んだ人間なら、俺達のことを何て呼んでいいのか、訳が分からなくなりますよね。
生き物と対比して、逝き物、さしずめ「逝人」と言ったところでしょうか。
…………あ。
―なおも燃え続ける「ヤチグサ車」の傍らで―
[ふと、ワゴンに寄りかかりしゃがみ込んでいる壮年の男に気がついた。
その顔には、見覚えがある。
男の声に反応したのか、彼は力ない表情のままこちらを見上げる]
あの、あなたは……焼き芋屋さん、ですよね。
この季節、学園によく、いらっしゃる。
あぁ、あそこにいた教師の一人です。ほら、車いすの。
[そこまで言い切り、彼もようやく男が誰であるか理解したのだろう。
微かに親しげな表情を浮かべ、けれどすぐに視線をそらし、そっと車の下を指差した。
そこには、踏み砕かれ、焼け焦げた感染者の遺体が一つ。
判別はつかない。けれどきっと、逝人と化した彼のもの]
……申し訳、ありません。
[彼は、いいんだ、とでも言いたげに、首をゆっくりと左右に振った。
それでも俯いてしまった男に向けて、逆に励ますように煙草を差し出す。
赤い、マルボロのソフトケース]
いえ、俺は吸いませんか……。
[言いかけて、気がついた。男の手には、死の炎を呼び起こした火種、あのライターが握られている。
ライター。こんなもの。あの火炎の中で、とうに爆発してしまったはずなのに。
いわゆる、「物の幽霊」と呼ばれる類のものなのかもしれない。
彼の煙草も、双方の服も同じ。
この世界にはきっと、こんな失われた物の魂が、いくつも転がっていることだろう。
生の世界とは関われないかわりに、死の世界へと誘われた物を、掴む力はあるようだ]
……煙草なんて、学生ぶりです。ありがとうございます。
[まぁ、いいか。そう思い直し、男は彼の隣りに腰かけながら、マルボロのケースに手を伸ばす。
一本だけ受け取るつもりだったが、ケースごと全て託された。
抜き出した煙草を口にくわえると、火をともして紫煙を吐き出す]
……酷いことに、なりましたね。
[隣りの彼は頷きながら、ふっ、と小さな溜息をついた。
見つめる視線を追っていけば、そこは他と変わりない街角。
死人と逝人が混在する風景の中、そう言えば、と目を凝らした。
あの歩く死者達の魂……逝人はここにいるのだろうか、と。自我を失い隣人を襲う者たちの心は、はたして分離しているのだろうかと。
けれど、対になる1人の2人はその場で見つけることができなくて、かわりに、男は奇妙な光に、目を奪われたのだった]
あれは……いったいなんですか?
[どこかから立ち昇っていく光の柱。おそらく地上から照射され、天へと昇り消えていく。
幾筋も、幾筋も。バラバラのタイミングで放出され、空の彼方へと吸い込まれて。
応えのないことに疑問を抱き、隣りを振り返ろうとした瞬間]
[男のすぐ脇から、光の柱が飛翔した]
焼き、芋屋さん……!!
[眩い光に瞼を閉ざし、目を開いた時にはもう、隣りには誰もいなかった。
さっきまで彼が背中を預けていた部分には、存在の名残もありはしない]
……成仏、というやつでしょうか。あの世とやらに昇っていくための。
いえ、そうとも言い切れませんね……。
これが、本当の「終わり」なのかもしれません。
だとしたら、冷たいものですよね。
きっと、思いを果たしたら、なんて生きている人間の幻想で、実際はこうやって不意に訪れるものなのかもしれません。
……生きている頃の社会と同じですね。こちらの都合は、お構いなし、って。
[消えていった焼き芋屋を追い、男は広大な夜空を仰いだ。
さようなら、とも、また、ともつかないお別れ混じりの吐息をつく。
じっと見上げすぎてしまっていたためかもしれない。
ほとんど交流もなく、人柄も知れずに消えていった彼との唯一の繋がりを確かめるように、男は小さく歌をこぼした]
やーきいもーぉー やきいもぉー
いしやーぁきいもぉー やぁーきたてーぇー
[消えていった彼の耳に届いたならば、鎮魂歌のかわりにでもなっただろうか]
「気分ハドウヨ」>>3:*20
[不意に、声が聞こえた気がした。実際に聞こえたのかどうかは、分からない。
仮にそれが実際に放たれた声だとしても、男の存在に気付いているのか、それとも見えもしない散った者へのたんなる気まぐれだったのか。
すでにしがらみが切れたかも分からぬ「元凶」に向け、男は率直に答えを発す]
……怖いです。死ぬ前よりも、ずっと。
[その答えも、届いたかどうかは分からない。
ただ、男の偽りのない本物だった]
怖いです。
こうしてこの世にとどまれたとはいえ、いつ消えるか分からない体が。
そして、例え消滅を免れたとしても、何もしてやれないこの思いが。
もう、3度目の死……消滅を賭したとしても、今度は俺はなにもできず、生徒たちを救えない。
……ただ、見守ることしかできない。
案山子のように立ち尽くすだけ。そんな現実と向き合うのが、怖いです。
[男は本心から呟きながら、それでも二本の足で立ち上がった]
でも、見届けないのはズルですよね。
どんな形であれ、みなさまが選んだ未来への選択を見守るのは、教師の務めです
[立ち上がり、振り返る先には、「元凶」の宿った屋敷]
見せてください。みなさまが選んで、歩む道筋を。
それがどんなものであれ、俺は決して目をそらしたりはいたしません。
……最後まで、見届けますよ。
[そう言い残し、男は屋敷へ向けて歩みを進めた。
死者の徘徊する閉ざされた門へと、復活した二本の足で]
教師が生徒に目を瞑ったら、生徒が可哀そうじゃないですか。
[呟く男の背後から、光の柱が再び昇る。
鉄の囲みに覆われた、箱庭のような死の街から、次から次へと昇り立つ。
やがて、男もその一筋へと存在を遂げてしまうことであろうが。
今はただ、最後の務めを果たすため、動かせぬ門に、手をかけた**]
―死者から見えた、この世界・了―
/*
レアでしょう? それを占えたリンダさんは、もっとレアです。
おいしいばんざい。
バーレーさん……気づいていてください。
すみません。暁さんと高橋さんをご歓迎をしたいんですが、取り急ぎログを落として離れさせていただきますね。
大連投にて、失礼しました。一応、完全に死んだ者視点なので、感染された場合は異なるかもしれません。
それだけ言い残して……お2人とも、どうぞよろしくお願いします!**
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【人】 聖歌隊員 レティーシャ[セシルを追ってから、どれくらい時間が経った頃だろうか。 (21) 2011/12/06(Tue) 22時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ― 食堂…から少し離れた所 ― (41) 2011/12/06(Tue) 23時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ― 回想 ― (50) 2011/12/06(Tue) 23時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ あ。 (52) 2011/12/07(Wed) 00時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ― 廊下 ― (59) 2011/12/07(Wed) 00時頃 |
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【人】 聖歌隊員 レティーシャ[一体何センチくらいの差があるのだろうか。 (63) 2011/12/07(Wed) 00時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ ち、ちっちゃないもん。 (67) 2011/12/07(Wed) 00時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ それで、その。 (71) 2011/12/07(Wed) 01時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ …伝言やったら、あかんのかな。 (75) 2011/12/07(Wed) 01時半頃 |
―屋敷・正門前―
[死者達の間を掻きわけて、閉ざされた門へと辿りつく。
他の逝人達は、この周囲にもたむろしていた。
きっと、屋敷に侵入を図り、返り討ちにされた者達の魂。
同じ存在とならねば感じることができないだろう、沈痛な空気が漂っている。
あるものは打ちひしがれ、あるものは悲観し……けれど、例えほんの一握りであれど、安寧を得られたであろう安らかな顔付きの者もいた。
屋敷の周辺から時折昇る光源
……思った通り。通り抜けることは可能ですね
ただ、俺はそれがやすやすとできるほど、まだこの身体に馴染んじゃいないんです。
[この世の物質。門と「重なっていた」指先を離すと、塀の縁に飛び付き片手でぶら下がる。
後は、これまで通りの強靭な腕を駆使して、そのまま乗り越えるのみ]
―屋敷・中庭―
まさか……こんな動物までもが。
一体どこから逃げ出してきたんでしょうか……
[男は中庭に残された熊の死体
これほど大きい動物が、口の中から頭部を破壊されている]
いったいどなたが。
決して鈍重な動物ではありませんし、相当な力量がなければ、ここまではするのは困難を極めるはず。
俺でも、とても至りませんよ。熊殺しなんて。
車いすのままでしたら、なおさら。
まぁ、ともあれ……。
[そこまで呟き、振り返る。
そして、己の腰に鼻先を擦り付けている生き物……いや、「逝き物」の頭を、そっと撫でつけたのだった]
あなたも、これで死体のまま動きまわる運命からは、抜け出せたんですね。
……と言っても、俺達が感じる認識と、あなたの抱いている認識とでは、大きく隔たりがあるのかもしれませんが。
[おそらく己よりも巨大であろう熊は、きょとんとした瞳をくりくりさせて、撫でる男を見つめ返す。
ぶふぅ、と鼻息が漏れたことに気づき、思わず男はたじろいだ]
あぁ……すみません。俺、こうゆうの好きでして
つい、触り過ぎちゃったかもしれません。
……嫌でしたら、遠慮なく言ってくださいね。
って、ん……はっ……ふぅ……。
[熊は、ぐっと首を伸ばし、撫でる男の顔を舐めている]
……随分と、好かれてしまったようです。
さしずめ、俺は金太郎と言ったところでしょうか。
どちらかと言えば、酒呑童子みたいな悪鬼の方が、より近いような気もしますけど。
[大人しい熊は、まるで意味が分からないとでも言いたげに、こくりと小さく首を傾げた]
俺は、これから生徒達の様子を、伺いに行こうと思っているんです。
今、この屋敷の中で、必死に生き延びようとしている教え子達のことを。
[眉を落として、熊に語る。恐らく、通じてはいない。
それは分かっているけれど、語る言葉は止まらない]
屋敷の中に、あなたをこんな体にさせてしまった、原因の一端があるんです。
本音を言うと俺も詳しくは知らないんですが……この中の、俺の生徒の中に「元凶」がいる、それはだいたいつかめています
俺は、そんな彼も含めて、生き残った生徒達がどんな未来を遂げるのか、せめて見守りに行くつもりです。
あなたは、どういたしますか? その顛末を、一緒に見届けてくれますか?
[男の問いかけに、熊はやはり理解を示した様子は見られなかったけれど。
おそらく人懐っこい動物だったのだろう。楽しそうに男の足へと、すりすり身を摺り寄せた]
はは。分かりました。
そこまで懐かれてしまったのでしたら、これからご一緒しましょうか。
[改めて頭を撫でた、そんなささやかなやりとりの後……どこかで硝子が砕ける音がした
……!! この音は……!!
[甲高い音に引きつられ、生ける死者が歩みを進める。
座り込んで逝人の誰かが、うぅ、と悲しみの声を上げる。
侵入された。屋敷のどこからか。一体どこから。テラスの方だ。
引き留めたい。己に肉体があるのなら、自慢の両腕で、感染者達を遠ざけたい。
しかし、もはや不可能なこと。決して、決して、叶わない]
それでも……。
[無力な男は足を踏み出す。
3度の死を迎え得た決意
最後まで、見届けます。それが、どんな現実であれ。
[生き残った者達の無事を祈りながら、逝人の男と熊は死者に混ざって、音源の方へと駆けて行った**]
【人】 聖歌隊員 レティーシャ …。 (79) 2011/12/07(Wed) 01時半頃 |
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【人】 聖歌隊員 レティーシャ[鞄を置いたのを見てから、眉を寄せた] (85) 2011/12/07(Wed) 02時頃 |
3度の死を迎える「前に」得た決意
【人】 聖歌隊員 レティーシャ[あっさりと言われると目をぱちぱちとさせて。 (87) 2011/12/07(Wed) 02時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ あ、でも。 (88) 2011/12/07(Wed) 02時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ あー、うん、よく言われるかも。 (91) 2011/12/07(Wed) 02時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ[並ばれそうになると難しい顔をして。 (93) 2011/12/07(Wed) 02時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ うん? (95) 2011/12/07(Wed) 03時頃 |
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【人】 聖歌隊員 レティーシャ[部屋の中から返事が聞こえた。 (98) 2011/12/07(Wed) 15時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ え、えへへ、そか。 (104) 2011/12/07(Wed) 18時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ え、そういう趣味…!? (106) 2011/12/07(Wed) 19時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ そ、そんな事ないもん! (111) 2011/12/07(Wed) 19時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ え。 (115) 2011/12/07(Wed) 20時頃 |
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【人】 聖歌隊員 レティーシャ …? (129) 2011/12/07(Wed) 21時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ[二人だけになると、ベッドに座って息をついた] (134) 2011/12/07(Wed) 22時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ んー…。 (143) 2011/12/07(Wed) 22時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ へ? (148) 2011/12/07(Wed) 22時半頃 |
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【人】 聖歌隊員 レティーシャ ちゃ、ちゃうねん、ちゃうねん! (165) 2011/12/07(Wed) 23時半頃 |
―屋敷・深夜か・テラスへの道―
[男は走る
死者の間をすり抜け、気落ちする逝人達の前を素通りし。
背後からは、肉体から遊離し同じ世界に身を置く獣の息遣い
荒れ果てた花壇
男は、風にもならない朧な身体で、現世と幽界の狭間を駆ける。
その先に、どんな悲惨な現実が、待ち構えていたとしても]
……………………
[けれど、今はまだ、そこでの出来事に触れるのは、あまり適切ではないかもしれない。
ならばかわりに……こんな話は、いかがだろうか?
それは、かつて半身の自由を喪失してしまった時のお話
幽体と化した足が大地を踏み蹴る感触が、男の記憶を呼び覚ます――――]
―回想・15年前・深夜の公園で―
[がしり、がしり、と音がする。男の振り上げる無骨な拳が、その音色を奏でている。
両の拳を染めるのは、組み伏せた若者から漏れる鮮血。
いや、彼だけのものではない。周囲を見渡せば幾人かの男たちが、倒れ伏し呻きをあげている。
馬乗りにされた若者が、悲鳴を上げながら涙を浮かべる。
知ったことか。自業自得だ。覚悟もなしに群れ虚勢を張るから、お前はこんな目にあっている。
そうだ。他の奴らも同罪だ。
男を取り囲む残る奴らも、いずれこいつと同じ運命を辿る]
……あ?
[遠巻きに見守っていた女性――――当時付き合っていた相手が息をのむ音を、耳が捉えた。
大丈夫。彼女の位置は正確に把握している。
もし彼女に危害を加えようものならば、そいつの血祭りに上がる順番が、僅かに繰り上がるだけのこと。
不敵な表情を崩さぬまま、返り血を浴びた顔で、ちらりと傍らに視線を送った。
そこには、こちらに目掛けて金属バットを振り上げる、茶髪の若造の引き攣った形相]
[……必死だな。男はそう思いながら、彼のことを嘲笑う。
なんということはない。深夜に彼女を自宅へと送る途中、数人のチンピラに絡まれた。
どうやら、そいつらはやる気らしい。
きっとこれまでもこうやって、適当な相手を見繕ってはそれなりの悪さをしてきたのだろう。
どうせ大した奴らじゃない。せっかくだから仲間を呼び集めるのを待ってやって、こうしてゴミ掃除をしているだけだ]
……やれよ。
[男の眼力に射竦められ、茶髪の瞳に脅えが宿る。
そうだ。所詮はこの程度の奴らだ。群に隠れては厄介事を押し付けあって、自身じゃなにも、できやしない。
鼻で笑い無視すると、股下の男にとどめを刺した。
これで我に返ったのか。それとも立ち上がられたらまずいと見たか。
振り上げたままの金属バットが、ようやく男に打ち落とされた]
お前……馬鹿だな。
[背中に受けた衝撃をものともせず、男は二本の足で立ち上がる]
狙うなら、『頭』だろ?
[レスリングで鍛えた己の体に虚弱な若造の一撃なぞ、何の効力もありはしない。
そうだ。鍛錬に注いだ時間が違う。流した汗の量が違う。
耐えてきた痛みも。決して負けてはならないという、その、気迫も。
事実、男は強かった。強者であることに誇りがあった。
有り余る力を正義に注ぎ、弱者をいたぶる雑魚どもを、一掃することを夢に見た
だからこそ、己は正しく――――貴様らを罰する権利がある]
おおぉぉぉっ!!
[男の拳が一閃する。若造の顔面に突き刺さる。
対手の体が、弾け飛び、はるか前方に転がった。
奴は当分、動かない。砕いてやった。鼻も、心も。
一つの『正義』を成し遂げた男は、不遜な面で、にやりと笑った]
死ねよ。弱ぇクズは。
[……いや、男はただ、手にした破壊の力を正当に行使する、そんな言い訳が欲しかっただけだったのかもしれない。
ふと、エンジン音が聞こえ、男はちらりとそちらを見やった。
一台の乗用車が男に向けて、まっすぐこちらに突き進んでくる。
そうか、と男は思う。その程度には腹を括った……腐ったクズも中にはいるのか。
例え機械的な凶器が向けられようとも、男は身を引くことはできない。
背中を向ければ強者の称号を、自ら投げ捨てねばならない。
恐怖がなかったと言ったら嘘になる。されど、クズと並んで弱者に陥るくらいなら、死んだ方がはるかにましだ。
躊躇いなく車へと走ると、男はボンネットへと飛び乗った]
…………ちっ。
[がつん、と体に響く衝撃。とっさにサイドミラーを引っ掴み転落を防ぐ。
思った以上の衝撃だ。だが、この程度では、男は決して倒れない]
[中で、驚愕する「クズ」の姿が見えた。ハンドルに齧りつき、男を振り払おうと遮二無二になって左右に回す。
見たか。男は優越感に浸り、運転席の「クズ」を見やる。
しかし心の中に過るは焦り。まずい。現場から離れていく。
あそこにはまだ幾人かが、仕損じたまま生き延びている。
彼女の身に危険が及ぶ。車はどこまで走る気なのか。
早めにケリをつけなければ。焦燥に駆られ、開いている窓から運転席へと乗り込もうとした瞬間――――身体が、振り落とされていた。
四足の着地。地面はアスファルトだ。そうか、ここは道路の上だ。
男を振り落とした乗用車が、一目散に男から遠ざかっていく]
逃げてんじゃ……っ!!
[乗用車の背に向けて叫びかけた最中、男はようやく気がついた。
……違う。奴らは男から逃げようとしている訳ではない。
単純に……ルールに従って、動いているだけ。
しくじった。奴らに気を取られすぎたせいで、反応が一瞬遅れてしまった。
背後から照らされる眩いライトと、耳をつんざくけたたましい急ブレーキの音。
これが男の――――『不注意』
かかって、こ……
[振り向き呟かれた声は、迫りくるダンプの圧倒的な存在感に気押された、蚊の鳴くような弱々しい声。
まるで、脅えた子供のような。
身体を打ち抜く突撃は、これまで培ってきた自信の全てを根こそぎ掻っ攫い引き裂く。
己の矮小さを突き付けられ、ふと、脳裏に「死」の文字が浮かんだ。
いや、そんなはずがない。吹き飛ばされたまま、男は思う。
これまで、勝ち抜いてきたではないか。時に敗北を期すことがあっても、乗り越え強者であり続けたではないか。
そうだ。強者だ。力を手にした者だ。
そんな己がこんなところで――――。
続く思考は、ガードレールに叩きつけられ、内側の破壊にあわせて終わった。
い……や、だ……。
こうして、男は絶対強者の自信とともに、身体機能の一部を、喪失してしまったのだった。
それからずっと。その命が、途絶えるまで**]
―回想・15年前・深夜の公園で―
己の夜も、やがては明けることだろう……**
メモを貼った。
【人】 聖歌隊員 レティーシャ 教材扱い…!? (170) 2011/12/08(Thu) 00時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ そ、そうなんや… (177) 2011/12/08(Thu) 00時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ う、うん、分かった、信じる。 (185) 2011/12/08(Thu) 00時半頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ …う? (215) 2011/12/08(Thu) 09時半頃 |
― どこか ―
――…あ、れ。
[ふと気がつくと、辺りは暗く。]
俺、どーなったんだっけ……
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
/*
中発言失礼します。
あくまで俺視点ですが……共鳴者の2人は死にに行っているように感じています。
おそらく、2人が一緒にいる、離れられない、という前提を作ってしまったため、動きづらくなってしまい、物語に絡めなくなってしまった、という感じでしょうか。
そのせいで、共鳴者としての利点(遠くにいても話せる)も、意味を失ってしまいましたしね。
特にローズマリーさんの
俺は襲撃については何も言わないと言ったとおりですが、ここら辺を考えて、地上にいたらどちらかに投票していると思いますよ?
一応、ご参考までに。
/*
ですね……そんな気配がします。
共鳴者に投票するにしても、俺も、投票するとしたらローズマリーさんでしょうし。
設定も全部出されていますし、生命力的にも、残されたら、フォローがない限り、ロールに困るようにも感じますから(最悪自殺されてしまうようにも)。
そこを踏まえても、ヴェスさんには票は行きづらいかもしれません。
と言いますか、俺の勘が外れていて、本当は生きようとしているのかもしれませんし。
すみません。引っかき回してしまったみたいで。
お力になれませんが、墓下からは熱く見守っていますからね!
バーレーさんも、フォローさんも、暁さんも、見事な動きをされていますよ。
きっとこのシーンはインパクトのあるものになるはず……ご自身を信じて、頑張られてくださいね!
メモを貼った。
【人】 聖歌隊員 レティーシャ[不意に、何かの音に睡眠を邪魔されて、夢から目覚める。 (250) 2011/12/08(Thu) 21時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ ……あれ? (251) 2011/12/08(Thu) 21時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ― 2階廊下→1階廊下 ― (258) 2011/12/08(Thu) 21時頃 |
― 来なかった放課後 ―
お前、絵、描くわけ?
芸術科か?――なんだやっぱり1年じゃねえかよ。
俺?俺音楽。うるせえ、こう見えても未来のソリストだぜ?
『うーす。俺もフケてきたー…って、ん?なんだそのでかい小動物は』
おー。来たかアリカワ。
あ、こいつ俺の腐れ縁のアリカワ。で、こいつは…ん、お前、名前なんだっけ。
『おおっ!あそこに見えるのは噂のローズさんじゃねえか!』
……お前人の話聞けよ。
[ゆるやかに、ゆるやかに、陽は傾いていく。]
【人】 聖歌隊員 レティーシャ …ッ 馬鹿!! (263) 2011/12/08(Thu) 21時半頃 |
メモを貼った。
【人】 聖歌隊員 レティーシャ あんたさえ居ったら、後は、もう全部… (268) 2011/12/08(Thu) 21時半頃 |
―食堂の扉を出て―
[テラスを抜け
そこで、熊を引き連れた男は、確かに何かを目撃したのかもしれない。
女生徒の魂――――逝人はその場にはいただろうか。
何が行われていたのかは、今はまだ、語らない]
……………………
[どれだけの時間を過ごしたのだろう。やがて男は、食堂の扉を目指す。
中で行われている出来事を、最後まで己の目に焼きとどめるため。
はたして、熊以外の同行者はいただろうか。
男は、閉ざされた扉
この場にいる生きた人間は、誰がいたのかは分からない。
けれど、男は生者のかわりに、座り込んだ小さな逝き物をその双眸に捉えたのだった]
猫さん…………
[そこには、心細そうに顔を撫でる猫の姿が。
死体は、周囲には見当たらない。きっと、どこか別の場所
長身の男は屈みこみ、そっと猫を抱きあげた]
苦しくは、ありませんでしたか。
サンテックスさんとは、最後まで仲良くされていましたか。
もし、そうでしたら……せめてもの、救いですよね。
[猫に、そっと頬ずりをする。これまで望んで叶わなかった行為
その感触が、再び男の記憶を呼び覚ます――――。
そうだ。少し前に、男の喪失の話をした。
これだけでは救いようのない、悲しいお話だっただろう
ならばこの間に……もう少しだけ、語りつないでおこうと思う。
再び過去に立ち返る男を、扉から鼻先だけを突き出した熊が、きょとんとしたまま見つめていた]
―回想・15年前・病院の大部屋、ベッドの上で―
[死んだのだ、と男は思っていた。
ベッド回りのカーテンを閉ざし、虚ろな瞳で揺らぎを見つめる。
遠くに感じる白布を網膜に写し込みながら、死んだのだ、再び思う。
ダンプに撥ねられた代償は、多大な後遺症を男にもたらした。
T7胸髄損傷。それは、戻ることのない下肢機能の喪失。
豪快なリフティングも、打突における踏み込みも、ただごく自然と歩くことすら、もう叶わない。
力に過大な信頼を、過信を抱いていた男
けれど、自死など決してできない。そんなことを行えば、耐えきれずに『死んだ』と嘲笑う奴らが、きっといる。
絶望に打ちひしがれながらも、なお灯るつまらぬ自尊心。
同時に、そんな内心を、まだ、彼らの故郷へと隠居してはいなかった両親
『死んだように』の言葉に相応しく、ただ食事を摂取し排泄し、整えられた環境の中、浅い惰眠を貪る日々を過ごしていた。
壊れた心と、体のままで]
[そんな日々をどれほど過ごしたことだろう。
ある日、男のもとに妙な闖入者が訪れた。
無気力に見つめるカーテンが小さく揺れたかと思った瞬間――――。
ベッドの上に、男の胸に、その来訪者は飛び乗っていたのだった]
ね……こ……?
[白い毛並み
なぜ、こんなところに猫がいる?
ここは、入院患者の集う大部屋であったはず……。
その疑問に答えるように、詫びを入れながらカーテンを開けた老人を見て、今度は目を見開いた]
ティモシ…………先、生
[見つめる先にいた人物は、高校時代の恩師、ティモシー。
そうだ。彼はあの頃から老人だった。
印象こそ薄かったが、気弱ながらも優しくて、だから、男が心の中では見下していた教員だった。
ティモシーは男のことを、すぐに思い出してくれた。
ヤチグサさん、と笑いながら語りかける彼のくりくりの瞳が、嬉しそうに細まっている。
どうやら、彼が顧問している生物学部の学生が、体調をこじらせ入院してしまったらしい。
猫がとても好きな子だから、連れてきたら逃げられちゃった。
そう言って微笑むティモシーの顔は、男の容体も、そばに置かれた車いすにもまったく頓着した様子はない。
それで、ヤチグサさんは、どこか悪くされてしまったんですか?
かつての教師は、制服を着ていたそのままの頃と同じように、下肢不随の男に問いかけたのだった]
[なぜ、彼に全てを語ってしまったのだろう。
なぜ、辛い心情も吐露したのだろう。
べったりとお節介を焼かす相手を、鬱陶しく感じる
けれど彼は、こちらへの関心もそれほど強くなく、微かなつながりを持った『他人』。
そんな絶妙な距離感が、心地よかったからかもしれない。
全てを吐きだしきった時、空虚な男の胸には確かに、淀んだ何かを排泄しきった、わずかな充実感に満たされていたのだった]
俺はもう、終わりだ。
こんな体になってまで、生きている価値なんざ、ない……です。
[久方ぶりの慣れない敬語を交えたのは、いったいどんな心境の変化か。
ティモシーは、違う、とも、そうだ、とも言わなかった。
ただ、うんうん、と頷いていた挙句に、うーん、と一人悩みこんでしまっただけだった。
胸の上にいる猫は、つまらなそうに欠伸をしている。
そんな1人と1匹の様子に、思わず頬が緩みかけた瞬間、思わぬ言葉が、男に告げられたのだった]
…………は?
え、えぇ。確かに、やりはした、が。
きょ、教師、だ、で、ですか? あの教育実習なんて、ただの気まぐれ……
……本気で、この、俺が?
[ティモシーはにっこり笑いながら、迷いなく男に告げてくる。
確かに、教育実習は行った。ただ、それは公務員試験の面談において、プラスになるかと思っただけのこと。
本気で教員になるつもりなど、微塵もあったわけではない。
けれど、語りだしたティモシーの熱は、収まらない。
学園が最近、バリアフリー回収を行ったんです。
せっかくやったのに、効率的に使ってくれる人がいないと、もったいないじゃないですか。
来てくれたら、嬉しいな。
だってね、あなたがその障害を乗り越えて、たくましく教壇に向かう姿は、生徒たちにも希望与えてくれるんじゃないかと思うんだもの。
いいじゃないですか。やってくださいよ。
動物、好きだったでしょう? 学園だったら、猫、いるよ]
は、ははは……。
[ティモシーへの答えを保留にしたまま、男は小さく笑いだす。
目元に、うっすらと涙をためて。
新鮮だった。下肢不随だなんだの事情には、変な気後れは一切持たず。
ただ、まるで思いつきのままに、無邪気に誘い込む存在が。
リハビリもまるでやらない己が、当然そうなるかのように、彼の言葉には迷いがない]
気が向いたら、考えてみ……ま、しょうか。
俺みたいなムサイ男が教師になったら、生徒が可哀そうかもしれませんけどね。
[本当に、『希望』なんて与える力があるかどうかは分からない。
けれど、強者としての力を失った己が、かわりそれを手にすることができたなら。
『死んだ』ままの今よりかは、少しはマシな生き方ができるのかもしれない。
単なる気まぐれだったのかもしれないけれど、男は新たな生きがいを持つとともに、誘ってくれたティモシーに対し、大きな恩義
『車いすの教師』が学園に舞い降りたのは、それから1年後のことだった]
―回想・15年前・病院の大部屋、ベッドの上で・了―
―食堂の扉を出て―
あなたは、あれから何代目になるんでしょうか。
あなたのご先祖様は、俺がこうして教師となる、ちょっとしたきっかけを作ってくれたんですよ。
感謝、しています。
[猫を抱きしめながら、記憶の蓋をそっと閉ざした。
男にとって、誰かに語るに値する話など、これ以上はきっと出ない。
ただ、死してなおこう思えるのは、幸せなことではあると思う]
……この学園に、これてよかった。
[遠くから聞こえる銃声
そうだ。志半ばで倒れようとも、これてよかった、この気持ちに嘘はない。
ならば、己は行かなくては。この場には、男にそんな思いを与えてくれた、学園のみんなが待っている。
あの世の猫を抱き、あの世の熊を引き連れ。
男は音源の方へと向かって、歩みをすすめていったのだった**]
― いつか ―
[辺りは暗く、体は鉛のように重い。白い影がそこら中にちらちらとうごめいているように見える。まだはっきりしない頭で、ぼんやりと考える。あれは、いつ、どこだったっけ。誰と一緒に、いたんだっけ。しばらくの間、記憶の片隅を探って]
……あーあ。
[長い沈黙の後、ぼそりと呟いた。]
そんな思い出があったら、よかったのに、なあ…
[そう、本当は気づいていた。それは訪れなかった、ほんの少しの未来の記憶。
涙は、もう流れない。淀んだ沼のように、ただそこにとどまっていた。**]
メモを貼った。
メモを貼った。
【人】 聖歌隊員 レティーシャ 私を… …してくれるて、言うたやんか… (271) 2011/12/08(Thu) 22時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ ……。 (277) 2011/12/08(Thu) 22時頃 |
【人】 聖歌隊員 レティーシャ[直後に、再び涙が毀れた。 (280) 2011/12/08(Thu) 22時半頃 |
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