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―― 前夜祭 ――
[応援してる、という>>0:704 葛くんの言葉に、わたしは目を瞬かせます。
素行が悪いなどと おかしな噂を学校で立てられている彼の、 素の一面を垣間見た気がしたのです。
……らしくない、などと形容したら 葛くんに怒られてしまうでしょうか。 きっと本来の彼は、いつぞやの手紙のように 心根のやさしい人なのでしょう。
ふ、と わたしは笑みを浮かべて彼に振り返ります]
(39) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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応援ありがと。 高校で最後の演奏になると思うから、 よろしく。
[発した台詞が、自分に跳ね返ってきました。
そう、さいごなのです。 わたしが、ホルンと共にあれるのは。 明日で終わりなのです]
(40) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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じゃあね。また明日。
[なんだか泣きそうになってしまったので、 わたしは前を向いて 足早に葛くんから離れます。
こんな顔をしているのを 葛くんには見られたくない、と 思ったからです]
(41) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[不幸な事故で、 サッカー部をやめることになった。
そう噂で聞いていました。 それからずいぶんと荒れてしまった、とも。
わたしが、何らかの理由で 吹奏楽をやめることになっていたら。 想像したことはありますが、 きっと耐えられません]
(42) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[葛くんは、どちら側の人間だったのでしょう。
仄日ちゃんのように「興味ない」>>0:342と はっきり言い切れる側の人間だったのでしょうか。
それとも、わたしのように――……]
(43) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[後者だとすれば、それは悲劇です。
ああ、でもきっと安住英子は 前者の人間だったのでしょう。
そうでなければ、なんで]
(44) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[ばち、ばち。
乾いた音を立てながら、 キャンプファイヤーの炎が爆ぜています。
ふと、各務くんが仄日ちゃんの手を取って フォークダンスの輪の中に>>0:807>>0:817 エスコートしてゆくのが見えました。 変わった組み合わせだな、と思いました。 同時に、その光景は青春の輝きに満ちていました]
(45) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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[わたしには、ホルンしかありません。 ホルンだけが、青春でした。
踊る各務くんの表情は 明日の演奏への緊張など微塵も見えませんでした。
うらやましいな、という感情が芽生えます。
わたしは、とてもちっぽけな人間です。 いちごみるくの飴玉に、縋ってしまうくらいに。
耐え切れず、わたしはその場を後にしました]*
(46) 2018/10/15(Mon) 11時半頃
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―― 文化祭当日朝 / 体育倉庫の裏 ――
[朝早くからわたしは ホルンの自主練に励んでいました。 いつもの朝練の定位置は 3-Aの教室のベランダでした。
けれど文化祭の今日ばかりは クラスのみんなの邪魔をしてはいけないと思い、 早朝から体育倉庫の裏を陣取っていたのです]
(47) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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[ふと、ホルンの音色が止まります]
……英子ちゃん。
[名前を呼ばれ、わたしは振り返りました。 そこにいたのは、安住英子でした。
掛けられた言葉に、わたしは顔面蒼白になります]
(48) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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「酷いよ」
(49) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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「――――――――」
(50) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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[絞り出すように、そのふたことを囁きました。
安住英子は、そのまま くるりと踵を返して、そこから去ってゆきます。
あとには、ぽつんと ホルンを抱えたわたしひとりが残されました]
……………っ、
[どれだけ、そうして立ち尽くしていたでしょう]
(51) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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大丈夫、……大丈夫。
[ポケットから取り出した いちごみるくの飴玉を、ぎゅうと握りしめます]
ホルン、吹かなきゃ。
[震える唇を、無理やりに マウスピースに押し当てました。
きっとそのときのわたしは、 泣きそうな顔をしていたことでしょう。 心臓を掴まれるような感覚に、眩暈を覚えます]
(52) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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[物悲しいホルンの旋律が、 体育倉庫の裏からグラウンドへと響いてゆきました]**
(53) 2018/10/15(Mon) 12時頃
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[きっと、わたしは きらきらとしたものが怖かったのです]
(109) 2018/10/15(Mon) 21時頃
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―― 回想 / 前夜祭 ――
[わたしがキャンプファイヤーから 離れようとしたとき>>46のことです。
当の各務くんから踊りに誘われ、>>82 一瞬、どきりとしてしまいました。
各務くんの言動は、まるで わたしに「ホルン以外の青春もあるんだよ」と 訴えかけているようで。 まっすぐこちらに伸ばされた手は、 わたしを青春にいざなうものに感じられました]
(110) 2018/10/15(Mon) 21時頃
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……ちょっと、 文化祭の準備で疲れちゃったから。
今回は遠慮しておくね。
[しばしの逡巡の後、 わたしは各務くんに首を振ります。
いまは、ホルンのことだけを考えなければならない。 そう思ったのです。 それは強迫観念のようなものだったのかもしれません。
わたしはどこまでも憶病で不器用な人間です]
(111) 2018/10/15(Mon) 21時頃
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わたしよりも、英子ちゃんを誘ったら きっと喜ぶよ。
さっき、この近くで見かけたし。
[各務くんと安住英子の関係に、 変化>>78があったことなど知る由もありません。
ただ、各務くんが安住英子を慕う 可愛らしい後輩に見えていたわたしは、 ふたりの男女の機微を知ることもなく そう答えるのでした]
(112) 2018/10/15(Mon) 21時頃
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明日のソロパート、頑張ってね。
[にこりと笑顔を浮かべて、 各務くんに背を向けました]*
(113) 2018/10/15(Mon) 21時頃
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[いつかふたりでまた ホルンを吹ける日が来るのではないかと。 きっとわたしは、甘い夢を見ていたのです]
(122) 2018/10/15(Mon) 22時頃
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[ホルンを吹いていれば、いつかまた安住英子と 以前のような関係に戻れるのではないかと。
ホルンこそが、わたしと彼女を繋ぐ絆なのだと。
おとぎ話のお姫様に夢見る子どものように、 わたしは無邪気にそう信じ切っていたのです。
結局のところ、それは叶わぬ夢でした。
ついに現実と向き合うときが、 夢から醒めるときが、やってきたのです]
(123) 2018/10/15(Mon) 22時頃
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[わたしにとって 高校生活、最後の公演が幕を開けようとしていました]
(124) 2018/10/15(Mon) 22時頃
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―― 吹奏楽部公演 ――
[トランペットソロで幕を開けた公演は、 中盤へと差し掛かっていました。
ふと、わたしは 体育館に設けられた観客席へと目線を向けます。
そこに、四十崎くんや葛くん ……あるいは同級生たちの姿はあったでしょうか。
ひとつ確かなことは、 その会場に安住英子はいなかったということです。 わたしは、複雑な心持ちになりました。
安堵と、失望と、悲しさが入り混じります]
(125) 2018/10/15(Mon) 22時頃
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(いけない、演奏に集中しなくちゃ)
(126) 2018/10/15(Mon) 22時頃
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[ホルン三重奏。 わたしにとって、今回の公演で1番の見せ場となる曲。
冒頭のトランペットソロ。>>0:390 その映画の主題歌にもなった曲目です。 普段目立たないホルンが、主役になれる瞬間でした。
何度も、何度も。練習してきました。
後輩たちの演奏も、癖も、間の取り方も わたしは全てを熟知していました。 目配せを交わし、その演奏は始まります。
ホルンの音色が、会場いっぱいに響き渡りました]
(127) 2018/10/15(Mon) 22時頃
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(ホルンを、ホルンを吹いているときだけは。 きっとわたしは輝いているはずなのです)
(128) 2018/10/15(Mon) 22時頃
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[満ち足りた気分でした。
会場のスポットライトを浴びて。 ホルンの音を響かせて。
ポケットの中には、お守り代わりの飴玉ひとつ。
ずっと、この時間が終わらなければいい。 そう思いました]**
(129) 2018/10/15(Mon) 22時頃
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―― 吹奏楽部公演 ――
[演奏の途中、観客席へと目を向けます。
席を立つ仄日ちゃんの姿>>165が 視界の端に映りました。
「興味ない」と言いながらも 最後の公演を聞きに来てくれた彼女に 口元が緩みます。
やはり、仄日ちゃんは「冷血」だなんて 不名誉な仇名をつけられるような子ではないと、 わたしは思うのです]
(218) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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(…………あ、)
(219) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ふと、観客席から真剣にこちらを見つめる瞳と 目が合った気がしました。>>193
四十崎くんでした。
来てくれたんだ、と 胸がじんわりとあたたかくなるのを感じました。 口角が、思わず上がります]
(220) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[あの、ふたりきりの 朝の穏やかな時間を思い出しました。
あのやさしい時間が、 四十崎くんからもらった飴玉が、 どれだけわたしのが支えになったのか。
きっと彼は知らないでしょう。
せめて、この演奏が彼の心に 何かを残してくれればいい。そう思いました。 感謝の気持ちを込めて、旋律を奏でます]
(222) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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(ポケットの中のお守りが、 わたしに勇気を与えてくれる気がしました)
(223) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[そうして、 ホルン三重奏は終わりを迎えました。
わたしは静かに席に座り、 次の曲目へと譜面を捲ります。
主役の座を降りれば、 あとはメロディに溶け込むだけです。
そっと各務くんに目を遣りました。 普段は軽率な印象の彼も 今は真剣なまなざしを演奏へと向けています。
―――演奏、楽しみにしてる。>>208
昨夜の彼の言葉を思い出しました。 先程の三重奏は、果たして各務くんの期待に 応えることができたのでしょうか]
(224) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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(ああ、今わたし。すごくしあわせだ)
(225) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[ホルンを吹いているときだけは、 わたしは孤独ではないと実感できるのです。
あたたかな心持ちで、 わたしは旋律に身を委ねました]*
(226) 2018/10/16(Tue) 00時半頃
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[そう、わたしは本当に「しあわせ」なのです。 ちくりと刺さった心の棘は見ないふり。
―――仲、良かったもんな。>>207
いつか各務くんに掛けられた言葉を わたしは思い出していました。
中学の頃なら、このホルン三重奏だって きっとわたしの隣には彼女がいたはずで]
(242) 2018/10/16(Tue) 01時頃
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[安住英子の奏でるホルンの旋律は、 今でもこの耳にはっきりと残っているというのに。
彼女と奏でる旋律は なによりも素晴らしかったはずなのに。
わたしのことを誰よりも分かっているのは 彼女のはずだと信じていたのに。
結局のところ、わたしは 彼女のことをなにも理解していなかったのです]
(243) 2018/10/16(Tue) 01時頃
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わたしは、昔みたいに仲良くしたいんだけどね。
(244) 2018/10/16(Tue) 01時頃
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[それはいつかの居残り練習で、 各務くんの問い>>207に対して返した言葉。
ねえ、潮田瑠璃。 いい加減に認めましょう。
友情なんてとっくに、壊れていたんです。
縋っていたのは、わたしだけ]**
(245) 2018/10/16(Tue) 01時頃
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[わたしはただの、抜け殻でした]
(272) 2018/10/16(Tue) 13時半頃
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―― 舞台裏 ――
[吹奏楽部の公演が終わったあとのわたしは、 表面上は平静を保っていました。
手早く片付けをする各務くん>>236に 「ソロかっこよかったよ、お疲れさま」と 笑顔を向けたでしょうし。
続く3−Aの劇まで時間がないため、 音楽準備室への撤収を部活の友人に任せることに 頭を下げもしたでしょう]
(273) 2018/10/16(Tue) 13時半頃
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ホルンは自分で片付けるから。 譜面台よろしく。
[そうして、音響機器の並ぶ舞台裏の一角へと わたしは腰を下ろしました]
(274) 2018/10/16(Tue) 13時半頃
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[未練がましくホルンを抱えて、 パイプ椅子の上に行儀悪く体育座りをします。 終わってしまったのです。 わたしの、青春は。
ポケットの中の飴玉を指で弾き、 すこし悩んだ末に 携帯電話でひとつのメッセージを送信します]
(275) 2018/10/16(Tue) 13時半頃
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───────────────── To 四十崎 縁 From 潮田 瑠璃 ─────────────────
最後の公演、聴いてもらえて 本当に嬉しかった。
ありがとう。 四十崎くんのお陰で頑張れたよ。
ホントのことを言うと、 もしかしたら今日も四十崎くんと会えるかもって思うと 毎日の朝練も楽しみで仕方なかったんだ。
飴玉がわたしの支えでした。ありがとう。
─────────────────
(276) 2018/10/16(Tue) 13時半頃
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[それから、もうひとつ。 クラス替えの時期に連絡先を交換して以来、 1回もメッセージを送ったことのない彼に はじめてメールをしたためました]
(277) 2018/10/16(Tue) 13時半頃
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───────────────── To 葛 九十九 From 潮田 瑠璃 ─────────────────
吹奏楽部の公演に 英子ちゃんを誘ってくれたんだってね。
朝、英子ちゃんから聞きました。
色々気を遣ってくれてありがとう。 ごめんね。
─────────────────
(278) 2018/10/16(Tue) 13時半頃
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[安住英子になにを言われたかは、 詳しくは書きませんでした。
……いいえ、書けませんでした。
ホルンを膝に抱えたまま、 わたしは無表情に 劇の脚本のページを捲ってゆきました]**
(279) 2018/10/16(Tue) 13時半頃
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―― 舞台裏 ――
[空っぽのわたしは 自分の心にぽっかりと空いた 大きな穴に気付かない振りをしながら、 劇の音響準備を進めていました。
携帯電話が震え、脚本を捲る手を止めます。
わたしは暗がりの中、 光るディスプレイに目を向けました。
そうして、四十崎くんからの返信に 大きく息を飲みます]
(331) 2018/10/16(Tue) 22時半頃
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「もう一回くらい聞きたい」>>297
(334) 2018/10/16(Tue) 22時半頃
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(―――ねえ、お願い。もうすこしだけ)
(335) 2018/10/16(Tue) 22時半頃
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[わたしは、とても欲深い人間です。
震える指先で、ホルンをやさしく撫でました。 この子とあと少しでも長くいられるなら。わたしは。
観客がいるかぎり、 ホルンを吹く理由が生まれます]
(336) 2018/10/16(Tue) 22時半頃
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───────────────── To 四十崎 縁 From 潮田 瑠璃 ─────────────────
四十崎くんのために もう1回ホルンを吹くから。
飴玉、ください。
─────────────────
(337) 2018/10/16(Tue) 22時半頃
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[開演前になっても、 四十崎くんは姿を現しませんでした。
そっと彼にメールを送信すると、 わたしは開演のときを待ちました。
そうして、舞台の幕は上がります]*
(339) 2018/10/16(Tue) 22時半頃
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―― 劇 ――
[仄日ちゃんの脚本は、 やっぱり素敵だと思いました。
先程までわたしがホルンを演奏していた檀上では、 羽音ちゃんがスポットライトを浴びています。
主人公の手を握り、 かわいらしく微笑む羽音ちゃんは>>286 少ない出番だというのに ヒロインを食ってしまうような存在感を放っていました]
(359) 2018/10/16(Tue) 22時半頃
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お疲れさま、すごくかわいかったよ。
[出番を終えた羽音ちゃんが 舞台袖に戻ってきたなら、 小声でそう囁いて、ぐっと親指を立てたことでしょう。
世辞ではなく、本心です。 いまの羽音ちゃんは、とびきりに綺麗に見えました。 まるで、御伽噺のお姫様みたいに。
舞台裏で音響機器をいじる、わたしの膝の上には 相棒のホルンが所在なさげに置かれていました]*
(360) 2018/10/16(Tue) 22時半頃
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―― 劇 ――
[ありがと、と>>376 謙遜せずに答える羽音ちゃんは やっぱり輝いて見えました。
わたしが同じことを言われたら、どうでしょう。
そんなことないよ、と 首を横に振って謙遜してしまうことでしょう。 そんな仕草が可愛くないのだと、 わたし自身が理解しています。
羽音ちゃんのように、自分自身に自信が持てたら ホルンに縋らずに済んだのでしょうか]
(397) 2018/10/16(Tue) 23時半頃
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(彼女との友情に、縋らずに済んだのでしょうか)
(398) 2018/10/16(Tue) 23時半頃
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[そのとき、ポケットの中の携帯電話が震えます。
返ってきた四十崎くんのメール>>364に わたしは小さく息を吐きました。
あと1日。 それくらい許されますよね。 もうすこし、夢を見させてください。
劇の合間に、短く返信をします]
(399) 2018/10/16(Tue) 23時半頃
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───────────────── To 四十崎 縁 From 潮田 瑠璃 ─────────────────
うん。 明日の朝、いつもの場所で。
─────────────────
(400) 2018/10/16(Tue) 23時半頃
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[あのやさしい時間を、何の気兼ねもなく ふたたび四十崎くんと過ごすことができると わたしはそのとき信じていたのです。
―――これから起こることなんて、 知る由もなかったのですから]**
(401) 2018/10/16(Tue) 23時半頃
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