145 来る年への道標
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アイライトさんの演奏は素晴らしい。まさに言葉も出ませんでした!(開き直り)
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―日付変更前:ラウンジ―
[アイライトが窓を眺めていたら背後で物音がして、振り返ると黒髪の男が机に何やら広げていました。]
(あら……そういえば、演奏は聴いてくれたのかしら)
[彼は確か聴きたいと言っていたはずですが、演奏の前後にはその姿をラウンジに見なかったように思います。 何だかもやもやと気になりはするけれど、改めて演奏を聴きにきたか尋ねるのなんてみっともない気がして訊けません。もだもだと黙ったまま見ていることにしました。]
(……何を眺めているのかしらね)
(0) 2015/01/10(Sat) 22時頃
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[人は後悔と共に生きる事もある……――それが人生《ライブ・オア・デス》……**]
[星間詩人《ポエティック・インタ−ステラ−》アンタレス……**]
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(あら……案外かわいいひとなのかしら)
[ガッツポーズをして、それから咳払いをするエフを見てそう思いました。 >>3 故郷の男はあんな姿を見せやしない(それをアイライトのような女性達はよく思っていない)ので、あんな些細なことでもいいものを見た気分になります。
それから、ポーラが入ってきたのに気づきます。 目が合うと微笑みかけてくれた彼女に、なんだか照れながらアイライトも微笑み返しました。 >>2]
(この船は……なんだかいいひとばかりのようだわ……)
[今回の里帰りに際してこのような船に乗れたことを、いっそ神の導きのように感じるのでした。]
(10) 2015/01/11(Sun) 17時半頃
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[沈黙の中エフに話しかけられて、少し動揺します。 >>6 彼女の光も驚いたように一瞬弾けましたが、一応平静を装って話を聞いてみれば嬉しい話でした。]
"ヨカッタ"……/聴いて/らっしゃったの。
[でもドアの外だと言うからアイライトは少し不満です。小さな星空を魅せるのも奏者の技術なのですから。
それから、エフが故郷に帰ろうと思うということも聞きます。辿り着けるかわからないという部分はアイライトも首をかしげましたが、深くは突っ込まないことにしました。]
ソウ……"ヨカッタ"わ。#役に立った#みたいで。 アナタ"怖い顔"で……まだちょっと#険#……?があるけど、 少し/スッキリ/……しているみたい。
(11) 2015/01/11(Sun) 18時頃
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#最後ノ曲#は…… 『我々の英雄』、それの『第一楽章「夢」』という"曲"です。
[哀しみを湛えていそうな黒さなのに、あの曲を気にいってくれたのはなんだか、人の希望を見るようでした。 わずかな灯火のような美しさがそこにある気がして思わずアイライトは言います。]
デモ……もし"良かったら"……いつかちゃんと、 もういちど#演奏#を……聴きに来て"クダサイ"。
私達の/コンサート/は……目で"見る"ものでもあるから。
[エフが故郷にもし帰れれば、決してそれが叶うことなどないだろうとアイライトは知らず言います。 今だけは、自分達の演奏の哀しい由来を考えることもなく。 もしエフが改めて演奏を聴くことがあったなら、哀しみさむしろ彼にとってちょうどいいかもしれませんが……。]
(12) 2015/01/11(Sun) 18時頃
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―回想・ブルー・フォレスト到着前―
《次は、ブルー・フォレスト、ブルーフォレスト…》
…わいは!?
[それは、数日前に遡る。通りかかったエフが去り、客室へと戻っていった後。自身は客室へは戻らず、廊下で暫く星を眺めていると、船内のアナウンスが流れ始めた。
磁気嵐の影響で、宇宙船の航宙路は随分と変わったようだ。客室へ戻り、小さな鞄を背負う。]
……そうけ…。
[結局、アイライトの演奏を聴く事は出来なかった。
思いがけず早く故郷へ戻れる嬉しさと、期待を高めた綺麗な音を耳にする事が出来なかった残念さと。両方の気持ちを荷物と一緒に抱きかかえて、エントランスを目指す。]
ちょぺっとの旅んだばって、
この船の人達ば、い人だったべなぁ…
[この広い宇宙でも、また何処かですれ違う事は有るだろうか。想いを巡らせながら、並んで到着予告が表示されていたインフォメーションウィンドウを見上げて]
…”アース”…
[エフとアンタレスが帰るという、蒼い惑星の名を呟く。
水の中に町が眠るという――自分にとっては未知の星。]
(アンタレスさは客室でいっつが荷造りばしとったけんど、
エフさはどしてたべな…?)
[彼が戻っていった客室の扉を叩けば、一言ぐらい挨拶を交わせただろうか?
船内で幾度か同じ時間を過ごした、彼の事を思い返す。
ゆるやかな笑みを浮かべて話すけれど、その真っ黒なコートのように心の奥は覗けないような。
何処かふわふわとした存在に見えた人。]
エフさも、まじる人さ所まで、きーつけて…へばな!
[挨拶のタイミングが合わなくても、きっと空に呟くだろう。
彼がきちんと”故郷”に帰る事が出来れば、きっともう会う事は無いのだけれど。無事の到着を祈り、ウマヒツジ15号を下りていったのだった。**]
―回想・了―
→ブルー・フォレスト―
[そうして辿りついた、小さな蒼い彗星《ブルー・フォレスト》。
この季節は降雪が著しく、ウマヒツジ15号も碇泊の際に少し雪を被った事だろう。水玉宇宙服を雪まみれにしながら、母親に聞いた病院まで駆け込んで…]
じさま!じさまは…!?
[病室の扉を開けると、――其処には…
…何時もと変わらない祖父が、暢気に茶を啜っておりました。
喉につっかえた餅は難なく取れ、すっかり調子を取り戻した相手は、「さしない!」なんて声を上げて。
...は、へたり込みながらも、息を吐く。]
おら、ほんとね、ぶったまげたべ…!?
[暫く言い合った後、寝台の端に用意された椅子に腰掛けて。
都会でした仕事の事。帰りの宇宙船で聞いた、未知の星の話。
空から降る雪のように、次から次へと話を積もらすのだった。
――貴方が何時か、何処かの星で。
”ラシーヌ・ポール”という灯籠を見かける事があれば、其れは蒼い彗星《ブルー・フォレスト》の小さな職人が作った物かもしれない。**]
導かれたんずや…クオデイ・オカヨフの理(ことわり)に…
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[演奏がもったいないだなんて言われて、アイライトはまた動揺するばかりでした。アイライトの腕は楽団でも中の上といったところ。 トリンクルの音楽を聞いたことがないからだとは思いましたが、それでも悪い気はしませんでした。 >>13
スッキリしたように見えたのは何か勘違いだったでしょうか。エフの言葉を聞いて(>>14)考えましたが、トリンクルの言葉が浮かぶばかり。]
『彼の地は遥か彼方に在りて道は無し。されど苦痛と年月の上に到達すべし』……そういう"言葉"が/アリマス/ 『諦めることを諦めよう』……そんな#意味#です。 ワタシには、そう"見えます"。
[いえ、余計なことを言いました、とアイライトは撤回します。彼の苦悩を理解できるわけがないのだから。 彼の片目の色がそれを物語っている気がします。]
(18) 2015/01/11(Sun) 23時半頃
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[>>15 曲名を聞いてぽかんとする彼の姿を見ても、それを思います。 何か思うところがあるのだろうか、記憶に重なることでもあるのだろうか。『英雄』も『夢』も、アイライトにとっては遠い歴史の出来事で、平穏に生きている身では想像もつかない事柄です。 考えたのは、ああこんな表情もするのだな、ということばかりでした。
>>17 それから不思議なことを訊かれました。]
"神様"が……?
[トリンクルには強い信仰心を持つ宗教がありますし、アイライトもそれなりに信心を持つ人間ではありました。 しかし、彼が言うのがその神様のことかわかりません。 アイライトは少し黙って、真剣に考えてみます。]
(19) 2015/01/11(Sun) 23時半頃
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[そうして考えた後に、故郷のことを告げることにしました。]
……わたし達の"星"は、もうすぐ…… "オワリ"を/迎える/のです。
[衝撃的なその事実は、アイライトにとってもはや受け入れるものとなっていました。きっとこの船のおかげです。 原因は色々とありますが……、と切り替えて続けます。]
星と"とも"に滅びる……という/ヒト/も多くアリマス。 だから……#本当#は次の"コンサート"があるか"ワカリマセン"。
[実際のところ、光彩楽団はこの年末が最後のコンサートになるだろうという話になっていました。]
デモ……だからこそ、"もし"……『もう一度』あなたが /演奏/を聴けたとしたら……それは"キット"、『神様』が 許してくれた……んだと、"思います"
[真摯に、できるだけ誠実に言葉を選んで、その輝く瞳でまっすぐにエフの顔を見つめながらアイライトはそう告げました。]
(20) 2015/01/12(Mon) 00時頃
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