149 Hogwarts School ~ 2nd season ~
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−生と死の狭間の夢−
うわやべぇ!遅刻!
あいつもう来てっかなー、時間守るしなー
[タンッ。クッションのしっかりした靴で地面を蹴り、走り出す。
久し振りに親友と会うというのに、いきなりのトラブルで時間は溶けて。
気づけばあたりは薄暗い]
っと、確か三本の箒だったよな
バタービールでも奢ってやるかー
[共に飲みに行くのも何度目か。
チリリと頭の端を灼く違和感をみない振りして、駆け出す
少年は、青年になっていた]
── それは幸せな夢 ──
[待ち時間の10分前には店の前に着き、二人分の席を確保する。大体の いつものパターン。
ざわざわと賑やかな店内の喧騒をぼんやりと聞きながら頬杖をついていれば、時計の針は待ち時間を指し、カチッ 音を立ててまたひとつ進んだ。
待たされるのには随分と慣れた。
くるくると軽やかに走りまわる彼には自由という言葉が似合っていて、時間などには捕らわれない。
遅刻か… なんて怒りは当然無く、
まだかな… なんて不安は あの時と違って感じない。
( 『あの時』…って、いつだっけ…… )
ふと浮かんだ疑問は、新たな来客を告げるドアの音によって霧散した。]
−夢の中−
カルヴィン!悪い!
バタービール奢る!
[カランカランカラン!扉を開いた瞬間の鐘の音に少しは注目が集まるけれど、見かけた金髪にかけよればそれも散る。
酒場のママには走るななんて注意されたけど]
待たせたろ
ごめんなー
えーと、俺はカシスオレンジ。オレンジ強めで頼むよ
[オーダーを済ませてカルヴィンを見れば、手を伸ばして髪をわしわしと撫でて乱して]
今度はちゃんと待ってたな。
偉いぞー
[ちらりと浮かんだ、ホグワーツの教室。
『合流場所』で隠れて待っててくれればなんて思考は、まるで水のようにするりと抜け落ちて]
── 夢の中 ──
丁度、同じ事思ってたんだ
[バタバタと近づいて来る彼に仕方ないな…なんてぼやきながら笑う
待たされた詫びの印として、バタービールでも奢らせようかという思考は、見抜かれていたのか、偶然か…
長い時を過ごしたことで、好みが把握されている ということもありそうだ ]
わっ 、…!
[ぐしゃぐしゃに 遠慮なく撫で回されれば、小さな驚きの声をあげ ]
今度?いつも僕はちゃんと待ってるじゃん
ふは、もっと褒めていいぞー
[心当たりがないことを言われれば首を捻るも、すぐにいつものやり取りで流れてしまう。
なんでこんなに楽しいのだろう。
久々に、こうしてゆっくり話せるからかな。]
[座りなよ、
そう向かいの席をすすめて、トニーと真向かいから顔を合わせれば 「遅かったね、何してたの?」と訊いてみたか。]
責めるとかじゃなくて、
僕より重要な用事って何かなー?と思ってさ
[茶化すように ニヤリと笑って
そうして話していれば、注文していた飲み物が届き、それぞれの手に持って ]
── 乾杯 !
−夢−
いやー、喧嘩の仲裁してさー
情報屋の取引相手でもなんも無かったんだけど、つい手出しちまって
うっかり何発か本気で入れちゃって、警察に注意されてきたー
[けらりと笑いながら、ナイフもって無くてよかったなんておまけの感想も交えつつ。
オーダーがきたらグラスを握り]
俺たちの友情に、かんぱーい!
[カツンと合わせたグラスに陽気な笑みを浮かべ、グラスの半分ほどを飲み干す]
やー、でも
仕事の後の冷たい飲み物はうまいなー
親友が一緒ならなおさらだ
―オスカーについていって―
リレイン…。ああ、そうだ。それでいい。
[正義は、そう、それでいい。君は、その正義をまっすぐ持ってくれればいい。でも…。]
たのむ…ナイトレイ…リレインだけは、殺さないでくれ…
[ただただ、祈るしかない。そんな愚かで力のない自分が]
憎くて憎くて堪らない…。
[ただ、ただ、つぶやいて。]
( や め ろ ! )
[その叫びは声になることはなく、ただ口だけが動く、
倒れ込むリレインを真っ赤に染まった瞳で見ることしかできない。]
Finito…Finito!
[魔法など、いくら唱えたところで形になどならない。虚しく、声だけが響くのみ。]
[遅れた理由を聞けば、はぁ〜...と大きく息を吐く。
昔は、よく目をつり上げて無鉄砲な彼の行動に怒りもしたが、今でも変わらないトニーに ただただ呆れと諦めの気持ちを抱く他無い。]
もー…、本当に気をつけてよね
いつかキミが取り返しのつかない
大怪我をしそうで 心配だよ…
[それでも、小言くらいは言わせてもらう。]
僕の知らない所で死んだら、
怒るどころじゃ済まさないから
[その声は、とても軽く。
口元にはうっすらと笑みを浮かべ
実際には起きないだろうと思っているからこそ、そんな冗談を交えた。]
[カツン グラス同士をぶつけて音を立て、ごくり ごくりと喉を鳴らす。
一気に煽ったトニーのグラスは、早くも半分ほど消えていた。]
やだ、トニーおっさん臭いよ
言ってることは 分かるけどさ
[くすくす 、笑い声をあげながら。
また一口 と、ジョッキを口元へ]
はいはい、そうだね
[『親友』と言われるのも、自分が口にするも恥ずかしがっていた昔…
今では 照れることなくさらりと流したり、自ら言えるようにもなった。
数ある成長した事の内の、1つ。
ちら と騒がしい店内へ視線を移し ]
キミという親友を持てて 僕は幸せだ
[でも、やっぱり まだ、目を合わせて言うのは 恥ずかしいや。*]
わかってるよ
死にそうな仕事は取らないし、もしそんな依頼が入ったときも、手助けを頼むし
大丈夫だって
[許さないから、という言葉には髪を撫でて大丈夫だと安心させようとして。
おっさんくさいと言われれば自覚はしていたので芝居がかった仕草で机に胸から上を投げ出し拗ねて見せて]
わかってらーい
俺がおっさんならカルヴィンもおっさんなんだぜ、一個下
[ケラケラ笑う声は酒で何時もよりも陽気に響き。
真面目な相方がデレを見せるのは珍しいと思ったところで、わざと視線を合わせないことに気づいて、にやりと笑う]
俺の目を見て言ってほしいなー、カルヴィン?
俺がなんだって?
[ニヤニヤ、チェシャ猫のように笑いながら、カルヴィンを見上げ]
[机に倒れ伏した彼。
成長期に入っても さして急成長を遂げなかった僕の背は、彼より低いままで…。むしろ、あの頃よりも差が開いている。
そんな彼を上から見下ろす、なんて事は貴重な機会。
拗ねるように唇を尖らせたのをみて、ふふっと笑い、ぽんぽんと赤髪を撫でる。つい先程とは 逆の立場。]
僕はそんな言動しないしー
[失礼な、なんて
自分が先に言ったことを棚に上げて言う。]
[その後のやり取りが始まれば、]
…いじわる
[楽しげに目を細める彼に、ぽつり 呟いて
他の相手から言われたなら その場で切って捨てるものを、“親友”から『言ってほしい』なんて強請られれば 葛藤が生まれる。
さらっとノリで言ってしまえばいいのに、それも出来ず。そうしている間にも時間は止まらなくて、段々言い辛くなっていく。
うーー…と内心で唸りながら、
幾度か 視線を辺りに泳がせて
意を決したように 彼の方を向けば、此方を見上げていた目とかち合った。]
かけがえのない親友だ、と 思ってる...
[尻すぼみに声が小さくなっていき
それでも言い切れば、ふいっとそっぽを向く。
その頬には、恥ずかしさからか朱が差していたか * ]
[長い思考の末に親友だと、それもかけがえのないと告げてくれた親友に、笑う。
その顔が赤くなっているのを見ればくつくつと更に笑ってしまうだろうけれど
ただ、嬉しくて、幸せで]
いやぁ、かわいいなあ、カルヴィン?
照・れ・屋・さ・ん
[からかいながらもトニーの顔も少しだけ照れてほのかに赤く]*
やめてよ…
[かわいいだとか、照れ屋だなんて言われれば、むず痒くて 更に顔に熱が溜まる。
たかだかバタービール程度じゃ、酔っているなんて誤魔化しも通用しない。
ほんのりとあつくなった頬を 手のひらで冷ましながら、照れ屋はまだ分かるけど、可愛くはないだろう。と心中複雑になってみたり。
喉を鳴らして笑うトニーにじとっとした目を向ければ、彼もまた 自分と同じように面映ゆさを感じているようで… ]
なんで、言わせたキミまで照れてるの…
[なんだか、こう、恥ずかしくていたたまれない。
この空気を変えてしまおうと メニューを取り出し、何かつまめるものでも頼もうかと、強制的に話題変更を試みようか。]
うっせいやい。
改めて言わせるのは良いけどカルヴィンが照れると俺も照れ臭いだろー
つまみは何にするかなー
カルヴィンは飲まなくていーのか?
今日は奢るぜ?
[照れ隠しにカルヴィンの髪をぐしゃぐしゃと撫でるとカルヴィンと一緒にメニューを見る。
メニューの向こう、机の近くにある柱時計はチクタクと時を刻んで]
奢り? 全部??
[「だったら高いもの頼んじゃおっかな」なんて、わざとらしく言ってみたり。
半分くらいは冗談。つまり もう半分は本気で。]
ちょっ、鳥の巣みたいになるだろ…!
[撫でられれば、抗議の声を。
何度目になるのかなんて、もうわからないほど慣れたこの応戦。
と言っても、大概は僕が防御ばかりだけど。
彼の気が済んでから、手櫛で髪を整え
トニーに向かって元に戻ったか確認して、まだボサボサになっている所があるようなら「ん、」と、暗に『直して』と頭を向ける。]
僕、肉食べたい。肉。
あと、ピーマンは絶対イヤ。
[ぺらり メニューを捲りながら、そんな主張をしてみたか。]
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